memories on the sea 海の記録

海、船、港、魚、人々、食・・・などなんでもありを前提に、想い出すこと思いつくこと自由に載せます。

ガーナの海をパトロール      米国 アフリカ・コマンド部隊

2010-03-24 12:45:58 | 海事
麻薬密輸、密漁、廃棄物の不法投棄などの違法行為に対処するため、監視活動が必要になったとコマンド部隊が発表した( My Joy Online, Ghana 3月18日)
このプロジェクトはガーナ海軍の訓練と物流支援活動も含まれる。JOY FMのSammy Darkoはパトロール艦艇に乗船する予定。

ガーナ海軍の違法活動取り締まり機能はこれにより格段に強化されると期待されている。このところガーナでは麻薬密輸、密漁、廃棄物の不法投棄にたいする国としての対応がなされていないことが問題となっていた。この理由は装備や技能の不足が原因。しかい、米国アフリカコマンド部隊がこれに協力、この流れを押しとどめる。

この計画の目的はアフリカにおける海上での安全と治安の強化にある。この計画のもとガーナ海軍士官らはプロとしての訓練を受けるとともに、沖合いで警備活動に必要な物資の補給活動の支援も同時に受けることになる。たとえば、演習では米国はデイフェンダー級の舟艇を監視のために提供。こうした高速艇により沖合いでの犯罪に関与する船を追尾できる。
(写真はケニアのDefenfer)

科学が政策の切り札     クロマグロ禁輸採決

2010-03-23 00:16:30 | 水産・海洋
昨夏にモナコが大西洋産クロマグロの禁輸を提案したとき、それは、地区漁業管理機構(RFMO)が不可能あるいはそうしたくないと考えているものに対する必死の試みと思われた。それはなくなる恐れの有る魚種に対してその生き残りのため厳しい規制を制定しようとするものであった。(シーフード・ビジネス、3月19日)

絶滅危惧種に対する国際取引会議(CITES)によるクロマグロについての付属書I はただひとつ残った手段であったが、それが用いられることはなかった。 ここ数週間は禁輸についての同情的な支持が集まるものと思われていた。しかし、その敗北が決定された。科学的な根拠に直面しようとも政策としての決定には根気が要ることが証明された。

ここ数年来、ICCAT(国際大西洋マグロ保護委員会)は科学的助言よりも多い数量のクロマグロ漁獲枠を割り当ててきた。そして東部大西洋および地中海の漁業者らはその枠よりもさらに10%上回っていた。東部大西洋と地中海のクロマグロ資源はその最大のときに比べていまやその5分の一まで減少と報告されている。このレベルになれば行動が必要である。
2年前、ICCATにより単独のパネルデスカッションがもたれRFMOによるクロマグロの管理は“国際的な恥だ”と判断された。マグロの稚魚の大量漁獲(蓄養マグロの種苗として)と船団規模の拡大は資源の枯渇をもたらしていると。また、漁獲枠も常に科学的助言よりも大きいとパネル会議は結論つけた。

米国漁業当局と環境グループはICCATにたいし漁獲枠の縮減を求めた。EU漁業国の半数もこれをもとめた。米国とカナダの漁業者は北西大西洋のより小さな資源を対象にしているが、ICCATが東部大西洋や地中海で設定した10分の一の漁獲枠を遵守している。

ICCATは欧州の圧力に屈しレベルの高い漁業の持続を許容してしまった。そして今、禁輸は68対20、棄権30で木曜日にCITESメンバー国によって完敗した。 責任はICCATにあるが、日本の思うとおりになった。日本は東部大西洋と地中海のクロマグロ漁獲の8割を輸入している。日本はそれが通過すると確信して禁輸に反対を誓約し、中国や韓国もこれに従った。

「保護については最良の日とは言えない」国連報道官の Juan Carlos Vasquezはそうニューヨークタイムズに語った。「各国政府が魚種の保護に適応することがいまだできていないことが明白となった」 禁輸は最良の解決策ではないかもしれない。CITESは正当な漁業管理のツールではないかもしれない。米国の上院議員の Olympia Snowは米国漁業者の保護を宣言した。 同氏は日本のバイヤーを考慮して市場の構築を考えている。禁輸は漁獲枠を守る漁業者を痛めつけることになる。

ICCATは各国政府が参加した場合に限り強力となる。その強力な力がそれぞれの経済権益を保護する。しかし彼らは天然資源を可能にすることを尊重するべきである。・・・戦いはまだ終わっていないことも認識すべきである。


オヒョウがアラスカからやってくる        英国

2010-03-22 10:32:03 | 水産・海洋
もうすぐ英国小売市場にオヒョウが届く。年初以来の高値に対応したもの。2010年のアラスカのオヒョウとギンダラ操業が始まっているが。荒天が漁獲に影響している。(FUD 3月12日)
オヒョウの漁獲枠は4,000万ポンド(およそ18,000トン)であるがその中から英国卸売・小売市場向けがやってくる。現在までのところ、オヒョウやヒラメにあってはノルウエーの養殖ものが輸入され、天然オヒョウは北大西洋で漁獲されたもの。しかしこれらは高値でグリムスビー魚市場ではキロ当たり10ポンドの値がついている。

アラスカは太平洋産天然オヒョウの75%を占めるホームグラウンドであり、この魚は最も資源維持の可能な魚種であるが、州の憲法にも資源維持という言葉が用いられている唯一の州でもある。アラスカは50年以上にわたって資源維持可能な魚をもっぱら扱ってきた。アラスカシーフード社は「われわれの生活には憲法は大切で“魚類は利用され、開発され、その維持について配慮されねばならない”とある。アラスカでは水産物産業が最大の雇用を生んでいる。その結果、われわれは漁業の保護と将来に向けてのオヒョウをめぐる環境が大切であると認識している“

ヘイク60%の漁獲減少   アルゼンチンの2010年

2010-03-21 00:15:51 | 水産・海洋
アルゼンチンの各港は1月1日から2月12日までの42日間で9246.4トンのヘイク (Merluccius hubbsi) を水揚げ、この値は昨年同期の23,200トンに対して60%の減少となった。(メルコプレス 2月16日)

後半の漁期も始まったが」若年魚の漁獲も少ない。全体のうちのおよそ8797トンは南部資源で449トンが北部からのものと当局MINAGRIが発表した。各港の水揚げ量については省略。この現象の原因は経済的な面と生態的な面の両面があると見ている。「多くの漁船が2009年末の休日の後も、遅くなってから操業をしたこと」とPescare社の担当は説明。
またコストの増加構造があり、船主は就航までヘイク価格の上昇を待った。結果としてそれがこの期間の最終週になった。ほかの理由としてはほかに二つ。ヘイクは海のなかであやふやな生態行動をしていること、この結果ではないか。また、国立漁業調査開発研究所INIDEPは非公式ではあるが、最終操業のころ北パタゴニア海域で産卵した幼魚をあまり見かけなかったという。

2009年の終盤にアルゼンチン連邦漁業委員会CFPはヘイクの許容漁獲量TACを2010年は338,000トンと決定。この数値はその前の年より7万2千トン、比率では27%多かった。いっぽうサンタクルス漁業局の命を受けて石油会社のパン・アメリカン・エネルギー社が行った調査ではヘイクはサン・ヨルゲ湾魚場に釘付けになっていたという。この調査結果についてセレタ・パウラの黄色い船団は矛盾する主張をし、資源はより少なくなっているという。この漁業企業の潜水艇調査によれば減っているという。

LOX は米国が起源だ      サケ料理の歴史

2010-03-20 10:39:16 | 
Salmo やOnchorhynchusの語源はラテン語であり、そののち中世英語ではsaumon
となったもの。多くのアメリカ原住民はサケを食の源として依存してきた。(By Peggy Trowbridge Filippone)

初期の欧州からの移民たちは早々とサケ偏重の食事に辟易したようで、サケ料理は一週間に一度までとする取り決めを召使に命じたりしている。サケは北米大陸の東西両岸でふんだんに獲れた。中でも北西部では豊饒であり“アラスカの七面鳥”とまで呼ばれれた。またハワイではlomi-lomiと呼ばれ賞賛される食物である。

ニューイングランドでサケの缶詰生産が始まったのは1840年、それが大陸を横断してカルフォルニアまで送られた。しかし1846年になるとこれが逆転して、カルフォルニアが米国東部に缶詰を送るようになった。東岸の魚が少なくなり、いまではアトランテイック・サーモンがカナダやアラスカから運ばれている。
北米水域には8種類のサケがいるが、5種は太平洋にしか棲まない。世界規模で見ると、年鑑のサケ生産量は10億ポンドを超えるがそのうちの7%は養殖ものである。

スモークサーモンSmoked Salmon
これにはさまざまな形態がある。もっとも一般的なものがLOXであってこれが英国に出現したのは1941年であった。このコトバはYiddishのLaksに由来するがそれがニューヨークにやってきた。これは欧州のユダヤ人に為は知られておらず、今でも欧州では稀である。LOXは塩で身を締めたもので太平洋サケで行われる。もちろんもっとも人気の有る食べ方はLOXの薄切りをベーグルに挟みクリームチーズで食べる。

ピックル・ロックスPickled lox
これまたうまいもののひとつだがNYのCtaskill Mountainにあるコンコード ホテルに感謝しなければならない。これは1939年に始まった。

>>>スモークサーモンとニシンの酢漬けが食べたくなってきた。

気になるコトバ

2010-03-19 00:23:58 | 避風塘 (雑想雑事滞留地)
電話がかってくる、「ハイ」と答えると、受けたのがこの自分であることを確認してから「お疲れ様です」と相手がいう。メイルがくる。その冒頭の文章に「お疲れ様です」とある。街中や電車の中でもこのところこの「お疲れ様」をよく耳にする。とても気になる。仕事終わりに「お疲れ様は」わかるが冒頭、朝一番からお疲れ様といわれると考えこんでしまう。

今の若者はとても疲れているのだろうかと心配になる。確かにこの経済環境の下、また政治情勢の下では気が休まらないことであろう。しかし国の外に出ての挨拶にAre your tired ?とは朝から言わないだろうと思う。やさしさや相手を思うことのコトバでの表現がこのところ捻じ曲がっているように感じる。「XXをさせていただいてよろしいでしょうか?」という表現も気になる。「XXしてほしい」からたのんでいるのにもかかわらず、である。

こうした言葉の捻転用法はサービス業のマニュアルから来ているのではと推測した。やさしく、摩擦なく、相手によく感じてほしい、というための表現がこうした言い方であるとすれば大間違いだ。そこで自分はコンビニなどの応答であまりに馬鹿げた表現のときには注意することにした。

しかし相手は「この親父オカシイ」と思っているかもしれない、と思いながら。

社会主義国のマグロ漁船が13隻に      ベネズエラ

2010-03-18 08:21:21 | 水産・海洋
2010年下半期までにベネズエラ国立漁船団は現在の6隻に加えて合計13隻となるが、この7隻の買い付けは国家が行いそのうちの何隻かはまき網漁船であると(ABN 3月4日)

この社会主義国の漁業養殖研究所の会長のGILBERTO GIMENEZ氏は2隻のサバを目的とした漁船の買い付け交渉中でこの船は一回の操業で4トンのサバを取ることができると(>なぜこんなに少ないのかは不明)このほかにも2隻の冷凍運搬船を買い付け予定であり、サバ漁船に燃料を補給するためのタンカーも買い付けるという。

さらに、2010年なかばまでにJV であるEMSPIAは2隻のマグロまき網漁船を調達し、漁船団を補強しベネズエラ国民のためのたんぱく質供給にあてると。これらの船で水揚げされるマグロについては直接加工設備のあるSucre州のAntonio José de Sucre および Fextunで行うという。これらのマグロ会社は社会主義Corporación Venezolana Agraria (CVA)のもとで運用されていてこの重要な資源の加工にあたるがその供給は正当な価格で二つの供給網であるMercados de Alimentos (Mercal) および the Productora y Distribuidora de Alimentos (Pdval)を通じて行われるという。(写真は記事に直接の関係はありません)

アルゼンチンでキャビアを生産

2010-03-16 00:09:46 | 水産・海洋
ロシアの企業「チョウザメ・キャビア」はアルゼンチンの北部のラ・リオハ州で来週からキャビアの生産を始めると州当局が報じた。(MERCOPRESS 3月9日)

これは2007年に生産を始めたウルグアイに続いてラテンアメリカでは2番目となる。ウルグアイはチョウザメの養殖に5年をかけていてパイオニアである。ロシアの会社はAnillancoの養殖プラントと15年間の契約を締結チョウザメの繁殖を図るとともにキャビアの生産を切望している。

この事業の最終的ゴールは8年間をかけて年間で10トンのキャビアを生産することにあるとこの会社のロシアの地元代表者のFacundo Fredesは語った。「この15日間のうちにプラントが完成し、一と月以内にロシアからチョウザメの卵を受け取ることになっている」と、彼は付け加えた。このプラントではチョウザメの生態についてもロシアの生物学者による研究が行われることになっていて、チョウザメは絶滅危惧種でもあるとFredes氏は言う。

このプラントはもともとは Carlos Menem大統領 (1989/1999)によって80年代に開設されたもので、大統領がラ・リオハの知事の職にあったときに、その生地であるAnillacoに開設されたもの。とはいえ成果を見ることなく所有者も何度も変わり、一時は見捨てられたままになっていた。

ロシアの生物学者によれば世界のチョウザメの90%までがカスピ海に生息するが、年々漁獲が減少し、いまや絶滅危惧種の宣告が行われている。カスピ海をめぐる国々はロシア、イラン、カザフスタン、トルクメニスタン、アゼルバイジャンの諸国である。

伝言壁

2010-03-15 00:02:19 | 亜細亜海道
黄色の壁面にさまざまな色使いで書き込まれた数字は十分に美しいと自分は感じる。昔はこの数字がすべて手書きであって、字の特徴が現れていた。手書きではあってもこの国のそれはきちんとした文字が多く、なぐり書きが少ないと思っていた。事実きちんとした文字を書く人が多いのはこの国の教育のなせる業か?それが、いまやテンプレートを使った塗装に替わっていることを発見した。乱雑なようで整然とした壁面の模様を写真に撮りプリントすれば、このまま包装紙に使えそうだ。

あらたな疑問がわいてきた。電話番号の羅列だけでだれに何を伝えようとしているものなのか。誰もがその番号を見ればああこれは肉屋だ、魚屋だというような要素が書かれた塗料の色によって決まっているのだろうか?そう思ってよく見ると数字の上に文字がある。ダンボール板をくりぬいて好きな色のスプレー缶を片手に、バイクに乗って街じゅうに電話番号をちりばめる…そうした広告業があるのかもしれない。

無作為・無計画・無秩序のなかにこそ美があるかもしれない。


魚を喰らう男          ロシア・ロストフ魚市場

2010-03-14 00:00:57 | 
ロシアには二つのロストフROSTOVがある。ひとつはモスクワ近く、残るは南ロシアのドン河のロストフRostov-On-Donである。ソビエト時代には罪人の間の俗語ではRostov-the-Dadとよばれた。ここにはさまざまな魚にあふれた魚市場が大きな地元の教会の隣に開設されている。普通の魚ばかりではない、国際的に絶滅危惧種として赤信号をつけられた魚でさえもここでは簡単に手に入る。それも安価に。もちろんキャビアも手に入る、好きなだけプラスチックの容器に入れたり袋にいれてもらったり・・・そしてこれまた安いのだ。

>>>数年前にこの市場を訪ねたことがある。日本ほど魚種は多くないものの、淡水の川魚のほかにも、輸入物の海の魚もたくさんあった。キャビアも大量に売っていて(モスクワの空港ではついぞ見かけなかったのに)たしかに安価だった。そこでガラス瓶にキャビアを詰めてもらい、次の都市のイスタンブールまで運んだ。招待を受けたドン河のプライベート・クルーズ船の上では大きなボウルに山盛りのキャビアが出てきた。
いくら珍味で高価といわれても一度にそんなに食べられるものではない。さてこの写真の男性の魚に喰らいつく形相は真剣そのもの。そんなにうまい魚なのか、魚種はなんだろう?

漁業紛争  ファロー諸島とカナダ

2010-03-13 00:00:02 | 水産・海洋
引き続く漁獲枠と領海問題に関連してカナダ政府がデンマーク国旗を掲げた漁船の入港を拒否した手痛い決定に対して失望の意を表明した。この措置はおもにファロー諸島とグリーンランドからの漁船に影響を与えるがもちろんデンマーク国旗を掲げるほかの船にも影響する。コペンハーゲンはこれらに対する保護と外交上の関心を寄せている。(英国FUD3月3日)

この紛争はカナダとグリーンランドの間にある無人のハンス島の領有にかかわるものであるが、デンマークが3Lサイズの甘エビの漁獲枠を設定したことで重要な問題となった。しかしファロー諸島の外務大臣の Jørgen Niclasenは「このカナダによる一方的な決定は長期間にわたる資源問題の解決にはならない、北大西洋漁業機構NAFOによる多国間での解決が必要である」 「ファロー諸島とグリーンランドはNAFOのなかで誠意を持って解決する努力をする」と発言。

Niclasenはファロー諸島とグリーンランドは3Lエビについての管理手法を受け入れるつもりはまったくなく、不便であり、満足の行くものではないという。また同外相はカナダが指し風的ともいえる港の使用禁止を打ち出したことに驚きを隠せないと。「 NAFOにおけるえびの割り当てについての非合理的かつアンフェアなやり方は決して受け入れできるものではない。また単純にわれわれのエビ操業を“外国船による乱獲”とレッテルを張り決め付けている。「港の閉鎖はファローとグリーンランド漁船にとってまったく不便。われわれの権利である3Lエビは合法的なものであり、3Lエビの漁業は歴史的なものだ」

違法操業によるカニを発見  カムチャツカ税関

2010-03-12 01:14:25 | 海事
漁船の入港申告の際に税関が発見したのはブルークラブ(いわゆるワタリガニかどうかまではこの記事では判明しない)と呼ばれる蟹肉139kg、ズワイガニ30kg、ブルークラブ37kg。これらのカニは特別な場所に隠匿されていた。そこをあけることも困難で税関は即席の工具で対応。これらの品はポリ井エチレンに包まれ、マークやスタンプのない段ボール箱に入れられていた。その価値はおよそ20万ルーブル。乗組員全員の証言を求めたところ、自分たちのものではなく税関査察逃れのために隠匿されたものだと。こうした行為にあっては品物は押収される。この事犯は行政法16.2の第2項違反に相当する。(RU.RIA2月18日)

マダラ混獲防止の試み      スコットランド

2010-03-11 10:17:01 | 水産・海洋
底生の白身魚のトロール網において前網の部分を大きな目合(300~600mm)に入れ替えた場合のマダラの混獲減少についての試験報告がマリン・スコットランドから発表された。(3月2日)

この実験調査は2009年にシェットランドで行われたものでさまざまな白身魚とマダラとの混獲を120mmから300ないしは600mmの目の大きさに変えることによって防止できるかというもの。更なる目的としてはアンコウやメグリム(カレイ類)漁獲に対する網目の変更による影響をも調べようとしたもので、シェットランド漁業経済にとっては重要なものであった。

結果として、300および600mmいずれの目合においてもマダラ、ヘイク、メグリム、リングなどはいずれの船の規模においても漁獲が減少した。またアンコウについてはその体長が76~83センチのものにおいて比較対象の網に比べて減少。300mm目合の網ではハドックが増加、また体長53センチ以上のセイスにあっては二つの実験網で減少した。 (写真はメグリムMegrim)

手釣りマグロの欧州輸出

2010-03-10 00:11:54 | 水産・海洋
漁獲許可を得ている手釣りマグロ漁獲の始めての輸出がフィリッピンから欧州市場むけてこのほど行われた。生鮮マグロのロインは登録漁船によりミンドロ島の決められた場所で選択性の高い漁具を用いて行われた。(INFOFISH 2月10日)

漁獲証明制度は今年のはじめからEUの漁業洋食部局によって開発され実行されたもの。トレーサビリテイ・システムについても地元政府、民間企業、WWFとの共同で開発されている。EUの厳格な漁獲証明書政策は持続可能な水産物に対する消費者の需要の高まるなかでこれに応えたもの。この方法によれば、マグロのロインから漁業者にたどり着くことができ、正確なその集魚装置の位置までを捉えることができる。

珊瑚の三角形と呼ばれる海域はフィリッピン、インドネシア、マレーシア、PNG,ソロモン、チモールに囲まれた海域で、マグロは多くの開発途上国の経済を支え、この地区の数百万印尾人々の生計を支えている。この珊瑚の三角は産卵場であり、保育の場であり、経済価値のあるメバチ、キハダ、カツオ、ビンチョウなどの回遊路にあたる。ここでのマグロ生産は西部中部太平洋の全体の4賄賂漁獲を占め、世界全体の2割を占める。

アルジェリア漁船が侵入   モロッコ

2010-03-09 00:05:54 | 水産・海洋
アルジェリアのトロール漁船がモロッコ王国の北東部の領海に侵入、過去にも侵入し退却したと同国の内務省が伝えた(ラバト発、BRUNEI FM NEWS 3月1日)

担当大臣はそのステートメントの中でこの事態は偶発的なものでありモロッコ当局としては本件でアルジェリアに警告を発することはしないと。このステートメントの中で2月21日、本件とは別の6隻のトロール漁船が漁業目的でモロッコ領海に侵入したことがありこの際にはアルジェリア外務省に通報したと伝えた。その後は2月26,27,28日と続いてアルジェリアのトロール漁船20隻以上が侵入し、そのうちの一部が成功裏に違法操業を行ったという。「モロッコ王国としてはアルジェリア当局にかような行動を終わらせるよう求める」とステートメントで表明。

>>>なかなかの寛大な対応である。王国は慌てないということなのだろうか。またニュースの源が遠く離れた同じイスラム教の国のブルネイであることも面白い。