のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

冬のはなさかじいさん

2005年12月16日 | 今年の梨づくり
ナシ畑の表面が白くなっているのは霜ではなく、灰です。

連日寒い日が続き、わが家では薪ストーブが朝晩大活躍。ナシの幹や枝の薪を燃せば出てくるのは灰。一日で1Lほどの灰がでます。それをナシ畑に撒いています。

灰といって思い出すのが「灰を枯れ木にまいたら花が咲いた」という民話「はなさかじいさん」ですが、生命の究極の終わりである灰が新しい命を生み出すさまを描いているという解釈ができるといいます。他にも火の鳥伝説。不死鳥とも呼ばれますが、永遠に死なないのではなく数百年に一度、香木を積み重ねて火をつけ、その中に飛び込んで焼死するけれど、その灰の中からまた幼鳥となって現れる・・・。「灰かぶり姫」シンデレラも、どん底から幸せへの転換の物語・・・

ミネラルをたくさん含み、土壌改良効果(アルカリ化)、土壌微生物活性化(ミネラル類)、根張り向上、病原菌抑制、害虫忌避作用とさまざまな効果が期待できる究極のミネラルであると、『現代農業』2006年1月号が灰の利活用を特集しています。

ミネラルとは、カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄など栄養素として生理作用に必要な無機物のこと。ここ数年、ミネラルが土作りの現場でも注目されていて、わが家のナシでも積極的にマグネシウム、カルシウムを投入しています。それに加えて冬の間は、霜の降りた畑で毎朝「はなさかじいさん」になっています。

ちなみに、昔話にはさまざまな教えが隠されていて、知らず知らずのうちに生活の知恵が伝承されています。「かぐや姫」は竹が薬であること。「因幡のしろうさぎ」では海水に止血・消炎作用があって、ガマの花粉は空気を遮断して皮膚を保護できること。「こぶとり爺さん」では山フジのこぶが腫瘍に効果があるが、その効果は不果実であることなどを教え伝える話だそうです。