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ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

第2回「ボルドー&ボルドー・シュペリュールワイン ソムリエコンクール」決勝課題はこちら

2018-07-26 10:00:00 | ワイン&酒
7月24日に開催された第2回「ボルドー&ボルドー・シュペリュールワイン ソムリエコンクール」の決勝結果はすでに速報でお伝えしました。  → コチラ


優勝 塚元 晃さん(オーベックファン神戸)


コンクール決勝は一般非公開で行なわれ、メディアや関係者のみに公開されました。
気になる審査内容を、詳しく紹介しましょう。



審査は下記の順で一人ずつ行なわれました。 ※名称略

1. 千々和 芳朗(筥崎宮 迎賓館) 2. 塚元 晃(オーベックファン神戸)
3. 紫貴あき(ACADEMIE DU VIN) 4. 佐々木 健太(L’AS) 5. 中島 一希(アピシウス)



課題1
ボルドー&ボルドー・シュペリュールワイン生産者組合の担当者に対し、日本の一般消費者を対象に実施するセミナーについてのプレゼンターションを行なう(日本語、6分)


千々和選手

5名のプレゼンテーションは、それぞれ異なる視点のテーマで行なわれました。
タイムオーバーでしたが、その先を聞きたい!というものもありました。


塚元選手

全員が自らパワーポイントを操作してプレゼンテーションを行ないました。


課題2
4種のワインに関して、品種・ヴィンテージ・ワインのディテールを出来る限り詳しくコメントしてください・(日本語、3分)


佐々木選手

4種のワインはすべて赤です。


千々和選手

審査終了後の解説では、グレートヴィンテージの2010年のもの、ビオディナミのコンセプトでつくられたもの、ボルドーらしくないブドウ品種のもの、なども入っていたそうです。


課題3
ワインミュージアムについて説明しなさい(日本語、2分)


塚元選手


紫貴選手

どこにある? 行き方は? 独特の形の由来は? という口頭試問も入りました。


佐々木選手

ワインミュージアムは「シテ・ド・ヴァン」という施設です。
佐々木選手の回答によると、東京ドームの0.8倍の大きさらしいのですが、真偽はいかに?

私は2年前に行ったことがあり、リポート記事を書きましたので、後で紹介します。


課題4
ボルドー&ボルドー・シュペリュールワイン生産者組合の依頼による30名のワインディナーのコーディネートをする(日本語、3分)



3つのリクエストを加味し、メニューに合わせてワインを提案すること。
1)できる限り多くのAOCをゲストに紹介する
2)銘柄、生産者などを詳細に提案
3)楽しませるアイディアを入れる


中島選手



上がメニューです。読めますか?
ちなみに、「唐柿」は「トマト」のこと。
食事のところにある「玉蜀黍」は「トウモロコシ」。
なかなか難しいですね!

ひとつの料理に対し、1アイテムではなく、複数のアイテムを提案したり、また、人数が30名と多いので、マグナムやダブルマグナムボトルで提供するなど、柔軟な発想、提案が求められました。


課題5
サービス実技(言語は自由、3分)



オーダーから時間が過ぎ、だいぶ待たせているという設定。
グラスはセットされているので、ワインをデキャンタをしてグラスに注ぐサービスを手早く行なわねばいけません。


千々和選手

お客様は外国人2名を含む3名。
サービス途中に英語での質問が3つ入りました。


塚元選手

お客様からの質問は、
ボルドーの赤は自分には少しヘビーなんだけど、このワインはどんな感じ?
2015年のボルドーワイン全体はどんなもの?
この赤ワインと日本のフードとのペアリングを提案して?


佐々木選手

質問されると手が止まってしまう選手が多く、抜栓するだけでタイムアップという選手もいましたが、ワインをグラスに注げたのは佐々木選手ただひとり。


紫貴選手


中島選手

3つの質問に対して、なかなかスムーズに答えられないシーンが多く、英語での質問に対して日本語で答える選手もあり(後で英語で言い直しするように言われた)、苦労の多い課題に見えました。



サービス実技の赤ワイン。
どんな味のワインだったんでしょうか?





審査を終えた選手の皆さん。お疲れさまでした!



表彰式に入場した選手の皆さん。ネクタイの色がボルドーカラーに変わっています!


上位入賞は以下のとおり。

優勝 塚元 晃(オーベックファン神戸)(つかもとあきら)
2位 千々和 芳朗(筥崎宮 迎賓館)(ちぢわよしろう)
3位 紫貴あき(ACADEMIE DU VIN)(しだかあき)




ボルドー&ボルドー・シュペリュールワイン生産者組合 生産者代表のジョナタン・デュクール氏と優勝者の塚元 晃さん。

塚元さんは、今後1年間、ボルドー&ボルドー・シュペリュールワインのオフィシャルアンバサダーを務めることになります。

「コンクールを通して、ソムリエの仕事のあたたかみ、人間味、面白さに気付いた。時間ばかりを気にするのではなく、笑顔とやさしさを主張できるようにしたい。
これから1年間、アンバサダーとして、ボルドー&ボルドー・シュペリュールワインを楽しめるように努力していきたい」と塚元さん。




優勝者の塚元さんと2位の千々和さんにはボルドー研修旅行が贈られます。

「2人をボルドーに迎えられることを楽しみにしている」と、ジョナタンさん。

「今こそ、ボルドー&ボルドー・シュペリュールワインが神秘のベールを脱ぎ、本当のキャラクターが知られますように」と語ったジョナタンさんの言葉に、思わず大きく頷きました。

私も、約2年前に現地を取材し、ボルドー&ボルドー・シュペリュールワインの生産者を訪問したりする中で、ボルドー&ボルドー・シュペリュールワインの柔軟性、多様性、かつコストパフォーマンスの良さを実感したからです。

取材リポートは下記にアップされています。
今回の課題に登場したワインミュージアム「シテ・ド・ヴァン」も詳しく紹介していますので、興味のある方は、ぜひご覧ください。


【ボルドー取材記】本場ボルドーワインの魅力的な生産者たち
https://www.goodspress.jp/reports/65161/

【ボルドー取材記】ボルドーの街中でワイン体験&ワインショッピング!
https://www.goodspress.jp/reports/74994/



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