ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

グリド甲州2004(中央葡萄酒)

2006-04-16 22:08:20 | ワイン&酒


本当はこの前のお正月にでも飲もうと思っていたのに、
なぜか開ける機会がなく、長い間セラーで待たせていたのが、
この「グリド甲州2004」(中央葡萄酒)(勝沼)。

いわゆる「甲州」種のぶどうからつくられた白ワインなんですが、
「グリ」、つまり「灰色」という名前が付いています。

これは、「甲州種」は「白ブドウ」ではなく「灰色」ぶどうである、
という考えのもとつくられたからなんです。

たしかに、甲州の皮の色は、グリーン系の白ぶどうの皮の色と違い、モーヴ色。
つまり、ごくごくうすーい、白っぽい紫。

今までは、この色を出さないように、また、甲州の持っている渋みを出さないように、
キレイなスタイルの白ワインをつくってきました。

でも、そうしないで、この甲州の個性を生かしたワインがあってもいいんじゃない?
ということから、甲州本来の持つ個性を引き出した「グリ」のワインがメルシャンから出てきました。
これは2年くらい前だったかな?

このメルシャンの「グリ・ド・グリ」が好評だったことから、
各社でもグリスタイルのワインが出るようになってきたわけです。
私も、メルシャンの「グリ・ド・グリ」はけっこうお気に入り。

この「グリド甲州」も、それに近いものがあります。

ぶどうの果皮に含まれているさまざまなものがワインの中に溶け込んでいる感じがあり、
クリーンな甲州ワインにはない旨味があります。
これが苦手な人は、それを「雑味」と捉えるかもしれないけれど、
私は、ぶどう本来の個性が味わえるグリワインが好きです 

先週末、家で普通の晩ごはんに合わせて飲みましたが、
そんなんでもおいしく飲めてしまうのが、嬉しいじゃありませんか 

コメント
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