ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

日本ワインのリーダー「メルシャン」の新年度事業計画

2017-01-19 19:05:49 | ワイン&酒
2017年1月18日、都内で開催された メルシャン株式会社 の2017年事業計画記者発表会を取材してきました。


メルシャン株式会社 横山 清 CEO

メルシャンというと、“シャトー・メルシャン”ブランドの日本ワインで名前を知られていますが、海外ワインの輸入をはじめ、ワイン関連飲料、焼酎、梅酒などの生産、販売も手がけています。



2017年のメルシャンの事業計画で私が最も注目したいのは、日本ワインへの取り組みです。

1877年に日本に最初に誕生した民間のワイン会社「大日本山梨葡萄酒会社(祝村葡萄酒会社)」(山梨県祝村、現在の甲州市)が、2017年で140周年を迎えます。

明治政府の殖産興業政策により「大日本山梨葡萄酒会社」が設立され、ワインの醸造技術を学ぶため、2人の青年がフランスに派遣されました。

2人の帰国後、ワイン醸造が始まりますが、さまざまな問題から、1886年に会社は解散し、2人はそれぞれの道を進むことになりますが、うち一人が始めた会社が、現在のメルシャンに引き継がれています。




日本のファインワインづくりの歴史は、“シャトー・メルシャン”ブランドの誕生から始まったといわれます(1970年)

“シャトー・メルシャン”シリーズは、「桔梗ヶ原メルロ」「城の平カベルネ・ソーヴィニヨン」「北信シャルドネ」など、名だたる高品質ワインを次々と誕生させ、国際コンクールでの多数の受賞によって、日本のワインの優秀さを世界市場でも知らしめています。
今や、メルシャンは、押しも押されもせぬ日本ワインを牽引するリーダーです。

そのメルシャンが、「大日本山梨葡萄酒会社」設立140年を受け、
“日本ワイン造り140年記念イベント”を、2017年8月31日に、同社が山梨県甲州市勝沼に所有する宮光園にて開催する予定です。
詳細が待ち遠しいですね。

なお、日本ワインの情報発信に向けて、ワインの最高権威であるマスター・オブ・ワイン(MW)の大橋健一さんが“シャトー・メルシャン”のブランドコンサルタントに起用されることになりました。大橋さんの活躍にも期待大ですね。



さて、同社のワイン輸入の事業計画を見ると、2012年以降の日本全体の輸入ワイン市場の伸びを受け、2017年度は10%増(市場全体では2%増)を見込んでいます。

メルシャンが特に注力しているのは、チリワイン「カッシェロ・デル・ディアブロ」です。



チリワインは2015年度の日本の輸入量でナンバーワンとなりましたが、メルシャンでは引き続き、好調に推移しているコンチャ・イ・トロ社の「カッシェロ・デル・ディアブロ」に力を入れ、チリの中高価格帯ワインの強化を継続していく方針です。




新たなプロジェクトとしては、ワイン市場の間口拡大に向けた輸入新ブランドの展開“World Selection Project”があります。
品種と国の組み合わせを提案し、わかりやすくて、品質にもこだわりのある、買いやすい価格のデイリー輸入ワインを提案していきます。

まずは、オーストラリア産シャルドネ(白ワイン)、チリ産カベルネ・ソーヴィニヨン(赤ワイン)が、2017年2月14日に発売されます。

●ワールドセレクション カベルネ・ソーヴィニヨン フロム チリ
〇ワールドセレクション シャルドネ フロム オーストラリア

オープン価格ですが、実売価格は500円前後になるようです。容量は720ml。
試飲しましたが、どちらもクセがなくて飲みやすいタイプなので、普段ワインを飲み慣れていない方の飲みはじめのワインにいいかもしれません。

ワールドセレクションは、今後の展開もまだまだありそうです。



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