ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

ボジョレー・ヌーヴォー2015を味わう

2015-11-20 09:40:58 | ワイン&酒
みんなの飲んだ感想を聞き、2015年のボジョレー・ヌーヴォーは良さげ?と想像するも、こればっかりは実際に飲んでみないと、なんともいえません。

そこで、解禁イベントでいくつか飲んできました。

結論から言うと、2015年のボジョレーヌーボーは果実味が濃くておいしい!

50年に一度の出来とか、ここ何年で最高とか、そんな文句は置いといて、飲んで本当においしいと感じました。

2015年のボジョレは収量の点では少なかったですが、夏に気温が高い時が続き、質的にはとてもいいブドウが収穫でき、結果、いいワインができました。

実際に飲んでみると、よくわかります。



まず、色が例年よりも濃く、果実味に凝縮感があり、飲みごたえがあります。


ペットボトルでさえおいしい!



ルイ・ジャドのノンフィルターのボジョレー・ヴィラージュ・プリムール2015に至っては、タンニンがしっかり表現され、カッチリとした骨格を感じ、え?これで新酒?と思うほど、すでに完成されたものになっていました。

ワインによっては、ヌーヴォーらしからぬものも多々見られますね。
クラスが高いものは、タンニンがカッチリ引き締まり、キュッと固い印象でしたが、エレガントさがあります。

それ以外のヌーヴォーも、とても親しみやすいのに、クオリティが高い点がいいですね。
引っかかる点や、気になる独特のバナナ的な風味はなく、キレイでナチュラル。果実味が実に自然で、こういう感じって久しぶりかも?



白のマコン・ヴィラージュ・ヌーヴォーは酸がイキイキとしてフレッシュ!



色々飲んだ中で、私のイチオシは、今年日本に初登場した、アルベール・ビショーの“ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー シャトー・ド・ヴァレンヌ 2015”(3400円)

クリュボジョレーのレニエに近い場所のシャトー・ド・ヴァレンヌ地区で収穫されたブドウからつくられています。この地区は通常はヌーヴォーをつくりません。普通のボジョレーワインを生産します。マセラシオン・カルボニック(MC法)もほとんど行なっていません。
飲んでみると、こっくりまろやかで、ふっくらソフト。若くピュアなみずみずしいワインで、繊細なタッチもあり、エレガント。これはおいしい!



他にもいい出合いがありました。
ホント、2015年はいい年です!



2015年は、ロゼもイキイキとして美味しい!
アルベール・ビショーのボジョレー・ヌーヴォー・ロゼ2015は色がとても濃く、赤いベリーのチャーミングなフルーツの味わいが豊かで、酸味も充分あり、とてもいい出来です。これは、ヌーヴォーとして飲んでいいのかしら?
このロゼは、本当にオススメ!ロゼ好きに捧げたいです。



そういえば、価格の安さを競う話は、今年はあまり耳にしないような?



ヌーヴォーの生産者からの仕出し価格は前年より軒並み上がっているようですが、日本での販売価格は前年と同じに抑えている輸入元もあります。飲む側にしては助かります。

昨日も書きましたが、消費者がワインを飲み慣れてきています。
単に安いというだけのものを求めるのではなく、飲んでおいしいワインを納得した上で買い、じっくりと味わう人が増えてきていますので、クオリティが高いけれどちょっとお高いプレミアムなヌーヴォーが、これからひとつの売れ筋になるように思います。

それでは、どうぞよい週末、連休を!


コメント (2)
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