鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

法廷の勇者も最後に謝罪したことが慰謝料を支払わざるを得なくなった?

2012-12-20 | Weblog
 19日は東京・霞が関の東京地裁へ裁判の傍聴に出かけた。午後2時からの404号法廷に開廷の5分くらい前に行くと、裁判長と書記官はいたものの原告、被告席にはだれもいず、傍聴人も1人いただけで、開廷時刻になっても現れない。被告側が裁判放棄で流れてしまうことはあるかもしれないが、どちらも来ないのは珍しい。5分待って、それでも来なければ他の法廷にでも行こうかな、と思っていたら、双方とも入ってきた。原告側は代理人と夫婦連れ、被告側は被告の若い女性本人のみで、3人が宣誓し、原告側の夫の証人尋問から損害賠償請求裁判は始まった。
 尋問はいきなり証人と被告が知り合ったきっかけについての質問から始まった。パソコン教室に通ううちに知り合うようになり、付き合っていくうちに男女の関係となった、という。被告は最初から証人に妻も子供もあることを承知していたとしていたが、第三者から被告が妊娠して中絶したことを告げられ、その施術代を支払い、警察署にも相談のうえ、謝罪文を書いて署名、捺印し、原告に渡した。被告からは当初、証人に慰謝料として30万円を請求されたが、支払わなかったら、100万円に増額された、という。
 被告は証人に対する尋問もあらかじめ弁護士に相談したうえで、きっちりと自らの言い分を織り込んで証人を追及しく尋問のさまは見事なもので、まるで本職の弁護士のようでもあった。被告尋問でも自らへの尋問事項をあらかじめ裁判所に届け出ているなど何回も法廷を経験したことがあるかのようだった。見た目には可憐な少女といった感じだったが、どうしてどうして心のうちには逞しい女の性を忍ばせていたようだった。法廷でかくも堂々と振る舞えるあたり、とても若い女性がしているとは思えないほどだった。いまだに慰謝料を支払っていない証人のふがいなさに比べ、いまどきの若い女性はしっかりしている、との印象を持った。これではどちらが訴えられているのか、わからなほどだった。
 原告の夫である証人は裁判長から原告とのいまの状況を聞かれ、「なにかあればこの話になってしまい、離婚になってしまう可能性が強い。子供がいるのでなんとかいまの状態が保たれている」と苦しい身のほどををもらしていた。
 ただ、原告に対する尋問で、不倫の事実が明らかとなった時には妊娠していた状態で、精神的なショックから子供の生育がよくなくて、結果的に帝王切開して出産した事実が述べられ、損害賠償請求するに至った理由が半明し、ようやく裁判の実態がわかった。
 最後に裁判長は被告に対し、「慰謝料を支払う気持ちはあるのか」と聞かれ、被告は「原告が妊娠していたとは知らなかった。傷ついているとすれば申し訳なかった」と謝罪の気持ちを表明した。判決は来年2月に行われることになったが、この一言がなにがしかの慰謝料の支払いを決定づけることになった、と思われてならない。
  
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