memories on the sea 海の記録

海、船、港、魚、人々、食・・・などなんでもありを前提に、想い出すこと思いつくこと自由に載せます。

北欧の魚といえば

2009-03-31 00:05:28 | 
その筆頭はマダラであろう。そしてニシン。しかしマダラとニシンではずいぶんと格差がある。マグロとサバみたいなものだ。手軽なところでは甘エビのボイルであろうか。小型船の甲板に据え付けた釜でボイルし岸壁で売っているものが旨い。また養殖の始まる前はサーモンなど見かけなかった。だから漁船の食堂にはセイスSeithという白身の魚に食紅で色付けした「偽サーモン」の油漬缶詰なるものがあったし、それを固いパンにはさんで食した。そうまでしてサーモンは食べたい食品であったのだ。今はアトランテック・サーモンがふんだんにあるからこうした缶詰もなくなったであろう。

街のメインストリートに出てもアジアとは異なり焼き鳥などの屋台店もない。フェリーターミナルではホットドックくらいしか買えない。しからばと中華店に入れば必ず期待はずれの味。(チャーハンを頼むと単に醤油で真っ黒にしたご飯が出てきたこともあるノルウエーのこと)そこで魚屋で売っている鯨肉を買ってきてホテルのシェフに頼んでサシミにしたり(ただし血抜きの具合が良くない)長期滞在や大人数の場合は岸壁まで出かけてマダラ頭を10個も買いロープに通して雪道を引きずる。(とにかく魚が巨大だから頭は重い) 

タラの舌を抜いて塩をきかせてバターソテー、頭はスープにする。これは最も美味。ただしこの場合はホテルのギャレーの拝借が条件となる。タラの舌はノルウエー人も大好物のTORSK TONGUE(タラ・タン)であるからこの上ない。結局のところ、ホテルのビアバーに腰かけて生ビールで交歓するのが夜のすごし方。ウイスキーは禁酒を勧める政策のためか極端に高い、がビールはさほどでもない。(写真はタラの舌)

桜開花

2009-03-30 00:06:04 | 避風塘 (雑想雑事滞留地)
開花はしたものの今年の桜は満開までに時間がかかりそう。このところの気温の低さが原因か。全体としては温暖化に向かっていても、個々の現象の中にはその逆もある。そんななか休日の午後に歩いてみた。大学の庭では宴が開かれていたり、池を望む公園でも三分咲きながらすでに桜祭りが始まっていた。

祭りといえば屋台の出店、その中に「鮎の塩焼き」なるものあり。看板には徳島産天然、とあったが屋台を裏側から眺めると、台の下に積み重ねてあるケースには堂々と中国XX省産冷凍鮎とあり、一尾が500円であった。帰宅後ネット検索で調べてみて、今や鮎も中国から輸入されていると知った。

中国漁政311号

2009-03-29 13:02:16 | 水産・海洋
2009年3月15日、中国最大の漁業監視船「漁政311」号(4450t)が南シナ海の西沙(パラセル)諸島に到着した。南沙(スプラトリー)諸島や西沙諸島の主権を訴えることが目的と見られている。16日付で広州日報が伝えた。

南シナ海は中国などアジアの6か国・地域に囲まれており、長い間領有権争いが展開されてきた。特に南沙諸島には大規模な石油や天然ガス資源が眠っているため、各国が狙っている。今回派遣された「漁政311」号は同海域のパトロールが任務。最大速度は20ノット(時速約37キロ)で航続距離は約8000カイリ(約1 万4800キロ)。06年に中国海軍を退役し、中国農業部に移管された。

南シナ海では8日、中国艦艇が米国の調査船を取り囲む騒ぎが発生。米政府の抗議に対し、中国側は「米船は中国の排他的経済水域で違法に活動していた」と反論した。また10日にはフィリピンのアロヨ大統領が南沙諸島を自国領とする法案に署名。中国政府はこれに強く抗議している。(レコードチャイナほか)

避風塘 TYPHOON SHELTER

2009-03-28 14:03:11 | 
台風を避けるために香港などにあった船だまりのこと。今やその利用者無く、数も減りおそらくその目的は90年代に消滅したかに思える。香港や福建を直撃する台風は強烈であるからそのための備えが昔からあって水上生活者(蛋民:この単語は蔑称だという)が利用した。香港のアバデーンや西貢の船溜まりがそれである。

しかし今はこの名前を見聞きするとレストランを思う人のほうが多いのではなかろうか。この名の店は香港、台湾、上海などに展開しているからだ。中でも上海の錦江店は何度か訪ねた。同じ建物の角に店を張る「老上海」よりもがさつで安価でこちらが好み。たしか24時間営業ではなかったか。一人で食べる晩飯では3種類が限度だが「避風塘豆腐」は必ず食べた。硬めの豆腐と卵を甘辛の汁で煮込んだ濃厚オデンのようなもの。またシンプルな「葱焼きそば」も良い。豪華材料を使う店ではないので、シンプルな皿がきちんとその味を出してくれているとうれしい。この店のメニューの点心的バラエテイが良い。
本来上海には無かった店が香港のまねをしてチエーン展開したもの。今はどうなっているだろう。おおむね店の内装や従業員の服装が綺麗になると反比例で味は落ちる。これは世界共通現象。

船舶解撤労働者のストライキ

2009-03-27 13:30:14 | 海事
インド最大の船舶解撤場所として知られるALANG(ムンバイの北およそ200ランド・マイル)で賃金の減収に抗議して2万人の労働者が無期限のストライキを行っている。世界経済危機とそれにともなう海運の不況によりスクッラプされるべき船舶およそ100隻がALANGにあふれている(SEATRADE ASIA 25日)

さらにインドのライバルである隣国のバングラデシュが環境保全を理由に国内にある解撤作業場30社以上の閉鎖を命じた(このことの影響もあるだろう)。ALANGの消息筋によると、過去2ヶ月間で、110隻以上がさまざまな解撤場所のある海岸でスクラップを待つ状態であるが、これは労働力の不足による。こうした労働者の多くはOrissa、Bihar、Uttar Pradeshといった地区からの移住者でありその賃金は一日当たり200~300ルピアであるが、そうした移住者が減少している。深刻な状態を受けて解撤業者らは会議を持ち、賃金高騰の防止を決定、いかなる条件下においても一日あたり240ルピア(5米ドルに相当)以上は支払わぬことを決定した。加えて残業代の支払いを行わぬことと作業時間を午前8時から午後5時までとした。

>>>海運不況で船腹があふれると、船社は老朽船からスクラップ。世界の船舶解撤の中心はインドやバングラデシュなどでありいわゆる船の墓場。そこで鋼材や金属類がリサイクルされるというプラスの要因の反面、現場の重篤な汚染と労働者の健康被害が大きな問題となっているが、これまでなんら解決を見ていない。

ブラジルとチリー市場を狙う、ベトナム

2009-03-26 12:30:13 | 水産・海洋
ベトナムは南米を水産物を含め新規開拓市場として狙うことを当局者が発表した(24日 MERCO PRESS)ブラジルはすでに60社以上のベトナム水産会社を承認しているという。以下のレポートはVIETNAM NETによる。現在ブラジルはベトナム水産物を第3国の商社経由で輸入している。しかしブラジル駐在のベトナム貿易担当者は市場の需要把握のために現地貿易事務所を通じての情報入手が必要としている。

同時に多くのブラジルの輸入業者が同事務所を訪れキャットフィッシュ(Pangasius)のベトナムの輸出業者について模索しているという。世界経済の縮小の中で人口が1.9億人のブラジルはベトナムにとって魅力。ここ数年来ベトナムの水産会社がハノイの政府主導によりブラジルを訪問ビジネスチャンスを探ってきたが、最近はベトナム-ブラジルのビジネス・フォーラムも開かれるようになってきた。この機会に水産物を含む協力が話し合われた。2国間の貿易は2005年から2008年の間に60%伸長、その額は5.4億ドルに達しているが、本年2009年の目標は5億ドル(経済危機を考慮してか)2010年にはその倍増を期待している。

チリーについても有望な市場とされている。チリー側の興味はBASAキャットフィッシュである。チリー駐在のベトナム貿易担当者もインターネットを通じてのブランド紹介と品質の向上がチー市場でのシェア拡大の鍵となっているという。ブラジルに水産物を輸出するためにはDIPES(Brazilian Inspectorate of Fish and Fishery)による厳格な審査を受ける必要がある。ベトナム産のエビやカニはいまだこの承認を受けていない。

>>>10数年前のベトナムの輸出額は水産物全体で5億ドル程度であったものが、ブラジルだけでその数値に達しているところにCATFISHビジネスの伸長が著しいことを認める。こうした背景には拡大する養殖生産と米国による輸入禁止政策が新規市場を模索させたものと考える。


ギリシャ船も襲われた

2009-03-25 00:00:48 | 水産・海洋
金曜日(20日)のGMT1430ころギリシャ船主が所有しセントビンセント・グレナデス船籍のバルクキャリアーTITAN号(43,214DWT、24人乗り組み)がアデン湾の北緯12度35分東経47度21分で海賊の襲撃を受けた。と国際海事局が報じた。スピードボートに乗った海賊はAK47ライフルとピストルで武装し本船に乗船し襲撃を行った。のっとられた船はソマリア沿岸に向かったが行方は不明という。
Name of ship : TITAN
Call Sign : J8WJ2
Gross tonnage : 24843
Type of ship : Bulk Carrier
Year of build : 1983
Flag : St Vincent and Grenadines

ソマリア海賊日本船を襲撃

2009-03-24 12:18:15 | 水産・海洋
日本時間の22日午後10時すぎ、海賊による襲撃事件が相次いでいるアフリカ・ソマリア沖で、東京の商船三井が運航する自動車運搬船が、海賊とみられる2隻の小型船に追跡されたうえ、銃火器のようなもので発砲を受けました。フィリピン人の乗組員にけがはなく、国土交通省などでは当時の状況を調べている。(NHK NEWS 23日)

国土交通省によると、日本時間の22日午後10時すぎ、アフリカのソマリア沖で、船籍がイギリスのケイマン諸島で、東京の商船三井が運航する自動車運搬船「JASMINEACE」(1万3000トン余り)が海賊とみられる2隻の小型船に追跡されたうえ、重火器のようなもので発砲を受けたという。商船三井によると、「JASMINEACE」は、今月17日にアラブ首長国連邦で中古車およそ400台を載せ、ケニアのモンバサ港に向けて航行中、ソマリアの東方沖およそ900キロの海域で襲撃を受けたという。「JASMINEACE」は、およそ40分にわたって2隻の追跡を受けたが、ジグザグ走行などで振り切って、2隻は追跡をあきらめたという。商船三井によると、いずれもフィリピン人の乗組員18人にけがはないが、操舵室の窓ガラスや天井などに銃弾を受けたという。航行に問題はないというが、国土交通省や商船三井では当時の状況を調べている。国土交通省によると、ソマリア沖で日本の関係する船舶が海賊による襲撃を受けたのは、ことしに入って初めてのこと。

総トン数: 13,038トン
全長: 126.75m
船籍: ケイマン諸島、英領(CAYMAN ISLANDS)
建造年: 1995年
乗組員: フィリピン人 18名
積荷: 中古車 377台

本船は、3月17日(火)にアラブ首長国連邦(UAE)シャルジャ(SHARJAH)港で中古車を積み、ケニア(KENYA)モンバサ(MOMBASA)港に向け航行中であった。(MOL発表)


ソマリア海賊に2つの集団

2009-03-23 12:36:21 | 水産・海洋
無法地帯となったソマリアには沿岸漁民集落に根拠を持つ二つの海賊集団があることを国連が確認水曜日にBan Ki-moon事務総長が発表した(AFP19日)
同報告によればひとつはプントランド地区を根拠とし、もうひとつは南部のMUDUG地区を根拠としているという。現在目立った海賊行為を行っている集団はソマリア沿岸の漁村を根拠としていて北部ソマリアと中部ソマリアの二つがあるが、これらの集団はソマリアの部族を背景にした社会的構造を反映している、と事務総長は発言。

プントランド地区ではそのリーダー格グループはEYLを根拠としている。さらに小さなグループがBossaso, Quandala, Caluula, Bargaalや Garacadなどに存在する。昨年末の段階ではEYLグループは6隻の船舶とそれらの乗組員を人質とし、その身代金としておよそ30億円を得ることを期待していた、と表明。またプントランドの海賊活動の報告は複雑化してきているという。
MUDUG地区についてはその根拠地はXARARDHEEREであり、ウクライナの貨物船FAINA号を襲撃拘束したほかに3隻の船が昨年9月から先月までの間に被害にあっている。また海賊のグループは軍事的能力とその資力の面でソマリア当局のライバルにもなっているという。FAINA号の乗組員は身代金320万ドルと引き換えに2月5日に解放された。またその積荷についてはケニア向けであると同政府は主張するが、南スーダン政府へのものであると専門家や外交官らは見ている。
ソマリア海賊は昨年130隻以上の商船を襲撃,全年に比べて200%の増加となったことが海賊活動の監視と船舶の安全にかかわる国際海事局IMBから報告されている。国連事務総長は「ソマリア沿岸における海賊行為や武力による強奪行為は、ソマリアの統治能力の欠如と物資食料の不足が原因であり、総合的な対策が無い限り解決されないであろうと指摘した。


米原潜と揚陸艦が衝突

2009-03-22 12:07:52 | 避風塘 (雑想雑事滞留地)
 【ワシントン20日時事】米海軍第五艦隊(司令部バーレーン)は20日、ロサンゼルス級攻撃型原子力潜水艦「ハートフォード」(約6000トン)と輸送揚陸艦「ニューオーリンズ」(約2万5000トン)が同日午前1時ごろ(現地時間)、ペルシャ湾のホルムズ海峡で衝突したと発表した。
 ハートフォードは原子炉1基を搭載しているが、海軍は「衝突による原子力推進機関への影響はない」としている。事故当時、潜水航行中だった。
 衝突でハートフォードの乗組員15人が軽傷。ニューオーリンズからは約9万5000リットルの燃料が漏れた。両艦は米中央軍が指揮する対テロ作戦などに従事していた。ともに自力で航行しているという。第五艦隊が事故原因を調べている。

船舶解撤業は閉鎖 バングラデシュ

2009-03-21 09:12:25 | 水産・海洋
バングレアデシュの高等裁判所は政府の承認を持たないすべての解撤事業所に対し2週間以内に閉鎖することを命じた(MGN 19日)
これまではそうした事業参入には承認を得ているものはまったく無かったものが、事業によるメリットが明らかでなければ閉鎖される。また同裁判所は解体のために船舶がバングラデシュ水域に入ることを禁止した。この非難を受けることの多かった産業は数万人の雇用を生んでもいた。バングラデシュの環境関連法律家協会の理事であるHASAN氏は「バングラデシュが危険物質の投棄場所となることを裁判所が禁じたもの。国際法およびバングラデッシュ国内法に沿って長期間にわたって船舶解体の規制を図るもの」と表明。

海南鶏飯 Hainanese Chicken rice

2009-03-20 00:28:50 | 
麺とならぶシンガポールの代表的昼食、麺の場合は魚団子麺にする。ホテルで頼めば見てくれの良い鶏飯が出るが、見てくれより実質を追う我行く先はHAWKER CENTER。雑居ビルのなか、小食堂が並ぶ食街フロアに通う。各種料理から放たれた匂いの分子が充満している場所だ。マレーやインド料理はもちろんのこと西はトルコのドネルケバブから東は韓国のキムチ、はたまた日本のヤキトリまでの匂いと煙が充満する閉鎖空間で食す。

海南島由来のチキンライスの3要素は1.Rice cooked in chicken oil and stock /2.Steamed oily chicken meat /3.Chilli (secret recipe) often mixed with crushed ginger であり、セットで頼めばスープも出て来る。彩のためか、おおぶりの南洋のキュウリ2~3片が丼飯にタクワンという具合でなぜかついてくる。なんのことはない鶏を茹でるのに使ったお湯をスープとして米を炊いただけだが、これはこれでなかなか良い。米は香米(ジャスミンライスか)で長粒米。

湯掻いた鶏肉はほとんど塩気が無い。材料のよさで勝負するしかないはず、しかし鶏本来の味はいつも薄いのだ。(とはいえベトナムの体表を黄色く染色した鶏ではないのでやや安心)同じフロアに3軒の鶏飯を出す店があっても、常に繁忙しているのはうち一軒のみ。値段はセットでも5シンガポールドル程度。麺にするか飯にするか二者択一も楽しみのうち。(写真はHawker FOODの現実に最も近いTRIPADVISOR WEBのものを拝借した。それでも自分の食べていたものより上品に見える)

トロール漁船30隻を拘束

2009-03-19 08:59:38 | 水産・海洋
資源保護のためトロール操業の禁止を決定したヴェネズエラ政府はトロール漁船30隻を拘束するという(Bloomberg 17日)
食料農業大臣はこれらの漁船はキューバとのJVであるPescera de Alba社に寄贈しその他の目的に使用すると発表。またチャぺス大統領は小型の漁船を用いている漁民からはこの措置について賞賛を浴びているという。この法律によってヴェネズエラはラテンアメリカで最初のトロール漁法禁止国家となった。この措置は漁業にダメージを与えるが同国の70%を占める弱小漁業者に漁獲の機会を与えると。また政府はトロール漁船を買いうけ使用できぬようにスクラップする。ヴェネズエラのPuerto La Cruzには248隻のトロール漁船があり6,500人が漁業に従事している。
トロール漁船の船主10人は他の漁法に転換を条件に政府の決定を受諾、また海事基準に適合する30隻にあっては政府が引き受けるという。チャペス大統領は肉食よりも健康的な水産物の消費を2倍3倍と拡大すべく政府が努力すると語った。

海洋の酸化が進む (2)

2009-03-18 00:00:46 | 水産・海洋
バーミューダでBIOS研究所を運営するTONY KNAPP教授は酸性度の計測において鍵となるものがあるという。彼が結論として主張するのは最近の海洋の酸性度の増加の原因は化石燃料の燃焼によるものが主因であるという。「そのことを突き止めるために長い時間をかけてきた。しかしデータを眺めてもあなたが解決を図れる方法は無い」

イタリアのナポリ湾に浮かぶISCHIA島で、科学者たちは多くの生物種が酸性度の増加に対応できなくなってきていることを確信している。この島を巡る海水は火山性のCO2によって数千年間にわたり酸性度を増してきた。その結果海底はある種のジャクジーの様相を示している。ここの状況を調査すれば未来の海洋の状況がわかり、貝殻を形成する生命体の厳しい状況がわかるという。

実験室的に短時間に酸性度の増した環境で見られる生物の様相は同じレベルのPHで見られる実際の海洋での様相とは異なるものであるという。プリムス大学のJASON HALL-SPNCER教授は「非常に心配している」と表現する。「ここで見られる変化は貝殻を形成する生物種にとっては不可能なものである」 「複雑な生態系をいったん破壊し始めたら、そののち何が起こるかはわからない」
ISCHIA島の現場は海洋の将来を示す完璧な実験とはいえない。というのも酸性度の変化は潮汐の影響で変化するためで、これに比べて未来の海洋のPHレベルはもっと安定していると考えられるからである。海洋の酸性化の進行はもうひとつのCO2問題として数えられるようになってきた。「2004年にグーグルで海洋の酸性化をヒットすると17件であった。それが現在は数万件になった。このことが大きな問題になることは明らかだ」とTURELY博士は語った。

PH指標
PH=13 漂白剤
PH=10 石鹸
PH=8.2 紀元1750年以前の海洋
PH=8.1 現在の海洋の数値
PH=7.8 2100年の推定値
PH=7  純水
PH=3  酢

海賊逮捕、 さあどう扱うか・・・

2009-03-17 10:40:01 | 水産・海洋
ソマリア海賊対策に各国は海軍を派遣している。しかしその捕らえた海賊の取り扱いが今問題になっている(BBC RADIO.4)
古代ローマの法学者キケロ(CICERO)は”敵もまた人なり“と唱えた。海賊行為は国際犯罪とされている。それは海賊が公海で事を行い、いかなる国の法律も及ばないからである。その行為はどの国にとっても脅威となる。各国は海賊を海上で捕らえれば、母国で訴追するであろう。しかし、それが法的に有効か問題となる。デンマーク海軍のABSALONは昨年ソマリア沖で10人の海賊容疑者を逮捕した。海賊がデンマークの商船あるいは国民を攻撃した場合にはデンマーク法のもとで裁くことが出来る。そうでない場合は彼らをソマリアの安全な場所で開放しなければならない、と同国外務省の法律専門家はいう。

このことはデンマークだけではない。ドイツ当局もまた海賊容疑者をクリスマスの前に解放せざるを得なかった。 英国海軍もまた武器を没収した後容疑者を解放している。其の他の国の海軍についても逮捕後の責任を考え、海賊捕捉にあまり乗り気ではないのが実態。問題はソマリアに有効な法体系が確立されていないことにある。

238名の海賊容疑者の半数が訴追され、残りは解放されている。またどの程度収監できるかにも問題があると専門家はいう。ほとんどの場合は長期間でないという判断である。フランス海軍が逮捕した57人のうち45人がソマリアのプントランド当局に引き渡された。米国海軍はこの3月はじめに9人をプントランドに送った。ということは海賊の半数はプントランドで訴求を受けるということになる。
またEUと米国はケニアとの交渉でソマリア海賊を訴求のために引き渡すことに合意している。英国は11月に8人を引き渡し、米国は7人について引き渡し交渉中である。しかしケニアでのこうした方法が長期にわたる解決方法になりうるのだろうか?ケニアの外相はケニアがソマリア人海賊の捨て場になることを望まないと主張。また人権監視団体はケニアでの訴追には法システムに問題があるという。収監されると日常的に鞭打され、裁判が公正に行われるのはまれであるという。裁決は誤ったものが多いと思われるという。しかし英国政府はケニアに送られた海賊容疑者は英国人権法によるあつかいを受けるという。ソマリア海賊問題の解決に時間がかかることは誰しもが認めるところであるがそのためにはソマリアが充分な沿岸警備体制と法律を備える必要がある。
>>>この問題は日本が派遣した自衛艦の場合も同じであり、つど対応を迫られることになるだろう。