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リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ヴァイス作曲ソナタ第39番ハ長調(2)

2023年07月28日 19時50分22秒 | 音楽系
第1曲は序曲です。ヴァイスはこの形式でそこそこの数の作品を残しています。その中で39番のものが個人的には一番好きです。フランス風序曲お決まり通り、この曲も付点を伴う堂々とした音型の前半部とそれに続くフーガで構成されています。フーガの最終部に前半のリズム、テンポを踏襲した短い部分が続き、さらにフーガの冒頭にまで戻って繰り返して曲が閉じられます。繰り返すと結構長くなり疲れるので繰り返さない方法もありでしょうけど、私としては繰り返しはしてみたいと思います。

8分の3拍子のフーガのテーマをどういうアーティキュレィションを取るかはなかなか悩ましい問題です。最初のモチーフを(1)全てノンレガートにするか、(2)2つ目を短めにしてあとはレガートにするか、(3)全てレガートにして次の小節の4度跳躍の部分をノンレガートにするか、いくつか考えられます。全くアーティキュレィションなしの垂れ流しはあり得ないでしょう。

ここで考えなくてはいけないのは、フーガのテーマがバス弦だけで弾かれる部分があるので、どのアーディキュレイションにするのかは消音との兼ね合いである程度「戦略的」にならざるを得ません。私としては(2)で行きたいと思っています。

あと前半部に戻りますが、付点音符の狭間に出てくる速い音階的なフレーズもなかなかくせ者です。タブに表示されている音価を杓子定規に演奏するというのもありかも知れませんが、音階的なフレーズの前半部は16分の音価でその前のフレーズを受けますがそれ以降、次の付点フレーズの頭までは後半部がぐっと速度が増しつつ1拍に収めることが重要だと考えています。つまり5連符または6連符になりますが、均等割ではなく、最初は少し長め(遅め)で終わりの方は速度を上げて少しまるめるという感じです。