拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

自転車泥棒(途中映画を経て、最後は料理の話)

2023-04-04 08:59:25 | グルメ

土日と2日続けて綾瀬駅前から歩いて帰宅したのだが、その綾瀬は23区内での地価の値上がり率が最高なのだという。近く、駅前にタワーマンションが建つのだが、そのマンション価格が9000万円でお手頃だって言って人気が出てるのだそうだ。「9000万円」で「お手頃」と考えるような人種は綾瀬を含む足立区の原住民にはいないはず。今後、綾瀬は、われわれ原住民と新たな移民者の二極化が進みそうである。

その足立区は、犯罪が多い印象で心証が悪かったが、しょぼい犯罪が多く、金額の大きい犯罪はお金持ちが棲息する東京西部に多いという話を裏付けるような話。足立区で一番多い犯罪は、窃盗等を抑えて「自転車泥棒」なんだと。ここで疑問。自転車泥棒には、占有離脱物横領罪のほか窃盗罪も入る。窃盗であっても客体が自転車の場合は別カウントなのだろうか。なお、酔っ払いが乗り捨てた自転車を奪った場合において、酔っ払いがちゃんと場所を覚えていれば窃盗罪が成立し、覚えてなければ占有離脱物横領罪が成立する。また、被害者も飲んで自転車をこいだのだから道路交通法違反の犯人である。だが、それはそれ、自転車泥棒がそのことを主張しても自分の罪を逃れることはできない。

自転車泥棒と言えば、「自転車泥棒」というイタリア映画がある。監督は、ヴィットーリオ・デ・シーカ。見たいと思ったときのために録画をとってあるしリストも作ってある。昨夜は、その鑑賞。作られたのは私が生まれる10年前(戦後すぐの頃。以下ネタバレあり)。仕事のためにどうしても必要になり、ベッドのシーツを質に入れてまでして買った自転車(当時は高価だった)を盗まれた男が、取り返すべく息子と共に街中を探し回る。なんだ、主人公は自転車泥棒ではなくて、その被害者だ。映画「プライベート・ライアン」ではライアンが主人公ではなく、ライアンを探す陸軍大尉(演:トム・ハンクス)が主人公なのと同じだ……と、思ってたら、最後に、主人公自ら自転車泥棒になってしまった。息子の目の前で皆にとりおさえられてFine。救いようのない、オペラ「リゴレット」のようなお話でありました。

関連する話その1。劇中で、父子がなけなしのお金を持って「ピザを食べよう」と言って高級レストランに入る場面がある。で、ピザを注文すると、店の人に「リストランテ(レストラン)ではピザは出さない」と断られる。某合唱団の練習後、神楽坂のリストランテに入ったときも同じことがおきた。思ったのは、ジャポネーゼの私はともかく、イタリア人でも、そのこと(リストランテではピザを出さない)を知らない人がいるんだなー、二極化だなー、ということ(ってことは、上記のタワーマンションが完成した後は、ピザを出さないイタリアンが綾瀬にもできそうである)。

その2。私が小さかった頃、親から自転車を買ってもらったのだが、当時まだまだ自転車は高価だった。だから、私が友達に「自転車を買ってもらったんだい!」と言うと、その友達に「ウソだぁ」と言われたものである。で、その友達を家に連れてって、家の中の板の間に鎮座ましまして、進水式を待つ自転車を見せて、ようやく「ホントだぁ」と言わせたのである。そう、買ってすぐ、しばらく自転車は板の間に飾ってあった。そして、ある日、まだ補助輪を付けたまま、進水式のごとく公道に乗り出したのである。

因みに、足立区のイージマ食堂は、ピザを出す。

キクラゲと豚肉の辛味噌炒めも出す。

今夜はお好み焼きを出そうと思ってる。