ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

チェルノブイリ原発事故から27年

2013-04-26 | 放射能関連情報
 今年4月26日、チェルノブイリ原発事故が発生してから27年になります。
 またこの日がやってきた、と思うベラルーシ人もいるでしょう。一方で30歳以下の人にとっては、特別な日でも何でもないかもしれません。
 ベラルーシ人の平均寿命は短いので、事故の後に生まれた人が占める割合がこれからもどんどん増えていくでしょう。
 しかし原発事故が起こったことによって、生まれた時期に関わらず多かれ少なかれ多くの人の運命が変わってしまいました。日本人も同じです。

 3月11日の記事で、日本ですでに子どもの甲状腺がんが見つかっており、しかし
「チェルノブイリでは事故から4~5年たってから甲状腺がんが発生しているので、総合的に判断すると被曝の影響は考えにくい」
とされている、という内容を投稿しました。

 でもベラルーシ人にこの話をすると
「今の日本の高い医療技術や検査方法をタイムマシンに乗せて、1987年頃のベラルーシに持って行って、子どもを検査したら、とても多くの子どもの甲状腺に異常が見つかったに決まっている。」
と言う反応が来たのですが、さらに私の投稿を読んだ日本人の方(医師)の方から感想をいただきました。
 
「日本の健診制度はすぐれていて、ひょっとして2、3年以内に甲状腺がんをすべて発見して、2年以内だったから原発事故の
せいではなかった、と胸を張ってしまわれる可能性もあるのでは、と思いました。」

 この発言にはっとしました。
 もちろん早期にがんを発見し、早急に治療することが望まれます。
 しかし、「原発事故は無関係。」とされてしまうと、考え込んでしまいます。

 やはり日本では日本独自の状況になると思います。
 日本は賠償を求めて訴訟を起こすことができます。しかし責任を誰が取るのか、なかなか決まりませんし、認められないこともあります。
 どちらにせよ、もし甲状腺がんになった子どもが出てきても、あるいはそのほかの病気が増えるとしても、原発事故の影響は認められるようにならない可能性があります。
 もし訴訟に勝って賠償金がもらえるようになったとしても、そこまでとても長い道のりが必要です。長い時間が経ってしまいます。
 
 とにかく病気にならないように注意しながら、これから生活していくしかないのですね・・・。