ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2021年7月21日、第三次世界大戦は起きてほしくないです

2021-07-21 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2021年7月21日、ベラルーシ大統領は、アブダビのテレビ局Sky News Arabiaのインタビュー内で
「EUは、第三次世界大戦に向かって進んでいる。」
と述べました。
 要約すると、まずベラルーシ、ロシア、中国の三ヶ国に対してEUはハイブリッド戦争を仕掛けている。
 このハイブリッド戦争は第三次世界大戦への発端になる。それをEUは望んでいる。
 EUの背後にいるのはアメリカ。アメリカとEUの関係は、支配国と植民地の関係である。だからEUは独立していない。ベラルーシは独立していて、それを守ろうと努力している。
 最近ベラルーシでテロを起こそうとしている者たちを多く検挙したが、彼らはドイツの指図で活動しており、その旨ドイツ政府に問いただしたが、返答はない。
 ベラルーシからリトアニアとポーランドに逃亡したベラルーシの過激派を擁護して、いっしょに政権転覆を画策しているリトアニア政府とポーランド政府にも問いただしたが、まともな回答はなく、話し合いのための共通の法的な言葉すらない。
 
 インタビュアーが、EUとベラルーシの間に調停役の国が必要としたら、それはどの国ですかと質問したところ、「いかなる調停も好きではない」としたうえで、「アラブ首長国連邦が調停役を買って出てくれたら、それは拒否しない。」と答えました。

 5月に起きたライアンエアー緊急着陸事件については、ミンスク空港に着陸するよう強制した者は誰もいないとし、あくまでライアンエアー機長の判断だったことを示唆しました。

 
 今日は逆にリトアニアからベラルーシへ不法入国したイラク難民について、ベラルーシ国営テレビが報道しました。
 このイラク人グループですが、もともとベラルーシからリトアニアに不法入国したところ、リトアニアの国境警備隊に、ベラルーシに戻るようにと強制されたということなのですが、暴力を振るわれる強制だったらしく、怪我をしていました。
 診察した医師が、怪我の詳細を話し、それがニュースになり、いかにリトアニアの国境警備隊が非人道的な暴力を振るっているか強調していました。

 リトアニアの国境警備隊はベラルーシからの不法入国者激増のため、人手不足になったらしく、過去に国境警備隊で働いていたOB にOGに臨時招集をかけました。
 
 

ベラルーシのコロナウイルス感染者43万6595人。死者数3355人

2021-07-21 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2021年7月21日の書き込みです。
 ベラルーシのコロナウイルス感染者数は436595人になりました。1日の新規感染者数は975人です。また増えたように見えますが、新規検査数も19559件と増えたので、感染拡大のペースに変化はないです。

 死者数は3355人です。

 430287人が回復しました。

 713万件を超える検査数となりました。

 すでに80万人が2回目のワクチン接種を完了させました。急にワクチン接種のスピードが上がりましたね。最近テレビでも何でもあちこちでワクチンを接種しましょうと呼びかけているからですね。
 

 

日本語能力試験の代替実施を求める署名運動について

2021-07-21 | 日本文化情報センター
 すでにこのブログでお知らせしていました、中止になった日本語能力試験の代替実施を求める署名運動について集まった署名は、日本能力試験実施機関に届けられました。(署名運動の始まりについて詳細はこちらです。)

 ミンスクではだいたい毎年180名がこの試験を受験するのですが、日本文化情報センター日本語教室の生徒が、懸命に集めた結果、340筆の署名が集まりました。

 署名数が受験者数より多いです。私の予想を上まわりました。
 これは受験希望者のほか、その家族など、ベラルーシの日本語学習を応援している人たちも署名をしたからです。

 これだけ集めるのは大変だったと思います。
 しかも、署名をいくら集めても、署名者の意見を署名を受け取った側が必ず受け入れないといけないきまりはないです。
 (それがまかり通るなら、東京五輪はとっくに中止だったでしょう?)

 生徒たちには可能性は低いことを前もって話していました。
 それでも、署名運動がベラルーシ人の間で自発的に発生しました。
(念の為、記しておきますが、私が生徒に無理やり署名を集めさせたのではありません。)
 ベラルーシ人も変わったなあと思います。

 ベラルーシ以外にも、2年連続試験が中止になった国(スウェーデンなど)があります。(詳しくはこちら。)
 その国の日本語学習者たちも署名運動をすればいいのに、とは思いません。
 ただ、中止の理由がコロナウイルス感染拡大なので、それは日本語を勉強している外国人の責任ではありません。

 コロナ禍が収束していない今は、試験を中止するのはみんな納得しています。(あるいはあきらめ。世界中でいろんなことをいろんなことをあきらめています。この諦観の心情をコロナウイルスは人類に教えてくれましたよ・・・。)
 ただ、コロナ禍が収束したら、中止になった国や地域は代替実施を行なって、失われた受験機会を与えてほしい・・・という願いがあると言いたいのです。

 

日本語能力試験2021年第1回試験が中止になった会場

2021-07-21 | 日本文化情報センター
 今年の2月にはすでに決定していましたが、7月の第1回日本語能力試験はミンスク会場は中止されました。
 日本語能力試験は7月と12月の1年に2回開催される会場、7月だけの会場、12月だけの会場と三種類あります。
 2020年の7月の試験はコロナの感染拡大の影響により、全世界で中止になりました。
 2020年12月の試験は実施された会場と、中止になった会場がありますが、そもそもミンスクは12月は実施しない会場なので、特に問題がありませんでした。

 問題なのは今年7月の試験実施をミンスクは2月に早々に決めてしまったことです。
 12月は試験がないので、2年連続日本語能力試験を受験できなくなってしまいました。
 しかも、2020年の試験の受験料を払っていた人に、一括で返金すればよかったのに、わざわざミンスクの実行委員会は、2021年の試験の受験料として残しておきますか?と尋ねてきたので、2021年7月に試験が実施されると信じたベラルーシ人、あるいは困難な条件になっても、実行委員会は対策など考えてくれて、実施に向かって前向きなんだろうと思ったベラルーシ人は受験料を納めたままにしていたのです。
 それがやっぱり中止にするから、今から返金すると、連絡をしてきました。
 
 仕方がないので返金作業を依頼しても、戻ってきたのは5月というベラルーシ人もいました。全員に返金することを決定し、受験申し込み用紙に電話番号も書いているのに、「返金しますよ、口座番号教えてくださいの2月のメール、届いていますか?」の確認の電話すらしなかったです。
 実施委員会からのメールが迷惑メールボックスに自動振り分けされていて、受験料を返してもらえることを知らなかった人もいます。お金のことなんだから、ちゃんと連絡・確認すると思っていたのですが。

 ともかくこのような事情があり、とうとう2021年7月の中止になった試験の代替実施を求める署名運動がベラルーシ人日本語学習者の間で始まったのです。

 2年連続、日本語能力試験が受けられなくなり、仕方なくロシアへ越境受験するベラルーシ人も現れました。しかし、これはこれで大変なのです。日本語の試験を受けるために外国へ移動しないといけない、受験料の支払いも国境を越えるうえに現地通貨で振り込まないといけないなど、受験者の負担が大きいのです。

 でも、試験の中止を全部コロナのせいにしていますが、つまり日本語学習者のせいではないですよね。
 それなのに、受験の機会を2回連続奪われていて、それで人生が変わってしまった日本語学習者もいるわけです。日本への留学や就職の際に日本語能力試験の認定書の提示を求める大学や企業があるわけですから。

 このように運命を狂わされた外国人日本語学習者は他にもいるのか調べてみました。
 調べる際の条件としては、「その国で日本語能力試験の会場が一箇所しかない。」「1年に1回7月しか試験が実施されない。」「2020年7月試験は当然、そして2021年7月も試験が中止になってしまった。」ミンスク会場みたいな地域を調べたのです。

 すると、ミンスク会場のように、2021年初めに早々の中止を決定した会場は、ストックホルム(スウェーデン)がありました。
 2021年3-6月ごろに中止を決定したのは、トリニダート・トバコ。
 7月の実施は中止したものの、本来実施しない12月に延期(代替実施)を決定したのは、ベネズエラとコロンビア。(この2カ国についてはスペイン語が分からないので、私が間違っているかもしれません。不確実な情報ですみません。)

 あーあ、スウェーデン、トリニダート・トバコで日本語を勉強している人たちは2年連続で日本語能力試験を受けられなくなったのか・・・ベラルーシ人と同じ・・・と同情しました。
 ベネズエラとコロンビアは今年の12月に受験できるようになったから、まだいいですよ。
  
以上のように調べていたら、2021年7月の試験も12月の試験も中止すると2020年の年末までに決定していた国もあることが分かりました。
 ポルトガル、ベルギー、スーダン、モロッコです。
 ああ・・・この国で日本語を勉強している人たちにも同情します。
 2020年12月に試験を実施したところもあるかもしれませんが、そうでなければ、ベラルーシと同じく2年連続受験の機会を奪われたことになります。

 これらの国の実行委員会は、2020年の時点で、「2021年の試験? 無理だよ・・・コロナ収束しないよ・・・2021年も・・・。」と悲観的に予測したのでしょうね。

 ちなみにモスクワは今年の7月の試験、開始3日前に突然中止を発表・・・。
 ベラルーシから越境受験を申し込んでいた生徒1名はまた機会を奪われました。受験料は返金されますけどね。それにモスクワに住んでいる受験者の場合は、12月に受験できるからまだましと思います。

 ともかく、2年連続日本語能力試験が中止になった地域は、ベラルーシ人のように署名活動でもして立ち上がり、自分たちの声を日本に届けるべきですよ・・・などと熱血漢のように思うときもあります。
 が、願わくば、2年連続全く受験機会が奪われた地域には、日本語能力試験を主催している国際交流基金と日本国際教育支援協会が率先して、代替実施をするように決定してほしいです。

 署名運動なんて大変ですよ。それに署名がたくさん集まったからと言って、その人たちの意見を絶対聞き入れないといけないわけではないですし。それがまかり通るなら、東京五輪もとっくに中止していたでしょう? 

 ですから、主催者側の決定で、2年間連続受験できなかった地域は、ベラルーシとスウェーデンとトリニダート・トバコの3箇所だけ(もしかすると、ポルトガル、ベルギー、スーダン、モロッコも)なので、2021年7月試験の代替試験をせよ、と現地の実施委員会に一斉に指示すればいいだけの話です。

 代替実施は通常1年に1回しか実施しない会場で、1年に2回実施するだけの話。しかも代替実施は1回すれば代替になりますから、特別難しいものではないです。
 まあ、現地の実行委員会にやる気がないとだめなので、主催者は現地の実行委員会に積極的に動くよう働きかけてほしいです。

 世界に日本語が広がるよう積極的にしないと、中国語に負けてしまいますよ。つまり日本という国が中国に負けるということです。
 外国人の日本語学習者が一つ一つ署名を集めて、下のほうから上にほうに必死になって、日本語能力試験を受けさせてください、実施してください、と訴えている姿を見ていると、このように感じます。