音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■ ショパン・バラード1番のアンコール講座を開催 ■

2008-10-17 11:50:21 | ■私のアナリーゼ講座■
■ ショパン・バラード1番のアンコール講座を開催 ■
            08.10.17   中村洋子

★9月15日に開催の「ショパン・バラード1番のアナリーゼ講座」は、

おかげさまで、大好評でした。

ご出席できなかった方から、アンコールの要望を多数頂きました。

このため、再度、開催することとなりました。


★日時:12月10日(水)午前10時~午後12時30分、

場所:カワイ表参道、連絡先 Tel 03-3409-1958。

資料、内容などは、基本的に同じものを使います。

若干の追加、変更があるかもしれません。

今回は平日です。

ご都合がおつきになる方は、どうぞお出かけください。


★ショパンが、チャイコフスキーに与えた影響について、

以前、ブログでご紹介いたしました。

きょうは、ドビュッシーとショパンとの関係を、お話いたします。


★ドビュッシー(1862-1918)は、1914年、

ショパンのピアノ作品全集を、校訂しました。

それを、1915~17年にかけ、デュラン社から、

12回にわたって、出版しました。

ちなみに、1917年は、バッハの「6つのヴァイオリンソナタ」、

「3つチェロソナタ」の校訂をし、没後の1923年に出版されました。


★ドビュッシーが晩年、自作品を創るかたわら、

ショパンとバッハの校訂に力を注いだ、ということは、

何か、象徴的です。

彼の大傑作「チェロとピアノのためのソナタ」が、

1915年7月~8月にかけて、作曲されたことと、

無関係ではないと思います。


★ドビュッシーがrevisionした、

ショパンのピアノコンチェルト1番、2番の楽譜が、

DURAND社から出版されています(1916年)。


★あの協奏曲を、なんと1台のピアノで弾けるようにしています。

世間一般の「編曲」は、大作曲家の作品に恐れをなして、

音を一つでも省略してはいけない、という恐怖から、

和音の束と、ピアニストの生理を無視した、

演奏困難で、使いものにならない作品が、

よく見受けられます。


★このショパンrevisionは、大作曲家ドビュッシーが、

そのような、自制から解き放たれ、まるで、

ピアノ独奏曲のような、作品に創り上げています。


★「弾いていて、とても楽しい」、それが率直な感想です。

私は「ドビュッシーの作品」として、弾きました。

また、とても弾きやすい曲でもあります。

この楽譜は、容易に入手できますので、これにより、

ショパンを存分お楽しみください。

飛び切り「推薦」★★★(三ツ星)の楽譜です。

そして、オーケストラスコアも、併せて、眺めてくださいね。


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