鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

天皇は国の象徴か

2007-05-23 | Weblog
 天皇陛下ご夫妻がリンネの生誕300年記念式典出席のため、スウェーデンなどに出発した。リンネなど聞いたことのない名前なので、ネットで調べたら、1707年にスウエーデンで生まれた博物学者で、どうして天皇陛下にその招待状が届いたのかよくわからない。出発にあたって、天皇陛下は記者会見し、「これまで52回海外訪問しているが、私的に訪れたことは一度もない」と暗に皇太子夫妻を意識した発言をあえてした。しかし、天皇陛下が一歩皇居の外へ出れば、私的なことなど一切ないのは当たり前で、そんな内々の話を公式にするのはどう考えてもおかしい。
 事の発端は皇太子妃の雅子さんがまた欧州へ出かける予定が云々されていることにある。天皇陛下とすれば、勝手に海外旅行するなんてとんでもないことだ、ということなのだろう。宮内庁か、官邸かが言う通りに国内外で公務をこなしてきた身としては皇太子が自由に振舞うのがカチンときたのだろう。
 しかし、もともと皇族に生まれた以上、生活費のすべてが国民の税金で賄われている以上、本来私的なものはない。ただ、皇居のなかにまで人が来るようなことはなく、皇宮警察ががっちり守っているから、プライバシーは保護され、私的な部分はあるように感じているだけのことである。自ら稼いで、生活に必要なものは自ら買うようなことをしていれば、天皇の私的云々の発言は至当なものといえる。
 今回のスウエーデン訪問についても、リンネ生誕300年記念式典に一体、天皇陛下が出席しなくてはならないものなのか、疑問が残る。スウエーデン政府からの招待状がどこに来て、どういう判断で天皇が行くことになったのか、の説明がまるでない。テレビでリンネといってもそれでわかる人はほとんどいなかったことだろう。そんなマイナーな催しに国民の税金を使うことは釈然としないことは事実である。
 試みに、日本国憲法を開くと、第1条に「天皇は、日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」と規定している。そして、第3条で「天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣がその責任を負う」としている。正確には皇太子の場合はどうだ、との規定はなく、天皇に準ずる、ということののだろう。もし、皇太子の行動まで縛るというのなら、それこそ憲法改正が必要になってくることだろう。安倍首相の憲法改正には皇室に関することは想定していないことだろう。
 折角、国民投票法まで作るのだから、皇室のことまで考えてやればいい、と思うのだが、頭の固い安倍首相はそこまでとても考えられないだろう。
 
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2 コメント

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Unknown (Ath)
2007-05-24 15:37:57
まずはスウェーデンが世界に誇る大科学者であるリンネのことも知らないご自分の教養のなさを恥じては如何でしょうか。
欧州は共産圏と違って伝統的権威を重んじる地域です。欧州に於いては我が国の天皇家の権威はむしろ国内以上に理解されています。そのような両陛下がリンネにまつわる式典に参列されると知り、誇り高いスウェーデン国民は大いに満足し、日本国民に対し親近の情を抱くことでしょう。
ただ伝統的権威と言うものの価値は分かる人には分かる、分からない人にはとことん分からないものですから、あなたが堂々と、伝統的権威など無価値であると仰られるなら、それもまた一つの価値観だと思います。
ただ、なぜ招待状が届いたのかよく分からないとか、そんなマイナーな催しに云々とか、スウェーデン国民に対する失礼な物言いだけは、日本人として恥ずかしいので慎んでいただきたいと思います。何とぞよろしく。
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Unknown (kora)
2007-06-18 11:19:29
ご自分の知識のない事は全て無価値と思ってしまうような考えでblogを書いていても誰も寄ってきませんよ。
こういう場所で一国の皇帝、王と言う人が、堂々と学問の真髄を語られると言う凄さが見えないのならそれはそれで結構です。
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