memories on the sea 海の記録

海、船、港、魚、人々、食・・・などなんでもありを前提に、想い出すこと思いつくこと自由に載せます。

プラスッチック漂流ゴミ 東太平洋 (2)

2009-09-30 08:17:19 | 海事
写真はSEAPLEX探査に用いた調査船NEW HORZONの甲板上に並べられたもの。世界中で毎年生まれる2.6億トンのプラスチック製品のうちの1割が北大平洋の循環海流の渦流によって運ばれる。NEW HORIZON号の1,700海里のゴミの吹きだまりに関する調査航海で、科学者らは数百回にわたり引き網を実施。毎回プラスチックゴミが揚がり、非常にショックな結果であったとスクリップス研究所の海洋生物学博士コースのMariam Goldsteinは語った。海洋のゴミには信じられないものまで混じっていて、何度もなんども眺めてしまう、とGOLDSTEINは語った。

漁船にカメラを搭載     魚投棄対策・スコットランド

2009-09-29 07:56:17 | 水産・海洋
スコットランド政府は論議を呼んだ新しい計画として漁船へのCCTVの搭載を行なう。これはデンマークがすでにテストを始めたものであるが、北海における魚の投棄を減少させることが目的である(英タイムズ 9月8日)
カメラははじめに6隻の漁船に搭載、今後6ヶ月間にわたり漁獲と使用漁具の記録をスコットランド水域で行なうもの。この方式の支持者は要らない魚の投棄の実態を知ることが出来るとするが、一方プライバシーの侵害だとする批判もある。北海だけでも年間100万トンの投棄があると推定されているが、あまり広くは知られていない。このスコットランドの計画にはおよそ10万ポンド(1500万円)のコストがかかる。

一年間をかけたデンマークの計画は5週間前に完了。漁業者には経済的インセンチブが与えられた。ビデオカメラの搭載と最小サイズ以上の魚の総てを水揚げする決まりと引き換えに漁業者は年間漁獲割り当ての割り増しを受けた。その割合は40~150%の範囲で魚種と魚場によって設定された。デンマークの実験結果は来月コペンハーゲンで発表されるが、初期の解析によると、計画に参加した7隻の漁船はこの計画に参加していない漁船に比べて小型のマダラを倍近く水揚げしたという。しばしば、漁業者はこうした魚を海にもどすがその理由は大型の魚で高値を求めるためである。「この試験でマダラの投棄は他の船に比べてはるかに低い値であった。我々はもっと詳細な漁獲統計も得ており、これによって資源管理の質を高めることが出来ると思う」とデンマークのプロジェクト・リーダーの Jørgen Dalskov氏はいう。

KINGFISHER号のスキッパーFinn Svendsen氏は計画に参加してマダラ枠の40%の増枠を受けた。 「ひとはみな漁船員が魚を投棄するという、だがそれは事実でないことをカメラが証明してくれる。私たちへの評価と国民の信頼を確立するにはどうすればよいのか、それが疑問だ」とSvendsen氏はいう。欧州のマクドナルド社に冷凍魚を供給しているEspersen社の役員のAlex Olsensh氏はカメラによってどこで魚が販売されまたどこで漁獲されたかも加工業者に明らかにする、という。 今日のますます競合性のある環境のなか、付加価値をつけることが大事だ。そのことは品質についてのみではなく、維持可能資源であることも大切。顧客に対して、投棄を行っていないことや混獲をしていないことを見せることも出来る」と彼はいう。
デンマーク政府はこの計画によって増枠とともに漁獲物の総てを水揚げすることのほうが現在の規制に比べて有効であると信じている。「われわれが求めているものは、漁業者と大衆の双方に益となる新しい管理システムである。現在、一般的な漁業政策は規制と管理にもとづいている。我々はインセンテイブと責任を提案している」と、デンマーク漁業当局の Mogens Schou氏は語る。デンマークはEUのパートナーに対して支援を求めている。特に北部諸国に対して、毎年の12月の漁業交渉で、この方式が各国の自発的参加でバルチック海や北海で広く採用されるよう、この方式を承認するように求めている。

結局のところ、この計画は3年以内に効果をもたらす、新しい普遍的な漁業政策の中心となると期待されている。EU漁業委員のJoe Borg氏は、現在の規制は漁業資源の減少防止には失敗したとし、既存の方式の急速な根本的改革を必要であるとした。彼はデンマークの描く青写真は非常に興味のもてるものだといい、WWFスコットランドもこれを支持、長期間にわたる漁船での観察を支持した。
スコットランド漁業者協会もまたデンマークの試みを注視している。協会の首席理事のBertie Armstrong氏はカメラが単に“問題提起の道具”ならば漁業者は価値を認めない、しかし「漁業者が利益を得られ且つ資源を破壊しないものであればよいことだ」と発言した。

このCCTVシステムは水圧にも耐え、回転可能で、4台のカメラで構成される。うち2台は甲板上に装備され水揚げを監視、残る2台は上がった魚の選別をモニターする。この方式の支持者らは計画に要するコストは漁船一隻当たり4799英国ポンド(72万円)で比較的安く、操作簡単かつ、丈夫である。また記録内容の解析も迅速に行える。「38分間で解析できるので1月分の解析を5~6時間でできる」という。

+キャッチ・アンド・リリース
漁業者は他の理由でも魚の投棄を行っている。しかし世間や政治的批判が高まっているのが実情である。経済的理由によるもんのがあり、価値ある魚をより多く得るため、需要の無い魚や安値の魚が舷外に捨てられる。more valuable species in the catch.

+北海における投棄魚の推定 (2008):
まだら21,800 トン(漁獲の44.8%)、ホワイテイング8,000 トン(36.4%)、ハドック13,000トン ( 31%)、カレイ類47,200 トン( 49.1%)
出典: International Council for the Exploration of the Sea


ロシア初のMSC承認施設

2009-09-28 08:21:25 | 水産・海洋
エトロフ島のピンクサーモン(カラフトマス)とチャムサーモン(シロザケ)漁業がMSC(海洋管理協議会)によってロシア初の資源維持可能な優良漁業企業体として認証された。(9月11日)

この漁業体はロシア政府と民間企業JSC  Gidrostroy によるもので漁業、加工、輸出などの機能をエトロフ島で行なっており、千島列島で最大規模のもの。JSC  Gidrostroy は同島で1991年以来操業を行なっている。同社の社長Alexander Verkhovskyは「ロシアで初めてのMSC認証企業となったことを名誉に思う。 このような国際的な認証を得たことは我々の維持可能な資源への長年の取り組みの賜物である。MSCの認証とトレーサビリテイについてはすでに実行中であり、消費者に対して我々の生産物が合法的に漁獲され、天然の維持可能資源として加工されたものであることを保障している。またこの資源を後世のために残す我々の努力によるものである」

MSCのチーフであるRupert Howes氏は「このロシア漁業で初めての認証を歓迎する。これは重要な開発であり、このことは認証された維持可能な水産物の地球規模での供給と世界中の消費者の選択の幅を広げるものである」
毎年7月に始まり11月末に終わりとなる漁期の期間に、サケ類はエトロフ島の4つのサケの回帰する川の近くのProstor およびKurilskiy湾の沖合いにある定置網で漁獲される。孵化場はそのうちのふたつの川に設けられている。2009年漁期に漁獲されたサケはMSCのエコラベルを貼り付けることが出来る。漁獲後の魚はピンクサーモン(カラフトマス、Oncorhynchus gorbuscha) もシロザケ(Oncorhynchus keta) も島にある2箇所のJSC Gidrostroy所有の加工場で頭を取り内臓処理をしてからロシア、欧州、アジア、北米市場へと販売される。
こうしたMSCによる認証を得るためには、独立の認証機関や科学的証明のためにおよそ16ヶ月を必要とする。(FSN)(図は別の資料による)

大西洋深海アカガニ   MSCからお墨付き 

2009-09-27 00:06:53 | 
   
大西洋深海アカガニの漁業者はこのほど国際資源保護機構から維持可能資源であるとの認証を受けた。ロンドンの国際海洋管理協議会(MSC)では米国東岸の漁業体が初めて受けた認証であると。(AP通信) 

このカニ漁業はマサチューセッツ州ベッドフォード根拠の4隻の漁船によって行われ、漁場はノースカロライナからメイン州までの水深750メートルの海底に籠を入れて行う。昨年はこれら漁船が1362トンのアカガニを水揚げ、生鮮状態で米国のレストランに販売された。この漁業は資源維持が可能として、ブルーのエコラベルの貼り付けが協会によって許可され消費さに対してこの漁業が乱獲では無いことまた海洋を破壊することなく行われている事を証明している。メイン州のロブスター協会もこの認証獲得を求めている。

以上はAPの記事だが、その他のサイトからこのカニについての情報を拾ってみた・・・ある米国のブログによると・・・
このカニは周知のSNOW CRAB(ズワイガニ)に似ている。しかしこのカニはずんぐりと、そして、明るい赤みがかったオレンジ色の輝きが特徴。自分たちはこれをボイルして食べるが、ズワイガニよりもこちらを好むし、実にうまい。カラは柔らかくむきやすい、身をとるのにほとんど手間がかからない。見の方はズワイガニよりもデリケートな味で甘く芳醇な味、だという。
このカニは2000フィートほどの深海で獲れるが、底の水温は一定して華氏38度。平均体重はおよそ1kgだが、たまに5ポンドほどの物が揚がる。
漁業の歴史は: 地元の漁師はロブスター漁の混獲としてこのカニを見知ってはいたが、試しに食べてみると美味いことを発見。90年代になって漁業者は市場出しする事に決めこのカニを狙った。特別製のアコーデイオンのようなカニ籠を海底に這わせる。漁獲されたカニはレッド・ロブスターの消費者のいるカナダへ出荷される。漁業者によれば、市場は活カニを求めるが、このカニは水から揚がると寿命は短いという。食べたければ現地に行くほかはないが、ポンド当たり2~4ドルで販売されている。ズワイガニよりは安い。

海氷の溶け出しは一段落か?      北極海

2009-09-26 00:20:19 | 海事
以前の2年間に比べ、氷の溶解は著しくない、科学者は秋には結氷を始めるであろうと。9月12日時点での氷の張りだしは510万平方キロであった。この値は昨年と一昨年よりは広い。2007年の記録ではそれが410万平方キロであった。とはいえ長期的見込みではやはり減少しているという。この解析は米国の氷雪データセンターが人工衛星を使って行ったもの(BBC NEWS)

+寒冷前線
全年に比べて劇的な溶解が減少したのは、極海の温度が昨年よりも低いことによることもひとつの原因であるし、風の助けにより氷が運ばれたことも一因である。NSIDCの科学者Walt Meierは寒冷な気候が原因かどうかはいまだ断定できないという。「晩夏に曇りがちな天候と低気圧を経験したが、これが多分温度低下の助けになったのであろう」とBBCに語った。「もちろんさらに詳しく調べる必要がある」「だが多くの地点で平均値よりも2~3ど高かった2007年のようには暖かくはなかった」
そこで疑問となるのは2007年が高溶融点であったのか、また2008年が低融点であったのか、来年の夏を待たないと結論を出すことは出来ない。科学者たちが心配しているのは、1シーズンで形成された氷の張り出しが若くかつ薄いことであるという。こうした氷は古い厚い氷よりも溶けやすいという。「もし2007年同様の温暖な年となれば氷は着実に離れてゆくだろう」とMeier博士はいう。

+白熱White heat
ここ数十年来、極海地方は地球全表面平均の2倍の速度で温暖化している。最近になって、科学者たちは過去のデータから、過去2000年間でここ最近がもっとも温暖であるということを特定した。氷の溶解は温度上昇が急速に進むことの確実なフィードバックであるという。
NSIDCのチームはこの分析結果は予備的なものであり、更なる溶解も、残念ながら今年に起こることもありうるとしている。来月には詳細な分析結果が発表される予定。

プラスッチック漂流ゴミ 東太平洋 (1)

2009-09-25 00:05:13 | 水産・海洋
プラスチック、ロープ、多様な海産動物などが絡まった“網の幽霊”とも呼べる漂流物を2009年8月東太平洋の漂流ゴミの吹き溜まりで見つけたもの。この自由に漂う投棄物の吹き溜まりの広さはテキサス州の2倍に相当する(ナショナル・ジオグラフィック誌)

SEAPLEX (スクリップス研究所・プラスチック蓄積環境探査)はカルフォルニアとハワイの間のプラスチックの隔離された渦についてのはじめての科学的調査を行なった。大きなものが一般的であると思われる、ゴミの集積はプラスチックの島ではないことを8月に行なわれた19日間の探査で見出した。そうした漂流ゴミの大半は数え切れない親指ほどのサイズのゴミの破片から形成されることが判明。
「プラスチックの紙吹雪というのが最も現実に近い表現ではないかと思う」とスクリップス研究所の博士課程のJESSE POWELLはいう。


沈没の恐怖を語る       ニューファウンドランド漁業者

2009-09-24 08:58:38 | 海事
漁船SEA GYPSY号(長さ13m)が12日土曜日の朝、ニューファウンドランドの130km沖合で沈没した。(CBC NEWS 16日 Courtesy of Clarence Vautier)
Broyle岬の漁師Jimmy Kavanagh は救助された3人のうちの一人である。他の一人58歳の漁師は現場捜索によって遺体で発見されたが、残りの一人は発見されていない。KavanaghがCBCに語ったところによると:

彼は当日の午前11時前にエビを満載し走り始めたところ異変を感じた。「後部の甲板に海水が上がった」 「ボートの乾舷はわずかだった。“そこでスキッパーに船が沈んでいるぞ!”と伝えたが彼は最初は信じなかった」 「起きろ、沈んでいるんだ」と言ったという。彼は他の乗り組みにも伝え、イマージョン・スーツ(寒い海にも耐えられる救命服)を着させた。彼は涙を流しながら語った。彼は泳げなかった。そして次に起こった事態は恐怖そのものであった。

「船が沈んでゆくのをこの目で見た」 「どのくらいの時間か、だって?時間余裕は・・・」 「一、二度は溺れかけた。顔だけが水から出たり、回転したりした。とても恐ろしかった。肺の中まで水を吸い込んでしまった」彼は30代後半の男で、2メートルもの波にたたかれながら、二人の学校に通っている娘のこと家族のことを思った。「子供や妻のことそしてみんなの事を思った。仲間は大丈夫かとも思った。何機かの飛行機が飛ぶのが見えた。自分が生きている事を知らせようと、手を振った。飛行機が自分に希望を与えた。彼らは自分の場所を認識したと思った。しかし、ヘリは何処にいるのだろう?もう飛んできたのだろうか?と思った」 彼はおよそ2時間のあいだ凍る海の中にいた、彼はもう駄目だと思った、

「自分は眠っていたかもしれな、しかしやがて自分を知覚した」 「体温が下がって行ったが、自分は死にたくない、と思った」一度快適な気分にもなった、しかしそれは体温低下の為だった」ヘリがやってきた。彼は辛くも手をあげて生存の合図を送った。「ほとんど死にかけていた。ヘリの音を聞いてから時間がたった。ヘリからダイバーが下りてきた。彼は自分の体にハーネスを取り付けた。彼の肩に腕をまわした。私は必死だった。しかしほとんど凍死しそうであった。」この後、彼は仲間の発見について語った。(中略)

+このエビ漁船は積みすぎではなかったか
ヘリの燃料が無くなるぎりぎりまで行方不明の仲間を探した。「もう行かなければならなかった。でも、行きたくはなかった。彼を見つけるまでは。ボートがやってきて我々を見ていた。我々はなすべきことはやった、ただ彼を見つけることが出来なかった。我々全員が病院行きとなった。全員が低体温症状にあった」彼ら3人はセントジョンズの病院に運ばれた。月曜日の朝、捜索はうち切られた。Kavanagh氏はふたたび、仲間を失ったことについて話しながら泣いた。
「彼の妻、子どもたち、両親のために彼が発見される事を希望する」 「ロバートは行ってしまった。彼らに出来ることが有れば何でもしたい。でも何もできないのだ。自分にとっては、最良の仲間まであり、いつも冗談を飛ばしていた仲だった」彼によればもうエビ漁は終盤にあるという。「あと2航海で今年の操業は終わりというところだった」彼は沈没の原因はエビの積みすぎだと思うと語った。

コスト上昇・需要減退   ベトナムのナマズ養殖

2009-09-23 15:58:45 | 水産・海洋
需要の減退に加えてコスト上昇がメコン流域のナマズ業者数千に影響、会社を売却するか、倒産するかの瀬戸際に来ている。(8日)
Pham Ngoc Thai氏はカントー市のThoi Lai地区で7年間BASAとTRAを養殖してきた。しかしこの2年間の大赤字からすべてを売り切るつもりという。およそ12,000の家族経営体がメコンのデルタ流域でのTRAとBASA養殖の9割を占め、損失に直面しているという。

"およそ15,400ドンのコストが1kgの魚を育てるのに必要。しかし、今の魚の価格は最高でも14,500ドンにしかならない。よって我々はおよそ1ヘクタール当たり 550 millionドン (US$30,600) の損失になると見込んでいる、と Thai氏は言う。この地区の農業及び地方開発部局によると今年の国内のTRAとBASAの養殖面積は3,690ヘクタールで、昨年比で60%減少したという。
ヴィンロン省の魚類生産協同組合の専門家によれば、この状況が改善されなければ、ナマズ養殖業者の8割が倒産する事になるだろうと。

+養殖餌料
餌料のコスト上昇に対応して、大規模養殖会社は大量の買いつけで価格の低下を図ることが出来る。しかし、利益創出のためにもがいている。
ソック・チャンの農業及び地方開発局のNguyen Van Khoi 副理事は「大規模養殖によってコスト削減が出来るのだが、それでも依然採算すれすれのところにある」  Nguyen Van Tai氏はアンジアン省に2ヘクタールの養殖面積を持ち年間で2,000トンのTRAとBASAを生産している。 彼の場合の生産コストは魚1kgあたり14,200~14,800ドンのコストがかかるという。
「価格と市場の需要の変動によってキロ当たり400~600ドンの利益があげられるのだが、この難しい状況下ではコストをカバーするのがやっとだ」と彼は言う。餌料は養殖コストの85%を占める。餌料価格の上昇は売価を上回るコスト上昇となって多くの業者に降りかかる。とKhoi氏はいう。「ほとんどの業者は餌料を自分の食料とともに市場から調達している。よって彼らは価格を決める生産者の慈悲を求めている。コスト削減には自前で餌料を準備した方が良い」 しかし、生産者らは自前での餌料生産のノウハウを知らない。よって、専門家による魚を殺さないような生産商法を学ぶ必要が有るのだという。
ソックチャン省のVu Thi Ly氏は「売れない魚にも餌を与えなければならない。また脂肪層が黄色くなってしまうと、食べることもできない」ナマズ類の需要の減退が事態を悪化させている。
またカントー市のビン・ツイ地区で1.5ヘクタールの養殖場をもつPham Thi Mui氏は「自分の地区の養殖業者は餌代の少ない稚魚の生産に切り替えている」いう。

+売り契約成立は少ない
地方の養殖関連部局によるとハウ・ジアン省で加工場に魚の売り契約が結べたのはわずか15%の業者のみであるという。同部局によると、来シーズンも養殖をおこなうのは52ヘクタールに過ぎないという。マタ、ケン・ジアン省の当局者は養殖面積の減少は80%に及ぶと推定。同省の養殖協会のLe Chi Binh副会長はTRAとBASAの養殖協会をメコンデルタ関連の省で立ち上げるべきという。
この協会によって必要資材の供給や養殖生産者と需要者の関心事項に関する話し合いの場とすべきと言う。「餌の供給、資材価格、品質基準、それに環境などについて養殖業者の権利と利益をを守るためだ」 「この協会組織が出来れば広告宣伝や生産コストの縮減が図れる」と、彼は付け加えた。(FSND)


気候変動で運命が決まった   欧州北海マダラ

2009-09-22 14:57:38 | 水産・海洋
北海からマダラが消滅することが運命つけられた。その理由は乱獲の結果のみではなく、気候変動要因によることを研究者が発見した。(英Time online 10 日)

この40年間で北海の海水温は1度上昇、このことが繊細な生態系に壊滅的な影響を与える。マダラの稚魚が捕食するプランクトンの種類が冷水系から移動してしまった。マダラの資源減少は被捕食者であった蟹とクラゲの爆発的増加を招いている。食物連鎖の最上位にある捕食者(マダラ)の減少はヒラメやカレイ類などに影響を与えている。こうした魚の稚魚が蟹に食べられてしまうのだ。

北海の温暖化の蓄積的結果についての詳細が王立生物学協会から発表されている。プリムス大学の王立研究調査協会のRichard Kirbyとフランスの国立科学調査センターの Grégory Beaugrandは厳しい漁獲制限や操業禁止措置だけでは北海マダラの救済には不十分であるという。とはいえ、漁獲規制は魚を極力生きながらえさせるために必要と言う。研究者は表層にいるまだの餌となるコペポーダ・プランクトンの分布について研究している。過去40年間でコペポーダは60%以上減少しているという。Kirkby 博士は「マダラの子供が3月から4月に捕食するプランクトンは冷水を好み、北海の温暖化によりさらに減少して来ている」 「このコペポーダは年間に1200kmから30km移動する、それにかわりプランクトンがやって来るが今年はそれが遅い。これはマダラの稚魚にとってはよくない。マダラは単純にプランクトンを追って北上しない、それは水深が深いためである。

Kirkby博士は「最上位にある捕食者としてのマダラの減少が生態系にとって滝の流れのような影響を与えている」という。「温度上昇はプランクトンから魚やクラゲ、そして動物類も含めたすべての食物連鎖に影響している。このことはカニ、ウニ、二枚貝、ムール貝、ホタテガイにも及ぶ」  「ヒラメやカレイ類も減少して来ている。このことは食物連鎖網に間接的なつながりのあるものかもしれない」 「もし、地球温暖化が予測通りに進めば、マダラは北海の商業魚資源からは必然的に消滅するであろう。そして新しいマダラの住み家はバレンツ海という事になるかもしれない」と博士はいう。「だからマダラのような魚の生き残りのためには漁獲による死亡率を低減させる規制が必要だ」

英国政府の資源保護機構のNATURAL ENGLANDによるべつの報告では、四の3の消費者は環境破壊をしない形で漁獲された魚に支出したいという。 調査によれば英国の魚資源20種のうち、四分の1だけが持続可能漁獲であり、北海の四分の3の魚は廃棄されるという。その理由は目的以外の魚であったり、基準以下のサイズか漁獲枠を超えてしまったものであるという。漁獲方法によっては海の生物に影響を与えるという。しかし英国漁業の中には環境にやさしい方法で漁獲を行っているものもある。手釣りの場合は目的外の魚を釣ることもすくないし、漁具による衝撃を抑えることが可能である。 こうした漁獲による魚にあっては漁業者が高値で販売できるような仕組みがあれば、資源保護に有効ではないかとNATURAL Englandが論じている。同時に欧州水域全体にかかわるECの漁業政策が必要であるが、その対策がなされていないことに対する批判があがっている。


資源維持可能のキャンペーン中止に       パーム油

2009-09-21 10:20:54 | 
新聞広告ではこの産業は環境にやさしくかつ貧困からの救済に役立つと訴えていた。広告はマレーシア産パーム油についてのもので“資源維持可能”の文言は誤解を招くとして広告規制機構から禁止措置を受けることになった。(英ガーデイアン)

パーム・オイル(ヤシ油)は食品店の三分の一が扱い、これが東南アジアの熱帯雨林の破壊に影響しているのではとして環境面での議論を呼んでいた。新聞記事によるキャンペーンはマレーシア・パーム・オイル委員会(MPOC)によるもので、さまざまな意見広告のうちその製品が”環境に優しい回答“であるとし、”パーム・オイルのみが維持可能なもので、消費物、食品、バイオ燃料など世界的規模で増大する油需要に効果的に対応できる“と主張していた。またMPOCは”田舎に生活する貧困層の救済にも役立つ“産業であるとしていた。

環境グループの「地球の友」とその他のふたつのメンバーは広告基準局ASA(英国の)に対してMPOCの広告内容は誤解を招きかつ実証されていないと抗議を申し出ていた。これに対してASAはパーム・オイルの維持可能性に関するラウンドテーブル(RSPO)によるこの油の資源維持可能性についての承認およびバイオ燃料一般についての承認は“依然議論されている最中である”と表明。このためパーム・オイルが完全に維持可能であるかのような広告による主張は誤解を招くものであるとした。

また、MPOCによるその中傷者に対する攻撃もまたミスリードされているとASAは表明。その理由はMPOCがパーム・オイルの生産が森林伐採や環境破壊をお子ンあっていないという証明は名鳴らしていないからという。また貧困からの救済についても誤解を招くとしている。「地方共同体におけるパーム・オイル生産の経済的影響がいまだ認知されていない」と。またASAはある調査によれば、バイオ燃料の生産が食物価格の上昇に繋がり、短期的には貧困層に影響を与えていると表明した。ASAはこの広告がふたたび掲載されることを認めないという。ASAは昨年もMPOCによる同様のTV広告を禁止している。

地球温暖化で南西モンスーンが減少     インド

2009-09-20 06:02:55 | 水産・海洋
最近のメデイア報告によと、南西モンスーンの勢力が150年で消失するのではという。原因は?・・・・・地球温暖化。現在インドでは農産物の自給が可能である。徐々に減退するモンスーンの勢力が国の発展に影響を与えることになる。

インド熱帯気象研究所のS.M.Bawiskar氏の研究「インド大陸と近隣海洋の間における下部対流圏の温度勾配の低下がインドモンスーンに与える影響」によると:
• インドの陸上とアラビア海の間の温度勾配(TG):これをTGIAとし、またベンガル湾との間の温度勾配(TGIB)とすると、いずれにおいても下部対流圏の減少が顕著である。
• モンスーン期前(3月~5月)の温度勾配(TG)はアラビア海側において年間0.036%減少、ベンガル湾側では0.030%の減少を見せている。.
• この状況が続けば温度勾配(TG)は150年間でゼロとなる。
• TG の減少は:
アラビア海とベンガル湾の温度上昇がインド大陸のそれを超える比率で進行していること。
• このことは低気圧やサイクロンの発生回数が減少し、モンスーンの無い日がインドで増加していることからも明らかである。
• モンスーン前期のTGとモンスーン期の降雨量とにははっきりとした相関性が認められている。(AISMR)

北東航路を実証   北極海

2009-09-19 06:16:28 | 海事
ドイツ・ベルーガ社の船舶がこのほど実証を達成、ロシアのオビに入港した、この企画の達成は世界初。(BELUGA NES 9月9日)
多目的重量物運搬船 MV “Beluga Fraternity” と MV “Beluga Foresight” は無事シベリアの目的地に入港した。9月7日、重量のあるプラント設備のモジュールを積んだ2隻の船はオビ河デルタのNOVYY港に投錨した。ブレーメンを根拠地とするプロジェクト設備や重量物運搬をおこなうベルーガ海運 Beluga Shipping GmbHはこれまで達成されていなかった商業船によるアジア~欧州航路を成功裏にはじめて達成した。MV “Beluga Fraternity” は7月23日にまた姉妹船の MV “Beluga Foresight” はそれに5日遅れて韓国の蔚山港を抜錨、北方航路と呼ばれる海にウラジオストックでの検問を受けた後に入った。これまでにこのルートに無いった商業船は無い。

現在ひとつで200トンのモジュール44個は、本船装備のクレーンでバージ積み下ろし中で、その後は、Surgutまで運ばれる。この作業ののち両船は欧州に向かい、残りの3500個の木箱入りの建設部材をロッテルダム港に届ける。上席船長のAleksander AntonovとValeriy Durov船長が目的地に入港したのち、「通常では無い海域の伝説の北方航路を通行し繊細な貨物を、無事運ぶことが出来たことを誇りに思いまた喜ばしいこと」とベルーガ社CEO社長のNiels Stolberg は語った。「北方航路の利用が無事故で行えたことは我々の非常に綿密な準備とそれに加えて各方面の協力、信頼できる気象担当や乗組員の努力と協力によるものだ」

東シベリアおよびもっとも北にあるサンニコフ海峡とヴィルキジキ海峡通航にあっては2隻のベルーガ船はロシアのATOMFLOTの砕氷船“50 let Pobedy”および“Rossia”と船団を組んだ。
小さな氷山や氷原を安全に航海。ベルーガ社は次の航海を2010年にも行う事を計画、たぶんその際には新しい超重量物運搬船のベルーガ-P級を投入予定という。この船は今秋完工の予定。

 また毎日新聞も簡単にこの記事も伝えている。【ベルリン小谷守彦】北極海のシベリア沖「北東航路」を経由し、ドイツの貨物船2隻が今月上旬、韓国・蔚山からロシアのオビ川河口のヤンブルク港にたどり着いた。貨物船を運航する「ベルーガ海運」社(独北部ブレーメン)によると、北東航路の欧米商用船の航行は初めてで、地球温暖化で北極海の氷が急速に解けているため夏季の航行が可能になったという。北東航路はアジアと欧州を結ぶ最短の新航路として将来性が注目されている。2隻は今後、積み荷の一部を降ろし、ノルウェー北岸を経てアムステルダムを目指す。

>>>このドイツの会社BELUGAは様々な挑戦を行う会社だ。先には省エネのためのタコによるSKYSAIL実用化試験を行った。

まったくの不漁 アルゼンチン・イレックス・イカ

2009-09-18 06:30:39 | 水産・海洋
アルゼンチン・イカ (Illex argentinus)のアルゼンチン水域での漁期が終了したが、結果は史上最悪の数値に終わった。漁業当局は今年1月1日から9月4日までのその数値を61,249トンと報じた。これは昨年同期の水揚げ251,893トンのまずか24.3%に過ぎない。((メルコプレス 8日)

76%もの激減は同国のイカ産業の危機であり、加えて国際市況の下落によってもあく要因となる。アルゼンチン農畜漁業および食料当局が発表した(SAGP&A)。マル・デル・プラタ港の水揚げは13,124トン、プエルト・デサオが3,325トンそしてコモド・リヴァダヴィアが1229トンとなった。漁労方法別ではイカ釣りによるもの50,700トンでうち5,353トンが生鮮もの。また5,081トンがトロール漁船他の漁獲によるものであった。

経済水域EEZの外側での漁獲も貧弱な結果に終わった。当初の見込みでは第1~18週に解禁の予定でおよそ6万トンが漁獲されるとしていた、ところが3,500トンを超える数量が北方海域で揚がっただけにとどまった。とPescareが報じている。
今後の漁獲の見込みについては心配されている。その理由は科学者の手元にも資源増加のための充分なデータがないこと。これまでのところ、北パタゴニア・ブエノスアイレス資源と春季産卵稚仔の推定のための調査航海も行なわれていないからだ。調査航海の中止の理由はそれに使用する「調査船Dr. Eduardo Holmberg号の利用が4月のはじめの7日間に限られたため」とアルゼンチン国家漁業調査開発局の技報33/09が報じている。フォークランドで行なう英国科学者との合同調査もアルゼンチン政府によって一方的に中止となっている。 (FIS/MP)

>>>記事にある調査船Dr. Eduardo Holmberg号は1979年日本の日立造船・舞鶴造船所で建造された漁業調査船である。今から30年前に関わった、なつかしい船名を目にした。建造当時は真っ白であった船体色が今や船殻は黒色に変わっている。ときは流れたが船も自分もいまだ現役でいる。

Dimensiones básicas
Eslora total: 61,95 m, Eslora entre perpendiculares: 55,00 m
Manga: 11,00 m
Puntal a la cubierta principal: 6,70 m
Puntal a la segunda cubierta: 4,30 m
Calado: 4,20 m
Tonelaje bruto: 958 t
Tonelaje neto: 287 t
Velocidad crucero: 12 nudos
Autonomía a velocidad de crucero: 24 días

2桁台の減少  チリー鮭水揚げ

2009-09-17 00:48:17 | 水産・海洋
2009年上半期の統計によると、養殖サケとトラウトの水揚げが対前年同期比で17%減少したと。同時期の輸出は数量で26%、金額では5.6%逆に上昇しているという。(3日 FFX)

+ サケ類と魚卵の生産
チリーの2009年上半期の総水揚げ量は24万トン、前期比で16.6%の減少となったことがチリー漁業省の下部機構から発表された。
種類別ではアトランテック・サーモンが24.2%減少して119,615トン、ニジマス類は12.5%の減少で74,619トンでありギンザケのみが2.8%増加して45,773トンとなった。」発眼卵の生産は2.223億個で内訳はアトランテックが5790万、ギンサケが1.068億,キング110万、ニジマス5650万となっている。輸入卵の総数は1.068億個となっているという。

+ 輸出は上半期で5.6%増加
FISのレポートによるとチリーの天然産と養殖物の今年上期の輸出はUS$2.021 billion(およそ1900億円相当)となり昨年同期対比で5.6%上昇。この資料はSUBPESCAによる。また輸出は数量ベースで662,500トン、昨年は832,500トンであった。
また冷凍水産物とフィッシュミールがこの期間における水産物輸出に貢献した。それぞれが45.4%と33.5%でありそれに続いて魚油、冷蔵製品、乾燥海藻類、缶詰などとなっている。
水産物の平均輸出価格は6月時点までのキロあたり2.4米ドルで前年比でマイナス15.9%となっている。アトランテックサーモンはチリーの水産物輸出の3割を占め最大、これにトラウト類、表層魚、太平洋サケが続いている。チリーの水産物は104カ国に輸出されている。日本と米国への輸出は46.7%でそれに中国、スペイン、ドイツが続いている。6月までの54万トンの水産物輸出は金額にしてUS$746.7 million(およそ690億円)をかせいでいる。

また、6月までのフィッシュミールの販売は37.82万トン、価格にして USD 354.8 millionで昨年よりもわずかに上昇,主要相手先は中国、日本、台湾、スペイン、デンマーク、ドイツであり、イタリア向けの船積みは今年は減少した。また品質別では53.7%がプライム、24.6%がスーパー・プライム、スタンダードが20.4%となっている。

冷凍水産物の販売は2009年上半期US$227.1で前年比55.7%縮小。主な販売先はヴェネズエラ、米国、ナイジェリアなどでこれはそれぞれ20.2%、19.4%、16.5%を占める。

缶詰の輸出はUS$64.8millionで前年比4.2%減少した。 この市場はスリランカ、スペイン,米国であるがそれぞれ、24.3%、16.6%、10.1%を占める。

41,000トンの鮮冷水産物の輸出は US$260million であった。この数字は前年対比で27.5%減少した。

養殖部門は金額で63.1%、数量で35.3%であって、それぞれUS$1.274 million、 294,000 トンとなった。現時点での推計では6.5%の減少となっている。(FSND)


スカンジナビア風スモークサーモンとポテト

2009-09-16 09:27:34 | 
古典的なスカンジナビアのサケ料理グラブドラクス(土に埋めておいたサケ:Gravadlax)からヒントを得たメニュー、新鮮で薫り高く、ポテトとサケの組み合わせがとてもよい・・・というレシピが英国のデイリー・メイルのレシピ欄にあった。あまり思いつかない取り合わせなので自分でも試してみることにした。
+アペリテイフとしての8人分の材料は:
(1)ポテト一口大を16個分。英国ではPink Fir Apple種という細長のジャガイモが最も良いという。(2)スモークサーモンスライスを16枚 (3)サワークリーム150ml.
スイート・マスタード・ソース:はデイジョン・マスタード(1tsp:スプーン一匙分)キャスター・シュガー(1tsp)オリーブオイル(6tsp)白ワインビネガー(2tsp)デイル10grをみじん切りと飾りのための葉を残しておく。

+調 理
ジャガイモを柔らかくなるまでボイルする。その後冷ましておく。その間にソース造りをするが、デイルはまだ入れない。サーモンの長すぎるものはカットする。ポテトを若干斜め切りして、それをスモークサーモンで包む。皿の上に並べ、レモンカットをのせ、胡椒を少しふる。サワークリームは別の器に入れておく。スモークサーモン巻きポテトにサワークリームをつけて、そのうえにソースを少しかける。

写真は英国 Daily Mailによる