麻里布栄の生活と意見

小説『風景をまきとる人』の作者・麻里布栄の生活と意見、加えて短編小説。

生活と意見 (第360回)

2012-12-31 10:53:41 | Weblog
12月31日


「明暗」を半分読んだところで、先週ひさしぶりにとれた休みに「内田百短編全輯」を一日ですべて読み返しました。至福。ついでに白山の古本屋に出向いて、「内田百創作全輯」を購入。この、姉妹編ともいえる本の存在を知ったのはつい最近です。2冊で、百の「小説」を網羅しています。旧漢字、旧仮名遣いですが、活字が大きく、ゆったりした気分で読めるのがいいです。短編全輯のほうは、学生時代、高田馬場の古本屋で買ったもの。新品同様で2200円。当時の自分には大金でした。

太宰治の第一作品集は「晩年」。百の第一作品集は「冥途」。まさに正しい若さ爆発といったタイトル。若気の至りといえばそうだけど、若い時のほうが生の真実により近づいているともいえる。あとは、早く見切りをつけるか、抜け殻の自分を波に漂わせて生きるか。いずれにしても、そのタイトルの底には、「人間世界のすべてを軽蔑する」という宣言が含まれています。その宣言に、昔も、いまも、まったく同感です。

では、また来週。

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