ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

宇都宮大学シンポジウムに参加しました

2012-12-14 | 放射能関連情報
 12月11日宇都宮大学生国際連携シンポジウム「ベラルーシから学ぶ私たちの未来 チェルノブイリ原発事故と福島原発事故を振り返る」が開催されました。
 私も招かれて、「ベラルーシの経験を踏まえて日本で応用する力を」という講演を行いました。それだけではなく学生さんたちによるパネルトークも行われました。

 チェルノブイリ原発事故後のベラルーシの話をしてほしいという宇都宮大学側の依頼だったのですが、原発の専門家でも医者でもない私でよければ、ということで参加させていただくことになりました。
 私のほうは今の日本の皆様のお話をうかがって、逆に大変勉強になりました。

 
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 宇都宮大学多文化公共圏センターのHPで講演会の報告を読めるようになりました。ぜひご覧ください。

http://cmps.utsunomiya-u.ac.jp/news/121211udaiseikokusairenkei2012.html
 


 こちらは12月12日付の下野新聞の記事です。

http://www.shimotsuke.co.jp/town/region/central/utsunomiya/news/20121212/939503
 

 こちらは12月15日付の東京新聞の記事です。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/20121215/CK2012121502000155.html#print
 

12月22日付読売新聞にも掲載されました。


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 宇都宮での滞在は大変貴重なものでした。どうしてもベラルーシに住んでいると細かい事情が分からないので、直接話ができるのは本当に貴重な体験です。
 一言で言えば、とにかく日本の大学はがんばってもらいたいです。
 大学には知識も人材も集結している学術の場だと思います。
 大学、と一言で言ってもそれぞれ特色がありますが、農学部だったら農学部にできる研究分野があると思います。
 これから日本人は放射能被曝のリスクの中に生きていかないといけませんが、できるだけ最小限になるように、日本人の知恵を集めないといけません。さまざまな分野の研究がこれから待たれるところです。
 そのような研究や調査ができるのはまず日本の大学だと思います。教員、職員の方や学生の方々に大変期待しています。
「なかなか予算がなくて・・・。」
という話も聞きましたが、低予算でもできることはあると思います。

 すでに宇都宮大学では福島乳幼児・妊産婦プロジェクトで、お母さん方の生の声を集めていますが、これもとても貴重なことだと思います。
 行政からのアクションを待っているだけでは遅すぎると思います。
 自分で行動を起こさなくては!

 シンポジウムの翌日には那須塩原の放射能から子どもを守る会の方とお話する機会に恵まれましたが、那須塩原市がWBCを市の予算で購入する計画だったのに、なくなってしまったり・・・といった残念な話などを聞きました。
「行政が動かないと市民も動かない。」つまり被曝を避けることができない、という意見で、署名運動をしたりされているそうですが、たぶんこの方法だとゆっくりしか事態は進まないと感じました。(署名活動が無駄、と言っているわけではありません。)
 そうこうするうちに被曝が進んでしまうのか、と思うと暗い気持ちになりました。
 行政からの指示に従って市民が動き始めるのを待つより、市民のほうから積極的に被爆対策をしてほしいと思います。
 今日もまた新たな被曝をしてしまうのかもしれないですし・・・

 とにかく学術関係者は、調査や研究を進めてほしいですし、学生さんたちもそれに参加してほしいです。
「そんな学はない。」というような方でも、簡単にできる対策方法を行ってほしいです。
 そして国は被曝対策の研究をしている国立大学には特別な予算を組んでほしいんですが・・・。

 でも日本人の知恵を結集して推し進めれば、きっと日本人による日本人のためのすばらしい被曝対策が新しく出てくる可能性も十分あると期待しています。