2015年の日本の輸入ワイン量(スティルワイン)は、チリ が初めて国別で1位 になりました。
輸入ワイン全体に占める割合も、チリワインは28%となっています。
1990年代後半の第6次ワインブームの時には、安いのにおいしいチリワインが日本のワイン市場を大きく牽引しました。
以来、チリワインは何かと話題になり、ここ10年も連続して伸び続けています。
が、その一方で、価格優先で品質は二の次、というチリワインも多くあるように思います。
ビジネス的にはそれも仕方ないのかもしれませんが、自分で選ぶなら、ある程度の品質水準をクリアしたワインを選びたいものです。
本日取り上げる 「UNDURRAGA ウンドラーガ」も、水準クリアの良質生産者です。
ウンドラーガは、インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション(IWSC)2015で“チリアン・ワイン・プロデューサー・オブ・ザ・イヤー”を獲得していますからね。
7月にヘッドワインメーカーが来日したセミナーに参加し、試飲してきました。
Rafael Urrejola ラファエル・ウレホラさん UNDURAGA Head winemaker
2007年よりウンドラーガに加わり、2013年7月より同社ヘッドワインメーカーに就任。
世界の若手TOP30に選出されている革新的なワインメーカーとして知られています。
ウンドラーガは1885年創業という歴史あるチリの中規模ワイナリーですが、2006年に経営が変わり、新体制となりました。
2007年、新体制下で始まった新しいプロジェクトが、ヘッドワインメーカーのラファエル・ウレホラさんを責任者とした“Terroir Hunter -テロワールハンター”(略称T.H.)です。
チリは南北に長い国土を持つ国で、赤道近くの北部と南極近くでは、気候が大きく違います。
また、東西を見てみると、南極からの冷たいフンボルト海流がもたらす冷たい風の影響が大きい西の海岸沿い、東のアンデス山脈から吹き下ろす風が冷たい山麓部、気温の高い中央部と、こちらも気候がさまざまです。
場所による違いは“気候”だけでなく、土壌もさまざまです。
ラファエルさんの話では、チリをヨーロッパに当てはめると、ポルトガル西部の首都リスボンから北欧のストックホルムやヘルシンキくらいまでの広い範囲に相当するそうです。
ラファエルさんを中心としたテロワール・ハンターのチームは、チリのマイクロテロワールを調査し、それぞれのテロワールにふさわしいブドウを植え、ワインをつくることにしました。
テロワールを探すに当たり、仏ブルゴーニュの“クロ”に近いものを考え、
5ha以下の小区画であり、年間400~1200ケースの生産量、明確な個性があること、をポイントとし、現在は、10の産地から13種のワインをつくっています。
これまでのチリのワインづくりでは、マイポ・ヴァレーやラペル・ヴァレーといった原産地呼称のサブリージョン名を付けるくらいがせいぜいでしたので、ウンドラーガのテロワール・ハンタープロジェクトは非常に画期的な試みでした。
土壌については、ここ10年、チリでも土壌探究の動きがあり、私も耳にしたことがあります。
テロワール・ハンターのワインは、日本にも2アイテム入ってきています。
左)Terroir Hunter Sauvignon Blanc Lyda 2014
テロワール・ハンター ソーヴィニヨン・ブラン レイダ
レイダは海から14kmにあり、冷たい海風の影響で非常に冷涼な産地で、土壌は白亜質。
ハーブ、草、柑橘の皮のビターなニュアンスがあり、最初は少し還元的なアロマでしたが、ミネラルや塩味を感じ、厚みのある果実味、複雑味が口の中で広がります。
左)Terroir Hunter Cabernet Sauvignon Alto Maipo 2013
テロワール・ハンター カベルネ・ソーヴィニヨン アルト・マイポ
アルト・マイポは赤ワインに重要な産地で、地中海気候ですが、アンデス山脈に近い場所は、山から吹く涼しい風の影響を大きく受けます。
複雑味のあるアロマで、味わいにスパイシーなニュアンス、スモーキーさが入ります。濃度があり、テクスチャーしっかりで、カベルネのシュッとした感じがありますが、タンニンがまろやかで、いいバランスです。
どちらも参考上代 各3500円(税抜)。
チリワインにしては少し高めの価格帯に感じるでしょうか。
THの下には、参考上代2000円の「Sibaris シバリス」というシリーズがあります。
シャルドネ(マイポ・ヴァレー)、ピノ・ノワール(レイダ・ヴァレー)に、8月3日に新発売となるカベルネ・ソーヴィニヨン(マイポ・ヴァレー)があり、特にカベルネはまろやかでおいしく、私のイチオシ。
シバリスは優雅なスタイルが特徴で、フードとの繊細なマリアージュを楽しむシリーズということですが、たしかに、これで充分納得いく味わいです。価格的にも使いやすいと思います。
シバリスの下のレンジ 「ALIWEN アリウェン」(参考上代 各1500円) も手軽でおいしく飲めるので、デイリー使いにはアリウェンで充分満足いくと思います。
特に、8月3日新発売のレセルバ・シャルドネ(クリコ&マイポ・ヴァレー)、レセルバ・ロゼ(コルチャグア・ヴァレー)、レセルバ・ピノ・ノワール(カサブランカ&マイポ・ヴァレー)は優秀で、コストパフォーマンスがよく、家庭の食事にも難しく考えずに合わせられると思います。
チリワインは、お手頃な価格帯のワインと、非常に高価なスーパープレミアムワインに関しては注目され、それぞれ需要がありますが、その中間にあるワインは、使い方が難しいといわれることがあります。
家で晩酌するならお手頃チリワインはもってこいだし、ドン・メルチョーやアルマヴィーヴァといったスーパープレミアムチリワインは誰もが飲んでみたい垂涎アイテムですからね。
4000~7000円くらいの価格帯というと、世界中に優秀な競争相手は星の数もある!
「チリワインが好き、って言ったら、ちょっと恥ずかしいかな…」と思ったりする人がいたりと、なかなか難しいものがあるわけですが、数多のチリワインの中で、これぞ!と思う優秀なワインを見つけていくことは、実は楽しいこと では?
そういうワインを見つけてくるインポーターのセンスが問われるところです。
上の画像左の“ファウンダーズ・コレクション カベルネ・ソーヴィニヨン 2012”(参考上代5000円)は、酸とタンニンがキレイで、シルキーで繊細でエレガントな上等な赤ワインでした。
樹齢60年の古木のカリニャンを使った“ヴィーニョ・カリニャン”(参考上代5000円)に興味を惹かれました。なめらかでジューシーで、おいしいです。
シャルドネ60%、ピノ・ノワール40%の辛口スパークリングワインは参考上代1400円と、コスパ大!
上で紹介したウンドラーガのワインは、既存11アイテムに新アイテム6種を加え、2016年8月3日より出荷開始されます。
(輸入元:三国ワイン株式会社)
輸入ワイン全体に占める割合も、チリワインは28%となっています。
1990年代後半の第6次ワインブームの時には、安いのにおいしいチリワインが日本のワイン市場を大きく牽引しました。
以来、チリワインは何かと話題になり、ここ10年も連続して伸び続けています。
が、その一方で、価格優先で品質は二の次、というチリワインも多くあるように思います。
ビジネス的にはそれも仕方ないのかもしれませんが、自分で選ぶなら、ある程度の品質水準をクリアしたワインを選びたいものです。
本日取り上げる 「UNDURRAGA ウンドラーガ」も、水準クリアの良質生産者です。
ウンドラーガは、インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション(IWSC)2015で“チリアン・ワイン・プロデューサー・オブ・ザ・イヤー”を獲得していますからね。
7月にヘッドワインメーカーが来日したセミナーに参加し、試飲してきました。
Rafael Urrejola ラファエル・ウレホラさん UNDURAGA Head winemaker
2007年よりウンドラーガに加わり、2013年7月より同社ヘッドワインメーカーに就任。
世界の若手TOP30に選出されている革新的なワインメーカーとして知られています。
ウンドラーガは1885年創業という歴史あるチリの中規模ワイナリーですが、2006年に経営が変わり、新体制となりました。
2007年、新体制下で始まった新しいプロジェクトが、ヘッドワインメーカーのラファエル・ウレホラさんを責任者とした“Terroir Hunter -テロワールハンター”(略称T.H.)です。
チリは南北に長い国土を持つ国で、赤道近くの北部と南極近くでは、気候が大きく違います。
また、東西を見てみると、南極からの冷たいフンボルト海流がもたらす冷たい風の影響が大きい西の海岸沿い、東のアンデス山脈から吹き下ろす風が冷たい山麓部、気温の高い中央部と、こちらも気候がさまざまです。
場所による違いは“気候”だけでなく、土壌もさまざまです。
ラファエルさんの話では、チリをヨーロッパに当てはめると、ポルトガル西部の首都リスボンから北欧のストックホルムやヘルシンキくらいまでの広い範囲に相当するそうです。
ラファエルさんを中心としたテロワール・ハンターのチームは、チリのマイクロテロワールを調査し、それぞれのテロワールにふさわしいブドウを植え、ワインをつくることにしました。
テロワールを探すに当たり、仏ブルゴーニュの“クロ”に近いものを考え、
5ha以下の小区画であり、年間400~1200ケースの生産量、明確な個性があること、をポイントとし、現在は、10の産地から13種のワインをつくっています。
これまでのチリのワインづくりでは、マイポ・ヴァレーやラペル・ヴァレーといった原産地呼称のサブリージョン名を付けるくらいがせいぜいでしたので、ウンドラーガのテロワール・ハンタープロジェクトは非常に画期的な試みでした。
土壌については、ここ10年、チリでも土壌探究の動きがあり、私も耳にしたことがあります。
テロワール・ハンターのワインは、日本にも2アイテム入ってきています。
左)Terroir Hunter Sauvignon Blanc Lyda 2014
テロワール・ハンター ソーヴィニヨン・ブラン レイダ
レイダは海から14kmにあり、冷たい海風の影響で非常に冷涼な産地で、土壌は白亜質。
ハーブ、草、柑橘の皮のビターなニュアンスがあり、最初は少し還元的なアロマでしたが、ミネラルや塩味を感じ、厚みのある果実味、複雑味が口の中で広がります。
左)Terroir Hunter Cabernet Sauvignon Alto Maipo 2013
テロワール・ハンター カベルネ・ソーヴィニヨン アルト・マイポ
アルト・マイポは赤ワインに重要な産地で、地中海気候ですが、アンデス山脈に近い場所は、山から吹く涼しい風の影響を大きく受けます。
複雑味のあるアロマで、味わいにスパイシーなニュアンス、スモーキーさが入ります。濃度があり、テクスチャーしっかりで、カベルネのシュッとした感じがありますが、タンニンがまろやかで、いいバランスです。
どちらも参考上代 各3500円(税抜)。
チリワインにしては少し高めの価格帯に感じるでしょうか。
THの下には、参考上代2000円の「Sibaris シバリス」というシリーズがあります。
シャルドネ(マイポ・ヴァレー)、ピノ・ノワール(レイダ・ヴァレー)に、8月3日に新発売となるカベルネ・ソーヴィニヨン(マイポ・ヴァレー)があり、特にカベルネはまろやかでおいしく、私のイチオシ。
シバリスは優雅なスタイルが特徴で、フードとの繊細なマリアージュを楽しむシリーズということですが、たしかに、これで充分納得いく味わいです。価格的にも使いやすいと思います。
シバリスの下のレンジ 「ALIWEN アリウェン」(参考上代 各1500円) も手軽でおいしく飲めるので、デイリー使いにはアリウェンで充分満足いくと思います。
特に、8月3日新発売のレセルバ・シャルドネ(クリコ&マイポ・ヴァレー)、レセルバ・ロゼ(コルチャグア・ヴァレー)、レセルバ・ピノ・ノワール(カサブランカ&マイポ・ヴァレー)は優秀で、コストパフォーマンスがよく、家庭の食事にも難しく考えずに合わせられると思います。
チリワインは、お手頃な価格帯のワインと、非常に高価なスーパープレミアムワインに関しては注目され、それぞれ需要がありますが、その中間にあるワインは、使い方が難しいといわれることがあります。
家で晩酌するならお手頃チリワインはもってこいだし、ドン・メルチョーやアルマヴィーヴァといったスーパープレミアムチリワインは誰もが飲んでみたい垂涎アイテムですからね。
4000~7000円くらいの価格帯というと、世界中に優秀な競争相手は星の数もある!
「チリワインが好き、って言ったら、ちょっと恥ずかしいかな…」と思ったりする人がいたりと、なかなか難しいものがあるわけですが、数多のチリワインの中で、これぞ!と思う優秀なワインを見つけていくことは、実は楽しいこと では?
そういうワインを見つけてくるインポーターのセンスが問われるところです。
上の画像左の“ファウンダーズ・コレクション カベルネ・ソーヴィニヨン 2012”(参考上代5000円)は、酸とタンニンがキレイで、シルキーで繊細でエレガントな上等な赤ワインでした。
樹齢60年の古木のカリニャンを使った“ヴィーニョ・カリニャン”(参考上代5000円)に興味を惹かれました。なめらかでジューシーで、おいしいです。
シャルドネ60%、ピノ・ノワール40%の辛口スパークリングワインは参考上代1400円と、コスパ大!
上で紹介したウンドラーガのワインは、既存11アイテムに新アイテム6種を加え、2016年8月3日より出荷開始されます。
(輸入元:三国ワイン株式会社)
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