鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

いままでの路線を大幅に変えた武井咲のプロ根性路線の「ゼロの真実」の成果はいかに

2014-08-12 | Weblog
 TBSテレビの毎週木曜日夜に放送している「ゼロの真実 松本真央」はいま話題の女性科学捜査官を武井咲が主演しているが、その武井咲が出演中にニコリともせずに厳しい表情で役に取り組んでいることに驚かされる。2、3年前に美形タレントで売り出した武井咲が新境地を開拓せんと取り組んだドラマであるのはわかるが、これまでの絶えず微笑を欠かさなかったかわい子ちゃんから一転して、徹底したプロ意識に凝り固まった役に挑戦しているのが面白い。武井咲自身はもちろん、所属事務所にとっても華麗なる挑戦といってよく、タレントの使い捨て時代の生んだ策ともいえそうだ。
 「ゼロの真実」は事故、もしくは事件で亡くなった遺体を解剖する東京都医務監察院に新進の若手女性医務官が登場するシーンから始まる。所員が事務室にやってきて、見慣れぬ女性が壁に向かって倒立している姿にまず驚く。しかもその女性は若いし、美人であるが、ニコリともせずに自らの使命を果たそうとし、所員が打ち切ろうとする解剖作業を徹底して取り組み、難事件を解決に導く。サラリーマン世界のなかで嫌われかねない徹底したプロ意識を見せる主人公、松本真央は孤立しかねないところを真矢みき演じる先輩の女性医務官が救う。
 先週も都下の陋屋で発見された女性のミイラ化した遺体を解剖し、事故として処理しようとする同僚に対し、疑問点を次から次へと発見し、遂には他殺、しかも交換殺人であることを突き止め、事件を解決に至らしめる役をサラリと演じきった。無事に事が終わり、関係者からねぎらいの言葉をかけられてもニコリともせずに淡々と「仕事ですから」と躱すあたり、武井咲はいまどきの若い女性にはありえないキャラクターを見事に演じている。
 武井咲は2、3年前にデビューし、当初から主役をあてがわれ、演じる役はニコニコと微笑みを絶やさない典型的なかわい子ちゃんタレントだった。ただ、期待されたほど人気は出ずに同期の剛力彩芽が相変わらずの地位を保っているのに比べやや精彩を欠いているようにも見えた。
 だから、そうした局面を打開すべく打ち出されたのが今回の徹底したプロ意識に目覚めた真プロ路線だったのだろう。画面に登場する最初から最後まで一切の微笑をカットして、常に怖いというか、厳しい表情で役に取り組んだ。いままでの微笑路線とは一線を画した役つくりで、いままでの武井咲だったら想像もできない役にファンは驚くと同時に衝撃を受けるこてゃ間違いない。
 それほどまでして、武井咲の路線を変えさせたのは何だったのか。一人のタレントの生命を左右することなど事務所なり、マネージャーにとってはごく当たり前のこよなのかも知れない。この大胆ともいえる路線変更の結果がどうなるか、いまのところ出てはいない。いままでのテレビドラマの成否を占う視聴率で見る限り、それほどいい結果が出ているとは言い難い。
 武井咲はまだ21歳とテレントとしては走り出したばかりで、まだまだ長い役者生命を考えると、この先どういう路線を歩んでいけばいいのか、描きにくくなったのは間違いないところだろう。そんな一タレントのタレント人生を顧慮しているほどの余裕がないのがいまのテレビ界といえばそれまでなのだろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする