■平均律クラヴィーア曲集1巻4番・前奏曲は、深刻に重々しく弾くべきか?■
2010・4・27 中村洋子
★寒い4月です。
咲き始めましたツツジも、冷たい風に揺れています。
明日の平均律アナリーゼ講座には、
たくさんの皆さまのご予約をいただき、とても、嬉しいです。
★今回の「 4番・嬰ハ短調 」については、
フーガのテーマの“ 音形 ”が、「十字架の形をしている」と、
平均律の解説書には、繰り返し記載されています。
まるで、エンドレステープのようにしつこく、
孫引きに孫引きが、重ねられています。
テーマを構成する各々の音を、和声上の機能から考えますと、
私は、このテーマは、十字架の形にはなっていないと、思います。
★前奏曲も、それに引っ張られるように、
“ 重々しく弾かなければいけない ”、
“ 深刻に弾くべきだ ”として、
「子どもには早すぎる、レッスンには使えない」と、
敬遠されている方が、多いのではないでしょうか。
★平均律1巻を、4曲ずつのセットと見る場合、
4番は、最初のセットの最後の曲です。
喜びに満ちた 1番と、合わせ鏡のように、
見つめ合っている曲、と言うことができます。
同時に、遥か彼方の24番とも、呼応しています。
★4番前奏曲の 36小節目、アルトの 2拍目 Ais,Gis の 8分音符に、
バッハ自身が、珍しく、スラーを付しています。
同様に、3拍目 H,Ais にも、スラーを付しています。
★バッハがスラーを、わざわざ記したのは、
そこが、とても重要な個所であると、知らせるためです。
自筆譜では、この部分が、とても目に入りやすい、
目立つ場所に、据えられています。
★このスラーは、24番の要の場所にも、同様に記されています。
36小節目の、このスラーの部分が、
4番のフーガの、テーマに育っていくのです。
また、このスラーは、実は、
バッハ・フランス組曲の舞曲とも、深い関係があるのです。
★明日の講座では、バッハ・フランス組曲と、
この前奏曲4番についても、お話いたします。
★この4番は、もったいぶったり、秘密めかして、
深刻に弾く必要は、全くありません。
心の底から、歌い、共感して演奏できるような曲しか、
バッハは、作曲していないのです。
( シャガの花 )
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲
2010・4・27 中村洋子
★寒い4月です。
咲き始めましたツツジも、冷たい風に揺れています。
明日の平均律アナリーゼ講座には、
たくさんの皆さまのご予約をいただき、とても、嬉しいです。
★今回の「 4番・嬰ハ短調 」については、
フーガのテーマの“ 音形 ”が、「十字架の形をしている」と、
平均律の解説書には、繰り返し記載されています。
まるで、エンドレステープのようにしつこく、
孫引きに孫引きが、重ねられています。
テーマを構成する各々の音を、和声上の機能から考えますと、
私は、このテーマは、十字架の形にはなっていないと、思います。
★前奏曲も、それに引っ張られるように、
“ 重々しく弾かなければいけない ”、
“ 深刻に弾くべきだ ”として、
「子どもには早すぎる、レッスンには使えない」と、
敬遠されている方が、多いのではないでしょうか。
★平均律1巻を、4曲ずつのセットと見る場合、
4番は、最初のセットの最後の曲です。
喜びに満ちた 1番と、合わせ鏡のように、
見つめ合っている曲、と言うことができます。
同時に、遥か彼方の24番とも、呼応しています。
★4番前奏曲の 36小節目、アルトの 2拍目 Ais,Gis の 8分音符に、
バッハ自身が、珍しく、スラーを付しています。
同様に、3拍目 H,Ais にも、スラーを付しています。
★バッハがスラーを、わざわざ記したのは、
そこが、とても重要な個所であると、知らせるためです。
自筆譜では、この部分が、とても目に入りやすい、
目立つ場所に、据えられています。
★このスラーは、24番の要の場所にも、同様に記されています。
36小節目の、このスラーの部分が、
4番のフーガの、テーマに育っていくのです。
また、このスラーは、実は、
バッハ・フランス組曲の舞曲とも、深い関係があるのです。
★明日の講座では、バッハ・フランス組曲と、
この前奏曲4番についても、お話いたします。
★この4番は、もったいぶったり、秘密めかして、
深刻に弾く必要は、全くありません。
心の底から、歌い、共感して演奏できるような曲しか、
バッハは、作曲していないのです。
( シャガの花 )
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲