ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

チロ基金の活動 「WBC集団測定・児童図書館 第1回」 (2)

2013-04-10 | 放射能関連情報
 2013年4月9日に児童図書館で実施されたWBC集団測定の結果です。

 合計30人(成人25人、子ども5人)を測定した結果、成人で体重1キロ当たり70ベクレル以上の人はいませんでした。
 子どもで体重1キロ当たり20ベクレル以上だったのは1名でした。ただし、17ベクレルだった子ども1人にもビタペクト3を渡しています。また再測定に協力してくれる成人12人にもビタペクト3を渡しました。合計14個です。

 これで今までに配布したビタペクト2、ビタペクトT、ビタペクト3の合計は2023個となりました。また今回で通算161回目の配布となりました。

 ビタペクト3を渡した人は1人の男の子を除き全員ミンスク市在住です。
年齢、性別、被曝量はこのとおりです。

 5歳 男子 17.18ベクレル
12歳 女子 23.20ベクレル 
25歳 女性 12.15ベクレル 
40歳 女性 13.45ベクレル 
43歳 女性 20.88ベクレル  
47歳 女性 21.14ベクレル 
48歳 男性  7.27ベクレル 
52歳 女性 10.45ベクレル 
53歳 女性  7.31ベクレル 
55歳 女性  9.76ベクレル 
56歳 女性 13.45ベクレル 
60歳 女性  8.61ベクレル 
67歳 女性 11.08ベクレル
76歳 女性  6.39ベクレル 


 「一桁台の人なんてビタペクト飲まなくていいんじゃないか。」と思われるかもしれませんが、そもそもペクチンサプリはこちらでは、ダイエット、便秘に効く、ということで、放射能排出というより、そっちのほうの理由で飲んでいる人のほうが多いのです。
 
 みなさん再測定に必ず来ると話しており、集団測定について大変好意的、協力的でした。
 やはり無料で測定できたことを大変喜んでいて、多くの感謝の言葉をもらいました。私も大変うれしく思っています。

 再測定の結果が楽しみですね。このほか病欠などの理由で測定したかったのにできなかった人もいるので、5月の測定が初測定になる人も数名出てくる予定です。
 再測定の結果を楽しみにお待ちください。
 
 最後になりましたが測定費用やビタペクト代を出してくださった方々に厚くお礼申し上げます。

チロ基金の活動 「WBC集団測定・児童図書館 第1回」 (1)

2013-04-10 | チロ基金
 今年チロ基金はベルラド研究所の協力の元、集団のWBC測定を行い、成人体重1キロ当たりセシウム137が70ベクレル以上、子どもで20ベクレル以上だった被験者にビタペクト3を無料で配布し、1日2個の摂取を勧め、再測定をして内部被ばくの変化を調査することになりました。
その第1回目の測定が3月21日にSOS子ども村で行われました。この活動の詳細についてはこちらをご覧ください。
チロ基金の活動 「WBC集団測定・SOS子ども村 第1回」 (1)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/48e464bf1b7cdf77aea7566af26c0598

チロ基金の活動 「WBC集団測定・SOS子ども村 第1回」 (2)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/3f3d9d6dab222e8d040e1673e8319e5d


 この第1回目の集団測定については予想以上に被験者が少なかったため、追加の測定として、初めて日本文化情報センターが入っているミンスク市立第5児童図書館内で行うことになりました。図書館員さんが中心ですが、他にもその親戚など関係者が加わります。
 児童図書館での第1回目の集団WBC測定についてここでご報告します。
 
 今回は合計46名が測定しました。
 このうち16名はSOS子ども村から着物展を見るついでに測定に来た子供たちなので、再測定はできません。
 この保養滞在グループについては、チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第148回」をご覧ください。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/d995311e2795f4fb054794c5cd2dea4c


 残り30名が今回測定そのもの初めてという図書館関係者の方々です。
 その結果、体重1キロ当たり20ベクレル以上だった子どもや70ベクレル以上だった大人はほとんどおらず、1人だけでした。
 この女の子にはビタペクト3を配布しました。

 ちなみに私も測定をしました。
 3月21日にSOS子ども村で測定をして0だったので、今回すごーく気楽に測定を受けたら・・・20.88ベクレルでした!!!
 ガーン! ときましたよ。3週間前は不検出だったのが、急に21ベクレルですよ。
 この3週間の間に食べたもの、何だったっけ? と頭がぐるぐるしました。(涙)
 今回夫も子どもも測定したのですが、夫は10ベクレル。娘は16ベクレル。
「そういや、冷凍のなめこ食べたよね?!」
と私が言うと夫は
「家族3人で同じ物を食べたのに、お前だけ高いのはおかしい。」
となめこ説を一蹴。
 冷凍のなめこは屋内栽培なので、放射能は大丈夫と思って買ったのですが・・・やっぱりなめこは関係ないのかな・・・。
 でも何も思いつかないんですよね。私1人だけよくハーブティーを飲むのですが、薬局で販売されている「放射能検査済み」の印が入っているものや、ベラルーシ産ではないものを買っています。
 とにかく考えても分からないので、考えるのをやめました。精神的にしんどくなりますからねー。
 体重1キロあたり70ベクレル以上ではありませんが、自分で人体実験することにして、ビタペクト3を飲み始めることにしました。

 さて、このほかにも70ベクレル以下だった図書館員さんたちの多くが
「少しでも放射能があるのはいや。」「やせたい。」「デトックスしたい。」
とビタペクトを希望したので、一ヵ月後再測定することを約束してもらい、ビタペクト3を希望者には渡すことにしました。
 その数、私を入れて12個です。

 さらに偶然ロシアに住んでいる夫の親戚一家がベラルーシへ遊びに来ていて、
「ロシアではこんな測定できないからぜひ。」
と言うことで測定しました。
 その結果が驚きでした。
 その家の5歳の男の子が17ベクレルだったのです!!!
 ちなみにこの男の子もその母親もロシア生まれのロシア育ちです。父親はロシア生まれですがベラルーシ育ちです。
 もう長年ロシアで暮らしているので、放射能の影響はこの一家には全然出ないと思っていました。この子の母親は10ベクレル、父親は8ベクレルでした。
 ロシアと言っても広いですが、この一家が住んでいるのはペンザというところで、チェルノブイリ原発から1000キロも離れています。
 もちろん誰も放射能被曝のことを意識せず暮らしていますし、WBC測定なども行われていないし、WBCそのものを知らない人ばかりです。
 チェルノブイリ原発から1000キロ離れたところで事故後、20年以上経過してから生まれたロシア人の子どもが、体重1キロ当たり17ベクレルも被曝しているとは予想していませんでした。
 ただもしかすると、この一家が3月31日にベラルーシへ遊びに来てから、4月9日までの10日間の間にベラルーシで汚染された食品を食べてしまい、このような結果になった可能性があります。
 しかし、この男の子はとても小食で、あまりご飯を食べないので心配だ、とお母さんが話していたので、短期間で内部被ばくが認められるほどの汚染食品を大量に摂取したとは考えいくいです。
 この一家はもうすぐロシアの自宅に帰る予定で、今度ベラルーシへいつ来るのか分かりません。再測定ができないのが残念ですが、両親が強く希望したので、ビタペクト3を渡しました。

 それにしても、今までベラルーシの被曝のことばかり考えていましたが、今回のことでロシアに目が向きました。
 ロシアにもチェルノブイリ原発事故などによる汚染地域がありますが、大きいロシアからすると一部です。大部分のロシアの地域に住む人は放射能被曝のことは、離れているから他人事のように感じているでしょう。
 広いために人口の多いロシアでロシア人全員をWBCで測定するとしたら、どのような結果になるのでしょうか・・・。
 今回のチェルノブイリから1000キロ離れたところに住む男の子の被曝量から想像すると・・・怖くなってきます。
 日本でも福島第一原発から近いとか遠いとか関係なく、日本に住んでいる人は全員測定を受けるほうがいいのではないかと思います。

 このように全部で14個のビタペクト3を渡しました。このうち男の子を除く13人が5月予定の再測定に来る予定です。


  

チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第148回」

2013-04-10 |   ビタペクト配布活動
4月9日にビタペクト3と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第148回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。

 今回はビタペクト3を2個、そして「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2、ビタペクトT、ビタペクト3の合計は2009個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは1860部となりました。
 今回で通算160回目の配布となりました。
 延べ人数ですが、2009人の子どもにビタペクトを、1860家族に「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

(これまでのビタペクト配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(ビタペクト3についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/922c333857741c5448f66d4fe00b25e1


(チロ基金は以前ビタペクトに代わり、ペクチン入りセルロースを配ったことがあります。セルロースについてはこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/43f810eddd1efc451f5171ef3cd35a7a



(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html


(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。) 

http://belapakoi.s1.xrea.com/jp/no2/2001/soschild.html


(WBCによる測定、ビタペクトを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所の公式サイトはこちらです。)

http://www.belrad-institute.org/


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%89%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E5%AE%89%E5%85%A8%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80



 今回はゴメリ市(チェルノブイリ原発から約140キロ)から14人の子どもが2人の引率者に連れられてSOS子ども村に保養滞在していました。
 これは現地の教会に通う子ども達で、そこで教会の世話役をしているお母さんが2人選ばれて引率者になったものです。

 それぞれの体重1キロあたりの放射能測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクト3を1個ずつ渡しました。

母親A(事故発生時23歳)15ベクレル
Aさんの娘 8歳 12ベクレル
母親B(事故発生時25歳)15ベクレル

女子 15歳 13ベクレル
女子 12歳 12ベクレル (この2人は姉妹)

女子  9歳 15ベクレル
女子  7歳 22ベクレル ○ (この2人は姉妹)

女子 15歳 18ベクレル
女子 15歳 15ベクレル
女子 13歳 18ベクレル
女子 13歳 14ベクレル
男子 13歳 13ベクレル
女子 13歳 13ベクレル
女子 12歳 17ベクレル 
女子 12歳 16ベクレル 
男子 10歳 32ベクレル ○ → 24ベクレル ○

 このうち10歳の男の子は別の引率者に連れられて、2012年5月にSOS子ども村に保養滞在したことがあります。
 そのときの様子はこちらです。
 チロ基金の活動「ビタペクト2(セルロース)&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第133回」(家族B)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/0868d17ae4e7c2494bab8ba8df4de346

 このときはペクチン入りセルロースを渡しましたが、今回は前回より数値が減っています。しかし20ベクレル以上なので、今度はビタペクト3を飲むことになりました。

 今回はお母さん2人が引率者だったので、子ども達の健康状態についてきちんと把握しておらず、話を伺うことはできませんでしたが、幸い子ども達の年齢がほとんど中学生だったので、子ども達に直接話を聞きました。

 Aさんの娘はよく喉の痛みを訴えるそうです。Aさんは慢性胃炎。
 15歳と12歳の姉妹は2人とも甲状腺肥大。姉のほうは背骨が歪んでいます。

 18ベクレルの15歳の女の子は背骨の歪み、偏平足、近視。(偏平足なんてそんなに問題になるのだろうか、と思いましたが本人は気にしているようすでした。)

 15ベクレルの15歳の女の子は慢性胃炎、背骨の歪み、よく風邪をひくと訴えていました。
 
 18ベクレルの13歳の女の子は背骨の歪み。
 14ベクレルの13歳の女の子も背骨の歪みと近視。
 13ベクレルの13歳の女の子は慢性胃炎、背骨の歪み、近視、ときどき気を失って倒れることがあるそうです。
 13歳の男の子は関節炎と心臓の異常。
 17ベクレルの12歳の女の子は喉の筋肉の異常という病気を持っています。  
 16ベクレルの12歳の女の子は慢性胃炎と近視。
 10歳の男の子は片目だけが視力が低いそうです。

 それにしても胃炎と背骨の歪みがとても多いことに驚きました。(日本人の私は近視は気になりませんけどねえ。)

 ただ今回は保養に来ていませんがAさんの実子が生まれつき両目が白内障だったそうです。3歳のとき手術をしたのですが、その白濁した水晶体を除去する手術だったそうです。ふつうは代わりに人工のレンズを埋め込むと思うのですが、
「まだ年齢的に幼いから。」
と代わりのものを何も入れなかったそうです。こうして視力が1%にまで落ち込んだそうですが、成人してから何とかしてほしい、と再び病院へ行くと
「もう何も方法はない。」
と突き放されたそうです。私はミンスクの専門病院へ行くことを勧めましたが、今から人工レンズを入れるのは遅すぎるのでしょうか? そんなことはないと思うのですが。ベラルーシではチェルノブイリ原発事故以降白内障患者が増えているのですが、患者の方々はどんな治療を受けているのでしょうか?
 
 子どもたちには折り鶴や折鶴の作り方を説明した紙(千羽鶴プロジェクト)、折り紙用の紙をプレゼントしました。お母さんには古い着物をほどいて巾着袋にして寄贈してくださった方がいたのでプレゼントしました。

 画像は測定のようすです。いつもと雰囲気がちがいますが、それは、日本文化情報センターのある児童図書館内でWBC測定を行ったからです。その理由は次の記事をご覧ください。
 
 最後になりましたが、ビタペクト3の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙や巾着袋などのプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。
  多くの方々に支えられて、この活動が続いています。
ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。