■第14回平均律アナリーゼ講座は、第 1巻 第 14番 嬰へ短調 前奏曲 と フーガ■
≪ブラームス 三つの間奏曲-3番 Op.117 の源泉は、14番フーガです ≫
2011.6.21 中村洋子
★本日は、第13回 平均律アナリーゼ講座を、開催いたしました。
J.S.Bach バッハを源泉として、Beethoven ベートーヴェン、
Debussy ドビュッシーが、どのように、
自分の曲を創作していったかなどを、お話することができました。
★次回の第14回講座では、晩年のブラームスが深く、深く、
バッハを追及していった、その過程を、ご一緒にたどります。
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■第 14回 中村洋子「バッハ 平均律・アナリーゼ講座」■
▼第 14回 第 1巻 第 14番 嬰へ短調 前奏曲 と フーガ
≪ブラームス 三つの間奏曲-3番 Op.117 の源泉は、14番フーガです
日時:2011年 7月 14日(木) 午前 10時 ~ 12時 30分
会場:カワイ表参道 2F コンサートサロン・パウゼ
会費:3,000円 ( 要予約 ) Tel.03-3409-1958
★「 平均律 1巻 14番嬰へ短調 」の前奏曲は、日本の解説書には
「 インヴェンション風の前奏曲 」と、判で押したように説明されています。
2声であるから“ インヴェンション ”という理由なのでしょうが、
インヴェンションの定義や理解もないままそう書かれても、
読者にはなんのことかさっぱり分からないでしょう。
★13番嬰へ長調は、平均律の後半を始める曲にふさわしく、
明るく、晴れやかな曲です。
その前後の12番と14番は、この13番を蝶つがいにして、
相互に見つめ合うかのように、
共通のモティーフを使って作曲されています。
そして、14番の前奏曲は、第 1巻 12番ヘ短調、13番嬰へ長調から、
途切れることなく、流れるように展開されています。
★14番 fuga フーガ は、24番 fuga フーガ と共通する
「 2度の motiv モティーフ 」 が、対主題の中で用いられています。
この 「 2度の mativ モティーフ 」 を、研究し尽くしたのが、
BRAHMS ブラームス です。
その成果が、
「 Intermezzos 三つの間奏曲 Op.117の第 3番 嬰ハ短調 」 に、
歴然と表れています。
★この間奏曲は、ブラームス晩年の作品ですが、
この Op.100番台のピアノ小品集こそが、
20th century 二十世紀音楽への扉を開いたことは、
まぎれもない事実です。
「 ブラームスは晩年、創作力が衰えたから小品集しか、書けなかった 」
という、愚かな解説に、どうか、惑わされないでください。
この作品群を研究し尽くし、20世紀音楽の土台を築いたのが、
Arnold Schönberg シェーンベルクなのです。
■講師:作曲家 中村 洋子
東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。
2003年~ 05年:アリオン音楽財団《東京の夏音楽祭》で新作を発表。
07年:自作品「無伴奏チェロ組曲第 1番」などをチェロの巨匠W.ベッチャー氏が演奏したCD『 W.ベッチャー日本を弾く』を発表。
08年:CD「龍笛&ピアノのためのデュオ」、CD ソプラノとギターの「 星の林に月の船 」を発表。
08~09年 :「 バッハのインヴェンション・アナリーゼ講座 」全15回を開催。
09年10月:「 無伴奏チェロ組曲第 2番 」が、W.ベッチャー氏により、ドイツ・マンハイムで初演される。
10年:「 無伴奏チェロ組曲第 1番 」が、ベルリンのリース&エルラー社 Ries &Erler Berlin から出版される。
CD『 無伴奏チェロ組曲第3番、2番 』 W.ベッチャー演奏を発表。
「 レーゲンボーゲン・チェロトリオス( 虹のチェロ三重奏曲集)」が、ドイツ・ドルトムントのハウケハック社Musikverlag Hauke Hack社から出版される。スイス、ドイツ、トルコの音楽祭で、自作品が演奏される。
10年1月より:バッハ・平均律クラヴィーア曲集第 1巻の全曲アナリーゼ講座を、カワイ表参道で開催中。
2011年 4月 :「 10 Duette fur 2 Violoncelli チェロ二重奏のため の 10の曲集 」が、 ドイツの「 Ries & Erler Berlin 、リース&エ アラー社 」から出版される。
● 今後のスケジュール
第 15回 8月 31日(水) 第 15番 ト長調 前奏曲&フーガ
第 16回 9月 29日(木) 第 16番 ト短調 前奏曲&フーガ
午前10時~12時30分 会費:3,000円
※copyright ©Yoko Nakamura
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