柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

現状

2008-04-29 09:43:02 | Weblog
ガソリンの暫定税率が復活します(しましょう)、卸価格を30円上げますって石油大手会社がこそっと言ってますよ、すると一気にリッター160円を超えるって勘定です。5月1日からですか?あさって?。こんなに具体的な政局絡みのドタバタも珍しいことでしょうね。もちろん安いに超したことはないんです、先の選挙で街のおっちゃん達がしたり顔でTVのインタビューに答えていたように。この税金の使い道やら意義やらへの説明不足なんてことになるんでしょうが、今まで国民に十分に説明されてきた政策や施策なんてあるんですかね。山口県の道路はきれいだって昔から有名でした、広島県から島根県から県境を超えると急に舗装がよくなりセンターラインもくっきりしてガードレールがしっかりついてって具合でした、それは岸さん佐藤さんの政治力のお陰だって県民みんな信じてました、それはそれで正しいのですが(そのあとの田中角栄ー新潟図式できっちり再現証明されました)、財源がどこなのかなんて知りません、知る必要もなかったことです。もっとも、こっちに優先的に回ってくる税金です、敢えて藪をつつかなくてもいいことではありましたが。今は昔の話ですよ、この両巨頭の存命の時代の話です。保守全盛、山口県全盛の時代の話です。オイルショックの時、バブルが弾けたとき、おそらく何年も前から打とうと思えば打つ手はあったでしょうに、現実に起こってバタバタする、そんな繰り返しでしょう?今回は参院選の大敗を受けての「尋常ならざる」政局混乱ですが、負けた時点で政局運営の変更は自動的に強いられること、うまくできなかったのは自民党の怠慢、つまりは総裁首相の力不足。こっちもバタバタには違いありません。よく聞いていると民主党の対案も危なっかしいです、財源という面だけでも。小泉さんが振り回した規制緩和(という名の、今までの日本繁栄を支えてきた社会基盤の破壊)のお陰で出現した連中言うところの格差社会を選ぶのか、護送船団方式国家経営型社会を選ぶのか。後者こそが今までの日本なのです。格差がなかったですか?そんなことないですね。資本主義が進み、その結果として必然の個人主義が成熟してくると人件費はじめとして労働条件環境に対する「闘争」が常態化し、産業の発展が頭打ちになる。企業収入が増えないところにさして人件費や福利厚生費などの支出(設備投資ならばまだ利益を生むでしょうが、こっちは出ていくだけです)がどんどん嵩んでいく。で、企業は安い労働力を求めて外国に出ていく。産業の空洞化なんて表現するだけで何の手も打たない、打てない政治家やその背中からゴタク並べるだけの凡百評論家達。するとその進出先の国々が富んでくる、生活レベルが上がってくる、そこでの消費量がどんどん上がってくる。と、どうなりますか。今までは高い技術力で作った製品をその技術のない国に高く売りつける、その代わりにバーターとしてその国の第一次産業製品、穀物、野菜、魚、材木などなどをこれまた安く大量に買い付ける式の収支で均衡をとってきた(このお陰で日本の第一次産業が衰退に次ぐ衰退をきたしたのはご存知の通り)のが、向こうさんの消費が上がってくる、生活レベルも上がってくれば簡単に安く売ってくれなくなります。原油価格は多分に計略的ですが、アフリカやら東南アジアでの米不足は端的にその地での消費量が上がってきたからでしょう。その地、中国やらインドやらの大人口国です。そしてその国の技術力も当然上がります、そしていつの間にか追い抜かれる。すると売るものがなくなってくる。それが今の日本でしょう。自分の食い扶持すら自前で賄えないんですよ、自給率が40%以下ってよくTVが叫んでますよ。現状が資本主義社会の必然であるなら、無駄遣いと今この時点で糾弾されているそれぞれの特定財源なり優遇施策なりを削ったところで混乱をさらに助長するばかりになりませんかね。給料が上がって暮らしが豊かになったなら、その口で社会保障の充実とやらを要求するなら、相当の支出をしなさいって事ですわね。それが道路税でありガソリン税であり消費税であり、医療保険料なのでしょう。そりゃぁ高いですわ、サラリーマンが天引きされる年金やら保険料やら。保険料も今に給料の一割になりますよ。定額でなく定率ですからね、給料増えれば出ていくのも増えるってうまい仕組み。そこを削って暮らしを楽にしろ、なんて理屈はだから無茶ですよね。社会生活、日常生活のインフラストラクチャー維持に使われている金をなくそうって言うんですから、仮に給料増えても、ガソリン安くなっても、財布から目を上げたら荒涼たる景色って事になりかねません。そんなことでその高い給料が維持できるはずもないですからね。廃れる一方です。ガソリン代が高くなればあなた方が大声で叫んでいる地球温暖化防止の一番の手段になるじゃないですか、思惑通りにみんなが車に乗らなくなったらね。道路だけにしか使っちゃならぬなんて縛るから腐ってくる、利権を生むという理屈はその通りです、古賀やら二階やらの道路族はガッポリ貰っているわけです、土建屋達の飯の種です、彼らにすれば当然の行動です。でも、だからこの税金を廃せよというのはやはり乱暴でしょう。もっとも菅さん(民主党)の言うのは一般財源化しろってことで首相もそう言ってますから、ガソリン税はやはり元に戻すべきですね、私はそう思います。トラック業界などには別の補助なり免除なりを考えればいいんです、この業界は社会の産業の大事なインフラの一つですから。中国がインドが東南アジアの国々が日本がこの50年辿ってきた道を大挙して怒濤の如く進んできています。日本が頭を上げてきた頃に、馬鹿にしながら段々顔が引きつってきたアメリカやらイギリスやらと全く同じ立場に立たされているわけです。アメリカ映画やTV番組見て、あの物の豊富さとあざやかな色彩に口あんぐり開けて憧れていたのと同じように、日本人の暮らしを目指した国々が今にも追い抜こうとしているわけです(もう抜かれています、GNPやらGDPやらでは下位の国に落ちぶれています)。今こそ大きく舵を切るべき時なんだと素人の私でも感じます。今までのやり方ではあちらこちらにぶつかるばかりです、そうやっているうちに八方塞がりに陥りましょう。食糧危機は今に直ぐ日本にも波及します。マスコミのあの金切り声が聞こえそうです。食品の値上げは原料の値上げにつれたもの、単純なことです。世界の穀倉なんて褒めているのやら馬鹿にしているのやらの表現していたロシアやらアメリカやら中国、東南アジアが輸出より自給に回し始めただけです。鉄鉱石などの鉱物も魚介類もレアメタルもそうです。この前TVでやってまいたが、ペットボトルの多くは日本でリサイクルされるんじゃなくて中国に売られるんだそうです、理由も情けないほど単純、中国の方が高く買ってくれるからだそうです。廃棄された携帯の引取先もそうらしいです。レアメタルの最大の輸出国だった中国が買い集めているんです。昔は要らなかった(技術も産業もなかった)けど今は要るってわけです。資源のない日本がさてどうやって生きていきましょうか。おまけに今は国策によって米をはじめ自国民の食料すら自国で賄えないと来ます。こういうことに気づかせてくれた民主党には感謝しなければならないのでしょうが、早く天下国家を論じてくれ、行く末を案じてくれ、道を示してくれということでしょうね。現況、いつか来た道と似ていませんか。俺達の言うことを聞かなければ、石油も鉄もなにも輸出してやらない。ううむ、それならなんとか獲りにいかねばならぬ・・。こちらには大東亜解放の大義があるのだ!もっとも、現況は誰が脅迫してきているのでもない、いちいちの手当てもせずに、先への備えも無しに突っ走ってきた我が身から出た錆ではありますが。ああ、ガソリン代。その先に見えるは何ですか?
コメント (2)
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