memories on the sea 海の記録

海、船、港、魚、人々、食・・・などなんでもありを前提に、想い出すこと思いつくこと自由に載せます。

モクズガニ養殖を検討  台湾

2009-10-31 06:37:29 | 水産・海洋
東部地区でモクズガニ養殖の可能性があるという。台湾原住民部局の前局長が、東部地区は水が豊富であるところから花蓮地区が藻屑カニの養殖に適地であると指摘したと(台湾ヘッドラインによる)

「藻屑カニ養殖は農業よりも有利ではないか」と原住民委員会(CIP)担当大臣のWalis Pelinが語った。Pelin氏は農業専門家とともに原住民の会社を構成2007年にその職を退いたが、その会社が花蓮のYuli市に今年始めにカニ養殖の事業を始めた。台湾におけるモクズカニ養殖は3年前に始まり、主に西部および南部で行なわれた。しかし東部地区を調査の結果こちらの環境がより適していることを見出したという。「東部のHuatung地区は水質がよく、モクズカニやチョウザメの養殖に向いている」とPelin氏はいう。「水質と環境の精査を行い、経済面でコストが低く利益が得られるとの解析結果を得た。それでここでのカニの養殖を提案した」

養殖モデルの面積は3ヘクタール。会社は初期段階に15万の幼生を池入れ、現在ではおよそ4テール(約150グラムに成長しているという。モクズカニの市場価値は190グラム以上のものからという。

>>>抗生物質の心配のないカニならば、ふたたびモクズガニ(上海蟹)を楽しみたいが。いっそのこと日本でも養殖をはじめたらどうだろう。食害の問題が出るのだろうか?


一世紀が経った・・・タイタニックの運命の航海を再現

2009-10-30 02:00:17 | 海事
ちょうど100年がたった、史上でもっとも有名な海難を記念して、クルーズ客船がタイタニックの、ダンスと晩餐"の時代の航海に挑戦する。タイタニック記念クルーズは英国のサウザンプトンから2012年4月8日に出港。船が沈んだその現場に4月12日11:40pmから02:20amに到着する。この航海は英国のマイルズ・モーガン旅行社が企画、すでに710の船室のうちの半分が売れたという。その費用は $4,400 ~ $13,550とのこと。船室はタイタニック海難にあった関係者によって予約されているという。「何人かの人が涙ながらに電話して来た」と同社役員のマイルズ・モーガン氏は語った。慰霊祭が沈没の現場で行われる予定という。(ロイター通信)

違法操業船は沈めるべき    インドネシア

2009-10-29 01:08:02 | 水産・海洋
インドネシアの海事漁業相Freddy Numberiはインドネシア水域で操業している海外の違法操業船は沈めるべきと発言(ジャカルタポスト)

「法にもとづいた行為であり、恐れることはない。そうした措置がショック療法として必要。船を沈めた後、乗組み意を母国に帰還させる」と同相はバンドンのウイジャヤマタ大学でtempointeraktif.comの質問に答えた。彼は2004年以降100隻以上の外国漁船を沈めたという。「従来法に従えば容疑者は裁判にかけられる」 また。彼は外国漁船が操業可能となるのはその会社がインドネシアに加工場を所有している場合に限られると。インドネシア政府は近々漁業に関してベトナム、タイ、フィリピンと協定を結ぶと。


護衛艦が衝突火災   関門海峡で

2009-10-28 00:04:31 | 海事
大きな火柱が上がり、狭い海峡に爆発音が響き渡った。27日夜、北九州市沖の関門海峡で起きた自衛艦と貨物船の衝突事故。 事故の生々しい様子は、陸地からも目撃された。 (アサヒコム)

 関門海峡を望む北九州市門司区のめかり公園で仕事をしていた運輸会社の男性によると、船が衝突したのは27日午後8時ごろ。自衛隊の護衛艦「くらま」は瀬戸内海から関門海峡へと西に進み、コンテナ船は反対側から進んできたという。  「自衛艦の方が汽笛を鳴らし、すぐに拡声機で騒ぎ始めた。その直後、関門橋から200メートルほど東側の海上で衝突した」  「1回目の爆発音が響き、約20メートルほどの大きな火柱が立った。その後、1、2分して2回目の爆発音も聞こえた」  男性によると、当時の潮は東から西に流れていたという。それぞれの船はその後エンジンを切ったようで、潮の流れにのって西の方に流れていったという。
 午後9時半ごろ、護衛艦は門司区の沖合に停泊。真っ暗な夜空に煙がもくもくと上がっているのがサーチライトに照らされてうかがえた。艦上ではなお消火作業が続いていた。

 一方、「くらま」が拠点を置く長崎県佐世保市の海上自衛隊佐世保地方総監部。幹部らが急きょ出庁し、電話の応対などに追われた。 「くらま」は同市に拠点を置く第2護衛隊群の所属。だが直接の指揮は神奈川県横須賀市にある護衛艦隊がとっており、佐世保地方総監部の直接の指揮下にはなく、十分な情報が入っていない。報道陣の取材に対し、広報担当の幹部は「門司港付近で衝突したらしいが詳しい情報は入っていない」と答えるにとどまった。

・・・という記事はたくさんの写真入で配信された。事故報道をTVでも見たが、驚いたのは、火災を起こした護衛艦がかなりの速さで流されてゆく様。操艦不能となって、あの狭い海峡を流れるとはブザマ。防衛省の大臣の記者発表からは深刻さは感じられない。情報の把握がまったくなされていないブザマさがみてとれた。国民を守る能力は充分かと不安になる。

QE 2最後の航海

2009-10-27 00:02:45 | 我愛船艇
英国キュナード社の客船クイーン・エリザベス2世号が、10月16日その710航海目で客船としての最後の旅についた。本船は11月ドバイに売船され改修されて、人工島として世界最大のPalm Jumeirahで 浮かぶホテルとなる予定。
• 本船は1967年グラスゴウで進水
• 最高速力は32.5ノットで、世界最速の客船であった.
• 後進の速力も最大
• これまでに590万海里を航海、客船で最大の記録を誇り、この距離は月往復13回分に相当
• 250万人の船客を運んだ
• 世界完全一周を25回実行
• 1982年のフォークランド戦争の際には南大西洋へ3000人の兵員を運んだ
• 本船がリバプールに1990年に寄港したときにはおよそ100万の市民が歓迎した

ワールド・トレード・センター(WTC-NY)の鉄鋼で建造された艦船

2009-10-26 06:47:19 | 我愛船艇
廃墟となったWTCから回収された鉄鋼を再生、その一部が使われた米国海軍の急襲艦が火曜日ニューヨークに向けて、豆のスープのような霧の濃いミシシッピー川を下ったが、人々は船を見ようと堤防に集まった。(AP 20日)

9月11日のテロリスト攻撃を忘れまいと名づけられた米国軍艦USS NEWYORK はノースロップ・グラマン造船所を離れゆかりのニューヨークへと向かった。1000億円のコストの本艦は11月から正式にNYで就役する。長さ684フィートの船は海兵隊員800名を乗せる。飛行甲板を有しヘリコプターのほかにMV-22 OSPERY チルト・ローター機も搭載する。4隻のタグボートがドックから本艦を引き出し180度回頭して舳先をメキシコ湾に向けた。武装した沿岸警備隊の高速艇や上空をヘリが護衛。メキシコ湾を出た後はフロリダをかわしNYに向かう。ミシッシッピーの岸辺では多くの人々が船を見送った。その中には子供たちを連れた人もいて、この貴重なシーンためなら学校に多少遅れてもかまわないと。「この艦が海外に行き、我々にしたことを彼らにお返しすることを期待する」と言った人も。

テロリストが201年9月11日に2機のジェット機でWTCを攻撃し、およそ2800人の人々のいのちが失われた。2002年、国防省は艦名をNEW YORKとすることに決定、市とそこで命を失った人々の名誉のためとした。およそ、7.5トンのWTCの鉄骨が溶解され、その再生品が本艦の艦首部に使用された。ニューヨークという名称はこれまでにも4隻の海軍艦艇に使われている。その中にはスペイン戦争時代のもの、2回の世界大戦に従事したもの、1997年に退役した核潜水艦などがある。

遠くまで来て中国船を襲った    ソマリア海賊

2009-10-25 00:05:47 | 海事
セイシェル諸島の北東海域でソマリア海賊が中国のバラ積貨物船を襲撃した。海軍のパトロールの範囲を超えた海賊の跋扈である。(プラウダ他20日)

EU海賊対策作戦軍(EU NAVFOR)によればセイシェルの北東550海里沖、ソマリアから700海里のはるか沖合で船名不詳の船舶が襲撃を受けたと発表。「事件の調査のためセイシェルから飛びたったEU NAVFORのパトロール航空機から報告あり」と英国の本部が発表したもの。この船は“アフリカの角”海事治安センターには登録されていないという。

またEU海軍報道官はAFPに対して船には25人の中国人が乗船と伝えた。また中国政府はこの船はDe Xin Hai号で石炭を運んでいたと。中国運輸省は関係行政機関は本船救助の活動を開始、本船は南アフリカからインドへ向かっていたと新華社通信が伝えた。
EU海賊対策部隊は本船は追尾されていて、乗組員の健康は問題ない模様と。中国は昨年来3隻の軍艦を海賊対策で派遣している。

セイシェルとモルデイブの間で船が襲われたのは初めてのことで、海賊の活動が拡大された釣行と見られている。De Xin HaiはCOSCO青島所属のであるとBBCは伝えた。本船は長さ225m総トン数40,892トン。


アラスカ漁師を痛めつける・・・キングサーモン不足 (3)

2009-10-24 06:08:20 | 水産・海洋
「我々の資源はひとつしかない」とこの会社のジェネラル・マネジャーのJack Schultheis はいった。「我々には油田も、森林資源もない。これだけが我々のもつものだ」1980年代から90年代初頭には河下の漁業者たちは8000ドルから1万2000ドルの収入を得ていた。また、ときにはそれ以上もあった。しかし、2000年以降その収入がおよそ4000ドルとな、今年は2000ドルちょっとという水準になった。「何かほかの仕事を見つけないと」とエマノックの漁師Paul Andrws はいう。「ここでは、本当に、ほんとうに厳しい」 ユーコン・デルタではAndrewsのような人々が漁労のほかに、ムース狩、アザラシ狩り、渡り鳥類などによって成型を維持している。

パイロット・ステーション集落で小さな店を経営するArthur Heckman氏によればより多くの人がツケでの買い物をするようになったという。「ある日など、クラッカー一箱がほしいとか、パンパースを少し分けてくれという」いうような買い物になったという。河の上流の離れた集落に住む人々はパートタイムの仕事と、政府の援助によって生活を立てている。もちろん漁業にも頼ってはいる。河岸からの網の仕掛けや魚捕獲のための水車が河の流れの渦の近くで回転している。簡素な燻製小屋がどの集落や漁労のキャンプにもある。

キングサーモンはときに30ポンドにも達し、 細長い帯状に裂いたものがハンノキかポプラなどで数週間にわたって燻製にされる。キャンデイのようなひも状のそれはここではどこにも見られるし、パイロット・ビスケットと呼ばれる硬いクラッカーとともに食される。サケはまた缶詰にも、冷凍品や塩蔵にもされる。今年、漁業会社のマネジャーははじめて、キングサーモンの第1波の生計維持のための漁労を止め、その後の溯上についても半分の量に制限した。ここに生きる人々は一週間に2度だけ18時間以内の操業を行なった。河の中流で漁を行なうただ一人のZeta Cleaverは人からはるか遠くのアンカレジが魚を買いたがっていると聞いた。彼女は昔、一日に1ダース以上のキングサーモンをとり、彼女の子供や孫のために燻製小屋を一杯にしたというが、今年はわずかに数尾に過ぎなかった。

今に至るまで、多くの居住者たちは家族が集まり、河沿いの漁労キャンプで漁をし、冬場には狩猟や罠による狩を続けてきた。今年は、漁業規制と燃料費の高騰、社会の変革などによって多くのキャンプが空っぽになった。あるレポーターによるユーコン河とタナナ河のカヌーによる900マイルの河下りの観察では、数え切れないキャンプが閉ざされあるいは廃棄されていたという。複数の家族が数を競い合ったキャンプは今は静かな退却をしてしまったようだ。

暖をとるための燃料の高騰、かぎられた漁業収入は下流域の住民を昨年冬には恐ろしいほどの苦境に陥れ、食料やその他の援助の緊急支給を必要とした。今年は更に悪い状況で、アラスカ州知事のSean Parnellはこの8月に, ユーコン河住民に対する連邦災害支援を要請した。しかしこの要請の結論はいまだ出ていない。マーシャルでは長い冬のための準備を始めた。暖房用の燃油は1ガロン当たり7ドル上昇、コンデンスミルクの缶は4ドルとなった。住民たちはガソリンのコストのためにグループでムース狩に向かう。「集落全体が痛みを受けている」と漁師であり重機のオペレーターであるMike Petersはいう。「人々はみんな魚で生きている。でも今それがいない」

アラスカ漁師を痛めつける・・・キングサーモン不足 (2)

2009-10-23 00:43:43 | 水産・海洋
「もうこれに頼ることは出来ない」とアラスカ魚類遊魚局のSteave Hayesはいう。この組織と連邦魚類野生生物部局の当局者たちは連携して漁業管理にあたっているが、気候変動と自然サイクルの変化がたぶんサケの溯上に関与していると見ている。マスノスケのカルフォルニアとオレゴン州における溯上はこのところ貧弱で、海洋環境の変化が疑われている。

アラスカでは、漁業者はベーリング海のスケソウ漁船団が毎年、何万尾におおよぶキングサーモンを混獲していると非難する。これについての上限枠が2011年には有効となるだろうが、この制限もユーコン河の漁民にとっては満足に足るものではない。ユーコン河の漁業は州全体の水揚げに比べれば僅かではある。しかし、魚自体は世界で最高とされている。それはベーリング海からの溯上前の魚の体に蓄えられた豊富な脂肪によるもので、サケは2000海里もの旅をしたのちにカナダやアラスカで産卵する。

ほとんどの漁獲がユーコン河デルタで行なわれる、そこには山はなく、河の分枝が海へと流れ込むところである。エスキモー人はアルミ製のスキフ(小艇)に乗り道路では集落からはたどりつけないところでの漁をする。その岸辺は集積場の役目を果たす。

エモナックのKwik’Pak 漁業は人口794人であり、この地方の数少ない企業体である。フォークリフトがそれぞれ離れて立つ倉庫の間を泥だらけの道にフォークリフトが行き交う。魚処理場や従業員の宿舎が集落をとリ囲んでいる。カオンでいる。 何十年もの間、こうした商業漁獲のキングサーモンは日本のバイヤーへと売られていた。しかし、2004年Kwik’Pak では地元での販売を始め、また他の米国各州の魚好きに向けての販売をレストランやストア向けに開始した。
ことし、Kwik’Pakはシアトルのバイヤーに6尾のキングサーモンを出荷、また僅かな数のキングサーモンを市場に出した。こうした魚はシロザケ漁期の終わりに偶然漁獲されたものであった。Kwik’Pak はシロザケのプロモーションを行なっている、これはまたketaとも呼ばれるが、この脂のある白身のサケはCISCOとも呼ばれる。しかし、この魚水揚げは限られていて、漁業者の得る価格はキングサーモンよりも低い。202年に設立されたこの会社は地方経済発展の一翼を担っている。現在ではストア販売や漁業資材販売、そして魚を運んでいたトラックで砂利の運搬まで行なっている。この夏従業員たちはカトリック教会のペンキの塗りなおしを行なった。

アラスカ漁師を痛めつける・・・キングサーモン不足 (1)

2009-10-22 00:00:05 | 水産・海洋
数年前まではキングサーモンはユーコン河沿いの集落では特大クラスの役割を演じていた。漁業は充分な収入源で、年間を通じて家族を養い、ユーピック・エスキモーとアサバスカン・インデイアンに長年の伝統を維持させることが出来た。(NY TIMES、By STEFAN MILKOWSKI)

しかし今年は、アラスカの河川でのキングサーモンの商業漁獲の完全禁止により、貧しい集落はストレスを受け米国の48州からは賞賛されているキングサーモンがメニューから消えてしまう。生活権でもある漁業に対する空前の規制が冷凍業者や燻製業を半分にし、夏は河沿いのキャンプですごすという習慣からの転換を急がせている。「今年のサアケ漁はその価値がない」とマーシャルに住む漁業で生計を立て、漁業収入で新しいボートを購入したAloysius Coffeeはいう。
 
テーブルの上にタバコと買ってきた食物が散らばるキッチンでCoffee氏は、価値の低いシロザケ(日本の秋サケに同じ)を今年の夏に漁獲したが、その稼ぎも漁業許可とガソリン代に消えてしまったという。「ここに座って、チェックブックを点検し、毎日いくら金を使っているか数えるんだ」と、彼はいう。
キングサーモンの溯上数の減少は数年前に始まり、その原因は不明である。しかし、小規模キングサーモン漁業経営体のマネジャーらは海洋環境の変化によるものだろうという。また、彼らは、数年前に大量のキングサーモンが戻ってきたことがあったと。

サケは自然による創造物である。淡水に生まれ、産卵するためのそして死ぬ前の溯上の戦いの前まで、その一生の多くを海で過ごす。アラスカ州より南の48州でのサケ資源量は以前より問題が認められたが、アラスカ州においては健全な状態が保たれていた。このアラスカ州は全世界の4割の天然物のサケを供給、海洋管理協会はアラスカのサケは維持可能であるとのお墨付きを与えていた。(地球規模の市場では1990年代には養殖物が天然物の数を上回った) これまではキングサーモン(マスノスケ)はアラスカの5種のサケ類のなかでも大量であり、かつ価値ある種で比較的に強靭であるとユーコン河ではされてきた。しかし、その溯上が1990年代の終盤には破壊されて、それ以降は溯上が著しく変化するようになった。

ホタテ曳き漁禁止は良識の勝利     英Welshのできごとをブログから

2009-10-21 00:00:36 | 水産・海洋

カーデイガン湾のホタテ曳が禁止されたことは欲にかられた行為からの環境に関するまれな切り札といえる。その措置が持続している間は楽しもうではないか。(英ガーデイアン10月9日) 

あなたは今座っていますか?ちょっとショッキングなことを教えましょう。我々のために漁をしている漁民たちが良識による空前の攻撃を受けている。彼らもすぐにショックから立ち直るとは思うが、環境的には喜ばしいことだ。
11月1日から、私の住んでいるウエルシュ沿岸のカーデイガン湾でノルマンデイ・ホタテを獲ってその海底を破壊していた漁船団が襲撃にあう。英国には2群しかいないといわれている港湾性のボトルノーズ・イルカがEUの法律によってこの地区が特別保護区に指定されたことによる。しかしこれまでのところは国中から集まったドレッジ漁法の船が鉄の爪や鎖状の金属マットで作られた漁具で11月から5月の間は操業を続けていた。この漁法は海底のあらゆる生き物を傷つけた、固着動物、魚類、またその稚魚、湾内いのあらゆる生物を。その被害は漁獲の価値を上回るもので、彼らの漁法以外の漁船には大きな価値があると思われる。他所で締め出された漁船がこの湾になだれ込み、この隻数は70隻以上となっている。

今に至るまで、地元の、海洋の生態を守るべき漁業委員会は何もできることはないとして、 手を下すことはなかった。しかし、カーデイガン湾友の会が主導する地元民の口伝えのキャンペーンが行動を速めた。今月になってから地元の漁業委員会はホタテ曳き漁のとりあえずの禁止を発表、ランカスター大学の科学者の生態アセスメント結果を受けてのもの。

ここにふたつの問題がある。まずひとつは驚くことに、このアセスメントはいまだ完結していないこと。ホタテ曳きは何年間にもわたって論争の対象になっていたのだが、漁業委員会はその操業がどれほどのものであるかを見極めることなく、その操業を認めてきた。ダイバーの写真と英国の他地区の状況がおそろしい様相であったにもかかわらず。しかし、ホタテ曳き業者はその影響の評価がなされない中で禁漁に対する挑戦をするのではないか。なぜ調査は以前に行なわれなかったのか?
もうひとつの問題は業者たちが止めようとしないことだ。かれらは禁止されていない場所へと移動し、生態系の破壊を続ける。全英国で禁止にすることは出来ないのか、更には全欧州で禁止は出来ないのか?

このサケは天然物か養殖か          化学分析法確立

2009-10-20 14:16:09 | 水産・海洋
天然のサケかそれとも養殖のサケなのか、鱗の化学分析で識別できるようになった。(英国サウザンプトン発 9月30日)

サウザンプトンの国立海洋学センターのClive Trueman博士によると「サケ養殖は大きなビジネスとなってきた。2006年にはおよそ13万トンの養殖サケが食卓にのぼっている。天然の大西洋アトランサーモンは深刻なほどに減少し、同年にスコットランドに回帰したサケはおよそ5千トンであった。天然ものはまれであり又高価となったため偽のラベルまで出現する状況にある。養殖のサケは逃げ出して河川に入ることもある、それによって自然の生態を阻害することもある。残念ながら、自分でも養殖と天然を見分けることは難しい」 Obanにあるスコットランド海洋科学協会との提携により、この問題に光が射した。

魚の鱗は骨や歯と同じ化学成分で構成され、年輪のように成長する、一生を通じてその魚が過ごした水の化学的記録が残されている。また、鱗は魚を傷つけることなく簡単に採取できる。このことは絶滅危惧種の研究の際には重要なことである。研究チームはマンガン金属類の痕跡が養殖由来の魚では常に高い値にあることをつきとめた。「このことはサケの餌の中に含まれるマンガン成分によるもので、さらに生簀の中の魚は水の中のマンガン分を吸収していると考えられる」とSAMSのElizabeth Adey博士は語った。

比較的簡単な技術でこの研究グループは養殖と天然の識別を98%の確立で行なうことが可能となった。「この非破壊的技術によって、河川へ逃げたサケの識別を行ない、天然サケ資源の保護に役立つ」とTrueman博士はいう。
天然ものの大西洋サケの減少に関連して、漁業体が閉鎖に追いやられている。また、それに対応して養殖業が成長している。2000年にはスコットランドの養魚場から40万尾以上のサケが逃げ出している。養殖サケが現場の環境に適応しないことが問題で、これらのサケが天然ものと交配しその子供が成魚にまで育ってしまう。ある年には、スコットランドの養魚場から逃げた魚が天然魚の数を超えたこともあった。また、ノルウエーの河川ではその半数が養殖由来の魚となってしまっている。 これまでのとところは、天然と養殖の識別は、逃げ出してしまってからは困難であった。よって、今回の識別法は有用といえる。 また研究チームは養殖場別の識別も可能になるとしているが、これには更なる研究が必要だ。



漁船がスカイセイルをはじめて装備

2009-10-18 07:56:40 | 我愛船艇
オランダの漁業会社で欧州でも最大規模のParlevliet & Van der Plas B.V 社とハンブルグのスカイセイルのメ-カーがスカイセイルの売買契約をこのほど締結した。トロール船に風力利用の推進システムを装備するのは漁船でははじめてのこと(ハンブルグ・オンラインほか10月6日)

このスカイセイル・システムは来年初頭にトロール漁船 ROS-171 “Maartje Theadora”に装備される予定。「確実な燃料節減手段としてSkySailを選択。特にアフリカの太平洋側(インド洋側)での使用を考えていると同社は表明「同時に炭酸ガスの排出を抑えることで、気候のセーフガードにもつながる」

長さ141 メートルの “Maartje Theadora” 号はドイツ最大の漁船で、Parlevliet & Van der Plas グループのSassnitzに根拠を置く Westbank Hochseefischerei GmbH社が所有。2基のMakの主機関出力は8,640KW。本船はすでに貨物船で用いられている160平方メートルのスカイセイルを装備する。同社とスカイセイルのメーカーは推進力としての役目と改造点を本船で検証する。この事業は欧州漁業基金とドイツの基金の援助も受ける。

SkySails推進システムはすでに1.5年間にわたって貨物船 “Beluga SkySails” と “Michael A.”で実用されている。このシステムは世界で最も効率の良い能力のある風力推進システムであることが立証されている。加えて予期せぬメリットとして、通常の帆走用の背いるに比べ1平方メートル当たり5~25倍の推力のあることも判明。160m2の面積のスカイセイルはエアバスA316のエンジン1基に相当する。
スカイセイルはWessels海運会社の3隻の貨物船も装備されるが、うち1隻はすでに就航済み。


マグロの苦境を世界は解決すべき (2)

2009-10-17 07:34:35 | 水産・海洋
世界中でおよそ9000億円相当の海賊漁業が行なわれているとブリテッシュ・コロンビア大学の海洋資源アセスメント・グループは見ている。太平洋だけで、IUU漁業は全漁獲の36%をしめ、世界全体の19%にたいして高い数値を示している。 西部および中部太平洋委員会(WCPEC:この中にはEU、米国、台湾、中国、日本などを含む)の25カ国のメンバーは初めての決議として、太平洋の4つのドーナツ・ホールのうちのふたつで内燃の禁漁を決定した。また、EUもIUU漁業を規制すべく1月からの実施を決めた。もっとも有意義なステップとして、WCPFCはFAD漁法の2ヶ月間(8~9月)の使用禁止を決めたことである。この道具はふだんブイを使用し、衛星システムとの連絡を持ち、水中カメラによって魚の密度がピークに達するのを待って、魚を取り上げるというものである。

こうしたステップは多分、もっと厳しい国際的漁獲規制と建造過剰の漁船団の縮小に繋がる基礎になるであろう。「こうした行動はすでに各所で行なわれている」とハリファックスのダルハウジー大学の教授Boris Wormはいう。
世界中の10種の主要海洋エコシステムのうちの7つまでの開発状況は持続的漁獲のために必要とするレベル以下に落ちていると彼およびそのたの研究者研究結果をこの夏サイエンス誌に発表した。また彼らはうまく管理された漁業としての事例をあげている。
•  漁獲効率の良い漁具の規制、網目を大きくして、若年魚を逃がすことが一例
•  魚類が回復するために産卵場に対する漁獲をやめる
•  魚を獲る船の数を減らす
•  許容漁獲量の減少

「皮肉な人間の性として、我々人類は完全に破壊しつくすまではやめる事が出来ない」とWorm 博士はいう。「でも、そうは思わない政策的意思を集結すればできる」とも。依然Worm博士は慎重である、彼の母国であるカナダのような発達した国においても。大西洋マダラのような、セントローレンス湾にふんだんにいた魚でさえも、1990年代の「工船操業」によって消失。いまだ充分な回復は見ていない。
今日1950年代のマダラ資源の1%以下しか残っていない。その数は全体で4万トン以下であるとカナダ政府は昨年の研究結果から見出した。この数値は商業的漁獲を行なうには不可能な数値である。驚くことに、マダラは依然漁獲されていて昨年は2,000トンが獲られたが、この割合では資源終焉が確実となる。今年カナダ政府はマダラ300トンを科学的調査目的として許可、多分この資源は消滅から守られるであろう。

米国東岸でもマダラは乱獲の被害にあっていた。しかし、カナダのマダラほどはひどくなくその資源はゆっくりと回復していて、漁獲規制も厳重である。「マダラについての資源保護が充分でなかったことは明らかだ」ニューハンプシャー大学のアンドリュー・ローゼンベルグ教授はいう。「もし資源が回復したら充分に漁獲できるという奇妙な感念を持っている、そして資源の回復を期待している」 「しかし、マジックでそうなるわけではない。漁獲の比率を変える必要がある。すべて水中で何が起こるかにかかっている」

また西部太平洋に戻るとグリーンピースの船エスペランサとその乗組員たちは不法なFAD漁具の回収に忙しい。違法なマグロ漁獲のための漁具も回収される。この海区のマグロ漁業は健全状態からは程遠いとグリーンピースのPhil Klin e はいう。「今我々はナイフの刃の上にのっかっている」 「商業的消滅のあとにはかならず生物的破滅がやってくる。そういった事態を見たくはない」
(写真:フィリッピンのジェネラルサントス港で、計量の後に処理されようとするキハダマグロ。この島国は太平洋マグロ魚悪の主役でもある)

マグロの苦境を世界は解決すべき (1)

2009-10-16 08:12:27 | 水産・海洋
多くの漁船と技術はあまりにも優秀すぎる、諸国はマグロやそのたの魚種の保護に協力すべきではないか(クリスチャン・サイエンス・モニター 6日)

太平洋のどこかで韓国籍の漁船Oryong717号がマグロ漁の漁具を海中に投じた。しかし見つからなかった漁具はグリーンピースが投棄したものとして回収した。
それはまさに、海洋の偉大なるライオンともいえるクロマグロの運命との加速する小競り合いともいえる。その水気の多い肉はスシでは人気があり、その存在は脅威にさらされている。一尾のホンマグロは8フィート,800ポンドにも達し日本では10万ドルで売れる。その値札、たんぱく質に対する人間の食欲はクロマグロだけを標的にしているわけではなく、その他の魚種についても同じである。23種のマグロ類のうち9種は世界中で捕りつくされた つまりこれ以上増えないのだ。さらに4種は“捕りすぎ”であり“使い果たされた”とFAOは発表している。

マグロの苦難はほかの海洋生物にも同様であり、大型の衛星航法機器を装備し、優れた漁具を積んだ近代漁船によって漁獲されていると科学者は言う。各地区の漁業管理機構がマグロやそのた魚種の保護のための漁獲制限を設けているにもかかわらず、世界の漁業は聞きにあると研究者はいう。商業的対象魚種のうちの8割は開発ないしは過剰に捕りつくされ、あるいは壊滅状態にあるとFAOは報じている。

「世界の漁業は悪い状況にある」とブリテッシュ・コロンビア大学の海洋科学者Daniel Paulyはいう。「 その理由は簡単、過去の乱獲にある」という。彼の研究結果は世界漁獲が常に下降していることを示している。 いま、世界が眼を覚ましつつある兆候もある。

オバマの行政方針は、例えば先月、沿岸漁業を含む米国海洋の健全回復プランの概要を“エコシステムに準拠して”示した。さまざまな視点からすると、米国漁業は政治的漁獲基準から科学的基礎にたったものに変わるであろう。もしこの計画がうまく行けば米国は世界のモデルになりうるであろう。200海里経済水域を超えて管理を行なおうとする計画である。自身の苦しい漁業(たとえばジョージバンクのマダラ漁業)もあるが、米国は世界でも最善の漁業規則を持っていると専門家はいう。

欧州も行動をすでに起こした。先月EU委員会は最も絶滅の危機にある大西洋クロマグロを2年間の禁漁とすることを決定した。この最終決定は来年3月のドーハ会議まで待たねばならないが。スペイン他の主要漁業勢力による反対はあるが、これが議決される見込みである。これが決まれば大西洋クロマグロは象牙の禁輸と同様になる。

いっぽう、太平洋では国際的な漁船団の乱獲から保護する動きが急がれている。おおむね250万トンのマグロ類が昨年太平洋で漁獲されている。しかし、その多くが若年魚であったり、違法に漁獲されたり、無規制無報告(IUU)漁船によるものであったりする。こうした“海賊漁業”は西大西洋海区の大きな問題となっている。とくに“ドーナツの穴”と呼ばれる経済水域外の国際水域においてである。こうした水域では国籍旗を切り替えた漁船が魚を集める道具(FAD)を用いた漁船がキハダの幼魚を漁獲している。

(写真:バスクの港Hondarribiaの早朝漁夫がマグロを水揚げしている。最近の研究では大西洋クロマグロは3000海里を回遊するという)