memories on the sea 海の記録

海、船、港、魚、人々、食・・・などなんでもありを前提に、想い出すこと思いつくこと自由に載せます。

火山噴火と魚の空輸    アイスランド

2011-05-31 08:10:58 | 水産・海洋
英国と欧州の水産会社はアイスランドのGrimsvotn火山の噴火によりアイスランドおよび北欧諸国からの生鮮水産物の空輸で混乱に直面した。(5月25日FUD)

ベルギーのLiege向けの鮮魚の空輸は昨日キャンセルとなったが、当面英国Humberへの空輸についても南に向かって広がる噴煙の影響を受けるものと思われる。 グリムスビーに近いHumberside空港は通常、生鮮マダラ、ハドック、ヒラメなどの品を毎週4~5回レイキャビックから空輸で受けている。これらの魚は品質の高いスーパーマーケットであるWaitroseやMarks & Spencer向けである。
しかしながら、今日のすべての情報によれば最悪は噴煙の分散である。今回の混乱は昨年の火山Eyjafjallajokullが一週間以上魚の空輸を止めた時ほどはひどくはない。科学者らによればGrimsvotn火山の週末までの噴火は昨年お噴火よりも規模は大きいが状態が異なるという。

アイスランド航空は状況を監視しており旅客と貨物便は飛んだがロンドンやグラスゴウ便はキャンセルされた。Isafjord空港は閉鎖された。アイスランドの漁業界の報道担当は「噴火が一時期であることを祈っている」と。アイスランドおよびファロー諸島からのHumber向けの水産物の船便は影響を受けない。よってグリムスビーやハル市場における影響は大きな問題はないと思われる。昨晩は降灰がオークニーやベルゲンにもあったという。

家畜運搬船Maysoraの火災   トルコのDardanell海峡で

2011-05-31 08:10:20 | 海事
エーゲ海から海峡に入るところで5月22日現地時間22:50に家畜運搬船の機関室から出火した(5月23日SNT)

本船は豪州のFreemantleからトルコのMartas-Tekirdag(マルマラ海)に向けていたもので71名が乗り組み、乗客は2名であった。1989年建造の本船はバハマ船籍、積載トン数24362で豪州のLivestock Shipping Service社が所有。
>>>
7300浬余の長旅の末に目的港目前で火災とは

東北3県のサケ漁ピンチ ふ化施設6割使用不能 来春の稚魚放流に暗雲

2011-05-30 09:48:12 | 東北地震津浪災害 3.11
 日本有数のサケ漁獲量を誇る岩手、宮城、福島各県で、サケの卵のふ化や稚魚の養殖を行って川に放流する施設58カ所のうち、6割に当たる35カ所が津波や福島第1原発事故の影響で使用不能となっていることが25日、3県への取材で分かった。現状では来年春の稚魚放流も減少するとみられ、東北のサケ漁は深刻な打撃を受けかねない状況だ。(5月25日スポーツニッポン)

 サケは4~5年後に生まれた川に戻るとされる。各地の漁は人工ふ化放流に頼っているのが実情で、稚魚の放流数は将来の漁獲量に直結しかねない。今年春に放流した稚魚も津波で大きな被害を受けたとみられており、将来の漁獲量を確保するためには施設復旧や仮設の飼育池設置などの対策が急務となる。

 政府は2011年度第1次補正予算で、来年春のサケなどの稚魚放流をにらんだ緊急対策として27億円を計上。震災被害を受けた施設の復旧工事や、地面に掘った穴にブルーシートを敷いて設置する仮設池の費用補助を決めた。産卵するサケが川に戻る今年秋までに、できるだけ多くの施設を復旧させたい考えだが、大半は見通しも立っていない。

 水産総合研究センターによると、10年度のサケ河川捕獲数は北海道が320万匹でトップ。2位は岩手県で56万匹、3位の宮城県は19万匹。福島県は12万匹で6位だった。

 各県によると、岩手県では県内の施設28カ所のうち20カ所で稚魚の飼育水槽が壊れたり、大量のがれきや土砂で埋まるなど大きな被害が出た。宮城県でも20カ所のうち北部8カ所が津波で壊滅。ほかの12カ所も使用はできるものの被害が出て被害額は5億6000万円に上る見込みだ。

 福島県では10カ所のうち、7カ所が福島第1原発の30キロ圏内にあり、関係者もすべて避難して被害状況の確認すらできない状態。ほかの3カ所は山あいにあるため、津波被害を受けていないという。

カニの漁獲枠が少なすぎる   カナダ

2011-05-29 12:15:09 | 水産・海洋
プリンスエドワード島を含むローレンス湾の6つのカニ協会は連邦漁業海洋局DFOにズワイガニの数量についての見直しを書面で求めた(5月18日CBCNEWS)

漁業者らは当局の推計は低すぎる。島の半数の漁業者は今年は出漁しないであろうと。AlbertonのCarter Hutt氏は漁獲枠が少なすぎてコストに見合わない。このため自分の枠を譲渡するという。 「過去2年間パートナーシップを組むことが認められていたので、他の漁業者に枠を譲渡
した」と。DFOはズワイカニの漁獲枠を昨年63%削減した。6つの団体はこの措置は大きすぎるという。

これらグループは科学者に有償で資源評価を求めた。この結果によればカニの数はDFOの予測よりも20%多かった。しかし DFOの生物学者 Marc Lanteigneは科学者らは違った手法で資源評価をしたと推定している。しかし科学者の調査結果報告全体を見ていないので不明だと。Lanteigneは漁業者がDFOの変更を求めているが、11月に意見呈示できる機会があると。


養殖場は種カキの奪い合い

2011-05-29 10:08:40 | 東北地震津浪災害 3.11
津浪の被害を受けるまでは宮城県が日本の種カキの70%を供給していた。海に種カキをつるす時期は夏場であり他県では種苗確保のため奪い合いが起きている。(5月12日SeafoodSource)

日本の海面養殖では竹や木の筏からカキを吊るす。筏を使うことによって海のスペースを3次元利用でき赤潮や病害発生の場合に移動が容易であるためである。しかしながら台風には弱い。宮城県では3月11日の津波でほとんどのカキ筏が沈没または流出した。空の貝殻はワイヤーでまとめられて筏から吊り下げられ海中に浮遊するカキの幼生Spatの付着基盤として利用される。種カキは筏で3か月間吊るされたのち岸に運ばれる。そこで付着基盤から剥がされた貝殻はバスケットに入れて洗浄される。貝殻は単体となり寄生虫の有無が検査される。種カキの付着の少ない貝殻は廃棄される。

孵化場でも種カキ生産はおこなわれる。日本の場合ほとんどが宮城県と広島県の種カキに頼っている。カキ幼生があるサイズになったら成熟のため海に吊るされる。三重県はカキ成貝の第2位の産出県ンであり毎年7百万個の種カキを宮城に頼っている。種カキの不足から同県では漁業センターで3千万円を投じ種カキの生産に挑戦した。しかし7月までに可能な種カキの数量は20万個にすぎないと三重県海洋資源担当部局はいう。長崎県もまた一定量の生産に挑戦している。岡山県と新潟県は日本第2位の生産県である広島県から種カキを得ようとしている。

日本の養殖業は年間20万トンの生鮮むき身を生産している。しかし、2012年の収穫はこの語のシーズンの種カキの不足により、大幅に減少することが見込まれる。宮城県は米国西海岸に種カキの輸出を行っていた。1970年に始まった10年以上に及ぶカキの病害による斃死によって米国は日本あるいは大平洋カキに転換した。需要の拡大による高値に対応して、ワシントン州のカキ業者はワシントン州立大学の協力を得て独自の種カキ生産を始めた。フランスも日本の種カキは利用していない。日本産の種カキ輸出はわずかであり、種カキの不足は日本国内市場に影響するのみであろう。


スペインのAlmadrabaマグロ漁はクロマグロの'The Cove'か

2011-05-28 00:00:27 | 水産・海洋
地球的規模で食べられ続け乱獲されている大西洋クロマグロの未来が暗いことが巷間叫ばれている。この魚種の自然界からの消滅が大きな脅威となっている。スペイン南西岸のalmadrabaの春は毎年のクロマグロの漁期として有名である。(5月11日UWT)

ここでの漁は同じ場所で同じ方法でキリスト生誕の千年以上前からフェニキア人によって行われてきた。クロマグロが地中海に産卵に向かう回遊を対象にしたものである。毎年の春 Andalusianの漁師は大きく高速で泳ぐ魚群(時には1400ポンドにもなる)を網の迷路の中に追い込む。漏斗状の網が中央のCOPOと呼ばれる場所に魚を向かわせ魚が入ったら網を引き揚げる。マグロは水面に引き上げられ漁師の鋭利なナイフで処理される。魚の鰓は切り取られ、水は血の赤色にかわる。血にまみれた状況は“The Cove“で報じられた、日本の太地のイルカの処理を連想させる。

環境保護主義者らはこの伝統的な漁獲に目をつぶっている。その理由はたぶん毎年の漁獲数が少なく、地元の漁師による漁に限られているからであろう。クロマグロにとっては国際海域における大型漁船による漁獲が大きな問題である。世界中のスシ愛好家のため漁船はクロマグロ資源の大きな部分を台無しにし続けている。Almadrabaについて「最近の漁期はマグロが獲れないこともある」とBarbateの漁業協会の報道担当Marta Crespo女史はいう。

Andalusiaの伝統漁の漁師はマグロ資源が健全であってほしいと願っている。彼らにとってマグロのいない春は考えられない。マグロのいる限り、almadrabaの量は続く。地中海の別の場所では加工母船がマグロを求め、魚に飢えた日本や米国に持ち帰る。コマグロは網に入れられ、餌で太らされ一年以上をかけて蓄養される。この移動式の網は漁船で曳航されて場所を移動できる。また別のマグロは依然延縄で漁獲されている。

中国の漁業禁止はベトナムの主権を侵害

2011-05-27 13:37:40 | 海事
中国のベトナム東海水域における漁業禁止はHoang Sa (Paracel)諸島など東海における複雑な水域でのベトナムの主権を侵害しているとベトナム外務省報道官が発表した(5月15日VNS)

ベトナム外務省報道官 Nguyen Phuong Nga女史は中国がベトナム東海に漁業禁止区域を5月16日から8月1日まで設定と13日に発表したことについて反論の声明文をメデイアの質問に答えて発表した。 この禁止策は中国海南省の海口地方行政府が5月11日ウエブサイトで公開したもので「東海における漁業禁止期間を5月16日12時から8月1日まで設定する」というもので、この対象範囲にはベトナムの海事主権の及ぶ範囲までが包含されている。

Nga女史は改めて「Hoang Sa (Paracel)および Truong Sa (Spratly)諸島は明らかにベトナムの主権に属し、1982年の国連海洋法に基づきその経済水域と司法権はベトナムに帰属する」と発表した。 「中国の一方的な東海における漁業禁止はベトナムのHoang Sa初頭における主権侵害である。経済水域や大陸棚もこれに含まれる」と強調した。ベトナム外務省は中国側と会見し中国の発表に対して強い抗議を申し入れたという。
中国のウエブサイトZhanjiangは5月6日、中国の漁船Leizhou44261がHoad Sa海域において5月5日から25日の間パトロールをおこなうという。このパトロール活動に対して中国外務省は中国側と面会、中国行政府によるHoang Saでのパトロールは島嶼にかかわるベトナムの主権侵害に当たると強調した。

重茂ワカメ、喜びの収穫 船に相乗り、大漁55トン

2011-05-27 11:21:19 | 東北地震津浪災害 3.11
 宮古市の重茂地区で21日、震災後初の漁となる天然ワカメ漁が口開けされた。重茂漁協(伊藤隆一組合長)が漁船の大量流失などを受け打ち出した共同運営方式が初めて実施されたが、55トンの水揚げと大漁スタートとなった。ワカメの生育も良く、震災で大きく傷ついた浜に久しぶりに活気がみなぎった。海の状況が良ければ、22日も行われる。(5月21日岩手日報)
 
漁船数が不足しているため、今回はサッパ船と呼ばれる小型漁船1隻につき数世帯が相乗りし、68隻が出漁。午前5時から3時間制限の漁を一斉に開始した。漁業者は箱眼鏡で海中をのぞきながら長さ3メートルを超えるさおの先に取り付けたかまで根元を刈り取り、船上に力いっぱい引き上げた。
 ワカメが岸壁に水揚げされると、待ちかまえていた組合員の家族らが車座になり不要部分を切り落とす。湯通しすると、鮮やかな緑色に変わり、作業する漁業者の表情もほころんだ。

 相乗りで漁をした同市重茂の漁業伊藤虎男さん(49)は「初めてのやり方だったが、協力してうまく漁ができた」と話し「ワカメは長さ2・5メートルもある立派なもの。よく津波に耐えた。漁師だから、海の上はやはりいい」と充実感に満ちた表情を浮かべた。
 浜で作業を見守った伊藤組合長は「皆生き生きしている。この日を待っていた。共同で船を使ったが、うまくいっているようだ。狙い通り」と目を細めていた。

 重茂地区では、震災前814隻あった漁協所属船が、津波で14隻まで減った。これまでに北海道、秋田など県外から中古船を購入したほか、使えそうな船を回収して修理、新規発注もして約200隻を確保するめどが立った。
 漁船はいったん漁協に集約後、地域ごとに割り当てる。収穫作業などの仕事を分け合い、利益も分配する。

海産物の産出金額が増加     中国

2011-05-26 00:01:33 | 水産・海洋

中国の海洋産業は3.84兆人民元(5900億米ドル相当)を昨年産出、2009年対比で12.8%の増加となった(5月5日TFSND)

今後5年間の海洋産業の成長率は年間20%と期待されると中国国家海洋行政機関による2011年中国海洋開発レポートが伝えている。またこの報告は中国の水汚染と環境の劣化が環境安全に“厳しい状況”を与えていると。水の汚染物質はこの国の環境、経済、社会発展の脅威でありという。

問題の主因は陸に起因する汚染物質と広大な沿岸地域の海水汚染であり、発展した沿海地区が最も影響を受けている。この報告はさらなる環境保護と包括的な海洋生態系の管理システムが必要と指摘している。


バイキングの造船所の航空調査    英国SKYE

2011-05-26 00:00:12 | 我愛船艇
12世紀のバイキングの造船所の調査をする考古学者の支援のため航空調査が行われた。(5月5日BBCNEWS)

ボートの木材、石造りの運河などがLoch nah-Airdeで発掘されている。スコットランド王立古代歴史遺跡委員会RCAHMSがこのほど航空調査を実施した。スタッフは新発見を期待している。海洋考古学者らの協力によりRCAHMSはダイバー調査により残る船や工芸品の発見の可能性について期待している。考古学者はこの現場では何世紀にもわたる海事活動が行われていたと信じている。RCHMSほこの入り江と運河は冬季のボート保管とその建造やメンテナンスに使われていたとみている。

沈船の専門家でもある海洋考古学者のColin Martinは Loch na h-Airdeの調査を続けてていた。「この遺跡によりどのように船が造られたか、また中世の西スコットランドでどのように使われていたかなどたくさんの情報を得ることができるであろう」 「ここと同じような場所はスコットランドのほかの場所にはない」RCAHMSの航空調査のマネジャー Dave Cowleyは過去には海と集落の連結が活発であった。「空撮により海と陸との関係が明らかになり、人々がどのように移動し、交易し、あるいは戦ったかなどが明らかになる」

2009年In 2009 Isle of Skyeで小作人が溝を掘っていて古代の錨を発見した。Graeme Mackenzie(47)はその発見の後, 彼の家から48mのところにある牧草地を掘削機を借りて掘った。溝の底の方からおよそ10センチの錆びた鉄スパイキを発見した。スコットランド国立博物館は錨の一種でバイキング時代から中世まで使われたものであるという。しかし専門家によっても時代判定は難しい。


2,000年前の船を発掘    ローマ

2011-05-25 14:50:01 | 我愛船艇
2,000年前のローマ帝国時代の木造船がローマ近郊の古代の港OSTIAで発見された。この発見は新しい道路建設の際に発見されたもので考古学者から重要なものとして歓迎されている(4月1日IANS/SNT)

この木造船は11m長さで最大規模の船の一つ、発掘場所のOstia Anticaは2500年前に建設されたローマ時代の最初の集落である。船首と船尾部分は見つかっていない。「復元作業は繊細さを要求され、木材の乾燥を防ぐために常に水をかけながら行われる。非常に洗練された技術が要求される」と考古学者のAnna Maria Morettiはいう。

この船の発見は地表から4mの深さで、沿岸都市のOstiaから漁港Fiumicinoを結ぶ道路建設の際に見つかったもので、Fuimichioはローマ空港に近い。文化大臣の Giancarlo Galan はこの発見を「センセーショナルだ」と評価している。

地震予知にイカは役立つか?

2011-05-25 11:05:58 | 東北地震津浪災害 3.11
多くの人々が犬や猫が差し迫った地震予知に役立つと信じている。ではイカの場合同じようなことを我々に知らせてくれるだろうか?地震とイカとの相関を検証してみよう。(5月10日science2.0)

<2009年カルフォルニアのラホヤで>
小さな地震の時にイカが岸辺に乗り上げることがある。しかし実際にはイカは地震の数日前から浜に乗り揚げる。地震がイカの乗揚げの原因だというのは誇大的な主張である。

<今年の日本の場合>
徳島県の漁師は3月11日の大震災の直前にイカを大漁した。また1995年の阪神大震災の際にも同様であった。このことから関係があるように見える。しかしいろいろ疑問がある。どうして漁師は大漁できたのか?地震お前のたくさんのイカがいただけではないのか?それとも大漁できたほかの理由があったのでは?

そして、本当の疑問は、イカの大漁と地震が真実であったとしてその相関性はどうなのか?この話は逸話的でありあまりにも小さいサンプル数に基づいている。大漁はもっと科学的なほかの理由によるものではないか。
「昨年の水温は平年よりも高温であった。これがイカの卵の産卵を助けたのでは」と研究所のスタッフはいう。研究所は大阪湾と瀬戸内海のイカはオン含水を求めて黒潮に向かって南下するという。また冬季には紀伊半島、四国東北部、兵庫県の淡路島などに集まり、こうした場所での大漁をもたらす。

仮にイカの漁獲と地震に関係性があるとしても、自分は不思議に思う。これが早期予知システムとして利用できるだろうか?大漁の機会は地震のない時にいくらでもある。イカが大漁のときに町や村から避難するコストをうけいれることができるだろうか?徳島から震源に近かった仙台までは600マイルも離れている。イカによる予知は正確ではない。

>>>この記事以外にもたくさんの“イカと地震”の話があり、米国西海岸に多い。

ロシア極東が飲料水を被災地に送る

2011-05-24 14:36:51 | 東北地震津浪災害 3.11
ロシア極東船舶会社FESCOの船が瓶詰のミネラルウオーター50トンを積んで水曜日にウラジオストックの港を出港する、とFESCOの広報担当が発表した(5月18日NOVOSTI通信)

マグニチュード9の地震に襲われた日本の東北は、津波に襲われた福島原発で爆発事故も発生した。15,000人以上の人びとが亡くなり、9893人が依然行方不明である。日本政府は被害総額は3100億米ドル以上と推計している。「ウラジオストックの総領事館の説明で地震に被災した人々が飲料水に困っていること、特に幼児に必要ということを知った」とTatyana Kulikovaはいう。
沿海州地区の大企業が32,000本のミネラルウオーターを人道援助として提供、FESCO船社のNikolavによって運ばれるが本船は5月25日に山陰の浜田港に到着の予定である。

底引き網でがれき回収「何年続くのか…」 岩手・宮古港

2011-05-24 00:00:10 | 東北地震津浪災害 3.11
震災からの復興を目指して海に出始めた漁船が、漁場のがれきに悩まされている。潮の流れからか、いったん回収しても再びたまってしまう。岩手県の底引き網漁船団は22日、初めて漁場の一斉清掃に出た。揚がったのは、住宅の床やトタン、ドラム缶……。「いつまで続くのか」と漁師は不安を募らせている。(5月23日朝日新聞)

長さ約6メートルの柱、布団、トタン、小型漁船の一部、畳、ドラム缶、タイヤ……。岩手・宮古港に入った10隻のトロール船団から次々とがれきが陸揚げされた。  用意された高さ1メートル、縦1.5メートル、横2メートル弱のカゴに入れるがれき。多い船は三つ分で、入りきらない大きさの柱や床もあった。  住宅の床(縦2メートル×横4メートル)を回収した第38稲荷丸の長尾弘幸漁労長(41)は「がれきが網に入ると魚が傷ついて鮮度が落ちる。網も破れる。何年続くのか……」。
この日、初の一斉回収に出たのは宮古市と大船渡市の港を拠点とする75トンの底引き網漁船。県底曳網(そこびきあみ)漁業協会の13隻のうち、2隻1組で漁をする12隻すべてが、両市の間の海岸から十数キロ沖合で8時間にわたって作業した。手分けし、魚が逃げやすいようにファスナーを開けた網を数キロにわたって引いていった。

底引き網漁船は、宮古市魚市場が再開した4月11日から、漁をしながら網にかかったがれきも回収している。5月16日からは交代でがれき撤去に専従する船を割り当てた。だが、回収したはずの場所から、再びがれきが揚がる状態だ。  「潮の流れで移動するのか。キリがない」と第1勝運丸の漁労長、三浦清之さん(48)は話す。このため、同協会の漁船は6月末まで、魚市場が休みの日は全船一斉での回収を続けることにした。金沢俊明会長(56)は、「自分たちのことは自分たちでするしかない」。第6欣栄丸の前川貢漁労長(64)も「今はがまん」と語った。

環境省によると、岩手、宮城、福島の被災3県の陸上に残されたがれきは、船舶や自動車を除いて推計で約2490万トン。海のどこにどれだけのがれきがあるのかは不明のままだ。岩手県水産技術センターは、4月11日から漁業調査船の魚群探知機で漁場のがれきを調べている。情報は地元漁協に提供する。

同センターによると、湾内の陸に近い海底に比べて沖合は少ない傾向だが、場所によって多い少ないがあるという。北から南へ流れる津軽暖流の影響で湾では南の方が多いという。  海のがれきは漁業再開の壁になっており、国は、漁業者と専門業者が行う漁場のがれき撤去に対し、助成金を出している。漁業者が自らがれきを撤去する場合は、5人以上での活動に1人1日1万2100円が支払われ、船舶の使用料は大きさに応じて2万1千~9万2500円。燃料代も助成される。 ただ、漁と同時にがれき撤去をして魚を売った場合には助成が出ない。岩手県は、漁港のがれきは9月、漁場は来年3月をめどに全ての撤去を目指す。宮城県は「がれきの量が推定できず時期ははっきり言えないが、できる限り早く撤去したい」としている。

2010年のサケ生産量は10%減少した

2011-05-23 09:12:28 | 水産・海洋
ロシアのカラフトマスの水揚げが精彩を欠いたことで天然と養殖物を合わせた全世界のサケ生産量は2010年は10%減少したと報じられた。これにより養殖物の比率が7割を回復した(5月18日WFT)

2010年のサケマスの世界生産量は270万トンで、前年比で10%減少、ロシアのカラフトマスの不振と日本のシロザケの漁獲減少による。減少は天然物においてで、養殖物は全体の7割を占めた。昨年のサケの生産量は原魚ベースで2,736,800トン、 821,400 が天然1,915,400トンが養殖物であった。この値は過去最高水準の2009年の309万トンに対して11.5%減少となった。

減少の理由はロシア産カラフトマスの水揚げが前年の3分の一まで減少したことによる。2010年の減少は2009年のと対照をなした。米国も同様でサケ生産は全体的に減少、アラスカ南東部でのカラフトマスの漁獲は低迷、しかしプリンス・ウイリアム・サウンドでは堅調であった。

養殖の分野では2010年劇的な変化はなかった。ノルウエーのトラウトは世界最大の産出量であるが漸減、チリーのアトランテック・サーモンは前年と同じレベルにとどまった。専門家によると2012年中盤以降はISAワクチンの効果によって増産が見込まれるであろうと。