箕面市の学校栄養士は、月1回程度、給食に野菜を納入してくださる農家さんの畑をたずねて、いろいろなお話をうかがっています。
12月上じゅん、外院(げいん)地区にある農家さんの畑を訪問しました。
今回訪問した農家さんは、にんじんとこまつなをさいばいしておられます。
〈にんじん〉
にんじんは、8月から9月の間に種をまき、収かくできるようになるのが11月ごろから冬の間です。
今年の夏はとても暑かったですね。
気温が高すぎたり、大雨が降ったりしたので、8月に植えた種がダメになってしまい、9月にもう1度植えなおしたそうです。
にんじんが育つためには土の中の酸素がたくさん必要です。
もちろん水も必要なのですが、土の中の水が多すぎると酸素が不足してしまい、上手く育ちません。
こちらの農家さんは、余分な水が土の中にたまらないように、畑のうねの横に水路を作るなど、水はけの良いかん境になるよう工夫して、立派なおいしいにんじんを作っておられます。
〈こまつな〉
こちらの農家さんは、屋外の畑と、ビニールハウスでこまつなをさいばいしておられます。
1年中箕面市の学校給食に提供できるように、少しずつ時期をずらして育ててくださっています。
なんと今年度、令和5年4月から12月までの間に箕面市の給食で使ったこまつなは、ほぼこちらの農家さんが育ててくださったこまつなです!
令和6年1月以降も給食に入れてくださる予定で、1年間給食で使用するこまつなのほとんどが、こちらの農家さんの育てたものになりそうです。
すごいですね!
ビニールハウスの中では、こまつなが小さな葉を出していました。
1つのビニールハウスで、600~700kgのこまつなを収かくされるそうです。
ビニールハウスで育ったこまつなは、屋外の畑で育ったものと比べて大きさが倍くらいになり、葉もやわらかく、まっすぐ上に向かってのびて育つのが特ちょうだそうです。
屋外では、太陽の光を十分に浴びようとして横に広がる様に育ち、葉は厚くてかたいそうです。
かん境のちがいで育ちかたが変わってくるのは面白いですね。
(ビニールハウスのこまつな)
(屋外の畑のこまつな)
下の写真は、ビニールハウスの中で水をまいている様子です。
地面に置いてあるホースから水が勢いよく出ているのがわかりますか?
にんじんと同じく、今年の厳しい暑さにこまつなも苦しめられたそうで、ビニールハウスの中の温度が日中は50℃まであがり、収かくしているうちに、しおれてシナシナになっていることもあったそうです。
「このお仕事のどんなところがおもしろいですか?」とたずねると、「土づくりや植えかたなど色々試しながら工夫をした事が、育った野菜で結果としてすぐにわかる所や、同じ野菜でも気候や天気によって育ちかたが変わってくるので、毎回育てかたを変えて行かないと上手く育っていかない所がおもしろいです」とおっしゃっていました。
日々研究や工夫を重ねて育てられた野菜を、給食でいただけるのは、ありがたいですね。