麻里布栄の生活と意見

小説『風景をまきとる人』の作者・麻里布栄の生活と意見、加えて短編小説。

生活と意見 (第519回)

2016-02-27 23:46:26 | Weblog
2月27日

ポケットマスターピース「ディケンズ」、出ました。これも抄訳ながら全部新訳で最高です。デイヴィッド・コッパフィールド(今回の表記)、つまりD.C。チャールズ・ディケンズ、つまりC.D。鏡に映った自分の物語ということでしょう。マーク・トウェインが、「まったく笑えない」といったユーモアはたしかにその通りなのかもしれないけど(ペゴティのボタンが何度飛んでもたしかに笑えないけど)、ぜんぜん観念的な表現を使わず、どこまでも日常の言葉で語るそのいさぎよさは両者共通。また、その心の真っ白な感じがダイレクトに伝わってくるところも同じです。半面、両者野心家であることも。ディケンズはその野心家の自分を「大いなる遺産」で完膚なきまでに断罪しています。なんにしても、何度も書いたけど、天才としか呼びようのない不滅の作家。私も「骨董屋」と「我らが共通の友」はまだ読んだことがないのでわくわくしています。ぜひ、読んでみてください。
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