■ 「 第 9回 名古屋 インヴェンション・アナリーゼ講座 」
~曲集の頂点をなす 9番の 「 受難のモティーフ 」 は、どこから来たか~
2012.9.19 中村洋子
★バッハ・インヴェンション講座も、三分の二の道のりに、
さしかかりました。
西洋クラシック音楽では、曲の三分の二のところに、
クライマックスを置くことが、よくあります。
ソナタ形式ですと、ちょうど、展開部が終わり、
再現部に、入るところです。
★このインヴェンション、シンフォニアとも、
バッハは、曲集としての大きなクライマックスを、
この 9番に置いている、と私は考えます。
★バッハの受難曲では、キリストが受難する場面が、頂点となります。
その受難を象徴する 9番と、その前後の 8番、10番とが、
どのような関係で、結ばれているか、詳しく、お話いたします。
★インヴェンション 9番は、「 嘆き(エスプレッシーヴォ)の歌 」。
シンフォニア 9番は、印象的な 「 半音階 」 のバスに、
歩行の音形がかぶさり、沈痛に曲が始まります。
★ロ短調ミサ曲や、平均律クラヴィーア曲集 1巻 24番、
Oboe Concerto in D minor 「 オーボエ協奏曲 」 との、
★9番は深い内容ですので、“ 子どもに与えるには早すぎる ”
というのは、大きな間違いです。
★宗教的な意識の有無を問わず、バッハの音楽は、
人類共通の、普遍の感情を表現しています。
誰が弾いても、美しく深く、音楽の真の喜びを、
味わうことができます。
人類にとって、かけがえのない宝物なのです。
★レッスンを始めて間もないお子様でも、無理なく弾けるような、
指導方法や、バッハのカンタービレ奏法とは、何か、
分かりやすく、ご説明いたします。
★曲の構成を詳しく理解することによって、
バッハを弾くことが、さらに喜びに満ちたものとなり、
■講師 : 作曲家 中村 洋子
東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。日本作曲家協議会・会員。 ピアノ、チ ェロ、室内楽など作品多数。
2003年~ 05年:アリオン音楽財団《東京の夏音楽祭》で新作を発表。
07年:自作品「無伴奏チェロ組曲第 1番」などをチェロの巨匠W.ベッチャー氏が演奏した CD 『 W.ベッチャー日本を弾く 』 を発表。
08年: CD 「 龍笛&ピアノのためのデュオ 」、CD ソプラノとギターの 「 星の林に月の船 」 を発表。
08 ~ 09年 :「 バッハのインヴェンション・アナリーゼ講座 」全15回を開催。
09年10月:「 無伴奏チェロ組曲第 2番 」が、W.ベッチャー氏により、ドイツ・マンハイムで初演される。
10年: 『 無伴奏チェロ組曲第 1番 』 が、ベルリンの リース&エアラー社 Ries &Erler Berlin から出版される。
CD 『 無伴奏チェロ組曲第3番、2番 』 W.ベッチャー演奏を発表。
「 レーゲンボーゲン・チェロトリオス( 虹のチェロ三重奏曲集)」が、ドイツ・ドルトムントのハウケハック社Musikverlag Hauke Hack社から出版される。
10年1月~12年6月:バッハ・平均律クラヴィーア曲集第 1巻の全曲アナリーゼ講座(全 24回)を、カワイ表参道で開催。
2011年 4月 :「 10 Duette für 2 Violoncelli チェロ二重奏のため の 10の曲集 」が、ベルリンの 「 Ries &Erler Berlin 、リース&エアラー社 」から出版される。
スイス、ドイツ、トルコ、フランス、チリ、イタリアの音楽祭で、自作品が演奏される。
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