鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

会場内の雰囲気に呑まれたのか、つい気に入った絵画を購入してしまった

2014-02-03 | Weblog
 2日は東京・水道橋の後楽園ドームで幕開けした「テーブルウエア2014」に行った。時々行っているが、初日に行ったのは初めてで、午前11時開場すぐに行ったところ、会場を取り巻くように入場者の列が延々と続いており、雨の中20分近く待ったうえで、入場できた。入場料2000円(前売り1700円)も払って、並ばされるのも業腹だったが、帰るわけにもいかず渋々列についたが、中に入ってみるとそれほどの混雑でもなく、入場の際の荷物チェックに時間がかかったため、と思われた。
 まず入口脇にあった「Style of New York」の米国風テーブルセットの展示を見たあと、会場内でランチを摂って、主催者展示ブースから順番に見て回った。岐阜県土岐市の「どんぶり百選」で気に入った丼を3点ばかり購入し、東京都内にある窯という「とうしょう窯」で皿、伊万里焼きの四角い皿を買った。初日とあってよくて価格の安いものが多い様な気がした。最後に会場の外野フェンス沿いにある絵画コーナーをぶらついた。いつもはほとんど人もいなくてちょっと見ようものならすぐに店員につかまってしまうので気がひけてしまうのに、これも開催初日のせいか結構人がたかっていて、じっくりと見られた。なかで、版画家の棟方志功の天女を描いた版画が目を魅いた。
 その作品はいかにも棟方志功らしいふっくらとした天女を描いた作品で、見るものをほんわかとさせてくれるような心温まるようなものだった。以前から棟方志功の作品はいつか家に飾りたいとは思っていたが、価格が1枚当たり100万円前後していたので、とても手が出るようなものではなく、諦めていた。それが半値の50万4000円と表示されていた。最近の相場も調べていなかったので、それが安いのか、高いのかわからなかったが、ちょっと交渉してみる価値はあるような気がした。
 そこで、寄ってきた店員に聞くと、「お手伝いで詳しいことはわかりませんので」と言って中年の男性を連れてきた。聞けば、棟方志功の新作で、絵から起こした版画だ、という。額縁の裏には連番が打ってあり、「194番」と書いてあり、240刷ったなかの1枚だ、という。なんでも棟方志功には息子さんが2人おり、そのうちの1人が権利を持っていて、父の残した絵を新たに版画にしたものだ、という。棟方志功の作品は東急百貨店が一切の権利を持っていて管理している、ともいう。で、肝心の値段は20~30%方安くなる、というので、向こうの言い値で、即買うことに決めた。
 手続きをすると、出店していたのは東京・日本橋にあるF画廊で、なんと応対してくれていた人はその画廊の社長さんだった。トップ自ら出品しているすべての作品について講釈できて、価格交渉をするというその気合いに飲まれてしまったのかもしれない。
 考えてみれば、ここのところの生活費の1カ月分で即購入を決めてしまったのだから、かみさんからみれば恐ろしいことだったろう。前にも軽井沢の万平ホテルで、見ていた絵を大幅に値引きしてくれたので、すんなり購入したことがあるが、絵の購買というのは勢い、というか、我ながら若干恐ろしいところがある。
 家に帰って、購入伝票をみながらネットで購入した作品の値段をチェックしてみたところ、某大手新聞社系列の会社が購入したのと全く同じ値段で通信販売していたので、それほどサービスしてくれたわけでもないことが判明した。棟方志功の作品が数多く出回り始めたということかもしれない、とも思った。別段損をしたわけではなく、気に入った絵画を購入するにあたって、会場内でのやりとりを楽しんだということになる。ただ、それでも、店頭での表示価格は一体何だったのだろうか、というのが気になった。
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