ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

飲みすぎに注意。飲みすぎた人にも注意

2009-04-25 | ベラルーシ生活
 ベラルーシはウオッカの国ですから、アルコール中毒だの、飲酒が原因の事件や事故などしょっちゅうです。
 夜中の公園で服を脱ぐぐらい、まだかわいいものです。

 これはおととい、4月23日にベラルーシ東部の街、オルシャで起こった事件です。
「ペットをいじめられたという理由でカップルを殺害」

http://news.livedoor.com/article/detail/4126253/


 ロシア語ニュースサイトによると、もう少し詳しく報道されていました。それによると・・・
 20歳の男性が飼い犬を森の中で散歩させていました。
(ベラルーシは森がいっぱいなので、住宅地のすぐそばに森が広がっていることが多く、犬と散歩している人もたくさんいます。)
 すると酔っ払ったカップルが通りかかり、犬をからかったり、いじめたりし始めました。
 飼い主は怒って、本人曰く「犬を守るため」近くにあった丸太をつかみ、まず男性の頭部を殴って、撲殺。
 その後女性のほうも体中をやはり丸太で叩き続け、撲殺。
 飼い主は逮捕され、拘留中。しかもこの飼い主自身が散歩をしていたときにやはり酔っ払っていたそうです。人を殺した理由を
「四つ足の友への愛がこうさせた。」
と警察で供述したそうです。(この犬しか友達がいない、という孤独な人なのかもしれないけど、だからって人を殺さなくても・・・)
 
 しかもこの飼い主、犯罪の前科があるらしい。前科のほうは飲酒がからんでいたのかどうか、ニュースでは報道されていませんでしたが、今回の殺人事件では、とにかく加害者か被害者かどちらかが酔っ払っていなかったら、こんなことにはならなかったのは間違いありません。
 酔っ払ってなかったら、このカップルも犬をからかったりしなかっただろうし。

 そうそう。ベラルーシでは酔いを冷ますためにどうするかと言うと、散歩する人が多いです。
 冬、寒くても「散歩するのがいい。」と言って、歩き回る人がいます。
 効き目はあると思いますが、泥酔状態でこれを冬にやって、雪の中に倒れたりすると、すごく危ないです。
 やめておきましょう・・・と言っても日本人でこんなことをする人はいないと思いますが。
 私が言いたいのは、ベラルーシには酔っ払いが大勢散歩しているので、注意が必要、ということです。
 もっともからんできたとしても、相手が泥酔状態なら、こっちは走って逃げれば、相手は千鳥足なので、追いつくことができないから大丈夫です。

 それからベラルーシでは酔っ払って、路上で寝込んでいる人をときどき見かけます。(土日や祝祭日の翌日に多い。)
 夏の場合、通行人は完全無視しています。
 しかし病気で発作が起こって意識を失っている人もいないとは限らないと思うんですが、そういう病気で救急処置が必要な人が倒れていても
「また酔っ払って寝てる。」
とほったらかしにされてしまうんだろうな、と思うと怖いですね。

 一方で、こんな話もあります。
 S夫の知り合い(20代・男性)はあるとき友達の誕生日に呼ばれ、楽しく飲んだ後、酔いを冷ますため、友人2人と連れ立って、夜遅くに散歩をしていました。
 するとバス停のベンチで、酔っ払って寝ている女性がいる。
 若い女性だったので、危ない(強姦被害に遭う可能性がある。またベラルーシで強姦被害者女性の3分の2が、当時酔っ払っていた、あるいは飲酒させられていたという統計があります。)ので、その人は親切にも
「大丈夫ですか? 迎えに来るよう家の人に電話してあげましょうか?」
と声をかけたそうです。
 ところがその女の人は「うっさいわね、ほっといてよ。」と言ったので、そのまま、散歩を続けていたら、突然警察が追いかけてきた。
 警官の傍らには先ほどの女性が・・・
 何でもベンチで寝ている間に、ハンドバッグを盗まれた、と女性が警察に訴えたのです。
 しかもその女性は
「その男! 声に聞き覚えがあるわ! こいつが犯人よ!」
と指差したため、窃盗容疑でそのかわいそうなS夫の知人は身柄拘束。
「盗んでいない!」
と主張し続けたものの、留置所で1泊2日し、その後証拠不十分で解放。
 それはよかったものの、恐ろしいのはその2日間、食事が与えられず、大きいコップにいれられた紅茶2杯しかもらえなかった・・・ということです。(@_@)
 怖いよ、ベラルーシの警察。日本だったら食事を与えなかった、ということで警察を訴えることができますが、もちろんその知人は訴えなど起こしていません。無駄だからです。

 ちなみにロシアでは廃止されたけど、ベラルーシは死刑が残っております。死刑の方法は銃殺です。
 死刑を廃止しようという運動もあるけど、弱い。(日本と同じですかね・・・。)

 必要以上に怖がるのも精神上よくないですが、やはり君子危うきに近寄らず・・・ということになるのでしょうか。
 とにかく飲酒が原因で、殺されたり逮捕されたりなんて避けたいですね。

 ちなみにベラルーシでは夏、飲酒をして酔っ払い、「暑いから。」(日本人と比べると、かなり暑さに弱いベラルーシ人。)と、これまた国内にいっぱいある湖に飛び込み、心臓発作を起こしたり、溺死する人が大勢います。毎年500人から600人が飲酒後の水死で亡くなっているそうです。
 ベラルーシの人口は日本の10分の1以下なので、この数字は大きいですよ。

 さらに殺人事件の被害に遭い、死亡する人は1年に800人から1000人。日本は約1500人でしたね。
 人口比で考えると、ベラルーシは日本より殺人事件が頻発していることになります。

 日本人の皆さん、ベラルーシに来て、ウオッカを勧められても、断りたかったら、きっぱり断りましょう。
(まあ、勧めてくるベラルーシ人がすでに酔っ払っていて、こっちの言っていることに耳を貸さない場合も多いけど・・・。)(^^;)