memories on the sea 海の記録

海、船、港、魚、人々、食・・・などなんでもありを前提に、想い出すこと思いつくこと自由に載せます。

漁場を捨てれば7200人が失業する      ソマリア海賊関連

2009-11-30 00:53:01 | 水産・海洋
大型マグロまき網生産者協会(OPAGAC)の役員であり、ANABACの8社の船主ともグループをくみ全体で37隻のマグロまき網漁船を擁するJulio Moron氏は「他に代替となる漁業は無いし、漁具の転換も出来ない。解決策は乗組員の安全対策の改善または操業の中止しかない。しかしそうすれば直接雇用だけで1200人、間接部門を含めればさらに6000人が仕事を失う」と語った。(原典: elcorreodigital.com)

「ALAKRANA号の解放には47日間を費やした」 「こうした犯罪は乗組員、その家族、そして漁業関係者のすべてに波及する」 「先例としては‘Playa de Bakio’号もあった」
海賊の問題についてはここ4年間以上課題であった、しかし、国際社会は18年間も無法状態のソマリアに対して何もしてこなかった。その結果として犯罪行為が行なわれているが陸から2,000海里もはなれた国際水域では罰せられることもない。

-  海賊行為は業界にどんな影響を及ぼしているか?
インド洋操業のフランスおよびスペインの漁船の4割がここ2年で漁場を去った。事実昨年の ‘Playa de Bakio’の事件があり,船は大西洋に移動した。しかし、他に選択肢のない船はインド洋にとどまっている。EUの漁獲規制もあり自由にならない。漁獲はおよそ4割減少した。

- マグロまき網漁船にとってのその他の問題は?
最大の問題として業界が注目するのは他の漁場や西太平洋における小売y酢の良い漁獲だ。それらは主にアジアの船団によるもので、我々は低利と低品質なかれらの漁獲により、不公正な競走を強いられている。彼らの漁獲は価格が安くマグロ缶詰業界あどの国際市場では我々の脅威となる。彼らはキハダとカツオの世界全体の水揚げの6割を占めている。

- 他の漁場での操業の可能性は?スペイン国防相のCarmenChacon氏はそれを示唆しているが・・・
世界の漁業は国連によって設立された機関RFMO(地域的漁業管理機構)によって厳密に管理されている。 EUもまたそのひとつであり“漁業権と漁獲枠を管理している。まき網漁船が対象とするふたつのマグロ魚種の場合維持可能な漁場としては3つがある。操業場所はインド洋でありEU枠での補完的漁場としては、大西洋と太平洋がある。船団としては他に漁場はなく他の漁法に転換も出来ない。

我々が操業を停止すれば、直接雇用で1200人、間接的にはさらに6000人の人々がスペインやセイシェル、マダガスカル、モーリシャス、ケニヤなどで職を失う。さもなければ、乗組員の安全対策を完全に行なうことが必要でEU,スペインおよび関連国が行なうべきだ。

- 今年のインド洋に関するキャンペーンはどうだったか?
最初の6ヶ月間、海賊の動きがコモロ諸島にまで達していたので、船団はモザンビーク海峡にまで退避していた。従って熱帯マグロ類の回遊路に沿った操業はなしえなかった。海賊の脅威はモンスーン・シーズンの強風のためボートが使えず低減した。しかし、9月に天候が回復すると彼らは活動を再開、ALAKRANA号の事件が発生した。この時点から、まさにインド洋での操業の好機から、船団全体に恐怖といらつきが蔓延した。我々は競争相手であるフランス船がマグロを満載し安全に帰港してくるのを見ているだけで、我々は魚の少ない安全海域での操業に終始した。

2009年は海賊の活動がまさに我々の背中で行なわれるような状況にあったので、きびしい年であった。もうあと2ヶ月もない。多くの船員や士官たちは恐怖を受け、自宅待機したり危機回避のために早期の退職を検討したりしている。プロ船員の減少でマグロまき網の将来はどうなるのか? 「スペインの冷凍マグロまき網漁船の最大の秘密は、世界で最高の船員の質にある。プロの減少はより構造的なもので、その理由は海での厳しい仕事に加えて、長く家庭を離れることなどからであり、若者には魅力のない職種となっている。

「誤りを犯さない」バスクのマグロ産業には良いイメージがある。このことは海洋の減少とそうあってはならない魚資源にささげられたものと信じる人々もいる。EUとスペインは漁業活動において厳正な管理を行なっている。実際のところ、各船は衛星追尾システムにより毎分モニターされているし、漁獲にあってもその水揚げや転載を行なう各港においてサンプリングも行なわれている。いまやEUの漁船には電子ノートシステムが導入され、ほとんど同時に漁獲も把握できるようになっているマグロまき網漁船はその中でも世界最高の管理レベルにある。

IUU漁船対策の条約        FAOで承認

2009-11-29 00:16:51 | 水産・海洋
IUU漁船(不法操業漁船)を港から締め出す目的の条約がFAO開催による会議で承認されたこの条約が発効すると、この課題に対する初めての取り決めとなる(FAO 11月25日:メルコプレス)

この条約は25カ国の批准によって発効するが、現在はブラジル、チリー、ウルグアイ、米国、EU、インドネシア、アイスランド、サモア、シエラレオネなどの11カ国が議決に続いて批准を行なっている。またこの条約は“無国籍”と呼ばれるIUU漁業にも取り上げている。正確には“IUU漁船の解消と抑止のための港湾規則に関する合意”とよばれる。この条約に署名することによって、各国政府自らがIUU操業の抑止と消滅に取り組む必要があり、各国の港を違法操業船から守りかような船舶からの水揚げ物の世界市場への流入を防ぐ。

「この条約は漁業に関して1995年以降国連の魚類資源に関する最も意義ある条約である」とFAO漁業部門の専務理事の野村一郎は評価する。「これは一里塚ともいえる体制であり、もはや我々は漁業国の能力にのみ頼るのではなく、各海洋の自由海域で操業するそれぞれの旗国が識別や報告あるいは入港拒否などを行なう段階にきた」。 IUU操業は漁業の生産性を傷つけやがては破滅に導くものである。この人類にとって深刻な問題は資源の食料と収入という両面の理由による。正規の承認なしの操業や、保護資源を捕獲すること、違法な漁具の試用、あるいは漁獲枠を無視した操業といったものがIUU操業の実態である。もちろんこうした違法行為に対抗する様々な方法があるものの、資金を要し開発途上の国にとっては、その実行は困難であり、海はあまりにも広大であって、その監視に要する必要な技術のコストも大きい。その結果として、港湾での規制はIUU漁業に対してもっとも有効な手段といえる。

この条約の目玉は:
•  外国漁船で入港を必要とする漁船は事前に目的港にその旨の通告をし許可を要請する必要があり、本船の活動内容とその積荷を通報する必要がある。この通報が当局になされることにより、事前に警報としての赤信号を出せる。
•また、港湾入港時には当事国は一定の基準に沿って本船の検問を行なうことが可能トライ、本船の書類の閲覧、漁具の調査、漁獲物の検査などによりIUU操業をしていないかどうかの査察が出来る。
• さらに港湾当局側は正規に訓練された係官や充分な機材を確保しておく必要がある。
•仮に漁船側がそうした査察を拒否した場合には、港湾を有する旗国がその情報を通達し、その漁船が掲げる旗国がそれに続く対応を行なうことが求められる。この規則は適正な国旗を掲げていない船舶にも適応される。この条約参加国は定期的な監視体制を責任を持って行なうことが求められる。

底魚市況 2009年11月

2009-11-28 00:16:57 | 水産・海洋
底魚とそのほかの白身魚の2010年についての積極的なニュース。
パンガシウス(ナマズ)とテイラピアを含む世界の食用白身魚の供給はいまや1千万トンとなった。この値は、25年前のマダラとスケソウダラを加えた数量1千2百万トンに近づいた。白身魚の再起はふたつの鍵となるトレンドによる。それはマダラとハドックの供給の伸長および養殖生産による白身魚であるパンガシウスなどナマズ類の生産増進の持続による。(by FAO)

マダラの世界生産は2010年には2007年対比18%増加すると見られ、パンガシウスとテイラピアのそれは16%増加すると見られる。この量は81万7千トンに相当し最近のスケソウダラの生産送料に匹敵する。一方、2010年のスケソウダラの量は2010年も安定的に持続すると見られる。これはアラスカ海域の減少をロシア海域で補うからである。米国はおよそ90万トン、一方ロシアは165万トンである。

養殖物であるテイラピアとパンガシウスおよび天然物のマダラとその他の底魚の同時的成長は今後数年で終わるのではないか。価格の低下傾向はすでに2009年に始まっている。

網おこし     カムチャツカ

2009-11-27 00:08:11 | 亜細亜海道
先日CDで入手した資料の中にカムチャツカの漁業をめぐる写真がたくさんあった。これはその中の一葉であるサケ定置網の様子。8人の男達が網を引いている、機械力は一切使用していないようだ。船は定置網の作業には不似合いな居住区とおぼしき部分が巨大で作業甲板は少ないだから間に合わせの船なのだろうか。船は鋼船、ロシア人の信用しないFRPではない。FRPは氷に弱いといって拒否する彼らに氷の海で働くFRP船を見せたいと思う。居住区の上の物干し台のような構造の端部には裂いたサケの身を風に干している。”寒風干し”はいずこも同じ漁師風景とうなづく。
>>>写真をクリックすると拡大されます

選択的漁具の試用 スコットランド

2009-11-26 09:40:00 | 水産・海洋
新型の選択性のある漁具のテストが北海で行なわれている、「少なく漁獲し、多く水揚げする」という運動に弾みがつきそう。(スコットランド政府広報 11月10日)

Fraserburghに船籍のあるCASPIAN号は白身魚対象漁船だが、この事業に参加する5隻のうちの1隻である。白身魚とエビ対象の漁具のふたつがこの試験に用いられる。10月6日に本船はこの漁具を装備して操業を開始、目的外のマダラを避けて、その投棄をなくし同時にアンコウなどの底魚をねらう。
この試験は新年まで行なわれる予定で、マダラを網から逃がし、白身魚であるハドックやホワイテイングを狙うという漁具についても行なわれる。予算25万ポンド(約3800万円)のこの試験ではスコットランド漁船と地元の乗組員により行なわれ、試験結果の観察とデータ集積が行なわれる。

漁業局長のRichard Lochhead氏は「スコットランドの漁船が選択漁具の試用で欧州のリーダーとなることを誇りに思う」 「この試験によって、新たな型式の選択漁具が白身魚やエビに適応されるものがいずれ生まれるであろう」 「こうした新しい道具をわが漁業者に引き渡すことによって、より多くの魚を水揚げしながらも、貴重な魚を殺し投棄することを阻止できる。この動きは維持可能な漁業に対する僅かな部分ではあるが、これにより地元漁民を支援することにもなる」
 
またスコットランド漁業者協会(SFF)のBertie Armstrong氏は「スコットランドにおける規制の上での大きな問題は白身魚とエビの漁獲で、現状では混漁なしに行なうことが出来ていない」 「解決のための重要な点は選択的漁具であり、不要な魚の逃避を可能にすることである。いまだ我々は開発の初期段階にあるが、この試験が成功すれば漁業管理に大きな貢献が出来る。またこの試験はSFFの支援と協力を受けて行なわれている」


深海魚がカメラに捕らえられた    ケルマデック海溝・NZ

2009-11-25 11:28:43 | 水産・海洋
奇妙なピンク色の生物が7560mの深さでカメラに収まった。場所はNZのケルマデック海溝。国際科学チームが高圧に耐える水中装置を用いてのこと。昨年、同じチームが、世界記録の7,700mでの魚の記録に成功している。これは赤道の北側の太平洋の日本海溝でのこと。いずれの探査もHadeep計画の一環で、この計画は海洋そこでもっとも深い海洋海溝の生物の知見を拡大する目的。(BBC 12日) 

今回のNZで発見された魚は昨年のものに似ている。薄いピンク色で球状の体躯をもち尾が長い。しかし、実際にはこれらふたつは別の種である。ケルマデック海溝のものは Notoliparis kermadecensis であり、日本海溝のものは Pseudoliparis amblystomopsis である。

本計画のリーダーであるアバデイーン大学海洋研究所の Monty Priede教授は,「これらふたつの海溝が半球を異にするにもかかわらず、これらの魚が移住したかのように見える事が奇妙である」 「おそらくこれらは同じ祖先から、浅場から進化していったものだろう」 「これらの種はこれら海溝以外のところでは見つからない。非常に隔絶された環境が海溝なのだ」


南太平洋の遠洋での底刺網を禁漁に    NZ

2009-11-24 08:28:37 | 水産・海洋
ニュージーランド政府当局は南太平洋における底刺し網の使用を禁止とした。このことの目的は 南太平洋における合法的な漁業管理体制を地域的管理機構の下に確立すること。実際のところ、遠洋底刺し網による衝撃をうけ被害を受けるたとえばサメ類などがあり、それらはすでに乱獲の兆候を示している。

その中でも上位にあるものは逸失ないしは廃棄された漁具によるゴースト・フィシングとされるもので、それにかかった魚は当然のことながら決して陸揚げされることはないし、その“漁獲”は終わりがない

南太平洋漁業管理機構(SPRFMO)はスペインの2隻の漁船が行なったオーストラリアのLORD HOWE島沖合いで行なわれた深さ2kmまでにおよぶ底刺し網について、そこでは海洋生態システムの深刻な被害が見られなかったという申し立てについて深い関心を示した。先週、オーストラリアは長大な130km長さに及ぶ水深1.5kmまでの刺し網を南極海FFIC GLOBAL MARINE プログラムのリーダーであるGlenn Sant氏はさらなる保護政策が遠洋にも必要という。責任ある漁業管理のために禁漁は好ましく、新しく校正された機構の船出にもふさわしい。(traffic.org)

200人以上を救助  インドネシアフェリー事故

2009-11-23 00:53:40 | 海事

乗客を載せすぎのフェリーからは200人以上がすでに救助された、しかし少なくとも23人が亡くなり、行方不明の人数も把握されていない。当局は悪天候と高波によるものという(BBC 22日)

べつ情報によればこのフェリーの定員は273人であるが、定員超過と思われると。救助活動は夜に入ったために現在は休止、朝に再開される。

インドネシア海上交通当局のSunaryo局長は救助活動は悪天候によって阻害されていると。「波高が6mもあり、小型の船では現場に近づくことも難しい」とジャカルタの記者会見で発表。 フェリーDumai Express 10号はバタム島からリアウ諸島のDumaiに向かう途中沈没した。 この事故は出港から90分後に発生。

乗客名簿によればおよそ240人が乗船、しかしこの数値が正しいかどうかはわからない。この事故はインドネシアとマレーシアの間のマラッカ海峡で発生。
また何人が救助されたかも今のところ不明。 リアウの警察当局者はBBCに対して218人が救助されたと伝えたが、他の情報では292人あるいは232人とも言う。なにせ何人乗っていたかが解っていない。

海軍の報道官は、すでに沈んでしまった船体に取り残された人がいるかもしれないという。 また別のフェリ- Dumai Express 15,号も悪天候のため、バタム島とモロ島の間で座礁したという。こちらは、乗組員を含む278人全員無事であると。定員オーバーと不十分なメンテナンスによるフェリー事故により百人以上の規模で命が失われるフェリー事故が毎年インドネシアでは発生している。この3年間で、インドネシアのフェリー事故による死者の数は800人に及ぶ。

>>>バタム島にはシンガポール南端のWTCの乗り場から高速フェリーで1.5時間。何度通ったことだろう。暑さしのぎには高速が快適だが、フェリーの外に出ることは許可されず、エアコンの冷機の中で耐えるしかない。日中は平穏に見えるトロリとした緑色のマラッカ海峡。悪天によるスコールで波高は6メートルにもなるのだろうか。

180隻の外国漁船を拘束       インドネシア

2009-11-22 12:33:42 | 水産・海洋
インドネシア海洋資源漁業局(P2SDKP)は2009年度、海軍との協力により総数180隻の外国漁船を拘束したと発表した(ポンテイアナック発、アンタラ通信11月19日)P2SDKPのGeneral Aji Sularso 局長はこれら180隻はインドネシア水域における密漁のかどにより拘束と発表した。

作戦名称 "Operasi Samudra Lestari 2009",には 海洋漁業省(DKP)の4隻の船が参加、また5隻の海軍艦艇と警察から4隻、海事用の偵察機も参加した。この作戦は主にナツナと南シナ海で行われた。この作戦によっておよそ7200億ルピア相当のこかあの損失を防止したと推定している。 その根拠は1隻あたりの損失を40億ルピアと見積もってのもの。これら密漁漁船の多くはタイ、ベトナム、中国、マレーシアからのものであると。

写真は密漁のかどで拿捕されたベトナム漁船。

サメに関する行動計画を施行     太平洋島嶼国家

2009-11-21 09:05:57 | 水産・海洋
太平洋島嶼諸国漁業フォーラム委員会FFA、太平洋共同体事務局SPCおよび太平洋地区環境プログラム事務局SPREPは11月16日にサメに関する行動計画(PI-RPOA)を施行開始した。

少なくとも80種類以上のサメと英類が太平洋島嶼国家の水域にいる。そのうちの半数は高度回遊性と考えられている。従ってそれらについての漁業による影響は国際的に管理される必要がある。これら魚種の低い資源再生産性と長い寿命ゆえにこれらの種は乱獲の被害を受けやすい。さらに、サメやエイ類は太平洋島嶼の共同体にとって文化的な象徴でもある。

The PI-RPOA Sharksはサメ類の保護と管理に関する国際行動計画(IPOA)と西部および中部太平洋漁業委員会(WCPFC)の保護および管理規定(CMM)の双方に対しての責務も負っている。この管理規定では委員会メンバーは太平洋におけるサメの鰭についての管理を確立することを求められる。

この PI-RPOA Sharks実行計画は世界で初めてのサメ類に関する地域的か計画であり、太平洋島嶼国家当局に対してガイダンスを示している:
・ サメ漁業による影響についていかにアクセスするか
・ WCPFC CMMの規定するサメに関する管理体制をいかに確実なものとし、将来的にCMMによりどんな改善が行なわれるか
・ サメの持続可能な管理を国内的かつ国際的になすためのデータ収集や調査におけるイニシアチブをいかに確立するか.
PI-RPOA Sharksは国連漁業資源協定に基づき FFA, SPC およびSPREPが行動で行なうものである。(Solomon Times)


違法操業船の捕捉は困難   パプア・ニューギニア

2009-11-20 08:24:37 | 水産・海洋
違法操業漁船が高度な船体や装備でPNG水域で無謀な操業を行なっている、これは当局が充分な監視や調査手段をもたないため、と国家漁業局NFAが11月11日に発表した。(The National)

NFAの上級担当官であるJohn KASUおよびPhilip Polonの両氏は、アジア人が所有しPNGに登録され、PNG海域のみで操業する漁船に対して行なわれた5月の暴動に関しての国会の査問に答えた。Polon氏は180隻のマグロ漁船、15隻のエビトロール漁船、7隻のイセエビ漁船にあっては衛星を利用した最新の自動位置通報システム装備していると。また来年中は漁船の漁獲情報までを含めてポートモレスビーに通報するシステムがこれらの漁船に搭載される見込みと語った。

「しかしながら、我々は違法漁船の100%をカバーすることは、この広大な海域では不可能である。その理由はそうした違法操業漁船は最新の船であって出入りをいとも簡単におこなっているから追尾が不可能なのだ」またPolon氏によればこうした違法行為が行なわれるのはDaru,PNG西部海域、アラフラ海、北側のSandaunとManus海域であるという。「我々は遠洋での違法操業の事例も把握している」こうした操業のほとんどはインドネシア、中国および台湾籍によるものという。FFA協定による共同調査が豪州およびNZの空軍によって行なわれ、さらに国防軍との取り決めにより年間10回のパトロールもPNGの100%資金負担によって行なわれているという。

密漁がいとも簡単に行なわれるのは、国家漁業局には僅か60人の係官しかおらず、これで広大な海域のカバーは出来ないとPolon 氏は言う。当局は漁船によって密漁を行なったという証拠を保持していない。規制を行なうことは出来るであろうと見解は一致している。査問団を構成する人々はパプアニューギニア人の漁船の上での労働状況についても質問を行なった。Polon氏は外国の海上労働者に比べてPNG人はきわめて怠惰であるし、海上での2週間が過ぎるとすぐに止めてしまうという。 「13人乗組みの漁船がたとえば15日間操業し陸に戻ると、乗組みはお金をポケットにしたら2度と船には戻ってこない」 「よって又新たに13人乗り組を載せるが、フルタイムでの操業も出来ない」 「漁船の船主はPNG人が怠惰だと評価している。しかし我々の乗組員はリラックスしているのに」

査問団はPNG人がそう見られるのは船上ではまるで奴隷のように扱われ、その上賃金も少ないからだとしている。国家漁業局は、この点についてアジアからの労働者も似たり寄ったりの労働条件ではあるが、労働条件改善のための労働関連当局の関与があるという。Polon氏や Kasu氏は関連省庁がこの問題について連携して取り組むことでより良い条件や機能向上をはかる必要があるとした。

太平洋の漁業管理にさらに魚種を追加

2009-11-19 00:46:38 | 水産・海洋

近頃ニュージーランドで行なわれた交渉では地区的な漁業管理機構はすでにマグロ委員会が取り決めた魚種に含まれていなかったものも包含することになる見込み。(RNZI 11月9日)

これまでに行なわれた7度の会議では南太平洋漁業管理機構は国際的漁業との格差を解消すべきとされていた。ここでいう対象地区とは大雑把に言ってオーストラリアから中南米を含み南氷洋から赤道までに及ぶ。この地区での漁業の情報形成に関しての科学的ワーキング・グループの議長であるアンドリュウ・ペニイはすでにアジ類が乱獲の兆候にあるという。

1990年代初頭には4百万トンの漁獲であったものが、いまや百万トン以下になった。このことは資源がすでに過度に開発されたことを示すものであり、更なる悪化を防止すべく南太平洋RFMOは行動すべき。又同氏によれば底引きとロールで漁獲されるオレンジ・ラフィーにあっては計測すらも困難であり、遠洋の漁場ではすでに開発し尽くされたという。

<写真はオレンジ・ラフィー>



漁業は依然危険な仕事 英国

2009-11-18 08:07:05 | 海事
様々な救助手段の発達にもかかわらず漁業は依然危険な仕事である、とRNLIのレポートは伝える。

王立ライフボート協会は英国水域で操業した漁業者のうち150人が過去10年間に死亡、またスコットランド・ライフボートは昨年129件の漁船事故があったと伝えている。これらの事故の結果、170人以上が救助された。いま、RNLIはMOB GURADIANと呼ばれる無人安全システムの普及を図っている。

MOB GUARDIANは衛星を利用した位置通報システムで、漁船や漁業者が困難な事態に陥ったときに警報を発するように設計されている。生命の危機に瀕する状況になると緊急信号をRNLIのボランテイアを含む乗組員や機関に対して信号を数分間のうちに発する。このシステムは当該船舶の位置、進路、速力やその乗組み員数などを知らせる。このシステムにより、漁業者の生存の可能性を拡大することが出来る。RNLIは近頃このシステムを西アイル地区の漁業者に勧めている。スコットランド漁業安全担当のJohn Fulton氏はこれらの島嶼地区を訪問「RNLIはこのシステムによる安全対策の改善を、無償の安全対策として漁業者に訴えたい」としている。

漁業がアホウドリに脅威となる    保護グループが警告

2009-11-17 00:26:07 | 水産・海洋
科学者は、アホウドリは漁具に絡まることによって5分間に一羽が水死していると警告、あらたな保護基準の必要性を訴えている。写真は延縄の釣り針にかかったアホウドリであるPhotograph: Graham Robertson/Australian Antarctic Division/RSPB

37種類の海鳥が危機に瀕しており、それらのうちアホウドリを含む18種類は絶滅の危機にあるとRSPB(王立鳥類保護協会)およびBIRD LIFE INTERNATIONALが警告している。こうした海鳥は釣り針の餌を取ろうとして、自らが釣り針につかまってしまい溺れて死ぬ。ブラジルのレシフェで行なわれた、大西洋および地中海のマグロおよびカジキ漁獲枠の会議参加者に保護グループが行動を呼びかけた。

RSPBとBirdLife International は大西洋と地中海での保護についてICCATにその規準設定を求めたもの。アホウドリの専門家であるCleo Small 博士は「5分ごとに一羽が死んでいる。とくにアホウドリは他の鳥よりも急速に脅威にさらされている」という。旅をするアホウドリは鳥類の中で翼の幅が最も大きい鳥であるが、南ジョージアでは延縄漁業の影響によって急速に数が減っているという。.


不漁でニシンの市場価格は上昇 ノルウエー

2009-11-16 00:01:36 | 水産・海洋
本年11月の市況報告は芳しくない。不漁によって魚価が上昇している(globefish.org)

ことしの第2四半期のニシン市況は不漁によって芳しくないものとなっている。前漁期のものが原料として利用できるが、不漁が価格に反映、9月時点では依然多くの漁獲枠が残っていたという。2009年第2四半期の冷凍ニシン・ラウンドの生産は9千トンにとどまり、前年同期の2万6千トンに比べると大きな落ち込みとなった。
従って、そのフィレー生産も同様に低調であり全年同期比の25%減少の2万4千トンとなった。この減少は原料の不足による。一方ロシアへの輸出は増加。2009年の第2四半期には同国へは98百万ノルウエークローネの販売となり前年同期に比べて6千万ノルウエークローネの増加となった。この数値は契約済みの在庫によるもので、EUに対しても売り上げは倍加した。

アフリカもふたたびニシンに興味を示しているが、取引の主体は小型サイズの冷凍ニシンであり、輸出後に伝統的な方法で加工される。ノルウエーからの各国向けのラウンド・ニシンの輸出は2006年の32万2千8百トンから2008年には49万1千5百トンへと年率23%もの上昇を示していたところであった。

日本の輸入は2009年には明らかに減少した。輸入の95%は抱卵ニシンであり、その主体は米国やロシアからである。米国からに輸入は堅調であり、ロシア物の輸出は極端に減少している。

またドイツは2006年から2008年の間は3万5千7百トンから3万2百トンへと15%の減少を見せたものの、2007年は3万8千4百トンを輸入した。ロシアと東欧諸国が盛漁期の輸入者となる。消費力はおおきいが、経済的安定性の要因が輸入に大きく関わる。