音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■■ 斎藤明子さんの ≪ バッハ演奏会 ≫ のご案内 ■■

2010-04-17 00:37:49 | ■ お薦めのコンサート ■
■■ 斎藤明子さんの ≪ バッハ演奏会 ≫ のご案内 ■■
       ~ 無伴奏チェロ組曲1、2、3番を 10弦ギターで~
                    10.4.17 中村洋子


★私が、心から信頼しています、

数少ない日本の音楽家のうちの一人、

斎藤明子さんの 10弦ギターによる

「 バッハ無伴奏チェロ組曲 1、 2、3番 」 の演奏会を、

ご紹介いたします。


★演奏会: ≪ 斎藤明子の 10弦ギターで聴くバッハ ≫

日時: 明4月18日(日曜日)午後 3時 15分から、

会場: 池袋・自由学園明日館講堂 ( ℡ 03-3971-7535 )
    JR池袋・メトロポリタン出口から、徒歩5分
    フランク・ロイド・ライト設計の明日館と、向かい合わせの建物

チケット:3000円 ( 当日 )
前売りは2700円= ℡03-3937-2608 ( 緑の街ミュージックフレンズ )


★斎藤さんは、昨年9月、軽井沢・大賀ホールで、

ヴォルフガング・ベッチャー先生が、私のチェロ組曲 2、3番を

録音してくださった際、わざわざホールまで、訪ねていらっしゃり、

ベッチャー先生の演奏を、集中して聴き、たくさんのことを学び、

吸収されました。


★その美しい結実が、今回の「バッハリサイタル」となり、

さらに、6月6日には、

ベッチャー先生が録音された私の 「 無伴奏チェロ組曲3番 」 を、

10弦ギターで、日本初演されます。


★斎藤さんの略歴です

東京都出身。4歳よりギターを始める。
当時日本のギター界は、幼児教育の可能性を探り始めたばかりで、
その第1号として育てられる。
15才でデビューリサイタル開催。
翌年、スペインの世界的ギタリストである
ホセ・ルイス・ゴンサレス氏に認められ、スペインへ1年間留学。
慶応義塾中等部、女子高等学校卒業後、
大東音楽アカデミーに入学、中村洋子にソルフェージュ、
和声学、アナリーゼを学ぶ。
その後、1988年キジアナ音楽院にて特別ディプロマを得る。
スイス政府支給の留学金を得てスイス・バーゼル音楽院に留学、
オスカー・ギリヤ氏に師事。
1987年第30回東京国際ギターコンクール第1位、
1989年ミュンヘン国際音楽コンクールギター部門
ファイナリストとなり奨学金を授与されるほか、
国内外の数々のコンクールで優勝・入賞を果たす。
アイルランド、ギリシャ、ウィーン、
ニューヨークのカーネギー・リサイタルホールなどでリサイタルを行ない、
国際的な評価を得る。
ソニーレコードより、スペインの楽曲を集めた“スペイン”(1992年)、
中南米の作品を集めた“アール・ソヴァージュ”(1993年)、
自身のアレンジによる、クラシックの名曲を集めた
“ギターロマンティック”(1995年)を発表。
1997年に軽井沢に移住。
自然の中での生活で、日本人本来の生活観や感性に触れる。
そんな折に中村洋子氏の作品と出会い深く共感し、
大切なレパートリーとなっている。
現在は通常のギターよりも低い音域を広げた、
10弦ギターを使用している。

★以下は、音楽雑誌 「 現代ギター」の 09年 10月号に

掲載されました、私と濱田滋郎さんとの対談です。

ここで、斎藤さんの音楽について、詳しく述べられています。



■斎藤明子さんと ≪ 星の林に月の船 ≫

濱田 このたび、お作品のCD を2 枚、お聴かせくださ
いましたが、どちらもたいへん興味深く味わせていただ
きました。初めに、ソプラノの五十嵐郁子さん、ギター
の斎藤明子さんの演奏された〈星の林に月の船〉という
作品、全体で50 分近くもかかる〈日本の十二ヶ月〉と
いう作品、これはソプラノ独唱とギターですが、ソプラ
ノは歌詞なしのヴォカリーズになっているのが、ある意
味で、ギターをより良く生かすことにもなり、傾聴いた
しました。ヴォカリーズにされた、ということの意図は
どのへんにおありだったのでしょう。

中村 歌の部分を、フルート、ヴァイオリン、1 オクタ
ーヴ下げたチェロなど、ギターと器楽による二重奏でも
演奏できることを、作曲当初から意図していました。日
本語の詩を伴なった歌曲集ですと、残念ながら、日本人
以外には、なかなか理解しづらい面があるからです。音
楽の基本はやはり人の声によるものですので、このCD
を聴いて、他の楽器による演奏もしていただくのが私の
希望です。

濱田 斎藤さんのソロでは、〈十三夜〉という曲が、微
妙にテンポを変えた2 つのヴァージョンで、聴かれます。
これも興味深く、明子さん(まだ、ほんの少女でいらし
た頃から知っているので、ついこう呼んでしまいます)
の演奏も、素晴らしいセンスを示されていると、思いま
す。明子さんとは、どのように知り合われ、作品をいくつ
も彼女に書かれるほど親交を重ねられてこられたのでし
ょうか。彼女について、アーティストとして、また人と
して、中村さんがどのように見ていらっしゃるか、プロ
フィールを交えて、お聞かせください。


■音楽理論を、完璧に身につけたギタリストが斎藤さん

中村 彼女が、慶應女子高を卒業した19 歳頃からの師
弟関係です。その頃、故 寺西春男・桐朋学園大教授が、
「大東音楽アカデミー」という音楽の専門学校を開設されて
いました。そこは普通の音大では別々の教科として、無
味乾燥な授業が行なわれているソルフェージュ、楽曲分
析、和声、対位法を、その人が取り組んでいる曲を通じて、
総合的に教えることを目指していました。明子さんは、
そこの第一期生でした。

 彼女は大東アカデミーに限らず、私の教えた生徒の中で
最も優れた音楽家でした。彼女は、ギタリストに欠けている
音楽理論を真摯に学び、ピアノやヴァイオリンなどの
素晴らしい演奏家と比べて、同等か同等以上に完璧に
生きた理論を身につけました。
日本のギタリストに最も欠けている理論面を、
彼女はデビュー当時から、完全に克服していたのです。

 彼女は現在軽井沢に住み、夫の尾尻雅弘さんと、3 人
のお子様に囲まれ豊かな自然に親しみながら、着実に音
楽活動をされています。

濱田 もう1 枚のCD ですが、これは、私もかねがね演
奏ぶりに敬服の念を抱いているドイツのベテラン・チェ
リスト、ヴォルフガング・ベッチャーさんの純然たるソ
ロですね。タイトルは『ベッチャー、日本を弾く』とあ
りますが、すべて中村洋子作曲。殊に〈無伴奏チェロ組
曲1 番〉は、8 章からなる力作で、日本の山国の、私た
ちもつい忘れがちな田園生活にちなむ小品が並んでおり
ますね。ベッチャーさんが作品に込められたものを、じ
っくり読み込んで素晴らしく弾かれていると感じました
が、そもそもこの大家と知り合われた経緯、ベッチャー
さんに関してなど、少しお話しいただけましたら……。


■ベッチャー先生のこと

中村 ベッチャー先生は、はっきり言いまして、日本で
はあまり知られた方ではありません。最近の風潮として、
若手をもてはやすコマーシャリズムのせいで、本当の芸
術家が人口に膾炙することは、残念ながらほとんどあり
ません。しかし、現在のヨーロッパではベッチャー先生
は、最も力を持った最高のチェリストという評価が定ま
っているようです。10 年ほど前、先生が日本で公演をな
さるに当たり、「アンコール用に、〈荒城の月〉を弾く予
定であるが、ピアノ伴奏のチェロ用に編曲されたもので
なかなかいいものがない、新しく編曲をお願いしたい」
という依頼がきました。それがそもそもの馴れ初めです。

 それ以来、先生とはとても親しくお付き合いをしていた
だいております。私の〈チェロ組曲第1 番〉も喜んで録
音してくださいました。また、2 台チェロ、3 台チェロ、
12 人チェロの新作やピアノトリオなどもヨーロッパで初
演していただき、折にふれ再演されています。またこの
9 月には、私の〈無伴奏チェロ組曲第2 番〉と〈3 番〉を、
新たに録音していただきます。とても楽しみです。

 ベッチャー先生は、1935 年ベルリン生まれ、現在の
ベルリン芸術大学で、ブラッヒャー、ペッピングに作曲
理論、クレムにチェロを学び、カラヤン時代のベルリン
フィルで、1976 年まで、首席チェロ奏者を務めました。
その後、ベルリン芸大の教授に就任すると共に、同フィ
ルのコンサートマスターだったブランディスさんなど
と「ブランディス弦楽四重奏団」を結成しました。また、
ソリストとしても世界各国で活躍されています。先生の
楽器は、ヴェネチアのマッテオ・ゴフリラー(1722 年)
という名器です。故 パブロ・カザルスも、このゴフリラ
ーでした。


■神経を逆なでするような現代音楽は、求められているか?

濱田 中村さんは「作曲とは聴き手との心の交流でなけ
ればならない」と思っていらっしゃるのではないでしょ
うか。芸大で学ばれた頃といいますと1970 年代ですか、
「その頃は、前衛に非ずば、現代音楽に非ず」というよ
うな風潮が強く、聴いてわかりやすい音楽を書くことは、
むしろ蔑まれました。この点は、どのように感じていら
っしゃいますか。

中村 日本の「前衛」作品は、ほとんど欧米の作品のパ
ッチワークでしたので、たとえば、ブーレーズが新作を
発表しますと、すぐに日本の有名な作曲家がそれを模倣
した作品を書く。そして驚くべきことに、それを誰も気
が付かず、オリジナルと見て高く評価している。という
風潮を実に興味深く眺めていました。

 私は、それよりも西洋音楽の根幹を成す和声、対位法、
フーガを徹底的に身につければ、本物の何かが見つかる
のではないかと思い、黙々と勉強を続けていました。
奇抜なアイディアや、威嚇するような汚い音、
悲鳴のように神経を逆なでする騒音で作られた音楽を
人は本当に必要とするのでしょうか。

 そのような音楽ばかりですと、そういう音楽は衰退
するばかりで、本当の音楽を愛する方にも見放されてい
く運命だと思います。音楽は作曲家の恣意的な自己主張
のためにあるというより、むしろ聴く人と弾く人のため
のものです。私の〈無伴奏チェロ組曲第1 番〉は、音楽
の専門家からはほとんど反応がありませんが、音楽を心
から愛する、普通のたくさんの皆さまから「毎日、必ず
聴きます」「これは、私のための音楽です」などの反応を、
日本とドイツの双方からいただいております。

 ベッチャー先生も作品についてのそのような評価を、
心から喜んでくださり、ドイツで、何度も弾いて
くださっています。
「この作品は、これから世界でたくさんのチェリストが
弾きます」と、おっしゃっています。この曲の楽譜が近々
ドイツの歴史ある出版社から出版される予定です。


■ギター二重奏の曲≪もがみ川≫も、斎藤さんご夫妻で演奏

濱田 ここに「山形新聞」(2008 年9 月9 日付)の記事
コピーがあり、松尾芭蕉の『奥の細道』にちなんで、山
形民謡〈最上川船唄〉に基づくギター二重奏の曲〈もが
み川〉を書かれ、斎藤明子さんと尾尻雅弘さんとのデュ
オで初演されたことが載っています。実は私、父母が山
形県出身で、父親が〈最上川船唄〉を口ずさんだりして
いたものですから、とても親近感があります。この作品
について、また、民謡を作品に使われることの意味、お
もしろさ、あるいは難しさなどについてお話ください。

中村 あまり知られていませんが、コダーイやバルトー
クに限らず、ベートーヴェンやブラームス、チャイコフ
スキーなどの作曲家も、民謡を研究し、そこからテーマ
を紡ぎだしています。ベートーヴェンは、40 代で、スコ
ットランド、アイルランド、ウェールズなどの歌曲を編
曲しています。大作曲家が、なぜ、そのような仕事をし
たか? これは、自分の滋養とするためであることは、
間違いありません。ブラームスは、「鉄道が通るような
ところの民謡は、もう駄目だ」と言いながらも、膨大な
民謡を収集していました。チャイコフスキーとストラビ
ンスキーが、同じ民謡の旋律を使って有名な作曲をして
いることはご存知の通りです。

 民謡とは、人々が長い間にわたって伝唱してきた旋律で、
無駄がなく展開に耐えうる力強いものが多いのです。
しかし、安易に媚びて編曲したものとは
峻別しなければなりません。


■バッハの前奏曲のような、斎藤さんの≪十三夜≫

 CD『星の林に月の船』には、ギターソロの〈十三夜〉
という曲も入っています。明子さんの〈十三夜〉は、録
音する際、試みとして彼女に2 つのテンポで弾いていた
だきました。
 まるで、バッハの前奏曲を聴いているような、
構成のしっかりした高潔な演奏でした。バッハの前奏曲も、
いろいろな奏者が異なるテンポで弾かれているのですが、
1 人の奏者が2 つの異なるテンポで演奏した
美しい例として記録したいと思い、この2 つを曲集『日
本の十二ヶ月』前後に収録しました。この曲は、1 月~
12 月まで、チャイコフスキーの〈四季〉のように書いた
曲です。作曲後、どうしてもギターソロ曲を書きたくな
ったのです。2 つのテンポを収録することで、前奏曲と
コーダに似た構成となりました。

 8 月18 日、来日中に急逝されました世界的なソプラ
ノ歌手、ヒルデガルト・ベーレンス先生に、去年音楽祭
でお会いした時、先生のほうから「あなたの曲が入った
CD が欲しい」とおっしゃいました。そのCD を贈呈さ
せていただきましたので、今年ご感想をお聴きしたいと
思っておりましたが、とても悲しく残念でなりません。


■相性がたいへん良い、ギターとチェンバロ

濱田 ところで、最近ある演奏会で中村さんがチェンバ
ロを弾かれたと伺いました。ギターとチェンバロの相性
は、いかがでしょう? 例えば、ポンセにもこの取り合
わせの曲がありますが……。

中村 ギターとチェンバロの相性はたいへんいいと思い
ます。その演奏会は、2 台のギターとチェンバロ、フル
ートの編成でしたが、ベッチャー先生が、冗談で「3 つ
のピチカートとフルートだね」とおっしゃっていました。
 弦を弾はじくという点では、ギターとチェンバロはよく似
ており、特に、チェンバロのリュートストップとギター
の組み合わせが美しく感じられました。以前、ミーント
ーン調律したチェンバロのための曲を書いたことがあり
ます。これからの計画として、斎藤さんとチェンバロと
ギター二重奏、ピアノとギター二重奏の仕事も考えてお
ります。

濱田 ギターはフレットが入っていてどうしても平均律
ですが、それでも名手たちの中には、押さえた指で弦を
微妙にずらし、ミーントーンかは知らず微妙な音程を作
り出せる人がいます。音程感覚にはそのように敏感であ
りたいですね。

中村 同感です。ミーントーン調律の曲は〈Wolf in the
sky〉という名前で、うなりの少ない美しい3 度と、耳
障りなうなり(wolf )が出る4 度の音程を効果的に使
いました。この調律で現出する和音の性格は、現代の和
声法とは違う体系となると思いますが、“宇宙的な響き”
がしたかもしれませんね。
 
 ミーントーン調律で作曲された古い作品を研究します
と、現代の平均律で調律された長三和音、短三和音、減
三和音、増三和音、属七の和音、減七の和音のカテゴリ
ー分けが、まったく異なってくることがわかります。当
時の人々は、テレビも拡声器も電子音もない静かな静粛
な環境で、この響きの差をじっくりと聴き分け楽しんで
いたのでしょう。騒音にさらされている現代人の耳は、
かなり大雑把になっています。
 日本のお箏についてですが、お箏はフレットがないの
で、古典的調弦をすれば、耳のいい奏者はうなりの少な
い美しい音程を、瞬時につくりながら演奏できるはずで


■優れた演奏家と“ 共同創作 ”、その結果が私のギター曲

濱田 ところで、中村さんにとって「ギター曲を書く」
というのは何か特別なことでしょうか。例えば、ベルリ
オーズなども「ギターはまことに特殊な楽器で、これの
ために作曲することは、ギター奏者でなければできない」
と、述べているのですが……。

中村 私の場合、どういう楽器を選択するかは、優れた
演奏家と“共同創作”できるかどうかにかかっています。
現代の進歩したギター奏法であれば、ベルリオーズの考
えは杞憂でしょう。

濱田 それにちなんでナルシソ・イエペスは、言ってい
ました。「私のために書いてくれる作曲家は、けっして
ギターのことをあれこれ調べてくれるな。ただ純粋に“音
楽”を書いてくれさえすれば、実際に弾くことはこちら
で考えるから」と。つまり、ギターに馴れすぎるとルー
チン・ワークになりやすい。それが嫌だ、というんです
ね。中村さんの場合、ギターという楽器のメカニズムが、
すっかり頭に入っておられるのでしょうか。

中村 私はまず、書きたい曲想があり、その奏法が可能
かどうかを斎藤さんと検討するという方法をとります。
しかし、イエペス流の考えを極端に推し進め、作曲家が
奏者に無理強いをするような作曲法は好みません。反対
です。
 有名な日本の現代曲の作品で、ある楽器の音域を越え
た音が書かれており、作曲家が奏者に「それならば、自
分で弾いてごらんなさいよ」と言われたという笑い話も
あります。


■10弦ギターのもつ、大きな可能性

濱田 斎藤明子さんの場合、10 弦ギターを使われていま
すが、彼女のための作曲に当たっては、当然このことも
考慮されるのでしょうか。

中村 作曲家にとって、10 弦により低音をより多く使
えるのは、非常に作曲しやすいと思います。西洋クラシ
ック音楽は、「バス」を基本に、その上に和声をつくり、
対位法を構築していきますので、私にとって、バスの音
域が広がるということは、たいへんに大きな自由を得た
ような気がします。一番いい例がオルガンです。バッハ
のオルガン作品を聴きますと、ヨーロッパの音楽がいか
に、バスを土台として構築する音楽であるか、如実にわ
かります。

 しかし、10 弦ギターで作曲する場合でも、一般的なギ
ターが6 弦であるため、6 弦ギターでも演奏できるよう、
常に、OSSIA(あるいは、この奏法も可、の意味)を意
識して書いております。尾尻さんは、7 弦ギターをお使
いで、これもかなり融通の効く楽器です。

濱田 お作品は、室内楽、器楽が主のようにお見受けし
ますが、今後「このような作品をぜひ書きたい」という
構想をお持ちですか? また、ギター曲の畑では? 2
枚のCD を聴いた上で、もし、ベッチャー先生と明子さ
んのデュオを念頭に、チェロとギターの曲など生まれた
ら……と夢想しますが……。


■チェロの曲は、すべてギターで演奏可能

中村 ギターとチェロの組み合わせは、とても、美しい
と思います。また、斎藤さん、尾尻さんご夫妻のデュオ
の計画も進めていきたいと思っております。ベッチャー
先生のために、既に〈10 曲のチェロデュオ〉という曲も
書いていますので、それらをギター用に直して、弾いて
いただくことも可能です。これは、平易な演奏法で作曲
し、当初は先生とお孫さんの二重奏用でしたが、先生が
コンサートでも演奏されるようになった曲です。教会旋
法で書いたり、バロックの舞曲であったり、楽しいワル
ツなど、誰でも楽しみながらチェロを学習できるような
曲で構成しています。そして、最後の曲は、一転して、
12 音技法の楽しい曲で、その名前は〈ドデカフォニック・
ダンス〉です。

濱田 それでは、今日は本当にありがとうございました。
これからも、素晴らしい作品をお聴かせくださいますよ
う願っております。

         
                      ( 斎藤さんとベッチャー先生:大賀ホール )
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲
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