音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■第 1回 「 平均律クラヴィーア曲集 第 2巻・アナリーゼ講座 」 のご案内■

2013-03-28 14:37:33 | ■私のアナリーゼ講座■

■第 1回 「 平均律クラヴィーア曲集 第 2巻・アナリーゼ講座 」 のご案内■
      第 1番  C-Dur BWV870  prelude & fugue 
        ~  countepoint 対位法 のあらゆる技法を提示している第 1番 ~

                                           2013.3.28  中村洋子

 

 

★2010年~2012年にかけ、Johann Sebastian Bach  バッハ  ( 1685~1750 )
 
「 Wohltemperirte Clavier Ⅰ 平均律クラヴィーア曲集  第 1巻 全 24曲 」 の、

アナリーゼ講座を、開催いたしました。

毎回、一つの調の prelude & fugue を扱い、全 24回でした。


Pablo Casals パブロ・カザルス(1876~1973) は、 「 Bach の

平均律クラヴィーア曲集 Wohltemperirte Clavier が〝旧約聖書″、

Beethoven ベートーヴェン(1770~ 1827)の Klaviersonaten Nr.1-32

ピアノソナタ 32曲 が 〝新約聖書″ と、よく言われるが、

平均律曲集  Wohltemperirte Clavier が、旧約聖書であり、新約聖書でもある 」

と、語っています。


★クラシック音楽は、 すべて Bach が源であり、Beethoven などの豊かな大河が、

そこから、生まれ育った、という意味でしょう。

 Wohltemperirte Clavier Ⅰ 平均律第 1巻 24曲は、

≪ 調性とはなにか≫、という問いに対する、完璧な解答です。


★それでは、Wohltemperirte Clavier Ⅱ 平均律第 2巻 全 24曲で、

Bach は、何を追究したのでしょうか

それを、探究することが、この講座の目的です。

それを学ぶことにより、クラシック音楽のいかなる作品も、

その価値を、判断できるようになり、

演奏の基礎の基礎を、得ることができるのです。

 

★Albert Schweitzer アルベルト・シュヴァイツァー (1875~1965) は、

幼い子供こそ、バッハを演奏するべきである、と言っております。

音楽の価値を測る物差しが、養われ、

終生、持ち続けることになるからです。

 


第 2巻 1番、ハ長調 BWV 870 前奏曲 は、

C の 3小節にわたるオルガンポイントの上に、おごそかに、

16分音符の c d f が、奏でられます。

この c d f こそが、 Wohltemperirte Clavier Ⅰ 平均律第 1巻 で、

Bach が、追及した命題でした。

 

★二声で始まった 1番前奏曲は、次第に、声部を増やし、

最後は、六声で終結します。

大輪の花が、開いたのです。

 

★1番の三声フーガは、明るく軽やかで、屈託のない音楽です。

しかし、最後は、堂々たるオーケストラのような、

五声となります。

この声部、つまり 「 counterpoint 対位法 」 を、

どのように、分析理解するか、

それが、演奏の要となってくるのです。


★Wohltemperirte Clavier Ⅱ 平均律第 2巻は、

counterpoint 対位法の、究極の姿を、追究したものでしょう。

Bach の自筆譜を基に、分かりやすく、一歩一歩、

ともに、学んでいきたいと、思います。

 

 

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■ 日  時 :  2013年 5月 21日(火) 午前 10時 ~ 12時 30分

■ 会  場 :  カワイ表参道  2F コンサートサロン・パウゼ

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■ 講師:作曲家 中村 洋子

 東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。

 2003年~ 05年:アリオン音楽財団《東京の夏音楽祭》で新作を発表。

 07年:自作品 「 無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 などをチェロの巨匠W.ベッチャー氏が

   演奏した CD 『 W.ベッチャー日本を弾く 』 を発表。

08年:CD 『 龍笛 & ピアノのためのデュオ 』、

        CD ソプラノとギターの 『 星の林に月の船 』 を発表。

 08~09年: 「 バッハのインヴェンション・アナリーゼ講座」 全 15回を開催。

09年10月: 「 無伴奏チェロ組曲第 2番 」 が、W.ベッチャー氏によりドイツ・マンハイムで 初演される。

10~12年:バッハ平均律クラヴィーア曲集第 1巻の全曲アナリーゼ講座 (24回)を、カワイ表参道で開催。

10年:「 Suite Nr.1 für Violoncello  無伴奏チェロ組曲第 1番 」 が、ベルリンのリース&エアラー社 Ries & Erler Berlin から出版される。

CD 『 無伴奏チェロ組曲  第 3番、2番 』 W.ベッチャー演奏を発表。

「 Regenbogen-Cellotrios レーゲンボーゲン・チェロトリオス ( 虹のチェロ三重奏曲集 )」 が、ドイツ・ドルトムントのハウケハック社 Musikverlag Hauke Hack 社から出版される。

 11年4月:「10 Duette für 2 Violoncelli  チェロ二重奏のための10の曲集 」が、ドイツの「 Ries & Erler  Berlin 、リース&エアラー社 」から出版される。

 12年12月:Zehn Phantasien für Celloquartett (Band 1,Nr.1-5) チェロ4重奏のための10のファンタジー(第 1巻、1~5番)が、ドイツ・ドルトムント Musicverlag Hauke Hack社から出版される。

 スイス、ドイツ、トルコ、フランス、チリ、イタリアの音楽祭で、自作品が演奏される。

 

 ●上記の楽譜とCDは、「 カワイ・表参道 」 http://shop.kawai.co.jp/omotesando/ 

  「アカデミア・ミュージック 」 https://www.academia-music.com/ で、販売中。

 

 

 

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