のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

レイソルはまだ「ブランド」になれない

2005年12月12日 | 柏レイソル
先週の土曜日、サッカーJ1だった柏レイソルのJ2落ちが決まりました。仲間内で親会社が悪いの、フロントが悪いの、いや、地元の柏がなにかレイソルのためにしたか、など熱く議論していました

たまたま読んでいたマーケティングの本の中で、「何代にも渡って情報(物語)を提供して、ようやくブランドになる」という一文があって、ああなるほどレイソルにはこれが足りなかったのではないかと行き着いたことがあります。

ブランドというのは生産者する側(ここではレイソル)と消費する側(ここでは地元柏という地域やサポーター)が同じ価値観を共有することが基本になるといいます。

『ブランドを確立してゆくためには、目先の利益に走ることは決して許されない。現在の顧客がいかに満足できるかを徹底的に追求しなくてはいけない。顧客には、何度も何度も何代にも渡ってその製品を選んでもらわなくてはいけない。製品の情報を徹底的に公開するだけでなく、どんな人が何を考えて、何を苦しんで、何を喜びとして、その製品作りに取り組んでいるのかを徹底的に公開し、伝えなければならない。そして何より良い顧客を選ばなくてはいけない。』(冨田きよむ『農家のマーケティング入門』農文協2004、p44)

生産者には生産者の物語があります。豊富で正確で、かつ、すばやい情報の伝達によってのみ、消費者の信用を担保できるはずです。

土曜日の試合直後のヴァンフォーレのHPには「J1決定」の文字が躍っていましたが、残念ながらレイソルのオフィシャルページは数日前のまま更新されてなく、陥落についてのコメントは一言もありませんでした。残留にしろ、陥落にしろ、試合結果によって決定するのですから、両方のコメントを用意し、直後にはどちらかのコメントを即座に発信することぐらいできたでしょうに。

試合後、競技場にサポーターが居残るという事件?があったようですが、当然、監督なり責任者が何らかの挨拶があるだろうと考えていたのに、いつまでたっても何もなかったから、結果的に居残ってしまったということのようです。サポーター(消費者)が今何を一番欲しているのか、興味がないようです。サポーターは選手や関係者と悲しみを共感したかったのではないでしょうか。

レイソルのJ2陥落はレイソルのひとつの歴史です。そこに信頼や共感があればサポーターをやめることはないでしょう。もし、去っていくものがあれば、それは良い顧客ではないのです。信頼や共感を共有できる顧客とともに新たな物語をつむいで行くことができるはずです。レイソルが「ブランド」になりたいならば、そこで起きたさまざまなことをきちんと速やかにかつ継続的に広く伝えていく必要があります。

わが身に置き換えてみると、今回のレイソルの失敗は他人事ではありません。このブログはなんとか発信していますが、HPの方がなかなかリニューアルできていません。さまざまなことをきちんと速やかにかつ継続的に広く伝えていく必要があるのはわが家の方かもしれません。