鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

安倍首相よ、原発技術協力などとどうしてそんな馬鹿げたことを公然と口にできるのか

2013-06-17 | Weblog
 安倍首相がアイルランドでのG8会議への出席の途上、ポーランドはじめ東欧へ立ち寄り、東欧4カ国首脳との会談し、再び原発技術協力を持ち出した。これまでにも安倍首相はインドなどアジア諸国を歴訪した際にも各国で、原発技術協力を言い出しているが、日本国内でいまだに福島原発の後処理問題に悩んでいるなかで、原発技術輸出を公然と口にするそのセンスに疑問を感じざるを得ない。海外から見て、日本のトップがこんなおかしな発言をし、日本のマスコミもそのまま活字にしてニュースとしているんがどう見られているのか、考えたことがないのだろうか。安倍首相の周辺にそうした目を持ってアドバイスする人はいないのだろうか。
 17日付けの新聞によると、安倍首相はポーランドなど東欧4カ国(ビシェグラード4=Ⅴ4)首脳とワルシャワの旧王宮で会談し、共同声明で、日本は「東京電力福島第1原発事故から得た教訓を共有することで、世界規模で原子力の安全を強化することで貢献する」と再確認した。Ⅴ4各国は日本の原発技術への期待感を表明し、安倍首相も「原子力を含む各分野の高い技術をベースに協力を進めていきたい」と応じ、トゥスク・ポーランド首相は共同記者会見で、「日本は原発や再生可能エネルギーの技術を持ち、Ⅴ4の重要なパートナーになる」と述べた、とも伝えている。
 ここでいう原発技術とは一体いかなる技術なのか明らかではないが、福島原発の廃炉への対応を見ても日本の原発技術が世界の最先端を行っているとは到底思えないし、仮に原発の設備そのものを指すのなら、いまだに日本で原発の再稼働が是とされていないこの段階で、世界に対して原発技術強力を云々するその心境が理解できない。今回も経団連はじめ日本の財界首脳が大挙して同行したとは思わないが、算盤だけをはじいている財界の首脳が安倍首相を焚きつけたのかもしれないが、それにホイホイと乗る安倍首相も相当に頭の軽い人物といわざるを得ないだろう。
 冷静に見て、いま日本の世界に誇れる技術の代表が原発関連技術というのもおかしい。原発に限らず、発電に関する発電機や送配電関連の技術ならともかく、原発についてはすべて米国のウエスティングハウスや、GEからの受け売りにしか過ぎない。そんな技術を輸出するなり、協力するといっても米国に敵うわけがない、と思われる。
 日本にはトゥスク・ポーランド首相の言うように再生可能エネルギーはじめ工作機械や金型、環境、医療関係でいくらでも世界に輸出できる製品なり、技術がいっぱいあるはずである。なのに真っ先に原発技術を持ちだすのはどう考えてもおかしいし、言うべきではないだろう。
 東日本大震災からまだ2年3か月しか経っていないし、いまだに被災者はじめ多くの人がその被害から立ち直っていないのが現状である。なのに被害の元凶である原発技術を世界に対して輸出するというセンスは理解しがたい。何よりも外の世界からそうしたことをぬけぬけと公然と口にする日本のトップ、および日本という国がどう映っているか、をい考えたことがるのだろうか。そうしたことを顧慮せずに記事を書いて、大きく扱っている日本のマスコミもピントがずれている。

追記 18日に自民党の高市早苗政調会長が神戸市での講演会で、「福島原発では1人も死者が出ていない」と発言し、原発被災者の心情をわきまえない怪しからぬ発言である、と物議を醸している。民主党の細野豪幹事長は「政調会長失格だ」と息巻いているほか、自民党のなかにも「あってはならない発言だ」とする声すらあがっている。高市政調会長としては原発の再稼働を図りたい安倍総理の思惑を慮っての勇み足発言であるが、福島原発で直接、放射能被害で死んだ人はいないものの、将来を悲観して自殺した人を含め2次的災害で死に至った人は結構いる、とされており、いまでも被害に苦しんでいる人はいっぱいいる。なのに、福島原発での死者はいない、と言い切る政治家としての無神経さは政調会長はおろか、政治家として失格である。安倍首相もこんな人を要職につけていては長くはない、と見られても仕方ないだろう。
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