拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

猫がイカを食べて脚気になる件

2023-04-11 10:26:32 | グルメ

昨日アップした中華の合成写真の一部に「イカとニンニクの芽炒め」があった。単独で、あらためて掲載しよう。

中華料理の名前は、主要な食材を二つぐらい並べて付けるという。ここで名前に選ばれた食材はイカとニンニクの芽。しかし、写真で分かるとおり、使われてる食材はその二つに限らない。「落選」した中には、キクラゲとニンジンとメンマがある。キクラゲなんかは他の料理では主役の扱いなのに(料理名にその名を冠するのに)、ここでは群衆扱い。さぞや口惜しいことだろう。

実は、一夜明けて、写真を見て、すぐに「イカとニンニクの芽炒め」という料理名が出てきたわけではない。これなんだったけ?と思ったモノが鱗のようなブツブツのあるコレである。

「中華 ブツブツ」でググると「蕁麻疹」がヒットしたりしてなかなか正解が出てこない。食感と味を思い出して、イカだった、と気づいた次第である。フェイントとなったのはまさにその「ブツブツ」。イカは軟体動物であり鱗はない。なのに、包丁で切れ目を入れてわざわざ鱗を作っている。これが正解(イカ)到達への障碍となった。因みに、魚やは虫類の鱗は、体の防御のためにある。もし、防御のために一枚の固い殻で体をおおったら動きが鈍くなる。一枚を細分化して鱗にすれば動きやすくなる。ということだ。なるほどね。鱗のない軟体動物に含まれるのは、イカ、タコのほか、水の中では貝類、陸上ではカタツムリやナメクジなど。軟体動物のデフォルトは貝殻付きであり、イカ、タコ、ナメクジはそれが退化したそうだ。なるほどね。

なーんてことを書こうと思ってたら、BSの動物番組で、小笠原のカタツムリを紹介していた。貝殻のほとんどが退化していてナメクジのようだが、わずかに貝殻が残ってるのでカタツムリだそうだ。その番組の主役はダイオウイカとマッコウクジラ。マッコウクジラがダイオウイカを食べるが、ダイオウイカも大人しく食べられるわけではなく、吸盤の付いた腕で激しく抵抗する(ライオンとヌーの戦いのよう。ヌートバー選手のヌーイングでヌーの大群を思い出すワタクシである。それにしても、鯨って、大人しくプランクトンを食べてるのかと思ったら、ダイオウイカのような大物を食べる種類もあるのだね)。ダイオウイカはダイオウイカで、自分より小さなイカを食べている。われわれに食べられるイカに同情する資格はない。こうやってイカを食べているのだから(今回の記事のジャンルも「グルメ」である)。

西洋には、海にはクラーケンと言うイカだかタコだかのお化けが住んでいて、船を襲うという伝説がある。映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」にも登場する。その大元はダイオウイカだという説があるそうだ。

因みに「猫がイカを食べると腰を抜かす」という。これは、美味しくて嬉しくて腰を抜かすのではなく、具合が悪くなって腰を抜かすのである。タマネギなどと違って猫にとっての毒が含まれてるわけではないが、イカにはビタミンB1を分解する酵素が含まれていて、食べ続けることによってビタミンB1不足になる、だから腰を抜かすのだそうだ。ってことは、イカを食べて腰を抜かす猫は脚気ということになる。

因みの因みに、江戸では町民はひたすら白米を食べていた。だから脚気が多かったという。白米を食べるのは当時グルメの証しだったろう。イカを食べる猫もグルメだろう。すると、今回の結論は、「グルメは脚気になる」である。