そよ風つうしん

小さな自然の発見をご紹介してきましたが、転居で環境が激変。内容を一部変更し日々の雑感を綴ったりもしています

今年は会えなかった

2008年03月14日 | 釈尊寺団地
団地の中の樹木がたくさん切られ、薮が少なくなったので、出会えなくなったものがたくさんあります。

そんななかからいくつかをご覧下さい。

上の写真はウシハコベです。
普通のハコベより、花がやや大きくて茎も太いので、こんな名前が付いたのでしょう。

ハコベの仲間は色々ありますが、このウシハコベだけが花柱が5個あります。
花柱とはメシベのあるところで、です。
他のハコベや、ハコベの仲間は3個です

もともと雑草ですし、珍しいものではないはずなのに、なぜかだんだん少なくなって、私の周辺ではとうとう見られなくなりました。


次は、オオキンカメムシです。

これは一頭しか写っていませんが、集団で越冬しています。
せいぜい2センチくらいの大きさです。

色が派手なので、冬には目立ちます。
昨年の冬の暖かい日に出てきて、日向ぼっこをしていたのですが、この冬にはまったく見ませんでした。
伐採された木といっしょに運び去られたのでしょうね。



これは、どなたもご存知のチャノキの花です。

ひっそりと晩秋から冬にかけての光の中に咲く花は、たくさんの美しい金色のおしべを持っています。

うつむいて咲く控え目な様子が好きでした。
でも、根こそぎ切られてしまいました。



これも去年の冬の一枚、メギです。

昔、葉っぱを煎じて目薬にしたようです。
去年の冬に、トゲまで紅葉していて驚かされました。


いままでも年を追うごとに、姿を見られなくなるものがありましたが、これからはじまる四季は、より多くのものを懐かしく思い出さねばならないことでしょう。

せめてブログに、在りし日の姿をとどめていきたいと思います。
どうかお付き合いくださいね。


< 思い出の中に眠れるものたちへ 尽きせぬ想い 今日も捧げむ >



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今年はもう会えない、、、、

2008年02月08日 | 釈尊寺団地
私がいろいろな動植物を見に通っている、大阪府枚方市の釈尊時団地は、豊かな自然が残されていて、とても町の中とは思えませんでした。

それがこの数年の間に、住みやすく、きれいに、という方針から、草も木も急速に姿を消していきました。

忘れ去られるだけではあまりにもったいないので、季節を追って、消えていった植物や昆虫を、記録を兼ねて見ていただこうと思います。


アケボノアセビ
アセビはツツジの仲間です。
普通のアセビは白い花が多いですね。
「あけぼの」と言う名前は、花の色の濃さからつけられたとのことです。

上の写真はつぼみの頃で、色がいっそう鮮やかです。
1月の下旬には蕾が少しずつふくらみ始めます。
寒さの中で、このつぼみが出てくると、春の近さを思いうれしかったものでした。

2月の中旬から下旬にかけて、花が咲きます。

春を迎えるための、ぼんぼりを飾っているようで、見ているのが楽しいです。

< 淡き色のあまたの鈴をたずさえて 
             春を呼ぶ木よ アケボノアセビ >


この木は、去年の春、公園の整備の折に、大きな機械がやって来て引き抜かれ、捨てられました、、、、、、




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惜別と決心と

2007年12月10日 | 釈尊寺団地
自治会で決めたことだからと
弥生時代の遺跡を囲む竹薮の
大きな木と竹が 何本も、何十本も切られた

切り倒された大木の年輪を数えてみた
60までは数えられたけれど
もっとありそうだ

根っこは残っているので、長い年月の後には
再び木は育つにちがいない 何十年か後には
でも、私にはそれだけの時間は残されてはいない


切り株を撫でながら 私はつぶやく

さようなら・・・
たくさんの想い出を ありがとう
涼しい木陰や セミや小鳥の声を ありがとう
かわいい木の実や
きれいな落ち葉を ありがとう

私の心の中に
たくさんの写真といっしょに
あなたたちの姿は しっかりと残っているからね



数日前まではこんな姿だった



それがこんなことになってしまった

突然襲ってきた不幸に
木は さぞや戸惑っていることだろう


中には こんな無惨な切り方をされた木もある


「生木を裂くように」という言葉がある
分かれがたい二人を、無理やり引き離す時の例えだ


この木も
半分に引き裂かれて
さぞや痛かったに違いない

なにも、こんなひどい切り方をしなくても・・・


木々が残していった色とりどりの葉

もう来年は見ることができない


      

木がなくなっただけではなく、木の下で育っていた植物やキノコや、水滴を宿してくれたコケや、そこに暮らしていた昆虫たちが、おそらく姿を消すだろう。
生態系が壊れるとは、こういうことなのだと 強く実感した!

こんな小さな範囲のことにこだわって泣いているより、自然を守り育てる運動に、出来る範囲で協力していかねばなるまい。

木は、私にそれを託して消えていったのかもしれない。




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