ベラルーシの部屋ブログ

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ミンスクのコンサートで日本の歌「さくら」が日本語で合唱されました

2008-07-27 | ベラルーシ文化
 7月20日、トーダルのバースデーコンサートに行ってきました。
 そこではトーダルのほか、友人アーティストが登場して、歌をトーダルにプレゼントするのが恒例となっています。
 今回、その友人ゲストが日本の歌「さくら」を合唱するというので、さっそく行ってきました。

 そもそもこの合唱団はコンピュータ会社の社員が集まって結成したもので、普段は通常業務をこなしながら、就業後集まって練習しているそうです。プロじゃない言えばそうなのですが、舞台に立つこともあるという、上手な合唱団だという評判を聞き、楽しみにしていました。

 どうしてこの合唱団が「さくら」を日本語で歌うことにしたのかというと、合唱団長さんのガリーナさんがトーダルの友人で、「月と日」を聴いて、「さくら」が大変気に入り、自分の合唱団で日本語で歌ってみたい、と言い出したからなのです。
 この話はもう半年ほど前に出ていて、トーダルにその話を聞いた私は、頼まれて「さくら」の楽譜、さらにそれにロシア語のアルファベットで歌詞を書き、日本人が日本語で歌っている「さくら」の歌をCD-ROMに焼き付けたものを渡しました。
「発音とか間違わないように一度私が聴きに行くほうがいいかも。その場合は練習している場所まで行くので、連絡するようにガリーナさんに言っておいてください。」
と私は伝えておいたわけですよ。

 ところが、その後何の音沙汰もなく、どうなってるのかと思っていたら、トーダルから
「今度のバースデーコンサートで『さくら』を初めて歌うので、聴きに来て。」
と電話がかかってきたので、すっかり楽しみにして行ったのです。

 この画像はその合唱団が「さくら」を日本語で歌い終わった直後の様子なのですが、この方々の「さくら」はひどいものでした。
 いきなり、
「さーきゅーらー、さーきゅーらー♪」
と歌いだしたときには、私は固まってしまいましたよ。
 いっしょに来ていた6歳児のY子ですら
「さきゅらじゃないよ、さくらだよ。」
と言ってしまうほど。
 しかし合唱団の皆さんは美声で
「かーしゅーみかあ、きゅーもーかあー♪」
と歌っている・・・

 どうも「U」の発音を全部「YU」にして発音してしまっているようなのです。
 私がロシア語アルファベットで書いた歌詞は・・・どうなっているのか・・・それを全部読み間違えているのか? そんなあほな。読み間違えたとしても、日本人が歌っている「さくら」を聴けばこんな間違いはしないはず。
 だいたい、「さくら」という言葉は「サムライ」や「キモノ」のように世界共通語になっていて、ベラルーシ人でもさくらはさくらと発音し、誰も「さきゅら」なんて言わないのだが・・・どうなってんの?

 合唱団は2番の歌詞はベラルーシ語で歌い、それはすばらしくて、ハーモニーもばっちりでしたが、かえって日本語で歌わないほうがよかったのでは・・・と思いました。
 そして最後にまた「さーきゅーらあああー♪」と歌って終わりました。(ちなみに「ら」の発音は巻き舌の「ら」)

 会場は大きい拍手がどっと起こり、「ブラボー!」の声も・・・・・(合唱団員さんの身内かも。)
 
 いやあ、この発音の矯正をしないかぎり、二度と日本語で歌ってほしくないと私は思いましたね。
 だって、これを聴くベラルーシ人の皆さん、誰がこの日本語の歌詞を教えたと思ってると思います?
 当然私ですよ、私。日本人である私が合唱団に間違った日本語の発音を教えた、ということになってるんですよ。
 
 やっぱり、本番前に私が一度聴きに行って間違いを指摘すればよかったです。でもガリーナさんからはそういういった要請はなかったしなあ・・・
 そのガリーナさんですが、コンサート終了後、普通だったら、私に会って
「合唱の『さくら』、どうでしたか?」「楽譜くださってありがとうございました。」とか一言何か言うと思っていたんだけど、なぜか私の横を素通りして「無視」の状態。

 がっかりですね。こういうベラルーシ人とはいっしょに仕事をしたくないです。
 なぜなら合唱といった芸術にかかわっている仕事をしているわりには、その仕事の内容について真剣に向き合っていないように思えるからです。
 この合唱団長さんが真剣に「日本語版合唱『さくら』」に取り組もうと考えていたのなら、本番前に私に
「発音など、おかしなところがあれば教えてください。」
と頼んでいたはずです。
 最初からこっちが「稽古場に行ってもいいですよ。」と言っていたぐらいなのに。

 結局「発音なんか日本人が聴いておかしいと思おうが、どうでもいいわ。」という考えなのでしょう。聴いた後の感想もどうでもいいのでしょうね。
 こういういいかげんな仕事をしている、というか自分の仕事に真剣に向き合ってもいない人の芸術作品に、他人が真剣に向き合ってくれることもないだろうなあ、と思いました。

 合唱団の合唱のレベルは高かっただけに、もったいない話です。いろんな合唱曲をこれからも歌ってほしいな、と思いましたが、あの発音のままの「さくら」はこれ以上歌ってほしくないです。
 歌っても日本語の歌詞は私から教えてもらったと公言してほしくないですね。
  

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