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リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ヴァイスのサイト

2008年05月06日 13時52分09秒 | 音楽系
リュートの大家ヴァイスともなると、ウェブの方もなかなか充実したものがあります。

http://www.slweiss.com/

このサイト、久しぶりに覗いてみましたら、大変充実してきているのに驚きとともにうれしさを感じますねぇ。

特に作品の項目では、一つの作品について知られている複数の出典が記されていて大変訳に立ちます。その正確さについては何とも判断できないところではありますが、大変丁寧に調べられている感じはします。

コピーライトの表示のところに、Laurent Duroselle, Markus Lutz の両名が書かれていますので、彼らの個人的なサイトではありますが、何人かの有力な協力者があると思われます。

公式的な研究機関としてのヴァイス協会みたいなものはまだないと思いますが、将来的には全ての研究を統括していくようなそういった機関ができるといいと思います。バッハは19世紀に作品の研究が始まったお陰で相当の作品が残り、きちんと作品も整理されていますが、ヴァイスの場合、研究そのものが始まったのが20世紀に入ってから、本格的に(しかるべき楽器でしかるべき音が出るようになってから)研究が始まってからはまだほんの30年くらいしかたっていませんから、研究はこれからでしょう。

件のサイトによりますと、ヴァイスの作品は現在533曲(533の異なる楽曲、組曲やソナタという単位ではなく、個々の楽曲です)残されているとされています。この数はまだ増える可能性もありますので、現在進行形としてとらえるべきでしょうね。これだけ数があると、全曲録音というのを成し遂げるのはもうちょっと先でしょう。今10歳くらいの才能のある人が30歳くらいから始めて10何年かけてやっと成し遂げられる仕事でしょうね。

ロンドン写本を全曲録音したのは、カナダのミシェル・カルダンでした。ドイツ在住のロバート・バルトはドレスデン写本の曲を現在次々と録音していますが、全部行けるかどうか。ロンドン写本まではかなり長生きしないと無理かもしれません。私も長生きして、次の次の若い世代、何年か後にバーゼル・スコラ・カントルムに入るような世代のヴァイス全曲録音を聴いてみたいものです。