信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

麗しの雑草の花

2014年05月24日 | 植物
当市の生涯学習講座『植物観察』で身近な植物を教わりました。
目から鱗!!!家のまわりの雑草をあらためてじっくり観察しました。





我が家の裏から続く道には雑草がびっしりはびこっています。
いつもは踏んづけている草ですが、座り込んで見入りました。
なんと、十数種類の雑草が花を咲かせています。
手前の左が「タチイヌノフグリ」、その横に這っているのが「トキワハゼ」です。




タチイヌノフグリはヨーロッパ原産の帰化植物です。
直立し10~25cmになり、無柄の青紫色の径4mmほどの小さな花をつけます。
花期は4~6月、昼のわずかな時間しか花を開かず、気付かれることの少ない花です。




左は「オオイヌノフグリで右がタチイヌノフグリの花と実です。
オオイヌノフグリの花は8mm~10mmほどの大きさです。
葉の上に顔を出し真上を向いてて咲くので、花がよく際立ち人目をひきます。
実はいずれも『ふぐり』の由来を想像できる、オオバコ科クワガタソウ属の雑草です。




サギゴケ科サギゴケ属の「トキワハゼ」です。
地を這う雑草で、ほとんど注目されてはいませんが、レンズをとおすと魅力的な花です。
花冠は長さ1cmほどで、下唇上には黄色と赤褐色の斑点が入ります。
花期は4~10月と長い間花を咲かせることから『ときわ』の名が付いているそうです。




どこにも生える、「ナズナ」(左)と「イヌナズナ」(右)の花と実です。
ナズナの実はぺんぺん草の名の通り、三味線のバチ形、イヌナズナは楕円形です。




道ばたにひときわ目立つ黄色い花が咲いています。





北アメリカ原産の比較的新しい帰化植物「オッタチカタバミ」ではないでしょうか。
本カタバミの特徴は、根茎から太い茎が垂直に立ち上がり抜きやすいこと。
そして、花柄は花後に水平方向に開き、果期になると、大きく反り返るとのことです。
右下は、お馴染みの雑草「カタバミ」です。




空き地にはびこる雑草は、帰化植物の「アメリカフウロソウ」と見当をつけました。
これから詳しく調べてみようと思います。




ムラサキ科キュウリグサ属の「キュウリグサ」です。
花径2~3mmほどの、淡い青紫色をした小さな五弁花で、花の中心は黄色です。
なんとも可愛い花なのですが、虫眼鏡下で始めてその可憐さが伺えます。




シソ科オドリコソウ属の「オドリコソウ」と「ヒメオドリコソウ」です。
春の舞姫オドリコソウは、踊り子が茎を取り巻き、輪になって踊っています。
ヒメオドリコソウは、1cmほどの小さな唇形をした淡い紅紫色の花を咲かせています。
雑草に魅せられ、今日は終わってしまいました。





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謎にたどりつく

2014年01月25日 | 植物
昨年1月12日に見た、葉から実のなる植物の正体が分かりました。




昨年の今頃、ユキヤナギの垣根に不思議な実を見つけました。
葉の主脈から柄を出しいくつかの実をつけているのです。
どんな植物?春からその垣根を覗いていたのですが、とうとう見つかりませんでした。
もう絶えてしまったとあきらめていたのですが、また、たくさん落ちています。




これは上か、ようやく気づいて上を見上げて周りを見回しました。
なんと、1本の樹に探し続けた実と同じ実がついていました。
1年の間の謎にようやくたどりつきました。




運動公園の入り口に植えられている立派な株です。
普段はなにげなく通っており、樹種を気にしたことがありませんでした。
「シナノキ」あたりに見当をつけ、心ウキウキで家に帰り調べてみました。



やはりシナノキの仲間で、葉と思っていたものは苞葉だそうです。
花をつける枝(花序)と花序の付け根にある苞葉が途中まで合着したものとのことです。
苞葉の上に花序がつくのが本科の特徴とのこと、樹が高く実に気が付きませんでした。
この苞はプロペラの働きをして、実を母木から遠くに散布させるのだそうです。
樹皮は、帯灰褐色で縦に裂けています。
冬芽は、2枚の芽鱗が見え、外側が小さく、内側が大きく芽全体を包んでいます。
果実は、ほぼ球形の堅果で、灰褐色の短毛を密生し、6mm~8mm程の大きさでした。
シナノキに似ている「オオバボダイジュ」は実の大きさが10mm程だそうです。
また、葉裏で見分けがつきオオバボダイジュは毛が密集して白く見えるとのことです。
シナノキであれば葉裏の脈腋に褐色の毛があるそうで、春になったら確認してみます。

シナノキを調べて、いくつかの新発見がありました。
お寺などに植えられている菩提樹(ボダイジュ)もシナノキ科で、中国原産。
お釈迦様が悟りを開いた菩提樹は「インドボダイジュ」でクワ科の樹木。
シューベルトの歌曲『菩提樹(リンデンバウム)』は「セイヨウシナノキ」。
セイヨウシナノキは「ナツボダイジュ」と「フユボダイジュ」の交雑種。
シナノキ科は見分けも日本名も奥深く、区別をするには頭の整理が必要のようです。

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師走に咲く花

2013年12月14日 | 植物
今朝の気温はマイナス1℃、霜の花が開く初冬の朝です。
庭にはなごりの花が霜をちりばめながら咲き続けています。
近所には冬の花が盛りで、ほのかな香りを漂わせています。




花びらも雄しべも霜で凍てついたエゾムラサキツツジの花です。
通常の開花期は4月から5月ごろですが、この株は毎年春と秋に花を咲かせてくれます。
エゾムラサキツツジは北海道で自生種が見られる半常緑低木です。
北海道勤務時にいただいた苗を父に贈った株で、もう30年ほどこの庭を飾っています。




白花と赤花のイワカラクサです。
アルプス原産の高山植物ですが、この株は園芸種でこぼれ種からの実生です。
春から咲いていますが耐寒性が強く未だに花を数輪つけています。




南アフリカ原産の多肉植物マツバギクで、主に春~初夏にかけて咲きます。
耐寒性の強いデロスペルマと耐寒性の弱いランプランツスの2種類があるそうです。
画像の花は耐寒性マツバギクと呼ばれているデロスペルマ属の1種でしょうか。




白く小さなビワの花が咲き始めました。
バラ科の常緑高木で、冬になると枝先に白色の五弁の小花をつけ、芳香を漂わせています。
当地ではこの季節に花を咲かせる趣のある樹として庭にも植えられております。




ヒイラギは漢字で「柊」と書き冬の花の代表です。
キンモクセイよりやや淡泊なほのかな香りの白い小さな愛らしい花です。
葉は鋭い棘を持ち、「悪魔除け」の御利益があるということです。
このことから、庭木として玄関に植えることが多い樹です。
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お盆に似合うハスの花

2012年08月19日 | 植物
ご先祖様をお迎えしたにぎやかなお盆も終わり、いつもの生活に戻りました。
お盆前、たまたま通った道すがら、信濃国分寺のハスの花に出会いました。
今日は、花後の実の付き具合を見に行ってきました。





信濃国分寺の北側に、ピンクのハスの花が見事に咲いています。
庭の松越しには、本堂の瓦屋根や重要文化財三重塔の九輪などが見えます。
ハス(蓮)と聞いて連想するイメージは、やはりお寺です。
泥の中に根を張りながら美しい花を咲かせる姿から、仏教では「蓮華」と敬われています。
仏像は蓮台に座しますし、日蓮は南無妙法蓮華経を唱えることを教えました。
また、 一蓮托生は仏教から生まれた言葉の一つだそうです。




ハスの花ですが、ピンクの花弁、中央には黄緑の花托、周囲の黄色が雄しべです。
花托にはいくつかの黒い点が見えますが、これは雌しべの受粉が終わった状態です。
じょうろの口を「ハス口」といいますが、それはハスの花托に由来しています。
かってのブリキ製のじょうろはハスの花托そのものでした。
ハスの花托を見ると、小学校の花壇に水をやったブリキのじょうろを思い出します。




実ができています。
牧野博士は、「ハスは蜂巣(ハチス)の略で、
果実の入った花托のようすが蜂の巣のようであるからである」としています。




春に我が家の柿の木についていた蜂の巣です。
生み付けられた卵が幼虫になった様は感心するほどよく似ています。




これがハスの種です。
こぼれおちそうな1個を割ってみました。
幅は5mm、長さが18mmほどの大きな実です。
実が青いうちは生で食べられるそうです。
黒くなった実は茹でて食べるそうです。
一度は食べてみたいのですが、お寺様の蓮ではもったいなくて。
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旬の里の花、高原の花

2012年08月11日 | 植物
今年の気温は平年に比べ、昼は高めに夜は低め傾向です。
また、降雨には適度に恵まれており、夏の植物には好適な条件のようです。





里ではイネの穂が出てきました。
この辺りでは例年8月12日頃がコシヒカリの出穂期ですが、今年は4日ほど早めです。




これがイネの花です。
左側がコシヒカリで右側がモチ用の品種です。
イネは目立たずに純白な小さな花を数時間開かせます。
今年は見逃すことなく元気に踊る花たちに出会うことができました。
イネは風によって受粉を行い、美味しいお米を稔らせます。




ヤナギランの花を見たくて高峰高原に登ってきました。
車で40分ほどで、高原の優しい涼風に出会えます。
夏の高峰高原にはヤナギランがよく似合います。




イブキスズメ(スズメガ科)の幼虫がヤナギランの葉をお腹いっぱいに食べています。
幼虫の食草はヤナギラン、カワラマツバ、そしてマツムシソウです。
高峰高原にはいずれも多くが植生しているのですが、この成虫はまだ見ていません。
幼虫も今日が始めてで、妻が見つけてくれました。
お手柄です。




峠の広場にはヒメシャジン、シャジクソウ、ホタルサイコ、ハクサンフウロウ、
ムカゴトラノオ、ノアザミなど小さな夏の花々が咲き競っています。
また、近くのマツムシソウやマルバダケブキにはハチや蝶が蜜を求めて群がっています。
受粉を助けてもらって、たくさんの実をつけてください。
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