スペインでは「羊乳」のチーズが多いと【前編】で書きましたが、
22のDOP(Denominacion de Origen Protegia)のうち9つと最も多いのは「牛乳」のチーズ。
ただし、もっと正確にいえば、スペインでは牛・羊・山羊の混合牧畜が行われているので、チーズもこれらの乳をミックスした「混乳チーズ」が多くつくられ、しかも混乳チーズがスペインのチーズ消費量のトップに位置しているのです。
とはいえ、「牛の乳」はチーズ製造の中心的存在ですよね。
牛乳のチーズが多いのは、スペイン北部の「緑のスペイン」と呼ばれている地域。
降雨量が多いため牧草がよく育ちますが、山が多い地域のため(カンタブリア山脈)、牛はあまり移動させることができず、それぞれの地域ごとのチーズがあります。
地中海地域は温暖で乾燥しているため山羊が多いのですが、バレアレス諸島のメノルカ島には150年以上の歴史のある牛の乳のチーズ「マオン」があります。
Mahon Menorca (DOP マオン・メノルカ)
メノルカ島でつくられるチーズはすべて「マオン」と呼ばれます。
マオンも、日本に入ってくるスペインチーズの中ではよく名前が知られているのではないでしょうか?
マオンとは、地中海貿易の経由地だった港の名前です。
塩気を含んだ草を食べた牛の乳には独特の海の潮の風味が出るようです。
長熟タイプには(海上輸送のためらしい)表面にオリーブオイルやパプリカが塗られています。
Queso Tetilla (DOP ケソ・テティージャ)
牛のチーズで人気があるのが、別名「尼さんのおっぱい」のテティージャ。
軟質でふっくらした形は、まさに乳房(Teta)
スペイン北西部ガリシアのチーズで、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼の旅に行くのなら、帰りにはぜひこのチーズを手に入れたいところです。
San Simon da Costa (DOP サン・シモン・ダ・コスタ)
テティージャと似た形のこの牛乳チーズもガリシア産。
涙のようなコロンとした形がかわいらしく、表面はスモークされています。
これも巡礼の旅のお土産にピッタリ!
上)Queso de Vaca 右下) Queso de Cabra
「牛」はスペイン語で「Vaca」なので、牛のチーズは「Queso de Vaca」。
まとめてみると、
Vaca : 牛
Cabra: 山羊
Obeja: 羊
スペインのブルーチーズでは、DOPチーズが2つ、IGP(DOPより制限が緩いもの、地理的表示保護)チーズが1つあります。
産地は、すべてスペイン北部のピコス・デ・エウロパ山脈地域。
フランスのフルーチーズであるロックフォール同様、カビの育成に最適な自然の洞窟があり、海から吹く塩気を含む湿った風がカビを育てます。
Cabrales (DOP カブラレス)
限定された3つの村のみでつくられ、牛乳が中心ですが羊乳製もあり、季節によって山羊乳が混ぜられます。
もうひとつのDOP「Pinon Bejes-Tresviso」 (ピコン・ベヘス・トレスビゾ)も混乳タイプ。
「ピコン」は「刺す」の意味なので、ピリッとしたシャープな味わいが特徴。
カブラレスの方もピリッとした刺激があるものの、濃厚でクリーミーな口当たりらしいので、ぜひ食べ比べてみたいですね。
Queso de Valdeon (IGP ケソ・デ・バルデオン)
バルデオンは、ピコス・デ・エウロパ山脈の南側の支脈の谷の名前。
塩水に漬けたカエデの葉っぱに包まれているのがユニーク。
これは牛乳製です。
スペインでは100種を超えるチーズがつくられています。
各地域それぞれに特徴あるチーズがありますので、スペインを旅する機会がありましたら、ワインだけでなく、各地域のチーズもぜひ探し歩きたいですね。
22のDOP(Denominacion de Origen Protegia)のうち9つと最も多いのは「牛乳」のチーズ。
ただし、もっと正確にいえば、スペインでは牛・羊・山羊の混合牧畜が行われているので、チーズもこれらの乳をミックスした「混乳チーズ」が多くつくられ、しかも混乳チーズがスペインのチーズ消費量のトップに位置しているのです。
とはいえ、「牛の乳」はチーズ製造の中心的存在ですよね。
牛乳のチーズが多いのは、スペイン北部の「緑のスペイン」と呼ばれている地域。
降雨量が多いため牧草がよく育ちますが、山が多い地域のため(カンタブリア山脈)、牛はあまり移動させることができず、それぞれの地域ごとのチーズがあります。
地中海地域は温暖で乾燥しているため山羊が多いのですが、バレアレス諸島のメノルカ島には150年以上の歴史のある牛の乳のチーズ「マオン」があります。
Mahon Menorca (DOP マオン・メノルカ)
メノルカ島でつくられるチーズはすべて「マオン」と呼ばれます。
マオンも、日本に入ってくるスペインチーズの中ではよく名前が知られているのではないでしょうか?
マオンとは、地中海貿易の経由地だった港の名前です。
塩気を含んだ草を食べた牛の乳には独特の海の潮の風味が出るようです。
長熟タイプには(海上輸送のためらしい)表面にオリーブオイルやパプリカが塗られています。
Queso Tetilla (DOP ケソ・テティージャ)
牛のチーズで人気があるのが、別名「尼さんのおっぱい」のテティージャ。
軟質でふっくらした形は、まさに乳房(Teta)
スペイン北西部ガリシアのチーズで、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼の旅に行くのなら、帰りにはぜひこのチーズを手に入れたいところです。
San Simon da Costa (DOP サン・シモン・ダ・コスタ)
テティージャと似た形のこの牛乳チーズもガリシア産。
涙のようなコロンとした形がかわいらしく、表面はスモークされています。
これも巡礼の旅のお土産にピッタリ!
上)Queso de Vaca 右下) Queso de Cabra
「牛」はスペイン語で「Vaca」なので、牛のチーズは「Queso de Vaca」。
まとめてみると、
Vaca : 牛
Cabra: 山羊
Obeja: 羊
スペインのブルーチーズでは、DOPチーズが2つ、IGP(DOPより制限が緩いもの、地理的表示保護)チーズが1つあります。
産地は、すべてスペイン北部のピコス・デ・エウロパ山脈地域。
フランスのフルーチーズであるロックフォール同様、カビの育成に最適な自然の洞窟があり、海から吹く塩気を含む湿った風がカビを育てます。
Cabrales (DOP カブラレス)
限定された3つの村のみでつくられ、牛乳が中心ですが羊乳製もあり、季節によって山羊乳が混ぜられます。
もうひとつのDOP「Pinon Bejes-Tresviso」 (ピコン・ベヘス・トレスビゾ)も混乳タイプ。
「ピコン」は「刺す」の意味なので、ピリッとしたシャープな味わいが特徴。
カブラレスの方もピリッとした刺激があるものの、濃厚でクリーミーな口当たりらしいので、ぜひ食べ比べてみたいですね。
Queso de Valdeon (IGP ケソ・デ・バルデオン)
バルデオンは、ピコス・デ・エウロパ山脈の南側の支脈の谷の名前。
塩水に漬けたカエデの葉っぱに包まれているのがユニーク。
これは牛乳製です。
スペインでは100種を超えるチーズがつくられています。
各地域それぞれに特徴あるチーズがありますので、スペインを旅する機会がありましたら、ワインだけでなく、各地域のチーズもぜひ探し歩きたいですね。