memories on the sea 海の記録

海、船、港、魚、人々、食・・・などなんでもありを前提に、想い出すこと思いつくこと自由に載せます。

ニシン料理

2010-02-27 09:06:31 | 
海から揚がったばかりのニシン。酢漬けにするか、燻製か、それとも調理するか、ニシンほど安く美味い魚はない。どうして嫌いなの?(英ガーデイアン1月23日の食レシピ記事から)

19世紀初頭、スコットランドの北部の集落では“銀波”の襲来を体験した。金鉱山も砂金さらいも金貨の交易もなにもない場所。彼らの富は地下にあるのではなく氷の張り付いた岸辺にあった。そこには“愛しのシルバー”よばれる膨大な表層魚、ニシンの来遊があった。古代ノルウエー人たちはニシンを“軍隊”と呼んだ。あたかも軍隊の兵士のように、魚は常に移動、プランクトンを追従して泳ぎ、海から救い上げられると人々の富となった。

どこの集落もその豊穣さによって潤った。南西部のこの場所からたとえばLangportニシンやChaldonニシンなど、その豊かさの記録はその名前となって今も残っている。このささやかな小さな魚の価値を過剰に評価することは難しい。我らのニシン魚食は、単に塩漬けにしたり、燻製にするだけではない。活きの良さ新鮮さもある。

スカンジナビアやオランダまで我々は途絶えることなく順調に北海ニシン資源の漁獲を続けてきたが、1950~1960年代中盤になるとその漁は半減してしまった。ここ最近では、我々の国内ニシン漁業はいくらかは回復した。スコットランド南西部ニシン、たとえばMSC(海洋保護協会)によって資源維持レベル3~4とされている。またテムズ・ニシンはMSC(海洋管理協会)によって証明されている。だから、我々はやましさを感じずに食べ楽しむことが出来るのだ。

ニシンは安いだけの魚ではないオメガ3脂肪酸を含み、美味さとともに栄養にも良いのだ。サバの場合のように脂に富んでいる、だから保存が難しい。よって、ロールモップのような酢漬けにされるのだ。塩漬け、乾燥、燻製、など様々な方法がある。ニシンを買うときには銀に輝くそして眼のしっかりしたものを選ぶこと。(以下は省略)

写真は自家製のニシンのロールモップ(Rollmops)たくさんの商業的産品があるが、それらの場合は粗悪な酢の使用により魚の旨味を消してしまっていることが多い。だから、自分で手造りが良い( Photograph: Colin Campbell)


マグロ資源崩壊防止に努力        セイシェル (2)

2010-02-25 00:01:04 | 水産・海洋
一年ほど前、大規模マグロ買い付け会社とWWFは強力な連合組織の国際水産物資源意地基金(ISSF)を設立している。 参加企業は東部太平洋からのメバチの買い付けを拒否、その理由は同地区のRFMOが常に科学的勧告を無視していることが理由だと、 ISSFの会長Susan Jacksonはいう。ボイコットが功を奏し、東部太平洋での保護計画がいまや机上にのぼった。そして今、インド洋マグロ委員会(IOTC)の番である。「北のマダラが失われ経済が破壊されたことを思い出すべきで、クロマグロも総崩れになるだろう。インド洋においてはつらい痛みなしに進んだ先にあるものを学ぶべきである」とデルモンテ者の前副社長のJackson氏は言う。「世界の耳目はIOTCに注がれている」と彼女は言い、この先の3月の会議は重要という。これまで無視されてきた保護の見直しが必要だと。

さまざまな参加者がIOTCのセイシェル会議でIPSに語った。28カ国のうちには地元アフリカ諸国、EU諸国、スペイン、フランス、スリランカなどが参加、まさに機能不全である。
「イランはキハダの漁獲報告ひとつだに報告しない」正しく資源管理をするためには各船の許容漁獲の漁獲量と種類を報告する義務があるにもかかわらず。

ISSFがIOTCマグロをボイコットすることはブラックメイルにあたるのではないかというIPSの質問に対して、「われわれとしては参加各国に対して科学的パネルの内容をすすんで採用することを勧告している」と、Jackson女史は答えた。「われわれの組織に参加している各社は各地のRFMOは科学者の勧告する保護方式に従うべきと考えている」と同女史。「われわれの提唱の役割は科学によって支持されている。世界で最高の科学者も含まれ彼の言うことは直ちに実行されるべきなのだ」

セイシェルの環境天然資源運輸担当大臣のJoel MorganはISSFの行動を支持し「マグロはインド洋にとってのみ重要な資源というわけではない、この地球全体にとってだ」とIPSに対し語った。気候変動によって、主に水資源を原因としての産物生産が減少している、漁業はさらに重要なものとなるだろう。もし、漁業における資源の持続的維持が不可能となれば人類は壊滅的状況に直面するとMorgan大臣は語る。「世界は将来さらに魚類によるところが大きい、資源維持可能な漁業は緊急の課題である」と。
(写真はセイシェルのビクトリア港に入港したまき網漁船)


マグロ資源崩壊防止に努力        セイシェル (1)

2010-02-24 07:43:31 | 水産・海洋
世界第2位のインド洋マグロ会社の片隅では冷凍マグロでいっぱいのモッコ網をまき網と呼ばれる漁船からクレーンを使って水揚げしている。この反対側では毎分に5000個のマグロ缶詰が生産されている。大量のマグロは日量およそ400トン。世界全体の2割を占めるインド洋のマグロ類は資源維持できるのだろうか?(IPS NEWS 2月8日)

セイシェルデ今回はじめて開かれたマグロ会議(2月第1週に開催)の主題はまさにそこにあった。そこにはおよそ200名の科学者、漁業者、環境主義者、政策決定者が当地ビクトリアに集まった。アフリカでもっとも小さな首都で、ソマリアの海岸からは1800キロ離れている。「今日、漁船の効率は向上しマグロ資源は以前より少なく、減少している」と科学者のAlain Fonteneau(フランスのモンペリエの the Institut de Recherches pour le Developpement )はそう開会にあたって宣言した。ここでの主題は世界各地と同じようにインド洋のマグロもらんかくされているのかということであった。

インド洋には地区漁業管理機構RFMOがあり、マグロ資源の乱獲防止と資源維持管理を目的としている。RFMOにはこの地区の各国政府の代表がおり、マグロをどの程度漁獲してよいかの決定を, 科学的助言に基づいておこなっている。すくなくともこうした活動がどのように機能しているだろうか。環境主義者たちはインド洋マグロ委員会とRFMOメンバー国の中においても科学は欲望によって無視され、短期的な見方しかそこにはないという。
「世界のRFMOが遠洋のマグロ資源の健全化のために投じている金を考えるべきだ」と米国のWWF基金の副理事長のWilliam Fox はいう。Fox 氏はマグロのリストについて言及する。クロマグロはスシ好きの人々に賞賛されるが3月の国際絶滅危惧種会議でCITES年次会議で絶滅危惧種に入れられるであろう。

メバチ、キハダ、ビンチョウはほとんどの漁法において乱獲されている。成長が早く資源の肥沃なカツオだけが大丈夫でこれはツナ缶詰の主体をなしている。とFox 氏はいう。
「各国政府は現在の資源状況にのみ基づくという誤りを犯している。マグロ漁業界はその先を見越した生き残りまでを確実にしなければいけない」と彼は結論付けた。
(写真はまき網漁船からの水揚げ:マジュロ港)


会社の数がすぎる       スペイン水産関連会社

2010-02-23 00:00:47 | 水産・海洋
咋今の欧州の経済危機によって建設業と観光関連が大きな痛手を受けているのがスペイン。失業者は20%を越えた。スペインは欧州の主たる水産物市場でもあるが、これまた影響下にある。(2月17日)
競争相手が多すぎるとスペインの市場機構を代表するANMAPE協会のManuel Pablos Leguspin はいう。「これからJV 形式の会社が増えるだろうし、力のある中規模の会社が成長するだろう」。
「さらに垂直的な統合が必要。生産者と供給会社の統合が必要」とかたり、その一環としてANMAPE自体がCEPESCAスペイン漁業協会との協力協定を結んだという。

とにかくスペインには家族経営によるものが多くなかなか難しいが、とにかく市場の変化に対応が必要。「漁獲枠は減らされ、漁船の数も減った、しかし産業規模は縮小していない」と。加えてか核問題にも彼は言及。「いくつかの魚種にあっては値段が20年前から据え置きのものもある。最悪はヘイクとエビだ」「経営統合が必要。いくつかは市場から消える必要がある」と。

最後のイワシ缶詰会社が閉鎖      米国

2010-02-22 16:07:18 | 水産・海洋
米国最後のイワシ缶詰会社として稼動を続けてきたStinsonシーフード工場(米国メイン州、Gouldsboro所在)がこの4月18日をもって閉鎖と決まった。この会社は100年以上の操業の歴史がある(Bangor Daily News2月17日)

米国の著名缶詰ブランドのバンブルビーが2004年買収した会社であるがプロスペクト・ハーバーにあるこの会社の従業員128名は職を失うことになり、ショックを受けている。「これは破滅的、ほかに言葉が出ない」この知らせに同社で第一選別の仕事をしているDana Rice は「まるで誰かが死んだみたいだ」と語る。

サンデイエゴのバンブルビー本社の報道担当のMelody Kimmelはこの発表について水曜日確認した。閉鎖の理由はニシンの連邦規制の減少が主な理由であると。2004年の時点では大西洋ニシンに関する連邦規制は18万トンであったものが今年はわずか9.1万トンになったという。職を失う人々は退職金と再就職カウンセリングをうけることになるという。この工場はこの場所で100年以上稼動してきた。原料はニシン科の魚であるが缶詰にされたあとはいわしと表示される慣わしであった。(これは魚名詐称ではなく、イワシはニシン科である)工場閉鎖の決断は非常に難しかったと。

海草の輸出を規制    インドネシア

2010-02-21 00:11:43 | 亜細亜海道
インドネシア政府は乾燥海藻類の輸出を規制する予定。全面禁止ではないとインドネシアの海事漁業省の当局者はいう。(INFOFISH 2月11日)

政府は囲う設備を備えた国内の海藻会社に対して輸出管理のもとに海藻原料を輸出することを許可する模様。さらに、中小規模会社(SME)と組合に対しては輸出許可証を発行する。このことにより、これらの会社は乾燥した海藻原料の輸出による利益を確保することができる。

インドネシア政府は貿易会社に対しても許可枠方式を適用、これは2012年から適用される見込み。昨年、インドネシアは30万トンの海藻原料を算出、うち85%は輸出された。この大半は中国向けである。フィリッピンはおよそ4分の一の規模。インドネシアは2014年には海藻原料の輸出100万トンを目指している。

違法で、残酷で、無駄なスペインのサメ操業に規制を    環境グループ 

2010-02-20 00:03:16 | 水産・海洋
フカヒレをとるためのサメ操業の規制を環境グループはスペイン政府に求めた。サメ同盟のALEX BARTOLIによればスペインは年間5万トンのサメを獲り、そのフカヒレを高級料理のスープとして用いる中国に輸出している。(AP通信 1月28日)

BARTOLI氏によればスペインでは2002年から、またEUでは2003年から、フカヒレの採取は禁止されている。この場合利用可能な漁獲物であるサメの95%が廃棄されている。 環境グループはEUにおける決まりの影響を行使してスペイン政府は法的処置を強化するように求めた。しかし、スペインの環境大臣はこの要請にただちにコメントすることは避けた。Bartoli氏によれば、スペインのサメ漁獲量は2009年時点で世界第4位、その年間漁獲はEU全体の半分に相当する。

カナダとデンマークの漁業紛争

2010-02-19 00:01:27 | 水産・海洋
カナダとデンマークの間で漁業をめぐる紛争が過熱している。その原因はグリーンランドの沖にある小さな不毛の岩礁のハンス島をめぐるもの。しかしながら、この場所は北海えび(アマエビ)の主魚場として知られる。(2月8日)

カナダの連邦漁業相Gail Sheaは先週ニューファウンドランド沖の国際水域での デンマークによる乱獲を非難。デンマーク保護領とファロー諸島に所属するデンマーク漁船に対して警告を発した。北大西洋漁業機構の保護取り決めによるえびの漁獲は334トンまでとする取り決めに来週から従わなければ、違反船はカナダの港から締め出すというもの。

カナダ政府の報道官は「デンマークは二国間協定に基づかない3,100トンの漁獲枠をグリーンランドとファロー初頭の漁船団に与えている。それはカナダの350km先の経済水域で3Lとよばれる海域である。このことはこの魚種の保護に大きな影響を及ぼす」ハンス島とはカナダとグリーンランドの間のケネデイ海峡に存在する小さな無人島である。この島の帰属は両国にとって数年来の紛争の種であった。

デンマークのエビの漁獲枠はその全体のわずか1%であるのに対して、カナダは80%に相当する。カナダ外交筋はグリーンランドとファロー諸島の漁船は他の港で水揚げしなければならないと警告している。しかしながらこの海区に砲艦が直ちに出動するようなことはないという。

食はいかにあるべきか (2)

2010-02-18 00:46:08 | 
⑤ そうならば菜食主義か?

菜食主義者になればあなたの目標達成は100%だろう、しかし菜食者になることは融通の利かない保障に過ぎない。乳製品を大いにあてにするどんな食事法も、大きな二酸化炭素排出となる。例えば、硬いチーズの場合、ビーフの場合よりも大きな二酸化炭素排出負担となる。こうした考えに立つと、国連によれば人類が発生する地球温暖化ガスの18%は家畜類の飼育によるものである。肉類と酪農品の摂取を切り詰めるとガス排出に減少に関して大きな影響があることが理解できる。

⑥ 何を使って調理するか

マイクロオーブン(電子レンジ)はエネルギー効率が最良である。しかし誰しもがこれを喜んで使うわけではない。政府による市場転換プログラムの調べによるとおよそ2割の一般調理については電気オーブンから電子レンジに転換した。電子レじンジを使用すればエネルギーは平均で5割節約される。たとえばポテトを電気オーブンで焼くのに比べると、電子レンジではその10分の一で済む。電子レンジを使わないとするならば、電気オーブンよりガスレンジのほうがよい。

⑦まとめ買いし調理し冷凍、 それともすべて生のまま冷凍?

一方、これはあなたの身内の食通を喜ばせないかもしれないが、冷凍は台所を管理する最も効率的な方法である。それは規模の経済学といえる議論でもある。もしあなたが生食にのみによった食事法をとる場合には適応できない。またそうすれば、100%あなたは二酸化炭素排出低減の競走に勝つことが出来るだろう。 といって、空輸物の熱帯果物や野菜を毎日取り込むことをしてはいけない。

⑧ 電気ポットかそれとも湯気で笛のなるタイプ?

ケンブリッジの物理学のDavid Mackay教授はベストセラーの「暑い空気なしに」を著作したがその彼がいまエネルギーおよび気候変動部局の主席科学アドバイザーを務めている。その彼は、昨年、この謎の真相を探りあてるために彼自身の台所で実験を行った。彼の結論はガスを使用した方がよいということ。特に冬場は、その廃熱が台所自体を温めるからだ。また彼は、熱湯があるときに、ふたをソースパンに置くことによって節約されるかの実験もした。その結果は焼く3%であった。

⑨お茶かコーヒーか

今我々のテーマは二酸化炭素排出の低減である。極僅かな影響しかないかもしれないが、一杯のコーヒーのためには33gの二酸化炭素が、また比較としての一杯のお茶のためにはその値は20gである。

⑩ 水道水かそれとも瓶詰めの水

この問題では常に水道水が勝利するが、それはその価格と二酸化炭素排出の低さの両面からである。水道水は輸入されたブランドの付いたミネラルウオーターに比べて二酸化炭素排出はわずか300分の一に過ぎない。


食はいかにあるべきか (1)

2010-02-17 00:01:41 | 
この惑星にとって良い選択をしようとすると、では何を食べるのが良いかというジレンマに陥る。英国のGuardianに掲載されたレオ・ヒックマンの考え方は・・・こうだ。

① 配送サービスが良いのか、それとも自分で買いに行くか?

原則としての話。30台も車をならべてスーパーストアに行くのか、それとも1台のバンで30軒分の家庭の買い物をしたほうが良いのか? 単にバンには大量のものをはこべるという利点があるのみではなく、最も効率的な配送もできる。
しかしあなたがより正確なデリバリによるショッピングを望むなら、配送ドライバーは、特別な配送しなければならないか、または効率の悪い配送少なくともしなければならないでしょう。よって最善策としてはあなたの排出することになる二酸化炭素削減のためには配送に柔軟性を認めることだ。
家庭配送のすべてが同じわけではない。OCADOはHertfordshireにある集中配送センターからやってくる、そのほかの店の場合は最も近い店から貴方のところにストア・パックの形でやってくる。OCADOでは「個別配送のほうが二酸化炭素排出量の面では来店されるよりも良い」と。(OCARDO:英国のオンライン・スーパーストア)

② スーパーストア、それとも地元の市場、いやそれとも高級店?

二酸化炭素排出量というプリズムのみを通しての質問であれば、あなたがどのように動くのかということにつきる。あなたは町の外のスーパーストアに車で行くのか、それとも歩くのか、自転車か?また本通りにはバスで行くのか? ここまでは簡単な部分だ。しかしそれぞれの選択の中で、眼に見えないエネルギー消費については簡単ではない。
スーパーマーケットは、多くの照明、加熱、および冷却を必要とする倉庫のような性格であるのが一般(スーパーマーケットのエネルギーのおよそ四分の三が、ほかの場所で準備された食物を冷蔵冷凍するのに使用される)これに対して、地元の店舗の場合は地元産品で加工度の低いものであればエネルギー消費ははるかに低い、この点はスーパーマーケットに勝る利点だ。

③ どの肉の二酸化炭素排出量が少ないか・・・牛肉、鶏肉、ラム肉、豚肉

皆さんを喜ばさない答えだが、その最小のものはチキンである。2006年のシカゴ大学の調査によれば、ブロイラーのように集約的に飼育された鶏の場合、鶏肉1キロカロリーあたりのCO2排出量は1.67gであると。これに対して穀物飼育の牛は13.82g、豚9.03g、ラム25.97gとの二酸化炭素排出になるという。ここで鍵となるのは“穀物飼育”である。政府の独立アドバイザリー機関である維持可能資源開発委員会は最近の報告で“草で育てた”肉を選ぶように勧めている。もちろん、一方では我々は肉食を控え健康改善とともに二酸化炭素排出を抑えるべきであると。

④ 魚でも二酸化炭素排出の多いものがあるのだろうか

答えはイエスだ。肉も種類によってその差があるように魚類においても大きな違いがある。このことは魚の探索にどれほどを要し、漁獲、包装、運搬の各段階がどうであったかによる。例えば、岸の近くで漁獲されたものであれば、何日も海にでて燃料を消費するトロール漁船の漁獲よりも排出量は当然少ない。
ノバ・スコシアのダルハウジーj大学の環境経済学のPeter Tyedmers博士は,漁船の燃料消費に関する専門家でもあるが、ニシンを漁獲するためにまき網漁法の場合には漁獲1トン当たりその魚の生鮮状態での水揚げまでに20リットルを消費する。これに対して、エビ・トロールの場合にはなんとその百倍の2,000リットルを陸での水揚げまでに消費する、という。
同じように、魚類に着目したシカゴの研究者らによれば、養殖エビの場合は穀物飼育の羊や牛よりも多いこれらの肉1キロあたり30.86gの二酸化炭素を排出。養殖サケではこの値が4.87gと低く良好。しかし、謙虚なニシンの場合はわずか0.25gと養殖エビの123分の一に過ぎない。

ソマリア海賊は天の恵み  ケニアの漁業者

2010-02-16 06:51:07 | 海事
ケニアのスワヒリ族の漁師たちは恐ろしい海賊を天恵とみなしているという。ケニアのモンバサの港ではさんご礁のようにくぼんだ鉄板のひさしの下で、最近の彼の大漁についてかたり、200kgを超える漁獲はこれまでの平均を超えているという。加えて彼らはソマリアの海賊に感謝しているといい、その理由はこの海域にほかの国の船が入らなくなったからだという。(mysinchew, 2月8日)

Aziz Suleimanは木造の小屋を共同で所有し,そこで魚を売っているが、この季節海賊が外国漁船をブロックしてくれて助かるという。また Zedi Omarという19歳漁師は以前見かけた外国漁船を見なくなったという。貨物船しか見ないという。彼とその仲間は即席の魚の選別場で働く。腐敗臭にむせながら、樽の中のサメの肝油の悪臭と苦戦している。

Habib Hakemはルナ・ウオーター・スポーツという会社をモンバサの北で運用している。 彼が言うには 東アフリカの観光都市は魚の恩恵に支えられているという。釣り客と釣り船の.持ち主は今上げ潮にのっているという。過去一年間は特にそうであって、実際肴がよくつれたという。彼によれば以前は4時間もかけて沖に出ても、港に戻るときは手ぶらが多かった。 

インド洋の海洋資源は豊饒であり、長年にわたって欧州やアジアからの漁船が何ヶ月も操業しそれぞれの地元の需要を満たそうとした。スペイン、フランス、台湾などそのほとんどが、この地に基地をおくマグロ漁船であった。

乱獲でアジ資源の枯渇   チリー

2010-02-15 00:01:46 | 水産・海洋
アジJack mackerel (Trachurus murphyi)はチリー漁業の主要対象魚である。厳格な資源保護プログラムとチリー漁業専管水域の中での同資源の保護が漁業養殖法によって規定されている。 アジJack mackerelは高度回遊魚であるが,100隻を超える工船トロールによって用意に漁獲されている。ここに出漁するのはスペイン、キューバ、ロシア、ポーランド、中国、北朝鮮およびその他の国々である。 (INFOFISH 2月8日)

夜になるとこれらの船のいくつかがチリーの専管水域に入り込み、チリー海軍の哨戒機が飛来する前の夜明けには逃げ出すのだ。チリー漁業協会(SONAPESCA)のFederico Silvaによれば,最良の漁獲分だけを冷凍や缶詰にした後はすべてをフィシュ・ミールにしてしまう。 この方法でアジの稚魚や他の魚種も打撃を受け資源の再生に影響を与える。いったんそれら工船の船腹が満杯となると、彼らは運搬船と洋上会合し工船はまた漁場に戻る。運搬船のほうは母港に戻り、虚偽の報告書の記載で製品を水揚げするのだ。

漁船登録は必須      ガーナ

2010-02-14 00:04:01 | 水産・海洋
ガーナ政府は2002年漁業法625条に従い、すべての漁船は正しく登録され識別できることを求めている。大型や中型漁船はすでにそのすべてが登録を完了しているが、地元のカヌー漁船はいまだ登録が済んでいない。(FAO 2月5日)

FAOによるパイロット事業として、ガーナの沿岸にある総数12,000隻のカヌーのうちのおよそ1,000隻は識別のためのナンバープレートを装着することになった。このことによって国の漁船登録を確立するとともにカヌーによる操業数、その漁具、水揚げ量などの統計データの把握に寄与することになる。これで、より効率的な改善につながる管理や監視が可能となる。(写真はNY TIMESによる)

違法漁船の数が減少  フィージー

2010-02-13 00:00:01 | 海事
違法操業を行っていた外国漁船の数がこのところ減少。その理由は船主がブラックリストに記載され,FFA加盟諸国からの漁業ライセンスの取得ができなくなることを恐れたもの(FIJI TIMES 2月9日)

有罪判決による漁獲物と船体の没収をおそれてのものである。どう国の水産省の次官であるViliame Naupoto司令官はフィージーの130万平方キロにおよぶ経済専管水域と自分たちの限られた探査能力にかんがみ、フィージーは違法操業をなくす努力を他の太平洋諸国とともに行っていると。「こうした取り組みが以前はなかったが、まだまだ法を破る外国漁船がいる」 「フィージー水域はあまりにも広大でそのすべてを把握することは困難、そこでわれわれは地区ごとに取り組む必要がある」

Naupoto司令官はソロモンのホニアラにあるFFA機構はその加盟国の水域で操業する漁船のすべての記録を保有している。またすべての漁船がVMS(船舶監視装置)を装備しており衛星経由でFFAは船の動向を捕捉できる。 「情報はホニアラに送られて、その跡に加盟国に送られる」「違反を行った漁船はブラックリストに記録される」 「いったんリストに載ればどの国からも漁業ライセンスを受けることはできない」

フィージーでは外国船の違法操業により数百万ドルの損失となっているという。また、フィージーのEEZ水域で違法操業を行えば船主は裁判にかけられると警告している。

>>>日本ではロシアから銃撃を受けた漁船がVMS装置を切って操業していたことが判明している。海の上では誰も見ていない・・・という時代ではないのだ。

ここ5年間で98%減少  テムズ河のウナギ資源

2010-02-12 00:02:22 | 水産・海洋
ウナギはイースト・ロンドンの伝統料理として何世紀にもわたって続いてきた。ロンドン動物協会(ZSL)の調査によるとこの魚が首都の河から消滅しつつあるという。(英ガーデイアン1月21日)

毎年、ZSLはテムズ川潮汐区の保護計画を実施、ウナギの篭を設置し、ここに入るウナギの数を数えたのちに再放流してきた。2005年にはその捕獲数1,500であったものが、昨年はわずか50尾であったという。ウナギはサルガッソ海で産まれ、欧州の河に溯上してくるまでに3年間を要していると見られている。また河に入ればその後20年間は大西洋を下る4000海里の旅に出るまで滞留すると見られている。しかし保護活動家らは、この種がテムズには戻らないか、あるいはテムズ゛河の中であるいはその支流で問題に直面しているのではないかとみている。

欧州ウナギとヒラメは1960年代には生物学的にはすでに死滅したものと見られていた最初の魚種であった。ウナギの資源の急速な崩壊は壊れやすい生態系で他の種に対しても波及効果を持っているかもしれないという恐れも考えられる。テムズ以外の河川においてもウナギ資源の急速な減少が見られるとZSLはいう。

テムズ河潮汐域保護プロジェクトのチーフであるMatthew Gollock博士は 「ウナギは神秘的な創造物であり、我々はテムズ・ウナギの急速な消滅に強い関心を持っている」 「これからどうなるのか予測は難しい。多分、温暖化による海流の変化や、人工物であるダムなどの障害、それに病気や寄生虫の影響もあるだろう」 同博士はウナギとその他の種を救うためにはこの消滅によって餌を失う鳥などを含め食物連鎖も考慮に入れて何が起こっているのかを明らかにする必要があるという。

「ウナギのための何かできる時間はもうないかもしれないし、このことが他の種の資源にドミノ効果を及ぼすかもしれない」 と博士はいう。「テムズ河は大都会の河であり、開発された河口といえる。50年前に比べるとより健全であるが、河に対する圧力は持続している」「ここにはかなり不安定な生態系があり、いったんどれかの種がなくなると、魚であれ植物であれたちまちバランスを失う」と同博士はいう。