memories on the sea 海の記録

海、船、港、魚、人々、食・・・などなんでもありを前提に、想い出すこと思いつくこと自由に載せます。

マグロ漁業は手放さない   マルタ

2009-08-31 10:14:47 | 水産・海洋
地中海の小島国マルタはEUがこれから提案するクロマグロの国際取引禁止について反対を表明する準備をしている。これが認められれば数百の漁民の生活が脅かされることが必至であるためという。EU委員会の位置はいまだ決定されていないし、たぶん数週間のうちに内容が変更となるかもしれないとスポークスマンはいう。(Times of Malta)

しかしタイムズ・オブ・マルタ紙によると、マルタとしてはそのような提案には反対を表明する。1億ユーロにも及ぶ輸出価値のある産業をゆめゆめ失うことはできないからだという。
「われ我の知る情報ではEU委員会の提案はいまだ構築中でなにも確認されてはいない。その理由はさまざまな委員会理事が環境問題理事のすすめるマグロ取引禁止案に賛成していないためだ」とスポークスマン。 一方マルタはすでにその立場を明確にしていて、絶滅危惧種に関する国際会議の議決には従うとしているという。


カリブ海の麻薬対策

2009-08-30 07:49:58 | 海事
英国海軍のフリゲート艦HMS IRON DUKEがカリブ海のパトロールで快速艇によるコカイン密輸の阻止に成功した。没収した麻薬はおよそ150Kgで推定価格はおよそ6百万ポンドにのぼる。この成果は先月にも同艦が捕らえたおよそ750kgのコカイン、価格にして3300万ポンドに続く成果となった。(英国海軍ほか 8月24日)

• HMS Iron Dukeは6月からカリブ海における麻薬狩りの国際共同作戦的に参加.
• コカイン狩りは米国沿岸警備隊と英国のSOCA(深刻かつ組織犯罪対応部局)、カリブ海安全機構などの連携によるもの
• もっぱら犯罪者の捕獲は夜間に搭載しているLYNXヘリやボートにより実施
この艦が昨年は4500万ポンド相当の麻薬を阻止した実績がある。
写真は捕捉された快速艇とHMS IRON DUKE。


2008年米国漁業統計発表

2009-08-29 11:00:52 | 水産・海洋
米国漁業者による米国50州の港への商業的水揚げは380万トン、価格にして4.4Billion米ドル(邦貨換算およそ4,200億円)であった。2007年対比で、水揚げ数量の減少は11%あったが価格は192百万米ドル増加(+5%)したと報告された。鰭魚は水揚げの87%を占めるが、価格ではその51%にすぎない。また2008年の舷側渡し価格の平均は53セントで2007年の45セントよりも上昇した。(米国NMFSの科学技術部局8月21日)

スケソウダラ、太平洋ホワイテイングおよびそのたの底魚については北東太平洋で米国漁船の上で加工され漁獲した場所に最も近い州で水揚げされるし、その州の原産と表示される。漁獲物のうちどの程度の割合が外国の港に向かったかの情報はない。こういった洋上加工ベースのものの原魚状態での重量はおよそ110万トンであって50州で水揚げされた量は30%減少した。また米国漁業者による、50州以外の港での水揚げはIWP取り決めによる数字は上記に加えて11.4万トン金額では9千万米ドルであって金額で58%増加し数量では4.2万トン増えた。こうした水揚げの主体はマグロとカジキ類で米国領サモア他の海外の港で行われた。
食用の魚と甲殻類の50州における水揚げは3百万トンでもよそ86万トン減少した。また、非食用の水揚げは77万トンで、2007年対比で7%減少した。
また、ゲームフィッシングによる鰭魚の 漁獲はキャッチアンドリリース分を含めて、大西洋、メキシコ湾、太平洋沿岸地区の合計で4.64億匹、およそ8500万回の釣行が行われた。このうち、漁獲または死んでしまったものの合計は11.2万トンであった。

世界の漁獲 World Landings
最近の利用可能なデータは2007年である。世界の商業生産は1.4億トンとなり、前年の2006年に比べて320万トンの増加であった。世界でトップは中国で全体の33%を占め、これにインドとペルーが続いていて5.2%。第4位はインドネシアで、4.5%を占め、これに3.8%の米港が続いている。

価格Prices
2008年の食用魚の舷側渡し価格は57%上昇、甲殻類は8%の上昇、工業用(フィシュミールなど)は12%減少した。調査対象の32種のうち価格上昇したものが26種、低下したものが5種、変わらなかったものが1種類であった。キハダの価格が158%上昇と最大を示し、逆にハドックは24%の最大の低下を示した

対外貿易 Foreign Trade
輸入は非食用分も含めて28.5Billion米ドル(およそ2740億円)、前年に比べておよそ321百万ドル減少した。うち、食用分は240万トン(製品ベース重量)で価格にして14.2Billion米ドルと前年比で120百万ドルの減少となった。


紙包鶏 Paper wrapped chicken 

2009-08-28 00:02:21 | 亜細亜海道
これもシンガポールでの食べ物であり、発音はCHEE POW KAIである。紙で包んだ鶏を油で揚げたもの。多くの店が「俺のところが一番旨い」と宣伝しているから、シンガポール料理のひとつに入るのだろう。パン粉をつけて揚げれば鶏のフライになるわけだが、外側は包み紙であるから食べない。指が油で汚れるのは当然。紙が充分に脂を吸っているからその分だけ中身の鶏肉は低カロリーではないかと思う。この方式で魚やイカの切り身やスリミを油で揚げたらどうなるだろう。その準備段階として造り方を調べた。

まず調味液をつくり鶏肉一口大を一晩あるいは少なくとも一時間は冷蔵庫の中で漬け込む。油紙を20枚10センチ角に切る。この紙の中に鶏肉をひとつかふたつ入れる。その中心にニンイクと生姜のスライスしたものを入れる。これを封筒のように包み込み、紙の端は包の中に折り込む。肉を詰め込みすぎないことが大事。

中華鍋(WOK)に半分ほど油をいれ、加熱し、煙が立つほど温度が上がったら2~3包を同時に投入3分間揚げる。油の温度が上昇するのを待って同じことを繰り返す。温度低下をしないようたくさんの投入は禁物。紙包に茶色く色がついたら油から取り上げペーパータオルの上で油を切る。包を開かずにそのまま更に載せ提供する。英文の解説書にはフィンガーボールを用意せよとあった。なぜか調味液の内容説明はなかった。


95年間の安全・信頼・効率的サービス  パナマ運河

2009-08-27 00:00:08 | 海事

世界貿易の原動力としてのパナマ運河が95周年を迎えた。2010年には100万隻通航の実績を獲得する見込み(パナマ運河局 8月14日)

1914年9月15日汽船ANCON号が運河を通過して以来安全・高信頼・効率的サービスを98万3千隻の船舶に提供してきた。来年には通航百万隻を数えることになる。「95年間を通じて、何時の時代においても運河がパナマの運命を形成している」パナマ運河局CEOのAlberto Alemán Zubietaはいう。「運河は世界中の国々をつなぐ乗り物として輸送の発展に寄与してきた。と同時に人類の発展や科学の進歩、たとえば工学、浚渫、水理といった面でも貢献し、とくに天然資源の戦略的運営という面もある」

今回の記念日にあたり、運河開通以来最大のプロジェクトである拡幅工事があり、それは2007年9月にすでに始まった。これが完成すれば更に大型の船舶の通航が可能となりパナマ運河利用の経済効果が生まれる。さらにこの工事に技術的な進歩という貢献も生まれる。「生物学的には95年といえば熟年にあたるが、単なるステップに過ぎない」と。

Billingsgate市場の魚商に未来はあるのだろうか?  英国ロンドン (2)

2009-08-26 11:08:13 | 水産・海洋
Roger Barton氏は市場でもっともあふれんばかりのキャラクターの人物だ。彼はXfmラジオショーにBillingsgateの王様と呼ばれて登場し、彼の熱狂者までを作り出した。ロヂャースの感染する熱意はユーチューブである種の熱狂者を彼に作りました。彼のしゃべくりは短い言葉でもあたかも花崗岩に彫刻をするようであった。「世界中見渡しても良い魚なんてもうない」と彼は言う。それに応えて自分はうなずく。「ドーバー・ソール(舌平目)をみてごらん、バターを少し、小麦粉を少し、それをフライパンに入れたら後はないもすることないさ。素晴らしい晩飯さ、そうだろうマーク」セレブリティのシェフはBillingsgateで買った魚を商品として過剰複雑にして皿に乗せる、だから庶民から反感を買う。「われわれは子供たちにもっと調理の基本を見せなければいけない」とBob.「彼らシェフはあまりにも複雑にしすぎる。ただKeith Floydだけが簡単に仕上げている。いまやサフランやリゾットばかりがあふれている。小麦粉とポテトの取り合わせでの魚では何か悪いか?一年365日何か違ったものを毎日食べるでしょう」

午前8時ホースで散水し清掃が始まり、氷やゴミを洗い流す。箱を片付け、店を閉める。自分は 2007年以来ビリングスゲートの監理者であるMaclcolm Macleodと話をするために上の階に上がった。彼は市場の現状について現実的であり、未来については楽天的であった。「この市場は1960年代および70年代以降、スーパーマーケットが供給チエーンを開始してから縮小が始まった。だが我々の魚の85%は小売部門に流れている。魚小売商やレストランなどだ。スーパーマーケットは鮮度と多様性の面ではわれわれにかなわない。毎日150種類以上の魚を扱っているからだ」Malcolm氏のスーパーマーケットに対抗するアイデアのひとつはビリングスゲート市場によるデリバリ・サービスだ「現在も少しではあるがやっている。ビリングスゲートのバンがロンドン市中を回っているのをまだ見たことはないでしょう。だがインターネット注文をとりいれれば、いけると思う」自分が資源の維持について質問すると、彼は笑った「真実はその中間あたりにある」彼はビリングスゲートで扱われている魚のうちどれほどの割合が維持可能資源なのかについては答えてくれなかった。そうしたことの監査はなされていないからだ。しかし彼は非常に真剣にとらえているという。「消費者は維持可能な魚類資源を購入することについてよく勉強している。だから我々の扱う魚についてもそのなかから選ぶことになる。現場には三人の魚検査官がいるし、維持可能な魚類を扱うことの認識は増していて、維持可能資源だということが販売のポイントにもなってきている」

さて自分の遣り残したことは魚を食べることであった。自分は朝からでも魚を食べることに躊躇しない。でも3時間も市場にいた後、つばが溜まってきた。食堂の女性従業員はキッパー(燻製ニシン)を焼きそれにスクランブル・エッグを添えた。多分それはいまだ自分が試したことのないほど素晴らしいものだった。バターをつけたパンとともに食した。単純さということについての討論では自分は間違いなくBobの意見を支持する。(Mark Smith記者)
<写真は市場でおよそ50年間働いているというRoger Barton氏>


Billingsgate市場の魚商に未来はあるのだろうか?  英国ロンドン (1))

2009-08-25 18:21:10 | 水産・海洋
番組の音の収録のためにロンドン・ビリングスゲート魚市場に朝6時に到着した。もっとも新鮮な魚はもうないよといわれた。確かにそうだ、カモメがテムズ河で魚の頭やアラを潜水ジャンプでかすめとるように、“早起き鳥”がいい魚を持ってゆく。(英国 ガーデイアン)

この市場は魚の取引を専門的に行うために1699年に開設された、しかしそのリズムや伝統は変化してきている。いまカナリー桟橋の微かな光の塔はかろうじて長い影をのこしている。時間は英国の魚商人たちに厳しかった。私が話をしたほとんどの魚商人はそこに何十年もいる人たちであって、学校を出て仕事についた人たちだ。ビジネスが一度も不調になったことはかつて無かった、との主張は皆一致していた。その理由は多くあるが、ひとつの単語は”割り当て“である。

「ここに未来なんてない」とBob Fish店のオーナーBob Unwin氏はキッパーやスモーク・ハドックといった“旧式な”魚を扱う商人である。「魚は漁獲枠が厳しくますます高値になり、それが売り値に反映する。スコットランド人と話せばそこには魚はふんだんにあるという。しかし、英国ブリテッシュの漁船は運用できず、外国漁船がそれにかわった」 「では養殖の魚か、といえば、それも良くはない」とBob氏。「昔はスモークサーモンが豪華とされたが、いまやそれが、あふれていて、チーズよりも安い」私が持続可能な魚種の問題を提起するとボブはそっけなかった。「自分はおかしくない、しかし問題が過剰に環境保護主義者によって吹聴されているだけだ。そのことはアイスランドやノルウエーの捕鯨禁止と同じだ。人々は、クジラを追うのが残酷であるという。しかしそれが誰かの暮らしに関与しているときは別問題だ」このBon の意見は他の魚商人も同じであった。経済の低迷にもかかわらず、ビリングスゲートの魚商人たちは自らの商品とその職業に誇りを持っていた。

その場所は騒がしかった。冗談交じりのひやかしや友情が、かれらがスズキを切り身にするのと同じくらい多く見られます。不定期の間隔で鐘がなり、トローリーが先を急ぐ叫び声とともに行きかう。(築地市場に良く似ている)


絶滅危機魚種をメニューから排除 英国コンパス社

2009-08-24 05:23:58 | 水産・海洋
世界最大のケータリング会社はクロマグロに加えて、大西洋産マダラを禁止品目に加えた。69種類の魚種が英国とアイルランドの数千のレストラン・メニューからはずされ、資源保護に取り組むキャンペーン運動家からは喝采を浴びた。(英国 GURADIAN)

コンパス・グループは世界最大のケイタリング契約会社であるが、海産資源保護協会(MSC)のアドバイスに従うことを決定したもの。これらは協会のアドバイスに変更が行われない限り、“つかんで届ける”方式のオーダーで、再び食堂やレストランで用いられることは無いという。
この運動は6500以上の食関連アウトレットに及んでいる。チェルシー・フットボール・チームからロンドンのLewsisham校、プロクター・ギャンブル、オクスフォード。ブルックス大学、英国動物園にまで及ぶ。また対象魚種はもっとも被害を受けやすいものをMSCが選択、4種類のエイ類、マグロ類5種、オヒョウ類2種である。

またコンパス社はすでにクロマグロを今後一切用いないこととカジキ類など被害を受け受けやすい13魚種を設定。MSCによる69種類すべてについての意思決定は非常に有意義な流れといえる。この決定は国家食品基準局が健康面と危機に瀕している魚の両面を考慮して決定したもの。たとえば、大西洋産のマダラについては全面禁止となっているが、MSCによって認められている大平洋産のマダラはメニューに残っている。またアラスカからの太平洋サケ、スケソウダラなどは残存している


マグロの利益を増やしたい  太平洋島嶼国家

2009-08-23 09:23:33 | 水産・海洋
缶詰や刺身に用いられる世界のマグロの三分の一が西大西洋からもたらされているのにもかかわらずその海区の島嶼国家はその価値の僅か6%の配分しか受けていない。(Australia Network News) しかし、いまやその4千億円とされる市場から自らの国民へのさらなる価値を見出そうとし始めた。大きな変化は海外の漁船団から地元漁船と漁獲物加工を自ら行うことであり、それは長い道のりかそれともかなわぬこととなるのだろうか。

しかしそれら国家のリーダーの間で交わされているアイデアや意見としては、マグロ漁船には50%以上の地元の人間を乗り組ませること、課税、海外加工場のシェアの購入などがある。関係官庁や専門家によるシンポジウムがマーシャル諸島で行われ、これにはミクロネシア、キリバス、ツバル、ソロモン諸島、PNG、ナウルなどが参加。

フェーズアウト
漁業フォーラム局次長のTransform Aqorau博士は太平洋島嶼国家と外国漁船団との関係は
ゆっくりと変化しているという。「彼らは最終的には外国漁船を締め出すことを狙い、そのいくつかの方法として、漁業への参入で以前より収入を増加させようとしている」とラジオ・オーストラリアに語った。現在は、これら国家は漁業権で収入を得ている。しかし「価値の多くは加工とその製品にラベルをつけて販売することにある」と同次長は言う。たしかに経済的な利益を加工から得ることもひとつの方法である。しかし言うは易く実行は難しい。例えばキリバスやツバルのような低い環礁の上に形成された国では、物理的に加工場を設けることは困難である。

ライセンス
しかし、外国漁船への地元乗り組みを増やすことで利益を拡大することは出来る。「彼らは漁業権方式を続けるが、加えて、乗組員の半分を地元からとする要求をする」 「このことで、金儲けをするだけではなく、その能力も開発することが出来る」 漁業からの収益拡大を図る其の他の方法としては投資もある。「加工場のシェアを獲得したり、例えばもっとも水揚げの多くが行く日本の加工場への投資という道もある」もちろん、タイや米国の缶詰工場もその目標となりうると同次長は言う。


サケがパリに戻る   セーヌにはそれが必要だ

2009-08-22 09:49:58 | 水産・海洋
イルカやクジラでも遡上することがあるから驚くことではないだろうが、絶えて久しいサケ(大西洋サケ)の回帰はセーヌ河にとって喜ばしい出来事である(Times Online12日)

「さらに多くのサケがセーヌに遡上してきている。今年は想像以上の数だ」と漁業連合の理事のBernard Breton氏は言う。「その数が1,000尾を超えても尾驚かない」昔は“ノートルダムのサケ通り”とよばれたほど地元では美味とされた。サケがセーヌで戯れることは可能かもしれないが、セーヌ河は殺虫剤、鉛、およびバクテリアなどで汚染されそのレベルは人が危険を冒すことができないくらい高いままで残存している。

セーヌ右岸の“パリの浜辺”の熱狂的な支持者でさえ、ルイ14世が愛人を連れて月光浴をしたというその場所から離れるよう警告をされる現在である。こうした規則を破ったものは警察に連行され病院で検査を受けねばならない。そんなひどく昔でない時代までセーヌ河は下水と繋がっていて文豪ビクトル・ユーゴーも著作に登場させている。セーヌ河を工業や農業による有機物汚染や化学汚染から回復させる努力はおよそ30年前に始まった。ほとんどの魚種は1920年にすでに消滅していたのだ。今日はその表層部は定期的に清掃され、また洪水が河に流れ込んだ場合には魚にとって助けとなる酸素をポンプで送り込む仕組みも稼動するようになった。

Bertrand Delanoëパリ市長はセーヌ河へのサケの回帰はINRA(魚類研究では指導的立場のフランスの研究機関)の水質浄化努力の勝利の結果だと賞賛。市長のウエブサイトは「数々のプロジェクトをとりあげるまでもなく、セーヌにもどっってきたサケを含めて、さまざまな魚種の回帰を確認できる。これは河の水が浄化された証拠だ」 徐々に回帰しつつある魚種は30以上にのぼる。大西洋サケの回帰はおよそ5年前からで、このことが都会での釣りブームを元気つけた。週末には、ノートルダム対岸のサン・ルイ島やエッフェル搭のある左岸ではタイ類、コイ、パーチ、ナマズ、海マスを狙っての投げ釣りが行われている。「彼らは魚を食べるわけではない」と漁業連合のStephanie Hofer氏は英国タイムシュ紙に語った。「彼らは魚を河に戻すのだが、それはフランスの釣り人の8割がそうしていることだ」

パリ中央では2001年に世界釣チャンピオン大会を開催、そのときにはサケは釣れなかった。ごく僅かのサケがパリに登録している釣師7,000人のなかの針にかかったことがある。サケの回帰は昨年の10月に、首都の下流にあるSuresenesで7kgのものが釣り上げられたことが評判になった。INRAの遺伝子的サンプル調査によると、遡上したサケは海での生活の後に英国海峡のルアーブルから河を遡ってきたものだという。研究者によれば大西洋サケの回帰は明らかで、自然環境評価の生物指標であるとう

マゼラン・タラバガニ漁始まる プンタアレナス

2009-08-21 00:10:37 | 水産・海洋
6ヶ月間の甲殻類に関する禁漁がとけて、プンタアレナスの港にマゼラン・タラバの水揚げ第1船が入港した(サンチャゴ・タイムスNatalie Muller記者 4日)
7KM北にあるBarranco Amarillo漁港には8トンの水揚げがあった。毎年米国、欧州そしてアジア市場に輸出されその金額は10~20億円規模となる。漁業者らは今年も昨年同様の水揚を期待、昨年は2,300トンの水揚であった。漁船のひとつ “Don Gaby”は2トンのカニを漁港に運んだが、 “Navegante VI”は6トンを水揚。両船ともにおよそ18時間の航海で漁場にカニカゴを入れ、プンタアレナスに戻ってきたもの。いずれの船も200~500個の金属製のカニカゴを海底水深60~200メートルにセットした。チリー国家漁業局は7月から11月までの操業をマゼラン海峡で、4百隻の漁船に許可している。

プンタアレナス漁業および商業船組合のJuan Lemus会長によると、今年のカニ漁の開始は遅れたという。本来は7月1日に開始されるのだが、今年の遅れは操業海域の悪天候によるもの。 「天気が悪く、水揚も芳しくなかった」 「漁船も入稿し始めたが操業に支障も出ている」とLemus氏。おそいスタートではあったが、最近減少しつつある漁獲ではあるが、昨年並みの2300トンは期待したい、としている。
第12漁区(マゼラン海区)は同じマゼラン・タラバでも特別なものが採れるとされ、輸出に向けられる。またこの操業によりおよそ1600名分の雇用も生まれる。国家漁業局はこの海区での不法操業防止に努めていてメスガニや規定以下のサイズへの規制もなされている。

魚壁がダイバーを包む

2009-08-20 07:41:02 | 水産・海洋
幅15メートル、深さ15メートルそして長さが120メートルはあると思われる魚の壁がフィリッピンのペスカドール島に出現、ダイバーを驚かせた(英国・テレグラフ7日)こうした現象は回遊の途中に起こるSARDINE RUNと呼ばれるもので、毎年7月におこる。このキラキラと光る雲状のものは数百万尾のイワシが群泳して出来たもの。

米国人ダイバーのErwin Poliakoffは妻子を連れての休暇中であった。Mr Poliakoff(54) "珊瑚礁の上でダイビングしていたところ、この現象にぶつかった。突然周囲が暗くなった」「それはまるで我々の上に雲が落ちてきたようであって、最初自分は日没かと思った」「しかし、すぐにそれが我々の周りをかこむイワシによるものと理解できた」 「とても壁を破ることは出来ないように見えたが、実際にはすでに壁の内側にとりこまれていたのだ。 「とても信じられない光景だった」 ん「まさに銀色に輝く雲のようであった」
専門家によるとSARDINE RUNはより良い産卵の場所をもとめておこなうイワシの回遊の途上で発生するという。イルカ、サメ、クジラなど大型の競合者から自分たちの個体を守るために大きな塊をつくるのだと理解されている。

ハイジャック犯人を逮捕   ARCTIC SEA (5)

2009-08-19 14:58:01 | 海事
ARCTIC SEAの8名を逮捕したとロシア国防相Anatoly Serdyukovが発表。 ロシア人のほかにエストニア人、ラトビア人が含まれると見ている。BBC NEWS18日)
海賊かそれともビジネスに絡んだマフィアの仕業かと憶測がなされていた。また本船の船主は7月24日にスエーデン水域で攻撃を受けたことをすでに発表していた。ハイジャック犯らは本船の修理の援助を行うとして小艇で接近した、とロシアのINTERFAX通信は伝えている。乗船するや乗組員を銃器で脅し、南に向かうよう乗組みに指示したという。

2度目の攻撃?
犯人はエストニア人4名、ラトビア人とロシア人がそれぞれ2名と見られている。査問は現在ロシア軍艦LANDYの上で行われ、乗組員15名のほか犯人にたいして行われわれている。 船籍の登録国であるマルタ海事局は本船の消失以降その探索を継続していた。「フィンランド、マルタ、スエーデンは乗組員の安全確保のため、いかなる微妙な情報についても相互に包み隠さず交換することの合意を結んでいる」と。また報告によると、本船はポルトガルの沖合で2度目の攻撃を受けたという。しかしこのことについて船主は知らないといいポルトガルも領海水域に本船は入っていないと表明。
本船発見に至るまでの最後の交信は英国海峡で英国海事局に対して行われたもので、最後に視認されたのは7月30日ビスケイ湾であった。先週末より多国籍による捜索が行われたが、身代金の要求があったためとフィナランド警察は語る。

行方不明船を発見   ARCTIC SEA (4)

2009-08-19 00:00:05 | 海事

ロシア国防相のAnatoly Serdyukovはカボ・ベルデ諸島近くで本船を発見、ロシア人乗組員を救助したと発表した。乗組員15名はロシア海軍艦艇に移乗したが、健康状態は良好という。(BBC NEWS2009/08/17 18:50:19 GMT )

フィンランドが所有するARCTIC SEAは材木を積んで英国海峡を通過した後、レーダーから消えていた。その消失の理由として海賊や商売上のマフィアのカラミなどいろいろな憶測がされていた。本船の発見は月曜日の午前1時(GMTでは日曜日の21時)で大西洋のカボベルデ諸島の沖合い300海里。ロシアのTASS通信はメドベージェフ大統領に対する国防相の報告を引用。「乗組員は他の船に移乗、何が起こったのかについて査問を受けている」と。「乗組員は生存しており、武装した者の管理下にあったものではない」 またマルタ海事安全委員会は現在本船はロシア軍の手中にあると。さらなる内容は後刻発表される。

およそ1.8億円相当の材木を積んだマルタ船籍(船主はフィンランドで乗組員はロシア人)の4000総トンの貨物船はフィンランドの港を出港し、アルジェリアの港のBejaiaに8月4日入港の予定であった。その途中、スエーデン沖では覆面の男らに急襲されたという報告もなされた。最後の交信は英国海峡通過時にドーバーの海事当局と行ったもの。そののち7月30日にはビスケイ湾で視認されていた。先週土曜日にはフィンランド警察が船主に対して身代金の要求があったと報じたが、その確かさについては確認できないと強調していた。


深まる謎  行方不明の貨物船 (3)

2009-08-18 08:35:24 | 海事
フィンランド当局が身代金の要求があったと表明した(AP MOSCOW 15日) 

在来型貨物船のARCTIC SEAはこれまで世界の海をくまなく渡ってきたのだが、噂と陰謀の世界へと突き進み消えていったのか。ロシア海事当局の専門家によると土曜日(15日)時点で、本船の信号が追尾装置で把握され、陰謀の疑いが深まり、またフィンランド当局は身代金の要求があったと報じた。

フィンランド人が所有する船舶からの信号はフランスのビスケイ湾沖から突然発信されたとソブクラフトのMikhail Voitenkoは伝えている。貨物船ARCTIC SEA号は7月28日に英国海峡を通過した後に行方不明となったが、アルジェリアには8月4日入港の予定であった。フランス海軍はその主張を棄却し、本船はカボ・ベルデ付近に存在するという。カボ・ベルデとは西アフリカの島嶼国家である。金曜日に世界中に配信されたニュースでも、ロシア艦艇がその島の近くにあることを伝えはしたが、いまだ本船の行方は未確認である。信号はおよそ一時間続いた後消えたが、この送信は本船から持ち出した送信機を他の船に載せ発信したものではないかとも疑われている。「ARCTIC SEAが現在ビスケイ湾にいることはありそうもない」とVoitenko氏はAP テレビニュースに語った。そこは船が消息を絶った最後の位置である。

土曜日遅くには船主は身代金の要求を受け取ったとフィンランド当局が伝えた。船の所在、乗組員の安否や身代金額など詳細については不明で。誰かが本船を拘束しているのかどうかも不明のままである。本線の船主によれば、フィンランドからアルジェリアに向けてぁいもくを積んで出港したが、翌日には乗組員から、本船がスエーデンのGOTLAND近くで何者かの急襲を受けたが、麻薬を検索した後にその者らはゴムボートで本船を離脱した、という報告があった。この攻撃自体が何の目的であったのかも知れず、また報告事態についても疑惑がある。こうした攻撃が欧州水域で発生することは極めてまれであるとスエーデン警察は語り、選手からの事情聴取の数日後の初めて捜索を開始した。しかしその時点には本船はすでに英国海峡を通過しており、最後の通信も傍受されている。本船がアルジェリアに入港予定の水曜日にいたるまで、また、ロシア大統領が本船発見のために必要な総ての手段をとるよう国防大臣に命じるまでは、誰も気にしていなかった。