選挙の１年も前から公然と選挙活動するなんて許せない公明党

　衆院選が終わったが、選挙前から気になっていることがあった。公明党が街のあちこちに若い女性弁護士のポスターをいかにも衆院選に立候補するかのように貼りまくっていたが、結局立候補せずに単なるイメージだけに終わって、そんなことありか、と思っていたら、選挙が終わっても相変わらず貼ったままだったのだ。山口那津男代表がむくつけき男性なので、それを和らげるためにイメージキャラクターとして貼り出したのか、と思ったほどの美形で、こんな戦術を取るとは公明党もズルイと思ってもいた。
　公明党が神奈川１８区の川崎市高津区の溝の口駅近くの踏切脇のマンションの壁に山口代表のポスターと並んで、「弁護士佐々木さやか、まっすぐ見つめ、まっすぐ進む」と大書してあり、ポニーテール状に髪を後ろに結び、聡明そうににこやかに微笑んでいる若い女性のポスターを貼っているのを見かけたのは９月頃だった。「そうか、総選挙が近くなっているのだ」と思っていたら、街のあちこちにそのポスターを見かけるようになった。ところが、総選挙の日程が決まっても佐々木さやかなる立候補者の名前を新聞で見かけることはなく、公示日になっても結局、立候補しなかった。
　公明党は千葉、神奈川、山梨３県の南関東地区では神奈川６区の小選挙区に独自の候補者を立てているほかはほとんどの小選挙区で自民党の候補者を推薦しており、比例区で５人の候補者を立て、８１万票余もの票を獲得した。選挙戦術に長けた公明党ならではの戦術だったのだろうか。佐々木さやか弁護士のポスターが神奈川１８区以外でも掲出されていたかどうかは定かではないが、比例区での投票になにがしかの効果をあげたことだけは間違いない。
　いまだに公明党以外の党のポスターも掲出されているので、点検したところ、公明党の佐々木さやか弁護士のポスターには選管の「１８区Ｃ」と書いた認証マークは貼ってなかった。選挙期間中に立候補もしないのにいかにも立候補者風にポスターを貼り出すのは公職選挙法違反にはならないのだろうか。公の党がイメージキャラクターとしてだれか立候補もしない人を前面に立てて、ＰＲするのはいけないのではなかろうか。インターネットを使ったネットでの選挙活動が認められないのだから、関係のない第３者を利用して選挙活動するのは認められない、と思われる。
　そう思って、改めて佐々木さやか弁護士のポスターをチェックしたところ、ポスターの下に小さく来年１月２７日に横浜駅西口で政局講演会をする、と書いてあった。つまり、公明党の時局講演会のポスターであったのだろうが、よくよく気をつけてみないとわからない。気になったので、ネットで調べてみたら、なんと来年７月の参院選に神奈川県選挙区から佐々木さやか弁護士は公明党公認で出馬する、と出ていた。すでに決まっていたようだが、選挙の１年も前からいかにも衆院選に出馬するかのように装って名前を売ることなんて許されることなのだろうか。石原慎太郎日本維新の会代表ならずとも公明党は好きになれない党ではあるが、ズルイを通り越した行為といえないだろうか。

追記　この１０日後、用があって神奈川県大和市の中央林間駅近くを歩いていたら、この佐々木さやかの選挙ポスターを見かけた。やはり、神奈川全権下でこのポスターは貼ってあるようだが、選管で問題とはならないのだろうか、とより強く疑問に思った次第。