鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

甦った亡霊(三浦和義)の背後にあるもの

2008-02-25 | Weblog
 あの三浦和義がサイパンで突如、米国ロスアンゼルス市警によって逮捕された。24日付けのスポーツ各紙はこぞって一面トップで「三浦和義逮捕」と報じ、お固いはずのNHKテレビまでが午後7時のニュースでトップニュースで大々的に報じた。お茶の間向けのワイドショーなら飛びつきそうな話題だと思ったが、NHKまでもが大事件のように報道するのは行き過ぎである。単に素行のよくない旦那が奥さんを殺したというよくある事件で、せいぜい三面記事として片隅に載る程度でいいのに、仕掛けた人もびっくりするほどの反響を呼んだ。
 三浦和義がロスアンゼルス郊外で妻一美さんを射殺したとされる事件が起きたのは1981年で27年前。日米の警察が合同で捜査し、日本の裁判所で殺人とその前に第3者に依頼して実行した殴打事件の2つが争われ、殴打事件については有罪が確定し、殺人事件については最高裁までいって無罪となっている。その後も三浦和義はマスコミ各社に対し、名誉毀損の訴訟を起こしたり、コンビニで万引き事件を起こしたりして、なにかと世間を騒がせている品性芳しからぬ人物である。
 で、世間的には三浦なる人物も事件もすっかり葬り去ったと思っていたのに、サイパンに行った三浦和義がロス市警によって一美さん殺害容疑で逮捕されてしまった。米国には殺人罪について時効というものはないし、事件が起きたのは米国本土なので捜査権はあくまでも米国側にある、という。米国で新たな証拠、もしくは証言が発見されたのか、詳細はよくわからないが、たまたま三浦和義が日本の法治権の及ばないサイパンに出かけたことが命取りとなった。
 事件が日米両国にわたることと、一度日本で無罪が確定した事件が米国で再度蒸し返される、という犯罪史上かつてないこととしてニュースバリューがあったようで、当時三浦和義を追及した捜査官、一美さんのお母さん、それに法科学者らがインタビューに応じていたが、一様に「驚いた」とコメントしていた。
 それにしても世論の関心は一遍にこの問題に集中し、前日までマスコミ各社がこぞって報道していたイージス艦と漁船との衝突事件はどこかに吹っ飛んでしまった。さらには沖縄米軍兵士の少女暴行事件もいつのことだったか、という気になってくる。いずれも米国が関与した事件であり、世論の関心がいつまでも続くと具合いの悪いようなことでも出てきかねない、との判断があった、としても不思議ではない。
 イージス艦については米国から1400億円を投じて購入したもので、これ以上問題がこじれると艦の性能、役割などについて突っ込まれるとまずい、ここはなにか手を打って、関心を逸らそう、と誰かが考えたのではなかろうか。そういえば、いつ切り出してもいい三浦某事件があるではないか、ということにでもいなったのだろう。日本のマスコミ各社の体質を知りぬいた輩が画策した、としたら、いまごろ手を打って喜んでいることだろう。
 米国内でこの三浦和義逮捕がどのくらい報道されているものか知りたいものだ。おそらく、社会面の最下段に小さく出ているか、無視されていることだろう。

追記 25日にサイパン島で始まった三浦和義に対する司法手続きで映像に被疑者、三浦和義が写ったが、その表情にいつものふてぶてしさがなく、緊張した面持ちだった。というのも米国での裁判は陪審員によるものなので、被疑者の態度、状況証拠を陪審員がどう判断するかにかかっている。日本でも100人中99人がクロと持っていたことを考えると、どう見ても三浦和義は有罪となる可能性が高い。それに年齢を考えるともう先を楽しむ余裕はなく、自分の人生は終わり、と悟ったのかもしれない。 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日本語オペラ「黒船」の高い... | トップ | 100年後の大作家に会えた気分 »

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事