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リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

二人の友

2023年07月10日 15時56分45秒 | 音楽系
若い二人のギタリストによる二人の友と題するコンサートに行ってきました。お二人はともに名古屋市内の公立高校3年生です。会場のミューズ音楽館のサロンには同級生と見られる人も多く聴きにきていました。大体ギターのコンサートというとジイさんばかりが来ていますが、さすが若い人のコンサートは聴衆も若いです。(笑)

今回のコンサート、とても技術的にも音楽的にも素晴らしい、思わず泣けてくるいい演奏だ、将来あふれる若い二人に興奮気味にウルウル、シャンシャンなんて言い方はいたしません。プロとして今後活躍していくだろうお二人のことなので、あえて辛口に書いてみたいです。といっても当ブログでは演奏家のコンサートを評論はしないのが基本ですのでその「自主規制」に抵触しない範囲で書いてみましょう。

プログラムは次の曲です。

プレリューディウム/ジョン・ダウランド
ファンタジアP1a/ジョン・ダウランド
ドビュッシーの墓に捧げる讃歌/マヌエル・デ・ファリャ
ソナタ/アントニオ・ホセ
サウダージ第3番/ R.ディアンス
3つのスペイン風小品/ J.ロドリーゴ
組曲「夏の庭」より夢、さようなら、思い出/ S.アサド
(あえてお二人のどちらが弾いたのかは書きません)

(デュオ)
二人の友/F.ソル
前奏曲、フーガと変奏曲/C.フランク

アレンジの曲がいくつかありましたが、どの曲とはいいませんが、一次資料に全く当たってないものがありました。デュオではオリジナルを超える響きを求めるのはちょっと酷かなとも思えました。実はこの二人の演奏は彼らが中学生になったばかり(ひょっとして小学生だったか)の頃から知っています。当時から技術的なことは素晴らしいと思いましたが、音楽的な表現に関してはこれから伸びるかなと少々危惧するところもありました。

今回のコンサートで白眉はロドリーゴの作品でしょう。そしてそれ以上にアサド作品の叙情的な表現力は大きな将来を感じさせるものがありました。

お二人はそれぞれドイツ留学、日本の音大進学と道は分かれるとのことですが、これからが大いに楽しみです。