柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

思い込み

2008-09-16 08:41:35 | Weblog
昨日は一日中雨模様でした。ひどく降るわけでなく一日中雨音を聞いていられました。こういう天気が大好きで、特に用事のない休日などには私にはこれ以上ないシチュエイション、しかも久しぶりのこととあって非常にしっとりした気分を味わえました。夜は雨の合間を縫って草むらで虫が鳴きます。茫乎と雨をただ見ている時間。雨音だけに包まれる時間。とても貴重なものでした。とても得をした気分でいました。有り難いことです。
 映画「おくりびと」見ました。さかんにTVで宣伝しているやつです、しぶがき隊のモックン(こういう呼ばれ方、本人はもういやなんでしょうけれど)、山崎努、広末涼子の映画でした。納棺師と呼ぶ、家族の前で遺体の清拭をし着替えさせ死化粧をし棺に収める、それをショー化し形式化し見せる仕事を中心においた物語です。人の葬式ばかりの映画ですが、その度に涙が出て困りました。女房と見に行きましたがバツの悪いことでした。妻役の広末が夫木本の新しい職業を知って、汚らわしい!触るな!と叫ぶなどマスコミ受けするような場面もあり、確かにドキッとしました。がそれだけ言葉狩りが深く浸透しているという証拠で、人は皆平等で職業に貴賤はないなんて偽善が太古からの社会のルールのように言い募る筋に知らず知らずに同調させられていることに気付くわけですがそうじゃないのです。昔は死体の処理を請け負う人達は歴と区別があったわけです、それは死を穢れとして忌避する文化風習によるものであり、やがて行為だけでなくその人をも忌避差別するようになる、そしてそこに生業が成立もする。繰り返される人が死んでいく場面の間にそう考えていた事でした。
 ある本を読んでいてああっ?と思ったことがありました、つまんないことですが書きます。ストキングを話題にしたエッセイでした。ピーナッツのヒット曲「ふりむかないで」の歌詞を採り上げているんです、この曲ご存知の方多いでしょう、ふり向かないで/お願いだから/今ね靴下なおしてるのよ/あなたの好きな黒い靴下、これです。ふむふむ、で、これがどうした?と読めば、この歌詞の靴下は女のストッキングのことだというのです。ええ?私はこの曲知って長いですが、男が(あなたが)好きでよく履いている靴下に穴があいたかどうかしてそれを彼女が修繕している場面だとばかり思ってました、別にそんなに恥ずかしがらなくてもいいんじゃないのか(ふり向かないでなんて言わなくとも)なんて引っかかってはいたんですが別段なんの疑問もなくこの靴下は男物だと思い込んでました。ああ、違うの?黒いストッキング?あなたの好きなストッキング?あらら、この歌そんなに艶っぽい歌詞だったの?女房に問うと大笑いされました、あんたの方がおかしいって。ああ、そうなの。皆さんもそうですか?まさに青天の霹靂。歌詞を聞き間違えてるというのは結構あるでしょう?すぐに例として出せるのはサザンの「勝手にシンドバット」の歌詞「胸騒ぎの腰つき」ってありますね。最近はどんな番組にもカラオケそのままに歌詞がテロップされますから間違えようがないですが、私にはあれがずっと「胸騒ぎ残し着き」に聞こえてました。こういう意味でもおかしくないからでしたがこれも全く疑わずにいました。説教臭い教訓にしなくても、バーカじゃない?と笑ってしまえばいいことですが、思い込みってのはすごいもんだと思うことです。仕事でやってることにこんな事ないかしら、と思うとこれまたちょいと自信のないことで・・。
コメント
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