鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

石破幹事長よ、ご自分なら靖国神社参拝をどうするのか、考えを聞きたいものです

2013-07-28 | Weblog
 28日朝のTBSテレビの「時事放談」に先の参院選に大賞した自民党の石破茂幹事長と前原誠司民主党前政調会長が出演し、当然のことながら参院選の総括から議論に入った。石破幹事長は大勝したものの、だからといって驕ることなく、やるべきことをやっていくと殊勝な姿勢。片や前原氏は素直に民主党の負けを認め、与党である自公への対抗勢力としての地盤固めをしないといけない、と自戒を込めて語るが、肝心の民主党は菅元首相への党員資格停止3カ月の処分を下すなどお寒い状態に迫力がない。
 それで、消費税はの対応など安倍政権の課題などに話題は移っていき、焦眉の問題として安倍首相の終戦記念日の靖国神社参拝をどうするか、という点になったところ、最初に話題をふられた石破幹事長は「安倍首相がどうするかお決めになることだ」と自らの見解を示すことなく、首相の専権事項とでもいいたげだった。安倍首相の靖国神社参拝についてはつい数日前、新聞各紙は自民党の有力筋の情報として、「見送り」と報じていた。石破氏は当然、自民党の幹事長であることから、この有力筋につながるはずと思って聞いていたら、そんな決定は知らない、とでもいいたげだった。
 司会の御厨貴東大教授はちょうど1カ月余前の6月21日付けの読売新聞の「歴史問題 語る」シリーズに登場し、「靖国参拝は体中国関係だけでなく日米関係をも冷却し、アメリカだけでなく中国、韓国から戦前のABCD包囲網のように日本包囲網を作られてしまう恐れがある」と語って、靖国参拝はしない方がいい、とアドバイスしている。その本人が自らの見解を再度述べることなく、石破幹事長に安倍首相の靖国参拝をどうか、と尋ねるのだから、見ている人は幹事長の政治力を問うているようにも聞こえてきた。
 続いて、前原氏にも聞くと、「そもそも政治家の靖国神社参拝については中曽根元首相の時に少なくとも首相やトップに近い立場にあるひとは近隣諸国への影響を考えて行くべきではないとの取り決めを作った。民主党はそれを尊重してずっと行っていない」と暗に安倍首相もこれを守るべきだ、と論じた。
 これに対して石破幹事長は何も言わなかったが、安倍首相と石破幹事長の関係は参院選の前には幹事長交代の噂が取りざたされることもあり、必ずしもうまくいっているとはいえない状態だった。しかし、参院選の与党の圧勝は幹事長の功績と見る向きが多く、とても幹事長の交代を言い出せる状況にはなくなってしまった。だからといって、安倍首相と石破幹事長の距離が近くなったわけではないようで、靖国神社参拝問題ひとつとっても意思疎通がスムーズに図られているようではないようだ。
 石破幹事長としては前回の自民党総裁選の結果から見ても、心のどこかで安倍首相の次の総裁は自分である、との意識があり、どこかで安倍首相がつまづくような局面がくれば出番となる、と思っていることだろう。もちろん、党の幹事長として自公政権がうまく運営されていくことが一番だ、とは思って安倍首相を盛り立てていかなければならない、と思っているものの、いまや安倍政権のアキレス腱ともありつつある対中国関係をどう立て直していくのか、見えない面がある。そんなところに自ら突っ込みたくない気持ちもあり、「首相がお決めにあんること」との優等生的発言が飛び出したものだろう。
 でもいずれ、石破幹事長も首相になるかもしれないと思っているのだから、ここは自らの靖国神社参拝の姿勢をはっきりと打ち出してよかったのではなかろうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする