memories on the sea 海の記録

海、船、港、魚、人々、食・・・などなんでもありを前提に、想い出すこと思いつくこと自由に載せます。

錨をあげたらマンタが揚がってきた

2012-03-25 00:02:23 | 水産・海洋
何が揚がった!?南大西洋の海上油田の作業船が遭遇したものは(3月16日NY DailyNews)

作業者らは写真を撮りNairaland.comに投稿。それは巨大なマンタMantaだった。マンタは作業船の錨にからんで上がってきた。この魚はその後5,000ナイジェリア・ナイラス(およそ31ドル)で漁民に売られた。翼のような胸鰭の幅は7m、重さは2900ポンド(約1.3トン)であった。

違法操業による略奪と歪    西アフリカ

2012-03-25 00:01:22 | 水産・海洋
地元生活者への脅威が海賊の発生をもたらす。違法操業による損失は数百万ドルにおよび中国、韓国、欧州漁船がその主な犯人である(3月15日REUTERS)

FREETOWN/DAKAR発:最近シエラレオナ沖合の海賊漁業の取り締まりのミッションが行われた。漁業保護ユニットの6人が乗ったレンタルのモーターボートが燃料切れで漂流してしまったことに気が付いた。「我々は水と食料を配分した」と Victor Kargboはいう。長距離は届かない無線で助けを求め、その場しのぎのターポリンの帆をにわかつくりで備えた。一日分の食料と水が残っていて、彼らは最悪の事態を恐れていた。「仮にミッション活動の途中で死ぬことがあっても、国のために働く」とKargbo.

彼らの試練は国連のヘリが2日後に発見したことで終わった。貧しい西アフリカ諸国が直面しているのは彼らの沖合でのIUU漁業から水域を守ることであることが強調される。西アフリカは世界でも最も豊かなタイ類、ハタ類、マイワシ、サバ、エビ類の漁場として認識されているが、毎年15億ドルもの損害が保護海域での無許可操業船によってもたらされている。

広がる汚職や法執行のための資源不足は巨大な外国漁船の海域侵入をもたらしている。海岸に近い水域は地元漁師の独占水域であるにもかかわらず、外国漁船は網を引き何百万人もの地元民の生計を脅かしている。専門家らは毎年の略奪が西アフリカの不安定を深め、集落の人々を海上での犯罪に仕向けているという。これは90年代にソマリアでの違法操業が地元民を海賊行為にかりてたのと同じだという。今やこうした犯罪行為は毎年数十億ドルのものとなっている。

「西アフリカでの違法操業は制御不能」と国連FAOの漁業計画担当先任官のDavid Doulmanはいう。海賊の活動、とくにギニア湾周辺では活動が盛んでより暴力化してきている。これが西側市場への石油、鉱物資源、農産物などの海上輸送の脅威となっている。地元漁民らが沿岸都市の沖合で船舶のハイジャックや海上での略奪を行っているという明確な証拠はないが、彼らの生計の苦しさが彼らをこうした行為に走らせている。「それを心配することは妥当だ」とDoulmanはいう。

英国の環境法律団体EFJ(Environmental Justice Foundation)は西アフリカ沖合での違法操業の犯人は中国、韓国、欧州などの船籍のものによるという。EJF は西アフリカ由来の魚はロンドンの市場のスタンドでも見られる、箱には「CNFCのロゴがありこれは中国国営会社を意味し、多くのIUU漁船を所有している」EUはその問題に取り組んでいるという。あるEU当局者は違法操業を抑制するとともにEU圏内におけるそうした違法漁獲物の販売を証明書や違反者のブラックリストにより取り締まるものである。中国農業部は漁業も管轄しているが、コメントの求めには応えようとはしなかった。

<沖合は冷凍運搬船、陸側はカヌー>
皮肉なねじれではあるが、シエラレオネのKargboと同僚たちは以前に違法操業の疑いで拘束したことのある漁船Marampa 803によって救助された。61m長さのこの船にKargboらのチームは乗り込んだことがある。これは地元のSierra Fishing Company (SFC)社が所有する船舶のうちの一つで、運航はカナリ―諸島に登録されているTaerim Ltd(韓国・大林社)行っている。民間会社のManoCapによればSFCの株式の40%所有しているという。

「我々は漁船の活動の管理のために時間を費やすことないよう外注することを決めた」とManoCapの創設者のTom Cairnesはいい、Marampa803の管理も変更するという。シエラレオネのパトロールはこの船を今までに2度地元民の水域で発見している。違法操業漁船は岸に近い水域で操業する事が多く、ラウンドリングし由来を隠す目的で漁獲物を沖合で転載する。これらは欧州や中国の船籍で冷凍運搬船"reefers"と呼ばれる。
西アフリカにおける非合法な漁獲は世界の資源に歪を与える地球規模の問題である。米国とEUは違法操業による水揚げは世界全体で230億ドルにのぼるという。しかし西アフリカ沖の海が示すものは特例である。ここでは地区全体の漁獲の37%を違法操業が占めていると研究者はいい、この結果破滅の危機をもたらすという。警備艇を購う、あるいは燃料調達のための資金にこと欠く不自由な西アフリカ諸国は違法船団の取り締まりに努めている。「結局いつの日にか、我々地元漁民は多くの苦しみを背負い込むことになる」とシエラレオナのJohn Obey beachのPhilip Gabbidon 32歳はいう。そこには彩鮮やかにペンキを塗ったカヌーが砂浜に引き上げられていて女性が籐の籠に魚を入れている。
また、この地区での違法操業の形態は単一の漁業許可を多目的漁船や細かい目合いの網を用いることである。規制よりも細か網を使えば小型の魚まで獲り尽くしてしまう。ときおり地元漁民も違法操業の企業となる。異邦人が彼らのカヌーを雇い岸に近い操業禁止区域で、疑われることなく漁をするのである。

セネガルの首都ダカールの外側の崖の並ぶ浜のOuakamでMamadou Seck は pirogue(これは地元の木材で作った手製のカヌーである)で休んでいる、韓国漁船で数か月働いた後のことだ。大型の数隻のpirouguesがセネガル北部の港のSt. Louisから沖に向かい,海上の韓国船籍の漁船に拾い上げられたのち、遠くはガボンや赤道海域まで数千キロの航海を行う。「我々は朝には本船から吊り下げられたカヌー(pirogue)で漁をし、夕方本船に戻り獲れた魚を売るが値引きされる」と彼はいう。またpirogueはしばしばハタ類を岸近くで獲るという。「大変な仕事だが金にはなる。今がもっと大変になったのは魚が少ないせいだ」

<地元当局の格闘>
シエラレオネと同様、リベリアやアイボリーコーストなどの地域国家もまた当局者が海賊漁業と呼ぶ相手との戦いに負けている。ギニアだけで毎年およそ1億ドルの損失があるとEJFはいう。

アイボリーコーストでは当局は2007年以降で違法操業船の4隻を拘束したに過ぎない、しかし漁民らは毎日のように外国船が侵入するという。拘束した漁船はその船主が罰金を支払うまで港に留め置かれる。「海に出れば中国漁船がその航跡に沿ってすべてを奪ってゆくのがみられる」と地元漁師のBalima Hyacinthe 29歳はいう。彼は主とアビジャンの外周に住んでいる。アイボリーコーストは2011年位その内乱から立ち直ったが毎年およそ5万トンの魚を略奪されていると漁業大臣 Kobenan Kouassi Adjoumanilが Reuters通信に語った。この国はフランスの宇宙産業漁企業のThales SAに相談,領海監視を衛星で行うことを検討、さらに不審船の阻止を高速船で行うことも考えている。 「大きな問題は警備水域に行くための手段である」とFAOのDoulmanはいう。

「またここでは非常に古臭い漁業法令しかない。だから仮に捕まっても100ドルも払えば釈放される。さらに3番目にはこの地区の風土病の問題もあるという。

<現金の賄賂>
疑わしい船が地元の警備艇に阻止されると、その船長や乗組員らが西アフリカの兵士や漁業係官に見逃すように賄賂を提案するという。「彼らは現金を払うのが一般的で、操業を続ける」とギニアの匿名の軍人はいう。こうした賄賂はおおよそ数千ドルであるという。シエラレオネも同様の問題を抱えている。

「確かに過去には賄賂も行われていた」とシエラレオネの漁業大臣Kabiaはいう。しかし違法操業に対する立場を強化しているという。西アフリカの漁業部門は直接、間接地区の雇用の4分の一を担っているとFAOはいう。モーリタニアから南アにかけての沿岸集落の生計の劣化は甚大な影響を貧困と雇用に悩む地域経済に与えている。西アフリカは南米の覚せい剤の欧州向けの積み替え地であり。密輸者らは地元のボートや漁民を雇い麻薬貨物を警戒の手薄なマングローブに囲まれた水路や島で積み下ろしている。
「問題は漁業が困難になると人々が金を稼ぐ安直な方法に手を染めることだ。海賊や麻薬密輸などがそれにあたる」とWWFの西アフリカ漁業計画担当のIbrahima Niamadioはいう