のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

GMと原子力

2006年02月20日 | 農のあれこれ
GMといってもゼネラルモータースではありません。遺伝子組み換えのこと。最近の新聞でGM作物の記事(朝日新聞060207-15p)と原子力発電の広告(朝日新聞060219 be on sunday 6p)が相次いで掲載されていました。

遺伝し組み換え作物とは、ある生物がもつ有用な遺伝子を別の改良しようとする生物のDNA配列に組み込んだ作物。たとえば、除草剤を散布されても枯れない大豆。作物以外の雑草だけを選択して枯らす除草剤により省力化、コスト削減を図ることができます。害虫抵抗性作物ができれば殺虫剤の使用を削減でき、砂漠でも育つ作物ができれば緑化や食料増産をもたらすといいます。逆に、害虫抵抗性作物により、より抵抗力の強い害虫を登場させるリスクがあるといわれます。また、種子を開発した大企業に全世界の食料が支配される可能性もあると指摘されています。

国内では7~8割の人が安全性への不安などからGM作物を食べたくないといわれていますが、国内で消費される大豆の6割はGM大豆という試算があるそうです。また、米国から輸入した種子にはGM品種が混じっていて「意図せずに」GMと非GMを混入、交雑する可能性があるともいわれます。実際、昨年2月には千葉などの港周辺の野生の菜種からGM品種が見つかったという報道もありました。有機肥料として広く流通している菜種粕にも当然混入されているともいわれます。


原子力発電の広告記事では、国際環境保護団体グリーンピースの共同創設メンバーで、原子力エネルギー反対の立場から推進に変わった方が登場。環境への負荷を減らすことも大事だが、世界中のエネルギー事情も満たさなければならない。非寛容な環境保護運動がCO2削減にブレーキをかけている。エコロジーは宗教でも、左翼も右翼もない。科学や論理、常識にのっとった「中道」だけが環境を守り、持続可能な社会をつくるといいます。

確かに原子力エネルギーの見直しが世界的に始まっているようです。マスコミも政治家もみんなで原子力エネルギーについてもっと議論すべきかもしれません。しかし、唯一の原爆被爆国民であることのアレルギーや原発廃棄物の負の遺産に対する不安も無視できないでしょう。


GM作物も原子力エネルギーも、現実では意志に関わらずその恩恵を享受していながら単なる不安から拒否するのはやはり矛盾しているでしょうか。

ものごとにはメリット、デメリットの両面があるのは当たり前。メリットが上回れば優先的に選択すべきと考えます。しかし、GM作物なら大規模な種子会社により食料が支配されるかもしれない。原子力エネルギーなら廃棄物を数百年間も管理し続けなければならない。そんな大きな仕組みを人の力で制御できるのだろうか。どちらにもメリット/デメリット問題以外にそんな不安が共通してあるように思います。

昨日の「ジャンケン文明」ならどう解決できるのでしょうか。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
このままでいいのか? (田原)
2006-02-22 10:33:40
毎日見ています。

”環境保護団体が原発に反対するが故に、CO2

の削減にはブレーキがかかるという問題”については初めて知りました。結構鋭いブラックジョークですね。この問題に対して杉野さんは、二元的な良否の解決ではなく、三方両得的な解決案を導くべきだと主張されているのかと思います。

 どれが正しく、どれが正しくないかという問題ですが、物事が複雑に影響しすぎていて

わけが判らないと言うことです。結局は個人が考えて自分なりの正解を見つけるしかないのかも知れません。

Think as deep as sea!
返信する
GPしかり (佐藤K(KAZZ Satoh))
2006-02-22 10:37:05
一番、気をつけなければいけないことは、無知でいること。そして、盲信することではないでしょうか?



柏出身で、中国大連で仕事をしている人がいます。彼のように、地球のあちこちを肌身で感じている人の感覚は、頼りになります。



http://plaza.rakuten.co.jp/manachan2150/diary/200601290000/



でも、自分で判断しなければなりません。自分で考えなければなりません。
返信する

コメントを投稿